トップ > 関西館 > 関西館のイベント・展示会情報 > 【小展示】人をサポートするロボット-医療・福祉用ロボット

過去の展示

【小展示】人をサポートするロボット-医療・福祉用ロボット

平成18年11月17日(金)~平成19年1月31日(水)
(於:関西館地下1階大会議室前ロビー)

今回は「人をサポートするロボット」というテーマで、博士論文、文部科学省科学研究費補助金研究成果報告書等をご紹介します。当館は調査研究に役立つ参考図書、国内官庁出版物に加えて、利用の多い和図書・和雑誌、洋雑誌や科学技術関係資料も所蔵しており、また、アジア資料も重要なコレクションの一つです。この展示が、皆さんに当館の資料の広がりを感じていただくきっかけとなれば幸いです。

  • 展示に使用した資料をご紹介しています。
    書名 / 著者名・出版事項 【国立国会図書館の請求記号】(論文記事等)

このページの先頭へ

1 はじめに

ロボットと聞くと、みなさんはどんなロボットを思い浮かべますか?二本脚で歩くロボット、ペット型のロボットなど様々でしょうが、鉄腕アトムを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。ロボット研究者の中には、ロボットに興味を持ったきっかけに、漫画『鉄腕アトム』の影響を挙げる人が少なくありません。
漫画の中ではアトムは2003年に誕生しますが、2006年現在、アトムのようなロボットは未だに完成していません。しかし、かつては空想の産物であったロボットは、これまでの研究により、産業用機器、あるいはペット形のような、人型ロボットとは異なる形の製品も含めて、次々と開発、実用化されています。そして、今やこうしたロボット技術は、社会問題を解決するための重要な手段にもなっています。
この展示では、ロボットが空想や娯楽だけのものではなく、「人をサポートするロボット」として、生活に密着する部分で実現されつつあることを実感していただきたいと思います。

  • 鉄腕アトム大図鑑 / 手塚治虫著 コミックス 1993 【KC486-E397】
  • 日経ビジネス / 通号1186号 2003.4.7 日経BP社 【Z4-260】
    (p.84~86 技術&イノベーション--市場創造 生活支援ロボット 人と暮らす現実の「アトム」)
  • 鉄腕アトム (タイ語タイトル:เจ้าหนูปรมาณู) 【Y745-T20】

このページの先頭へ

2 人をサポートするロボット

ロボットの実用化が始まった当初は、工場内で稼動する産業用ロボットが主流でしたが、現在は生活のさまざまな分野で人間をサポートする、次世代ロボットの研究開発が進められています。生活分野といっても広範囲に及びますが、現在最も注目されているのは、ロボット技術を医療・福祉の分野に応用したロボットです。『ロボット工学ハンドブック』によれば、医療用ロボットには、(1)検査・診断、(2)治療、(3)院内間接作業、(4)リハビリテーション、(5)自立支援、(6)介護支援、(7)医学教育訓練、(8)生物化学支援といった応用分野が挙げられています。
患者の回復を促進するための、正確で安全な治療を行なうロボット、医療従事者の安全を確保するために、感染の危険のある検体検査や放射能の被爆を受けながらの治療を人間の代わりに行なうロボット、高齢者の生活の質を保つために、加齢による身体機能の低下を補うロボット、介護の負担を軽減するための支援ロボットなど、さまざまなロボットの開発に期待が寄せられています。

  • 日本機械学会誌 / 第100巻第944号 1997.7 日本機械学会 【Z16-110】
    (p.750~754 藤江正克:超高齢・少子化社会生活に支援してくれるロボット・メカトロ機器)
  • 日本ロボット学会誌 / 第21号第4号 2003.5 日本ロボット学会 【Z16-1325】
    (表紙 特集 福祉とロボティクス)
  • 悠 / 第19巻第12号 2002.12 ぎょうせい 【Z7-1637】
    (p.111~113 村田光矢:カラーページ科学の目 開発進む福祉ロボット技術)
  • 金属 / 第76巻第1号 2006.1  アグネ技術センター 【Z17-289】
    (表紙 特集 医療・福祉用ロボットの現状と将来展望)
  • 高齢者等福祉用ロボットの標準化に関する調査研究成果報告書 / 日本ロボット工業会 2004 経済産業省委託工業標準化推進調査(社会基盤創成標準化調査)【DL461-H65】
  • ロボット / 通号157号 2004.3 日本ロボット工業会 【Z14-609】
    (表紙 特集 医療支援用ロボット)

このページの先頭へ

3 医療・福祉用ロボット

手術支援ロボット

手術支援ロボットが作り出された背景には、1990年代より普及した内視鏡外科手術が挙げられます。内視鏡外科手術とは、切開した小さな穴から内視鏡と鉗子を挿入し、鏡視下で行う手術です。患者にとっては、身体的負担が少ない(低侵襲)手術として、入院期間の短縮、予後の回復の促進がはかれることで注目されています。患者にとっては負担軽減でも、手術する医師には、小さな切開創から手術をしなければならず、高度な技術に習熟することが求められます。
手術支援ロボットとは、医師がテレビモニターを見ながら、マニピュレータ(手の構造をした装置)を遠隔操作して手術するシステムのことです。操作する医師の動きに対してマニピュレータの動きを縮小して操作し、細かい作業を比較的容易に実現させる技術など、さまざまな技術が開発されています。

