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びぶろす-Biblos

平成20年1月号(電子化39号)

  • NATIONAL DIET LIBRARY
  • 発行/国立国会図書館総務部


第93回全国図書館大会に参加して

山中 康男

はじめに

 筆者は国立研究所に設置された非公開型の図書館に勤務する者です。今大会には、井上ひさし氏がどう図書館と融合するのか、また図書館を成り立たせるハードウェアについての関心から参加しました。
 大会は平成19年10月29、30日に東京(日比谷公会堂、国立オリンピック記念青少年総合センター)において開催され、「つなげよう未来へ、開こう現在を、図書館は力」をメインテーマに、「文化が集まる、情報が集まる、人が集まる」をサブテーマとしていました。冒頭の塩見(社)日本図書館協会理事長の基調報告では、網羅的に最近の図書館を巡る動きが整理されていましたが、やはり状況の厳しさが増すなかでの図書館運営の大変さが印象的でした。  以下、記念講演、分科会でえた感想をお伝えします。

 (会場初日 ― 日比谷公会堂)
 (会場初日 ― 日比谷公会堂)(クリックすると大きくなります。)

個人の蔵書で図書館が、まちの文化づくりに

 お待ちかねの井上ひさし氏による記念講演は、少し欲求不満に終わったところがあります。時間が短すぎでした。「文化と人を集める」という今回のテーマに促した内容を期待していたのですが。それでも氏の講演は、どうやって図書館に近づき、本を通して何ができるかについてご自身の経験を中心におもしろく聴くことができたのは幸いでした。
 氏は、講演のはじめにいきなり力わざで講演台を前にせり出し、会場から「何があるのだ」とウーゥと沸かせ、観客席に近づいてきたのは驚きと親近感を感じました。講演は現在の「遅筆堂文庫」の紹介からはじまりました。山形県川西町は2万人に満たない農村地域ですが、そこに20万冊を超える図書館があり、しかも劇場と併設して、演劇もあり、講演・講座も催されていると聞くとうらやましい限り。ただ当該の図書館が指定管理者制度で若い人たちが張り切ってやっていると聞くと複雑なものが胸を。途中で当該施設が映画「スウィングガールズ」のロケ先と紹介されましたが、その後はそののりで楽しく聴くことができました。
 氏は、母親から本だけは大切に扱えと云われてきたこと、大学生時代にアルバイトした図書館で「黄表紙」と出会ったこと、そして「黄表紙」はバカバカしい話を書いたものだが、これを読んで江戸時代の苦しい生活のなかで明日はガンバローとして人々の間に広まったのではないか、当時は貸本屋が主力だから印刷は少なくとも何倍もの人に広がっているのではないかと話されていました。言葉を大切に取り扱い、かつおもしろく展開する「井上ワールド」のルーツとも受け取れました。「遅筆堂文庫」発足の生々しい由来、付箋・棒線・書き込みがある蔵書量、資料経費のお話など個人を越えたすごさを感じました。
 講演の全体を通して「本を通して他の人と結ぶ」との氏の思いが伝わったように思えます。ただ、そうした「文庫」の周りでどういうふうに地域が変わってきたのか、のお話を聴けなかったことは少しもったいなかったという思いでした。  

図書館はやっぱり人でもつ

 分科会は、第9「施設委員会」に参加。糸賀教授(慶応)の基調講演は、「『これからの図書館像』を具現化する図書館建築」という題でした。講師は、「レファレンス」の利用者の受け止め方と、あらためての意義を、実例をしめしながら提起していました。ともかく利用者には「司書に聞け」と言いたい、「困ったとき、どうやって情報を探そう」というとき図書館司書を使うという発想が日本にない、と注意喚起し、基本的な権利として全ての人が判断に必要な十分の情報を手に入れることを支援する、これが図書館の役割と職員の意義だ、と強調されていました。講演を聴いて館内レイアウトやサインをデザインする際、図書館員及びデザイナーが、どんな利用者が、どんなふうに図書館をつかってもらうのかの想像力を働かせることが大事とも感じました。
 次いで第17「図書館政策委員会」に参加。谷垣豊中市立図書館長の報告「指定管理者制度導入をめぐる検討経過とその後」が印象的でした。報告者の市は「指定管理者制度は図書館にはなじまない」と2005年に結論したが、サービス内容やシステムの見直しが図書館には求められている。それまで個人のノウハウや長年の慣行として非文書となっていたものが「評価」の対象とされたため、そのための業務が追加され労働強化となっているとも報告されていました。人もお金も削られた分よりサービスをしなければ、との超過負担のスパイラルに陥っているようにも思えました。

60年を迎える支部図書館制度

 2008年には支部図書館制度60周年を迎えることとなります。当館は中央館から約60キロ東上したところにありますが、資料貸借・複写では支部図書館課に大きくお世話になっているところです。また中央館で企画された研修に参加させていただくことで、職員異動があっても図書館員を速成する大きな助けとなっています。外部DB・EJへのアクセス拡大、オリジナル資料の電子的蓄積とその公開など当館も現代的な課題に悩まされておりますが、今後とも支部図書館制度を充実していただいて分館活動の大きな支えとなることを期待しているところです。

 (支部国土交通省図書館国土技術政策総合研究所分館)

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