びぶろす-Biblos
平成18年10月号(電子化34号)
- NATIONAL DIET LIBRARY
- 発行/国立国会図書館総務部
- ISSN 1344-8412
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- 支部図書館に関する記事一覧

はじめに
『びぶろす』は、昭和25年4月に創刊し、以後行政・司法各部門の支部図書館と専門図書館の連絡情報誌として今日に至っております。より広い範囲への提供を考え、平成10年8月号で冊子体を停止し、10月から国立国会図書館ホームページで公開しています。刊行形態は異なりましたが、今後も当館、支部図書館および専門図書館の折々の状況を掲載して行きます。
*本誌に掲載された記事を全文または長文にわたり抜粋して掲載される場合は、サイトポリシーをご覧いただき、事前にご連絡ください。
目次
- 内閣府図書館に勤務して
- 国土地理院分館と国土地理院の見学記
- 日本テレビ資料室の紹介
- 平成18年度専門図書館協議会全国研究集会に参加して
- 専門情報機関総覧2006年版刊行のお知らせ
- 国立公文書館特別展「明治宰相列伝」の御案内
- 日誌
内閣府図書館に勤務して
内山りつ子
1.はじめに
私は昭和44年に経済企画庁図書館(現内閣府図書館)に配属となり、平成18年3月定年を迎えました。
私が図書館に配属された当時は、目録カード・貸出票は手書き、検索は冊子体の蔵書目録等紙媒体の資料が主であり、そして他機関の利用は電話での問合せでした。この間に図書館業務も電子化へと大きく変わりました。
内閣府図書館については、昨年退職した、佐々木前館長が「びぶろす−Biblos平成17年7月号(電子化29号)」に載せておりますので、ご覧ください。
2.経済企画庁図書館業務の機械化・電子化
平成元年に新着図書分よりワープロでデータ入力を開始し、順次遡及分のデータ入力を始め、平成6年に雑誌のデータ入力も開始しました。
平成5年に図書館総合管理システム「情報館」ソフトを購入し、ワープロで作成したデータを「情報館」用に変換してデータベース化し、貸出・返却等のカウンター業務を開始し、平成9年には蔵書検索システムをイントラネット形式で庁内に提供、平成16年には霞が関WANに蔵書検索システムを公開し現在に至っています。

カウンター風景

内閣府図書館利用カード

経済企画庁図書館の貸出票
(ノンカーボン2枚複写)
データベース化が進み、従来の図書館業務の中で、大きな比重を占めていた目録カードの作成はなくなりました。1枚の目録カードに、その図書・資料のデータをいかに記載するか、また、そのカードをカードボックスに配列し、蔵書の検索、重複調査などの蔵書の管理に利用するかと苦しんだことが昨日のように思い出されます。
ここで、経済企画庁図書館での目録カードについて記しておきます。
目録カードの作成は、手書きで → 和文タイプライター・英文タイプライターで → ワープロで1枚作成とその作成方法の変更を経た後、「情報館」に直接入力することでその作成は廃止となりました。

