びぶろす-Biblos
平成19年4月号(電子化36号)
- NATIONAL DIET LIBRARY
- 発行/国立国会図書館総務部
- ISSN 1344-8412
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- 支部図書館に関する記事一覧

目次
- 連携・協力への新たなる地平をめざして
- 支部海上保安庁図書館を去るにあたって
- 法律図書館連絡会第49回総会の報告
- アカデミーヒルズ六本木ライブラリーを見学して
- 平成19年度行政・司法各部門支部図書館職員に対する研修について
- 平成19年度専門図書館協議会総会・全国研究集会のお知らせ
- 日誌(平成19年1月〜平成19年3月)
支部海上保安庁図書館を去るにあたって
松澤 和弘
私は、これまで海上保安官として巡視船艇の海上勤務及び管理部門の陸上勤務に35年程携わってきました。ところが平成16年4月期の人事異動で海上保安庁図書館長の内命を受けまったく予想もしていない初めての業務ということで驚きました。4月着任後「海上保安庁図書館長」の他に国立国会図書館長から「国立国会図書館司書を兼ねて任命する」と言う辞令を頂き理解するまで暫く戸惑いました。
図書館業務にもようやく慣れてきたころには、国立国会図書館中央館が実施している司書業務研修にも参加する機会があり、図書館学、目録法、分類法、著作権制度及び資料保存で図書の管理、製本、補修の方法など基本的なことが修得できました。研修中には国立国会図書館中央館の地下書庫に保管の膨大な資料及び歴史と風格がある建物の隅々まで見学させて頂き感激しました。
研修のほか国立国会図書館中央館・支部図書館協議会、同幹事会及び兼任司書会議などの各会議に出席するため、庁舎から国立国会図書館まで国会議事堂の正門で警備に当たっている警備車両や警察官を横目で見ながら銀杏並木を何十回も往復しました。
時々開催していただいた懇親会にも欠かさず出席して、国立国会図書館中央館の皆さんの優しく親切な人柄に支えられ、業務以外にも親睦を図ることができ2年間楽しく過ごすことができました。
図書館業務についても非常によい経験ができ、この経験が残された人生の中で必ず役に立つものと感謝しております。
私が当図書館で携わった業務ですが、年度計画した図書、冊子、雑誌及びCD-ROMなどを購入するため図書案内の収集、見積書の徴収、出版社のホームページ等で調査し購入発議関係書類の作成。各課へ購入した図書の納本作業。図書館システムへ新着図書の登録及び遡及登録作業。この登録ではシステムが古く処理が遅いため苦労しました。表紙がぼろぼろの図書及び背表紙が壊れてばらばらの書誌の製本。レファレンス及び貸し出し等。さらに狭隘な図書館の書棚の配置換え及び資料等の廃棄処分など、結構な業務量でしたが古い資料の中にいるダニなどの虫に食われながらも作業を行い整理整頓ができました。
行政機関の電子化については、当図書館でも平成13年に図書館システムが導入され庁内LANにより図書検索が可能となっておりましたが、コンピュータシステムの進歩は急速で、このシステムでは国立国会図書館中央館が中心となって進めている「国立国会図書館中央館・支部図書館電子化推進基本計画」には機械的に対応できないことから、図書館システムの更新を要求してきましたが、予算的に認められないまま後任者に引き継いだことは非常に残念です。
幸いなことに国立国会図書館ではあらゆる図書及び資料を保存しているうえ、電子化が進みオンライン機能で資料の貸出しがスムーズにできることから、庁内の職員には国立国会図書館の活用を薦めてきました。
当図書館は合同庁舎三号館の11階で西側通路の北側奥に位置しており、会議室の隣になります。事務室24m2、書庫69m2、閲覧室4m2席数4席、書庫には約3万冊の図書及び資料等を保有し、特に海に関する資料として海上保安大学研究報告、海上防災調査研究報告及び海難防止調査研究報告など貴重なものもあります。 利用者は当庁職員が業務に関する調査などのほかに、当庁OBの方々が熱心に投稿や講演される原稿の資料集めのため頻繁にこられましたが、当図書館には応接の場所がないので、閲覧席で接待することになりました。OBで元上司だった方は日ごろから研究熱心で新聞などに投稿しておりましたが、当図書館に資料がない場合は国立国会図書館まで何回も足を運び、私も同行して長い時間一緒になって検索や閲覧の手助けをいたしました。
このとき国立国会図書館支部図書館・協力課の職員とは日ごろから交流がありましたので、勝手なお願いにも親身になって対応していただき本当に助かりました。
当図書館からの景観はすばらしく、皇居では春には桜の花が咲き、初夏から夏には新緑から青葉の最盛期を迎え、秋には紅葉も楽しめます。また、黄金色に輝く銀杏並木とお堀に群れを成して泳いでいる鯉と水面で戯れる白鳥や水鳥を眺めながらの読書や資料閲覧は気分爽快です。ぜひ一度来館してみてはいかがでしょうか。

最後になりますが、今後とも国立国会図書館中央館及び各支部図書館が益々活用されることと皆様方のご活躍を期待しております。
(元海上保安庁図書館)

愛します!守ります!日本の海
