びぶろす-Biblos
平成18年7月号(電子化33号)
- NATIONAL DIET LIBRARY
- 発行/国立国会図書館総務部
- ISSN 1344-8412
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はじめに
『びぶろす』は、昭和25年4月に創刊し、以後行政・司法各部門の支部図書館と専門図書館の連絡情報誌として今日に至っております。より広い範囲への提供を考え、平成10年8月号で冊子体を停止し、10月から国立国会図書館ホームページで公開しています。刊行形態は異なりましたが、今後も当館、支部図書館および専門図書館の折々の状況を掲載して行きます。
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目次
支部林野庁図書館の思い出
本城富夫
1.まえがき
林野庁本庁に27年間在職したなかで、支部林野庁図書館の勤務期間が通算8年間となりました。
私が36歳のとき昭和57年8月1日付けで、林政部管理課休養林野管理班休養林野管理第一係から、林政部林政課林野資料館資料係長の辞令をいただきました。ここで初めて図書館の業務を担当することとなり、図書館学についての勉強を始めました。2回目の勤務は、平成9年4月1日から平成11年9月30日です。当時の業務は、図書目録検索システムを構築することで、支部林野庁図書館と支部農林水産省図書館との同時検索(両図書館の書誌情報を一つの画面で同時に検索するシステム)の運用を開始することでした。3回目の勤務は、平成17年4月1日から平成18年3月31日です。この時期は、単独検索のシステムが構築されており(林野庁図書館の書誌情報を検索するシステム)、私は蔵書の書誌データを入力する業務に携わりました。入力の対象は、各都道府県試験場等の研究論文、各大学の演習林報告等の目次入力でしたが、入力量は数年間を要する程多くありました。
当館の沿革についてみると、昭和33年12月に林政部調査課所管として「林野庁資料室」が設置されました。昭和40年4月に農林省組織規程が改正され、「林野資料館」に、昭和42年8月に林政部経済課「林野資料館」に、昭和46年8月に林政部林政課「林野資料館」となりました。
昭和59年度予算において支部図書館設置の前提となる支部庁費の立目を要求したものが、政府原案において認められました。これを受けて昭和59年2月に林野庁は、国立国会図書館に対し、支部林野庁図書館の設置を申請しました。この申請に基づいて第101回特別国会に「国立国会図書館法の規定により行政各部門に置かれる支部図書館及びその職員に関する法律の一部を改正する法律案」が提出され、同法律改正案が同年5月18日の参議院本会議で、全会一致をもって可決、成立し、同月25日付けで公布施行されました。この改正法律(昭和59年法律第41号)の施行をもって同日、林野庁に国立国会図書館の支部図書館が設置され、「林野資料館」が当該図書館に関する事務を行うことになりました。昭和59年7月には林政部企画課「林野資料館」に、平成2年6月に「林野図書資料館」となり、現在に至っています。
施設面については、昭和59年に農林水産省の事務室の拡張移転に伴い、従来から目黒書庫(東京都目黒区下目黒)に所蔵している約7万冊と、現在、本館に所蔵している約1万冊を合わせ、約8万冊の蔵書を昭和59年中に林野庁本庁内に移転し、図書サービス等の一層の向上を図りました。
昭和59年の事務室の本館への移転に伴う作業としては、目黒からの蔵書の本庁内への移転と、本館の屋上の場所に位置する林野資料館から、7階フロアに移転する事務室及び書庫を合体させたレイアウトを作成することでした。同年10月に無事移転作業を終えることができました(施設内容は、事務室54m2、書庫81m2、閲覧室106m2(うち閲覧席数8席)、設備は、電子式複写機1台、図書資料管理・提供システム1式)。
昭和59年は1回目の勤務の時ですが、この年、私は、横浜市鶴見区の鶴見大学図書館学の夜間講習「鶴見大学司書」に、5月から9か月間通っていました(受講生は85名)。9月に行われた試験に受かるべきと思いながらも、試験の前日がたまたま徹夜の業務となったことから、「資料分類法」の単位を取得することができませんでした。翌年に取得することができ、2年間で講習を修了できましたので、今、思い出しても嬉しくほっとしたことを覚えています。
2回目の勤務の時は、林野図書資料館における図書資料管理・提供システムの整備として、当館では、農林水産省における行政情報化を計画的に推進するための「農林水産省行政情報化推進基本計画」等を受けて、平成9年度から平成13年度の間に、「図書資料管理・提供システム整備事業」を実施しているところでした。特に、書誌情報検索システムとして、同時検索システムを早急に構築しなければならないという案件がありました。