手書きの目録カード

タイプライターで作成された目録カード

「情報館」の書誌データ
作成した1枚の目録カードから、分類記号・書名・著者名等を必要枚数分複写して該当箇所に下線を引きカードボックスに配列するという作業は、手間のかかる、正確さも要求される大変な作業でした。目録カードの作成・配列作業がなくなった時は、機械化とはなんと業務の省力化になることかと思ったものでした。
3.省庁再編
平成13年の省庁再編により経済企画庁図書館と内閣文庫が統合し内閣府図書館となりました。再編にあたって、支部内閣府図書館は1つですが、建物が別れていたため、その個別化のための名称が問題となり、通称として、当時は内閣府四号館図書館、内閣府本府図書館と称することとしました。
両館の取りまとめは、四号館図書館が行っているのですが、この通称では、内閣府に図書館が二つある、取りまとめは本府図書館、などの間違いや、混乱を回避するため、現在は内閣府図書館(4号館)、内閣府図書館(本府)と称しています。
内閣府図書館(本府)は再編前は内閣文庫の分室として位置づけられており、蔵書の個別化は内閣文庫の一連の番号で管理されていました。また、データは電子化されていましたが、バーコードは貼付されていませんでした。再編後に(本府)職員が一冊ずつ新登録番号を付与し、バーコード貼付を行い、(4号館)職員がそのデータを変換するというように、両館職員の共同作業でデータベース化を行いました。そして、平成14年に両館のデータベースは内閣府内LANで繋がり、名実ともに一体化となりました。
4.経済安定本部資料の国立公文書館への移管
経済企画庁はその前身である経済安定本部(昭和21年8月に発足)から経済審議庁(昭和27年8月に移行)となり、昭和30年7月経済企画庁となりました。
図書館には経済安定本部から経済審議庁にかけての膨大な資料が保管されていました。当資料はザラ紙に印刷され、劣化が激しくその対応が苦慮されていましたが、平成17年度に、当館での利用は、マイクロフィルムで対応し、原資料は国立公文書館へ移管されました。劣化の激しい貴重な資料を保存環境の良い国立公文書館へ移管でき、胸をなでおろしました。なお、当資料については、『経済安定本部戦後経済政策資料』として、総合研究開発機構(NIRA)戦後経済政策資料研究会編で、日本経済評論社より発行されています。
5.相互貸借について
内閣府の業務は広汎かつ多岐にわたるため、国立国会図書館及び各支部図書館、特に国立国会図書館支部図書館・協力課の方には無理難題をお願いしたことも多く、適切に対応していただき感謝の気持ちで一杯でした。
科学分野での文献は、大学図書館にしかないことが多く、文献複写依頼(コピー代金、郵送費等費用の負担は利用部局)も多くありました。
経済企画庁時代も、また内閣府となってからも、国立国会図書館をはじめ他の図書館を利用させていただくことが多く、相互貸借制度の恩恵をもっとも受けている図書館と思い、感謝していました。
6.終わりに
図書館における業務を振り返ってみて、紙媒体が主であった時代から「機械化」が進められ、「電子化」へと発展してきました。現在では、パソコンにデータ入力を行うことによって、検索、貸出等カウンター業務、蔵書管理、各種統計の採録等総合的に行なわれ、第一次資料においても、電子媒体での発行が増えています。他機関での所蔵資料も机上のパソコンで検索でき、文献の取寄せも可能となっています。しかし、これらのシステムも結局は人が行う作業です。内閣府図書館においても人事異動が激しく、他の部署の業務内容とはかなり異なる図書館業務を担当する上で、戸惑いを感じました。そのような中で、国立国会図書館で行われる「司書業務研修」等の研修はありがたく、また業務を遂行していく上で、身近な支部図書館の方々との交流は心強いものでした。
国立国会図書館、支部図書館の今後ますますの発展を願い「内閣府図書館に勤務して」の文を終わらせていただきます。
(元内閣府図書館)
国土地理院分館と国土地理院の見学記
吉村幸司
平成18年7月14日(金)午後零時、研修参加者17名は、国立国会図書館西口に集合しました。マイクロバスに乗車し、猛暑の中、都内の渋滞を抜け常磐自動車道を北上し、一路つくば研究学園都市にある支部国土交通省図書館国土地理院分館へと向かいました。高速道路のインターチェンジを降りてからしばらく走ると、遠くに白く巨大なパラボラアンテナが目に入ってきました。近づくと、巨人の杯のようなその側面に色文字で「星が伝える大地の動き VLBI 国土地理院」と書かれていました。出発して約2時間、ようやく現地に到着しました。国土地理院の庁舎に入ると研究学園都市という環境も相まって、同院内のアカデミックな雰囲気が、これから内部を見学しようとする者の好奇心を刺激し、その力は移動の疲れを忘れさせるほどでした。

