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トップ > 刊行物 > びぶろす > 平成19年7月号(電子化37号)

びぶろす-Biblos

平成19年7月号(電子化37号)

  • NATIONAL DIET LIBRARY
  • 発行/国立国会図書館総務部


調べること:継続は力なり

秋満 英彦

 昭和62年10月、経済局開発途上地域課から外務省図書館へ異動、図書の目録作成など図書館業務は初体験で、戸惑うこともありました。
 当時はカード目録でしたので、目録規則に則って書誌情報を記載してから何枚ものカードを複写して、手作業で分野ごと配列順に並べていたのを今でも思い出します。

 この頃、当館も国会図書館目録検索用の端末(NOREN)がようやく設置されたばかりで、まだパソコンに不慣れなため、検索方法(コマンド方式)にも戸惑いました。また、この時期、国会図書館の広報ビデオ(国立国会図書館:その役割と機能)を製作する話があり、支部図書館の紹介コーナーで、当館が選ばれました。
 撮影当日は、撮影隊が来館して館内の撮影が行われ、私も撮影カメラと照明を向けられ、国会図書館の検索用端末で、ぎこちなくキーボードを叩いたものです。

 その後、ご存知の通り当館も含めて図書館界は、急激な電算化が開始され、作業の多くはパソコンで行われるようになり、手作業の仕事は少なくなりました。

閲覧室

(閲覧室)

 しかしながら図書館の仕事には、選書やレファレンスのように、長い地道な経験によって開花する職務も存在します。そこで今回、選書やレファレンスについて簡単にお話しようと思います。

 当館での選書の対象となる範囲は、まず国際関係に関する資料やある国や地域に関係する資料です。そして各分野で比重の差はあっても、日本十進分類法(NDC)で説明すれば、まさに総記から文学まで、すべてに関する資料を収集しなければなりません。その次に、国内事情に関する資料を、行政事務に関係するものはもちろんのこと、日本に関する基本的知識を得るためのものを、まさに前述の通り総記から文学に至るまで収集しなければなりません。しかしながら守備範囲があり、それに予算的な制約もあり、優先順位を付けて選書を行わなければなりません。

 この選書とレファレンスとは常に連携されていて、何かを調べているときにあるテーマの特定の資料が未所蔵の場合や、自館の蔵書構成を把握した上で、ある分野の資料が少ないなどと分かれば、常に補填しなければなりません。また、選書を行うことは、執務に必要な資料を網羅的に探すこととなり、様々な資料に巡り合う事で、レファレンスをする上での多くの材料を提供してくれます。更に、選書した資料を自身で目録作成(データベース化)していけば、一冊ごとのイメージ作りが容易となり、レファレンスをする上で、迅速に該当資料を探す手がかりを提供してくれます。その上、目録作成において書誌情報を調べる際、参考文献や引用文献に目を通していけば、選書の判断材料にもなります。

 また、データベースは生き物であり、既存のデータも常に更新し続けなければなりません。件名等の付与は、最初のデータ作成日で終了させるものではなく、レファレンス等で新たな情報が資料から見つかれば、特に外注などによって遡及入力されたデータなどは、順次更新されなければなりません。

 このように、選書・レファレンス・目録作成を常にリンクさせて、各人が系統的に執務を行う方法は、レファレンサーを育成するのに最も効果的だと考えられます。

 本来、レファレンスに対応するための基本として、まず自館の図書や逐次刊行物などの1冊ごとの顔を覚えていかなくてはなりません。私は当館に配属されてから長い年月をかけて、閲覧室や地下書庫の図書や雑誌の目次の確認や年鑑類の巻末資料に、どのような文献が掲載されているのかを、1冊ごとに開いてイメージを脳裏に植えつけていきました。

閲覧室

(閲覧室)

 こうした初歩的なことを実践した上で、更なる上級編とも言うべき、調べる知識を身につける方法(効果的に)をお話します。それには図書館学(図書館学は前提条件です)以外の専門分野を習得することが必須となります。レファレンスをする上で、図書館学以外の専門分野は、必ず身に着けて置かなくてはなりません。そのためには、所属する機関の職務に直結した学術論文(特に、大学教授の直接指導を受ける大学院での修士・博士論文が有用だと思います)を執筆するのが最も効果的です。論文を執筆すると言うことは、執筆するテーマの資料をくまなく収集することが前提となります。こうした情報は、インターネットで調べても取っ掛かりしか与えてくれません。地道に研究分野の論文に掲載された参考文献・引用文献などの資料を収集し、またはレファレンス・ツールを駆使して、テーマの情報を網羅していかなくてはなりません。論文は、資料が集まれば7〜8割は完成したものだと言われています。こうした作業が調べる訓練となり、その後、守備範囲の情報収集の手助けとなってくれます。

 次に、こうした日常の訓練と平行して、自分自身のレファレンス・ライブラリーを長期的な計画の元に構築することを考えました。現在、情報の共有化としてレファレンス・データベースが各機関で製作されており、この事業は非常に有効ですが、個人のレファレンス・データベースと言うべきものも必要ではないかと考え、それを構築するべく自身の専門分野を中心として、系統的に絶版図書・灰色文献などの購入を実践しました。収集したほとんどの資料は、当館未所蔵で更に国会図書館未所蔵の資料も多くあります。

 今ではインターネットの普及で、容易に古書を探せるようになりましたが、しかし、自身の足を使っての古書店巡りは、思わぬ資料に出会うことがあります。それに、有用な資料を自分の手に取って、すぐに内容を確認できる利点もあります。多少、高価な資料でもその場で購入しなければ、また次回などと考えていたら二度とその資料に巡りあうことはないでしょう。何度かそれで苦い経験をしました。

 このように、自身の手にとって内容を確認する作業は、選書においても重要で、定期的に開架式の県立図書館や大型書店などに赴いて、レファレンス・ブックのような資料を確認することはとても重要です。

 これまで述べてきたように、常に守備範囲の資料を手元に置くことで、いつでも必要な情報が確認できて知識を深めることができます。私は知識が膨大化する中で、情報とは何かといつも考えています。『大辞林、第3版』(三省堂、2006)によれば情報とは「ある特定の目的について、適切な判断を下したり、行動の意思決定をするために役立つ資料や知識」となっています。また、ある先生によれば、情報とは「特定の個人もしくはグループのみで共有できる知識である」と言っております。この先生の言葉は、私のレファレンス・ライブラリーを構築する上での指針となりました。いま情報の共有化が叫ばれている中で、図書館員がこれから生き残っていくためには、特定の情報を獲得して、それを生かして自身の顧客を作ることが重要となってきます。そのような事を考えますと、自身の専門分野を中心としたレファレンス・ライブラリーを構築することは、とても重要なことです。

 いつでも様々な先行投資をして、常に図書館員は準備をして置かなければなりません。恐らくこうした準備の多くは、無駄に終るかも知れません。しかし、準備をしている図書館員にしかチャンスは巡って来ません。その意味で、これまで解決できなかったレファレンスもギブアップすることなく、必ずメモや記憶に残して置いてください。今後の更なる努力によって、これまでの未解決の問題の答えが、いつの日か現れて来るかも知れません。

 私のレファレンス・コレクションは、当館の蔵書構成の一部を将来形成する場合に、役立つのではと思って収集したものです。更に、収集の努力を重ね、参考資料としてすべてを寄贈したいと思っています。

(支部外務省図書館)

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