既に構築し運用を開始している農林水産省図書館のシステムに合わせれば、同時検索システムの運用開始は早くできるはずでしたが、当館の独自性を出すことに知恵を絞っていたことから、両館が合意するには時間がかかりました。農林水産省図書館には、3日に1度の割で打ち合わせに行っていましたが、当館での納得を得ることには至りませんでした。一方、当館の独自性についていろいろ検討、模索をしたなかで、単独検索システムの構築を具体的に進めることが決まると、両館の打ち合わせが平成11年6月下旬から急に捗りだし、7月19日に合意できました。これにより同月21日に、同時検索の運用の開始となりましたが、この時の思いは格別のものがありました。なお、単独検索システムは平成16年度に構築されました。
当館の情報提供についてみると、昭和41年5月に「林野資料月報」を創刊して以降毎月発行していましたが、昭和52年3月に当資料館の移転等の事情により、やむを得ず休刊となりました。昭和55年8月に従来の「図書資料月報」に代わるものとして、とりあえず四季報の形で「林野資料館報」を刊行していましたが、平成10年3月発行№191をもって最終号となりました。当時は、インターネットの急速な普及等を考慮し、図書館情報の迅速かつ効率的な提供を行うため、インターネット上に新着図書案内のためのホームページ「林野庁図書館だより」(仮称)を開設することとして検討中でしたが、同年10月から実行できることとなりました。これに伴い、図書館業務の効率化が進んだこと、利用者に対する情報サービスの提供が迅速にできることになりました。この時の「林野資料館報」の担当は主に私でしたので、インターネットの急速な普及による紙媒体からの転換になるのも時の流れかなと思いつつも、終刊となることには複雑な気持ちだったことを覚えています。
支部林野庁図書館は、林野行政の推進及び林業施策の立案等に必要な情報提供の役割を担い、森林・林業に係る専門図書館として、森林・林業関係の図書館資料を広く収集、保存しています。林野庁図書館に勤務して、森林・林業に係る豊富な蔵書(知識の宝庫)に向かいあえた業務に携わることができました。利用者への対応、レファレンス業務への対応は、十分にできていましたかどうかはさておきまして、図書館業務に携わることができましたことを誇りに思っています。
図書館業務で特に印象が強かったのは「心不在焉、視而不見、聴而不聞、食而不知其味」・「こころ、ここにあらざれば、みえどもみえず、きけどもきこえず、くらえどもそのあじをしらず」(出典:大学)です。
今後とも、知識の宝庫として当館が益々利用され、活用されますことを期待して、在職中は皆様方には大変お世話になりましたことに、本紙面をお借りしてお礼を申し上げます。
(元林野庁図書館)
行政支援サービスの拠点へ−県庁内図書室の誕生−
網浜聖子
1.はじめに
平成17年10月28日、鳥取県庁本庁舎2階に県政の「知の拠点」をめざして、県庁内図書室が誕生しました。地方分権時代を迎え、地域の自立を進める中で、職員が主体的に施策の企画立案を行う機会も増え、そのために必要な情報の収集や活用を支援・促進することを目的としています。また、職員が普段から担当業務以外にも幅広い知識を得ることで、県職員としての基本的な資質の向上を促すことも狙いとしています。
広さ約50m2、所蔵資料数約600点という非常に小規模なものですが、隣接している県立図書館へのアクセスポイントと考えており、県立図書館の蔵書約80万冊と司書たちの熟練した能力との緊密な連携の下に運営されています。
2.業務内容
- 職員が必要とする情報の提供(レファレンスサービス)
- 職員からの求めに応じ、政策形成等に必要な情報を提供すること。
- 職員自らが情報収集を行うことができる環境を整備すること。(各種情報検索用データベースを導入し、参考図書等を配架。)
- 職員に対する情報発信
- 県政の重要課題等のテーマ毎に図書リストを作成し、職員に読書提案すること。
- 図書室内での企画展示を実施すること。今までのテーマは『農業を未来へ』『∞(無限大)の自然エネルギー』『和紙の魅力』『ニート&若年雇用問題を論じよう!』『日本の伝統建築の技と美』『写真の中の“とっとり”を楽しむ』等。
- 職員への図書紹介、新刊図書等の情報提供を行うこと。
- 職員の情報リテラシーの向上支援
- 職員の意識改革を図るための情報活用研修会を開催すること。
- 図書やインターネット等による効果的な情報検索方法の指導・助言をすること。
- 県庁内の資料の組織化(今後取組み予定)
- 各所属の行政資料作成状況をデータベースに入力すること。
- 各所属が保有する資料情報をデータベースに入力し、一元管理すること。
3.設置・運営形態
- 室の設置
県産杉材を使用した地元木工職人製作の書架、テーブル等を置き、リラックスした中で新しい着想や斬新なアイディアが浮かぶような空間を演出しています。また、図書館システム、庁内LAN端末を各1台整備しています。