まず、支部国土交通省図書館国土地理院分館の歴史を紐解くと、明治21年陸軍参謀本部に陸地測量部が創設されたことにさかのぼります。同部は終戦により解体されましたが、昭和20年9月内務省の附属機関として地理調査所が設けられ、次に地理調査所が昭和23年7月建設省の附属機関となりました。この時、陸地測量部の図書を基幹として図書館が発足し、翌昭和23年8月に支部建設省図書館の分館となったとのことです。さらに、昭和35年7月には地理調査所から国土地理院へ改称され、名称が国土地理院分館となり、昭和54年3月東京から筑波研究学園都市へ移転、平成13年1月中央省庁再編によって建設省、運輸省、国土庁及び北海道開発庁が統合され、国土交通省が発足したことにより、同院は同省の特別の機関となり、同時に図書館も支部国土交通省図書館国土地理院分館となって現在に至るとのことです。
さて、図書館の内部を見学したところ、全体としてこぢんまりとした印象を受けました。しかし、その蔵書(和図書29,000冊、洋図書16,000冊)を見ると、これまで目にしたことのないような地図と測量に関する内外の専門文献が並べられていました。測量分野の専門図書館、わが国唯一の測量行政機関の図書館としての専門性とその権威の高さの一端を見たような気がしました。その他、われわれがよく目にする市販の地図も収蔵されており、こちらは何か親しみ深い気がしました。
また、内外の学術雑誌については、図書室とは別の情報サービス館の受付け側の専用書架に排架されていました。和雑誌約500種、洋雑誌約150種の学術雑誌が並べられた様は、圧巻でした。


図書館関係の見学が終わると、地図と測量の科学館に向いました。まず、オリエンテーションルームでビデオを使用した説明があり、次に館内を案内していただきました。館内には、眼鏡型の特別なレンズを通すことで立体的な日本地図を見せる仕掛けや、古地図、世界最初の図化機、最新の3Dバーチャルマップ、外には昔使用していた測量用航空機の展示までありました。同館は、地図作成の歴史や地図・測量の有用性等が大変よく分かる仕組みとなっていました。業務上不謹慎ではありますが、私は子どものころ、遠足で訪れた博物館で得たのと似たある種の楽しさを味わう事ができました。見学者に知的な満足感を与えるこれらの展示方法・展示装置は、一般の方々から業務の重要性・有用性についての理解を得る上で大変参考にすべき点が多いと感じました。

全体を通して、専門図書館としての運営の在り方、また、図書館業務とは直接関係ありませんが、業務活動のPR方法や自庁が所管する分野の専門知識を一般の方々へ普及する方法など参考にすべき点が多く有意義な特別研修であったと感じました。
最後になりましたが、帰路それまでの天気とはうって変わって雷雨の中を東京へ向かいました。大自然のかなでる雷鳴の中で、その力は地形をも変えてしまうこともあるだろうと思うと、今しがた耳にした大地の動きという言葉をまさに実感したような気になりました。
(支部法務図書館)
日本テレビ 資料室の紹介
豊島京子
1.沿革
昭和30年代「昼休みに本や雑誌が読めるサロン的な場所がほしい」という強い要望から日本テレビ資料室は誕生しました。当初は番組の制作支援という位置づけではありませんでした。その後、サロン的な性格は薄れ、番組制作のための調べものをする場所として定着していきました。
2004年3月、社の移転に併せて麹町から汐留タワーへ引越しを行い現在に至っています。
2.概要
(1)資料室の役割
資料室の主な役割は、番組やイベントの制作支援です。各番組のスタッフが、番組を制作するにあたって必要な調べものをするために利用します。新聞の縮刷版による過去の記事の検索、人物のプロフィール情報の収集、ロケや取材のためのガイドや地図探しなど、様々な利用があります。また、小説や旅行ガイドなど、番組以外の個人利用としても開放しています。(写真1)
| 所在地 | 〒105-7444 東京都港区東新橋1-6-1日本テレビタワー11階 |
|---|---|
| 交通機関 | JR線・東京メトロ銀座線・都営浅草線「新橋駅」 ゆりかもめ・都営大江戸線「汐留駅」 |
| 延床面積 | 87.33m2 |
| 蔵書 | 約15,000冊(すべて開架) |
| 新聞 |
|
| 雑誌 |
|
| 閲覧席 | 6席 |
| 複写機 | 2台(A3対応機) |
| スタッフ | 社員2名・派遣社員1名(司書) |