  • ロボフェスタ神奈川2001公式ガイドブック / ロボフェスタ神奈川2001 実行委員会 2001 【M131-G215】
    (p.24~25 病院で、家庭で-生命をまもるロボットたち)
  • 図解雑学ロボット / 新井健生監修 ナツメ社  2005 【M131-H168】
    (p.204~205 手術ロボット)
  • 新たな手術用ロボット装置の開発に関する研究 1/2冊 / 垣添忠生 2006 厚生労働科学研究費補助金身体機能解析・補助・代替機器開発研究事業 【Y155-H5815】
  • 腹腔鏡下手術支援用マスタースレーブ一体型ロボティック鉗子の開発 / 中澤和夫著 2005 文部科学省科学研究費補助金研究成果報告書 【Y151-H14550242】
搬送作業支援ロボット

病院でカルテや食事などの運搬を行うロボットです。搬送作業ロボットは、従来から工場で使われていましたが、床面や壁面に走行経路を決めるためのテープが必要でした。現在開発が進められている搬送作業支援ロボットは、超音波センサやレーザレーダを内蔵し、事前に入力された病院内の地図情報をもとにロボットが自分で走行経路を判断して進むもので、ガイド用のテープは不要になり、また障害物を自律的に回避できます。
このロボットは、搬送等の単純で時間や体力を消費する雑用を自動化し、看護師の負担を軽減することで、患者と接する時間を増やして看護の質を向上させることを目的として開発されました。

  • Robot operation / 日経BP社 2004 【YU9-H99】
    (p.24~25 人間の為に)
  • ロボットが日本を救う / 中山眞著 東洋経済新報社 2006 【DL425-H15】
    (p.144~145 食事搬送ロボット:フクちゃん)
  • トコトンやさしいパーソナルロボットの本 / 日高俊明著 日刊工業新聞社  2003 【M131-H23】
    (p.128~129 病院内業務支援ロボットHARO)
ロボット・セラピー

楽しみや安らぎなどを与え人の心を癒すことを目的としたロボットです。日本のアザラシ型のロボットは「世界一の癒しロボット」としてギネスブックに認定されました。感染症やアレルギーの心配もなく、アニマルセラピーと同様の効果を得られるとして、注目されています。猫型や犬型のロボットも出現していますが、身近ではない動物の形のロボットの方が、本物と比較されないために受け入れられやすい傾向があるそうです。

  • メンタルコミットロボットの医療福祉分野への応用に関する研究 / 和田一義著 2004 博士論文:筑波大学 【UT51-2004-N153】
  • Loving the machine : the art and science of Japanese robots / Timothy N. Hornyak著 Kodansha International 2006 【M131-B16】
  • メンタルコミットロボット・パロメディア集 / 産業技術総合研究所 [2005] 【M131-H221】
  • ペット動物の対人心理作用能力のロボットにおける構築 / 中田亨著 2001 博士論文:東京大学 【UT51-2002-A624】
パワーアシストスーツ

パワーアシストスーツは、外骨格型のロボットを人間が装着することにより、力を増幅して作業ができるようにしたものです。パワーアシストスーツを介護者が装着することで、患者の抱き上げなどが容易にでき、負担が軽減できます。また、歩行に障害のある人の歩行支援や、リハビリへの使用も検討されています。このスーツは、介護や福祉以外にも災害時の活動や引越し運搬などの重労働の場でも活躍が期待できます。

  • 大人のための「ロボット学」 / PHP研究所編 PHP研究所 2006 【M131-H212】
    (p.99 人間の思い通りに身体機能を拡張・増幅させる人間と機械の一体化システムHAL)
  • 歩行障害者のための自律・パワーアシスト複合型外骨格歩行支援システムHALの開発 / 山海嘉之著 2002 文部省科学研究費補助金研究成果報告書 【Y151-H12555120】
  • Matsushita technical journal / 第50巻第6号 2004.12 松下電器産業コーポレートR&D戦略室 【Z16-428】
    (p.426~430 藤本弘道、植田慶輔:生体と機械の協調性・親和性を考慮した パワーアシストスーツの研究開発)
  • 超強力サンドイッチ型超音波モータを用いたパワーアシストスーツの実用化 / 遠山茂樹著 2005 厚生労働科学研究費補助金長寿科学総合研究事業 【Y155-H6350】

このページの先頭へ

参考資料

  • ロボット工学ハンドブック / 日本ロボット学会編 コロナ社 2005 【YU7-H2677】
  • パートナーロボット資料集成 / エヌ・ティー・エス 2005 【M131-H207】
  • ロボットフロンティア (岩波講座ロボット学; 6) / 下山勲[ほか]編 岩波書店 2005 【M131-H176】

このページの先頭へ