- 運営形態
午前8時30分から午後7時まで開室しています(昼休憩を含む)。今年度より担当司書が2名体制(うち非常勤職員1名)となり、常に専任の司書が対応できるようになりました。
4.レファレンスサービスの利用状況
一日の利用は平均して、入室者が40〜50名、レファレンス申込3〜4件程度です。開室当初(一日2件程度)と比較して、少しずつ多くなっています。業務に必要な情報を収集するため、勤務時間中に訪れる職員も多く、同じ庁舎内に図書室があることで利用しやすい、気軽に聞けると受けとめられているようです。内容は、簡単な事実調査や所蔵調査が半数近くを占めますが、他に外国や他県の先進事例や外国語文献の取寄せ等時間のかかる依頼もありました。また、本庁舎以外に勤務する職員からのレファレンス申込みや文献複写依頼も少しずつ増えてきています。

5.今後の展開
今年度前半には庁内LAN上に図書室ポータルサイトを開設する予定にしています。その中で今までのレファレンス事例をまとめ公開し、さらなるPRに努め、レファレンスサービスの認知度を高めていきたいと思います。また、県職員を対象とした情報活用研修会を、自治研修所と県立図書館と連携して開催する予定です。
まだまだ未熟なところも多いのですが、「進化する図書室」を目指し、日々成長していきたいと考えています。
その後、楽部庁舎へも案内していただきました。庁舎内ではまず正面に雅楽の演奏や舞で使われる舞台があり、迫力満点です・・・。
テレビや本でしか見たことのない舞台には、左右に大きな太鼓が座っています。今にも篳篥や笙の音が聞こえてきそうなほど、建物内の空気も違うような気がしました。
その中で雅楽に使われる珍しい楽器をはじめ関連の展示物も興味深く拝見させていただきました。
(鳥取県・県庁内図書室)
奈良県立図書情報館の紹介
乾聰一郎
1.はじめに

館全景
平成17年11月3日、平成7年3月の「奈良県立図書館整備基本構想」から10年を経て、奈良県立図書情報館が開館しました。日平均の入館者は1,600〜1,800人で、開館から57日目で利用者は10万人に達し、186日目で30万人を突破しました。
図書情報館は、奈良県の新しい情報発信拠点として、新たな図書館施設のあり方を提案しています。これまでの図書館は、図書・資料の保存・利用機関としての役割を担ってきましたが、図書情報館は、メディア環境の急速な発展・進化をふまえ、図書・資料だけではなく、ネット環境を充実させ、より幅広い調査・研究に資するとともに、情報リテラシーの向上や利用者自身の情報発信を手助けする総合情報センターとしての機能を有しています。

館夕景
古典籍から、刻々と進化する最先端の情報を載せた電子メディアまで、多様な形態を持つ資料を集積し、資料から情報を得たり、パソコンから情報を探し出し、それらを融合させ、利用者が独自に新たな情報を発信する、といった所蔵資料だけでなく、さまざまな資料や情報と人とを結びつけ、利活用できる場を提供したいと考えています。
また、明治以来の県行政文書を一体的に管理し保存利用に供する公文書館機能をもつ施設でもあります。従来からの図書資料、文書資料といった枠組みを情報センター機能で統合する試みでもあります。
2.施設概要