(写真1:全景)
(3)利用案内
日本テレビの入構証をお持ちの方に限り利用できます。開室時間は平日10:00〜18:00で、原則としてこの時間帯以外と土日祝日はお休みです。ただし、情報系番組など急を要する場合には「時間外利用申請書」を提出し、許可を得ることで利用が可能です。
利用方法は、受付カウンターにある「入室表」に必要事項を記入して入室します。書籍、新聞、雑誌とも貸出し可能(最新号と禁帯出資料を除く)で、冊数の制限はありません。「貸出票」に必要事項を記入し、受付に提出します。控えのコピーをもらい、その後返却時にその控えを持参し、受付に提出します。貸出しは原則1週間で、1週間を超える場合には、再度貸出し手続きを行います。ただし、取材日やオンエア日など、事前に返却日が決まっている場合にはその日まで貸出し可能です。複写はセルフサービスで、枚数制限はなく無料です。

(4)分類・配架
資料は現在データベース化されていないため、配架図を入口と書架に表示しています。

3.特色
(1)収集資料
各地への取材やロケが多いため、特に旅行ガイドブックや地図は重点的に収集しています。『地球の歩き方』や『るるぶ』は発行されている国と地域についてはすべて所蔵しており、最新版を常時追加しています。また全国の道路地図も多数揃えています。各番組で取材地やロケ地が重なることも多いため、ガイドブックは2冊以上、地図は3冊以上ずつ揃えています。
また、著者がタレントやスポーツ選手である書籍も多く所蔵しています。あるタレントが注目された場合、著書の内容はもちろんのこと、番組内でその書籍の表紙を写したりする場合にも利用されるからです。
また、新聞のうちスポーツ報知だけは現物を月ごとに冊子体に製本し、2001年8月から現在まで保管しています。
(写真2)

(写真2:スポーツ報知の製本)
スポーツ新聞は現物を6ヶ月分保管していますが、1週間ごとにバインダーにファイルして書架に置いています。スポーツ新聞は急を要する利用も多く、必要な紙面の日付をあらかじめ分かっていて探すことが多いので、この方法は、探す手間の大幅な短縮に役立っています。
(2)利用・貸出
番組スタッフの利用で多いのは、歴史的人物の肖像画、模型やCG製作のための動物や人体内部の詳細が載っている百科事典、江戸・明治・大正当時と現在との物価を比較する資料などです。また最近では、番組制作のためだけではなく、個人利用も増えつつあります。ドラマ制作の素材探しとしての資料や、芥川賞・直木賞受賞作品などの小説の収集にも力を入れ、個人読書のニーズに対応しています。
貸出す資料は、書籍、雑誌、新聞です。それらの貸出しには専用バッグとビニールケースを利用しています。(写真3)
- ・書籍/雑誌・・・専用バッグ
-
必要な情報を出来る限り提供できるよう、貸出し数の制限は設けていません。そのため、一度に10冊以上借りる利用者も少なくないことから、持ち運びしやすいようにして紛失や破損を防いでいます。
専用バッグはオレンジ色で目立ちやすく、資料室の場所(11F)がわかりやすく表示してあるので、利用者がバッグを持ち歩き、人の目にふれることによるPRの役割も果たしています。 - ・新聞・・・ビニールケース
- 資料は番組のスタッフルームや現場で利用されますが、そこでは様々な資料が混在しています。そのため、古い日付の新聞が読み終えたものとして誤って捨てられることのないようにしています。

(写真3:専用バッグとビニールケース)
(3)番組撮影・接写
資料室では、月1回程度の接写(近距離で紙面を直接撮影)や番組の撮影が行われます。接写では禁帯出の資料を撮影しますが、特にスポーツ新聞の撮影をすることが多く、テレビ局資料室の特徴であると思います。図書館で調べものをしている場面の撮影にも利用されることがあります。
(4)新着図書・季節行事等の案内
入口に「新着図書コーナー」を設置し、小説を中心に紹介しています。番組制作や各種イベントでの利用だけではなく、個人の読書のための貸出しも増加しています。(写真4)
また、オリンピックやワールドカップなどのイベントや、クリスマス、お花見、花火といった行事に合わせたコーナーを設け、取材やロケに役立つ情報を受付カウンター前のラックで紹介しています。さらに、定期的に「新着情報」を社内掲示板・社内ネットで案内し、「資料室だより」も配信しています。

(写真4:新着図書コーナー)
4.おわりに
資料室におけるデータベース化は、利用者の迅速な情報収集を可能にするために重要なツールであり、実現にむけて準備作業に入っています。また、それは書誌情報検索、実績管理等、資料室運営の効率化に大いに役立つことが期待されます。
現在、利用者が資料を探す際には、その探している事柄について聞き、様々な資料を集め、利用者の求めているものを提供しています。また、必要な情報が見つからない様子の利用者には声をかけるなど、気軽にスタッフに相談できる環境作りを進めています。こうしたレファレンス・サービスは資料室における業務の根幹を成すものであり、今後益々必要となるでしょう。現在、番組制作やイベントなどでは様々な情報ツールが活用されていますが、それでも手作業による制作工程が数多くあります。
資料室においても、ハードとソフトのバランスのとれたサービスを展開していくことが、番組制作やイベントを支援するために重要であると考えています。
(日本テレビ放送網(株)コンテンツ事業局情報ライブラリー部資料室司書)
平成18年度専門図書館協議会全国研究集会に参加して
竹谷喜美江
I はじめに
平成18年6月22日、23日に東京都江東区の日本科学未来館で、平成18年度専門図書館協議会全国研究集会が開催されました。総合テーマは「立ち上がれ!ライブラリアン」。初日に「図書館を使い倒す!」の著者である千野信浩氏の基調講演が行われ、二日目には、5つの分科会が企画されました。プログラムはこちらをご覧ください。ここでは、二日目の第一分科会と第四分科会の内容を、簡単にご報告いたします。
II 第一分科会(午前の部)
第一分科会は二部構成となっており、第一部は「電子情報サービスの現状」として3名の講師によるレクチャーが、第二部は「電子情報サービスの今後」というテーマによるパネルディスカッションが企画されました。午前中は第一部のうち、2名の講師によるレクチャーが行われました。
- 1.J-STAGEによる電子ジャーナルの提供とJournal@rchive(科学技術振興機構 和田光俊氏)
- 科学技術振興機構(以下、JST)では、科学技術情報流通促進事業の一つとして、研究者・研究成果等のデータベースや、研究情報、文献情報などのさまざまなデータベースを提供しています。
- ア J-STAGE
- 研究情報のデータベースのひとつであるJ-STAGEは、学協会のための電子ジャーナルの共同利用センターです。学協会に対して電子ジャーナル出版に必要なハードウェア・ソフトウェアを無料で提供し、学協会誌を容易に電子化できるように、サポートをしています。電子化された論文はインターネットで世界に発信され、誰でも閲覧・検索が可能になります。本文を有料にするか無料にするかは学協会で指定できます。現在約8割は本文まで無料で公開されています。
- 付加機能としては、ID/パスワード等による購読者認証機能、エラータ(正誤記事)の登載、高精細画像、動画や音声データ等の電子付録の添付、全文HTMLによる公開機能、ページ等がまだ確定していない段階での論文の早期公開機能、公開済みの論文を再編纂し、新たな仮想冊子として公開するバーチャルジャーナル機能等が、提供されています。
- 利用統計の報告については、COUNTER(Counting Online Usage of NeTworked Electronic Resources:オンライン情報サービス利用統計の標準化団体)の標準に従ったPDFアクセス数の月例報告が利用機関に配信される予定です。
- また、J-STAGE上で公開されている論文はJSTリンクセンターを経由して、ChemPort、PubMed、CrossRef等、海外の様々な電子ジャーナルサイト上の論文と相互にリンクされます。
- イ Journal@rchive
- 近年、海外では学術雑誌の創刊号からの電子化が急速に進展しています。しかし、わが国では各学協会が単独で過去の学協会誌を遡って電子化することは困難です。このような現状と、学協会からの強い要望を受け、JSTは平成17年度から予算を得て電子アーカイブ事業を開始しました。日本の主要な学術雑誌のなかから、電子アーカイブ対象誌選定委員会にて対象誌が選定され、5年間で500誌を目標にそれらを電子化し、Journal@rchiveサイトにて全文が無料で公開されます。このサイトはJ-STAGEのアーカイブサイトとして、J-STAGEで培われた電子ジャーナル技術を適用させ、引用リンク、被引用リンクや全文検索を実現しており、またJ-STAGEに収録されている最近発行された論文とも相互にリンクづけられています。
- <参考URL>
-
- J-STAGE トップページ http://www.jstage.jst.go.jp/
- Journal@rchive トップページ http://www.journalarchive.jst.go.jp/
- 2.国立情報学研究所の電子情報サービス(国立情報学研究所尾城孝一氏)
- 国立情報学研究所(以下、NII)の事業は、学術情報基盤の整備運用事業(SINET等のネットワーク関連)、学術情報基盤の整備運用事業(総合目録データベース、GeNii[ジーニイ]:学術コンテンツ・ポータル等のコンテンツ関連)、IT人材研修事業(各種講習会等の開催/支援)の三つが柱になっています。そのうち、中心の柱となるのはGeNiiです。
- GeNiiは、これまでNIIが蓄積してきた情報検索サービス(NACSIS-IR)、総合目録データベース(NACSIS-CAT,NACSIS-ILL)、電子図書館サービス(NACSIS-ELS)等の各種情報の再構築と、これから増え続ける情報の効率的な収集・組織化をめざして、平成17年4月から開始された総合検索システム(学術コンテンツ・ポータル)です。利用者は、一括で検索できる窓口から、どのサービスに目的の情報があるのかを意識しなくても、的確なナビゲートで求める情報(コンテンツ)へ誘導されます。
- GeNiiで提供されているコンテンツには以下の種類があります。
- ア CiNii[サイニイ]
- 日本の学協会誌、研究紀要、国立国会図書館雑誌記事索引等の、18,500誌・1,000万論文の論文情報。フルテキストへリンクされているものが2,600誌・270万論文あり、また引用文献、被引用文献の表示も1,500誌・110万論文において可能です。
- イ Webcat Plus[ウェブキャット・プラス]
- 全国大学図書館等の総合目録とその目録・所蔵情報、図書館未所蔵の市販図書の書誌・目次情報、国立国会図書館の所蔵資料(平成18年度以降収録)。通常の検索システムの他に、知りたいテーマのキーワードや文章から適切なキーワードをシステムが探す連想検索システムがあります。
- ウ KAKEN(科学研究費成果公開サービス)
- 1965年以降の科学研究費補助金で採択された研究課題と、研究が行われた成果概要約52万件を収録しています。
- エ NII-DBR(学術研究データベース・リポジトリ)
- 学会、研究者、図書館等が作成する、様々な専門分野の学術的なデータベース27種・150万件を収録しています。
- 以上の4種類のデータベースのうち最初のCiNiiのみ、フルテキストが一部有料のため、それらを利用するためには利用登録が必要となっています。(平成18年夏には原則的に抄録情報までは無料で一般公開する予定です。)
- 利用者層は、大学短大高専の利用者が90%を占めています。トップページのアクセス回数と検索回数による昨年4月からの推移を比較すると、今年の4月、5月にこれらの数値が昨年平均の倍まで急上昇しています。
- 今後の予定としては、平成18年夏には医中誌WebからCiNiiへ、CiNiiから医中誌Webへ、相互リンクを可能にします。また、書誌情報と抄録はGoogleやJ-STAGE等からのクローリングの対象とするなど、多くの外部検索エンジンとの連携を検討しています。
- <参考URL>
-
- GiNiiトップページ http://ge.nii.ac.jp/
III 第四分科会
午後の第四分科会では、「著作権問題の現状と今後」について、2名の講師によるレクチャーが行われました。
- 1.著作権を巡る動向と展望(国立国会図書館 南亮一氏)
- 図書館は、図書、雑誌といった「出版物」を用いて利用者に情報提供サービスを行っています。これらの「出版物」には論文、絵画といった「著作物」が固定されており、それぞれの「著作物」には原則として「著作権」があり、その権利は「著作権法」により規定されています。図書館でサービスを行う場合には、著作権を侵害しないように心がけなければなりません。
- ところで、著作権法には30条から47条までに、著作権者の許諾は不要となる権利制限規定が設けられています。また、著作権の効力を一定期間のみ認め、それ以降の効力を否定する、権利の消滅規定も設けられています。そのため、図書館のサービスはほとんどの場合、上記の二つの規定により、著作権者の許諾なしに行える範囲内でのサービスを行っています。
- しかし、著作権者からの許諾を得なくてもよい範囲での図書館サービスとは、あまりに消極的であり、本来の図書館の業務内容を狭く限定してしまっているといえないでしょうか。
- そのような限定されたサービスしかできない理由としては、わが国では著作権の登録制度が有効に働いていないため、著作権者を特定することが難しいうえに、許諾手続きが煩わしいことが考えられます。
- この問題を解決するために、図書館団体の中からは、権利者団体と協議をし、ガイドライン等の締結等を通して法解釈を拡大しようと試みたり、文化審議会著作権分科会で法改正に向けて取り組んだりという動きが始まりました。数年の努力の結果、平成18年1月に図書館三団体は、当事者協議会での権利者側との合意をもとに、「図書館間協力における現物貸借で借り受けた図書の複製に関するガイドライン」、「複製物の写り込みに関するガイドライン」の策定にいたりました。法改正についても、図書館関係の法改正6項目の要望については見送りになったものの、平成18年秋には特許・薬事関係等の権利制限規定の拡大を含む著作権法の一部改正案が提出される予定です。
- 図書館関係の権利制限拡張についての法改正の検討については、別の検討事項が終わってから着手されるとみられていますので、要望に対するデータ作りや、ロビイング、行政への説得等、関係団体として、数年のスパンをもって、粘り強く要望していくことが必要と思われます。
- 2.学術著作権と機関リポジトリ(愛知大学文学部教授 時実象一氏)
- 科学技術医学分野においては、出版社に著作権を譲渡することが通例のようになっています。しかし、このままでは執筆した論文をオープンアクセスにしようとした場合、煩雑な手続きが必要な上に、場合によっては許諾が得られないこともあります。そのようなことから、オープンアクセス/機関リポジトリの推進者は早くから著者から出版社への著作権譲渡に疑問を唱えています。
- 最近の学術著作権の動きには、以下のようなものがあります。
- ア GNUフリー文書利用許諾契約書(注)
- 指定された「変更不可部分」を除いて、利用者は改変を含めて文書を自由に利用できます。ただし、その派生文書には同じGNU契約が適用されます。
- イ CreativeCommons
- 著作者が著作権を放棄することなく自由な利用を許すことを目的とした仕組みです。スタンフォード大学で開発されました。Creative Commonsの下部組織としてScience Commonsがありますが、こちらはオープンアクセスを支持するとともに、研究ツールの利用促進のための「研究ライセンス」の実現に注力しています。
- ウ 自由利用マーク
- 著作物の自由な利用を促進するために文化庁が提案したもので、著作者が自分の著作物を他人に自由に使ってもらってよいと考える場合に、その意思をマークで表示するものです。
- エ 出版ライセンス方式
- ライセンス方式を採用しているNature Publishing Groupの場合、著者は出版社に対して、出版、複製、頒布、公表、保存、他の言語への翻訳等の排他的ライセンスを与えます。一方、著者は著作権を保有し、複製や抽出物を作成するときは雑誌の出典を明記することを条件に印刷体による著者自身の著作への転載や、冊子体発行の一定期間後、機関リポジトリなどのWebサイトに登載する等ができることになっています。
IV おわりに
総合テーマのとおり、私たち図書館職員が直面している今日の課題をさまざまな観点から取り上げ、これからの専門図書館のあり方を前向きに考え挑戦していくためにはどうしたらよいか、そんなノウハウが得られるような充実した内容の研究集会でした。最後になりましたが、講師の方々をはじめ、企画されたスタッフの皆様に対して、この場をかりて感謝申し上げます。
(注)GNUはUNIX関連のフリーのソフトウエアを開発するプロジェクト。GNUが文書やマニュアルなどの自由な流通を目指して生まれたのがこのライセンスである。
(支部文部科学省図書館)
専門情報機関総覧2006年版刊行のお知らせ

専門図書館協議会の3年毎の大きな事業であります「専門情報機関総覧2006年版」が7月に刊行の運びとなりました。
国内の各種専門情報機関を網羅的に収録したガイドブックとしてさらに内容の充実を図っています。
本書は、1,747の収録機関を地域別機関名の五十音順に排列、公開状況、利用資格、OPAC公開の有無、ホームページURL、E-メールアドレス、利用条件、利用日時、最寄交通機関、蔵書数、スタッフ数、情報資料費、資料室面積、設置年、主な収集分野、Web公開している特殊コレクション自館作成DB、各機関発行の逐次刊行物など多彩な情報が収録されています。
また、主題分野別・重点収集資料別・機関種別・五十音順索引の他、前版のキーワードガイドを拡充し多面的に検索ができるように工夫されています。
巻末には上記記載事項の詳細な統計による専門情報機関運営のための参考データが付されています。
(専門図書館協議会:791pB5判ISBN:4-88130-021-0)
33,600円(税込み)
- 問合先
- (株)紀伊國屋書店和書部
- 電話
- 044(874)9644
- FAX
- 044(829)1027
国立公文書館特別展「明治宰相列伝」の御案内
国立公文書館では、毎年、春・秋の2回、特別展を開催しています。
平成18年秋は、「明治宰相列伝」と題し、明治時代に在任した7人の内閣総理大臣が近代日本国家の形成と確立に果たした役割を明らかにします。
特別展は、歴史資料として重要な公文書等を大切に保存し、利用することの意義を広く理解していただくことを目的に開催していますので、是非多くの皆様に御覧いただきたく御案内いたします。
- 期間
- 平成18年10月7日(土)〜26日(木) 土・日曜日も開催
- 時間
- 午前9時45分から午後5時30分まで
- ただし、木・金曜日は午後8時まで
- 講演会
- 平成18年10月14日(土)午後2時から
- 「明治の首相のリーダーシップ」−富国強兵は達成されたか−
- 講師
- 御厨貴 氏(東京大学先端科学技術研究センター教授)
- 事前申込み制・平成18年9月29日(金)必着、応募多数の場合は抽選
- (ポスター参照)
(入場は無料)
- 会場
- 国立公文書館
- 住所
- 〒102-0091
- 東京都千代田区北の丸公園3-2
- TEL
- 03-3214-0621(代表)
- URL
http://www.archives.go.jp - (東京メトロ東西線「竹橋駅」1b出口より徒歩5分,東京メトロ東西線・半蔵門線、都営地下鉄新宿線「九段下駅」4番出口より徒歩12分)
(クリックすると拡大します。)
日誌(平成18年7月〜平成18年9月)
| 7月11日 |
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|---|---|
| 14日 |
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| 14日 | 特別研修 「見学会:支部国土交通省図書館国土地理院分館及び国土地理院」 8館 13名 |
| 21日 |
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| 28日 | 特別研修「支部気象庁図書館の資料の紹介と電子化」 9館 10名 |
| 8月1日 |
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| 9月1日 |
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| 9月15日 |
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| 20日 |
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| 22日 |
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| 26日 |
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| 28日 | 平成18年度第1回中央館・支部図書館ネットワーク検討会 |
| 29日 |
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