地下1階と1階の一部には、「自動書庫」を設置しています。100万冊収蔵可能です。現在、約40万冊の資料を収蔵しています
1階は、事務スペースのほか、最大220人収容可能な「交流ホール」があり、3部屋に分割可能で、研修や講習会、会議など人数の多少によりフレキシブルな対応が可能です。
2階は情報スペースで、様々な機器やソフトを駆使して情報の加工編集や創造をイメージしたスペースです。エントランスホールにある「カフェテラス」では、無線LANのサービスも行っており、気軽にパソコン利用が楽しめます。

また、「アトリエ」では、スキャナやフィルムスキャナを完備し、画像の取り込み、編集などができます。デジタルカメラの画像データを編集し、自分のホームページにアップしたり、撮影画像を広告ポスターに加工するなど、利用者のニーズにより様々な利用が考えられます。「オーサリングルーム」では、映像や音声の加工編集ができる機器を設置し、ビデオ編集やDVD作成なども可能です。また大型プリンターを備えており、B0サイズまでの写真やポスターの印刷が手軽に行えます。
さらに、「デジタルスタジオ」では、撮影や録画、音声の録音、編集などを行うことができます。プロモーションビデオの制作などにはうってつけです。そのほか、「AVブース」や「LLルーム」では、DVDやCD−ROMの視聴やe-ラーニングなど個室感覚で視聴に集中することができます。

アトリエ

オーサリングルーム

オーサリングルーム
また、目や耳の不自由な方へのサポートとして、「点字音声出力装置室」を設けています。ここでは点字図書や読み上げ用音声データを作成することができます。「対面読書室」は、現在、約20名のボランティアの方々による代読サービスを提供しています。

セミナールーム
「セミナールーム」では、ネットワークに接続したパソコンを31台備え、IT講習などに利用するほか、研修のない時は一般のパソコン利用席としても利用に供しています。
閲覧席は410席で、うち、パソコン利用席および持ち込みパソコン利用席は全体の半数近くあります(パソコン設置席:82席、持ち込みパソコン接続可能な席:110席)。これらの席では、資料検索はじめ、インターネットの利用、文書作成、ファイルの読み込み、保存、印刷(有料)などを行うことができます。さらに、パソコン利用席ではオンラインデータベースやCD−ROMを閲覧することができます。

資料スペース
3階は資料スペースです。専門資料スペースと一般資料スペースからなり、専門資料スペースには、奈良県関係の古典籍、古絵図、古文書から明治以来の奈良県庁文書(公文書)まで、奈良県にかかわる資料・情報を集積した「ふるさとコーナー」と、満州事変から終戦前後までの戦争にかかわる当時の資料や記録資料、約5万点を収集した「戦争体験文庫」があります。

戦争体験書架
一般資料スペースでは、約15万冊の図書資料と約1,500タイトルの雑誌を開架しています。このフロアでは、テーマを選んで図書展示を行い、新たな図書資料との出会いを演出するよう努めています。また、3室ある「グループ研修室」は、少人数(3人〜8人)でのグループ学習や研究発表などに利用できます。
3.おわりに
県立図書情報館では、文献資料のほか、インターネットやデジタル情報をも透過的に駆使できる調査研究のための施設を目指し、(1)情報リテラシー支援、(2)ビジネス・行政支援、(3)地域研究支援、(4)交流支援の四つを柱に、レファレンスを中心としたサービスの展開を図っています。また、情報サポーター(ボランティア)の活動や利用者向けIT講習会の開催などにより、利用者の情報リテラシーの向上を図るとともに、そのような活動を通して、利用者の情報発信力の向上と利用者同士の交流が活発に行われる環境づくりを目指しています。さらに、図書情報館自身が、地元企業や行政機関、団体、外国機関等との積極的な連携により、企画展示やイベントなど、これまでにない情報発信に努め、利用者との新たな交流の場をつくり、知的交流空間づくりを目指しています。
奈良県立図書情報館は、これまでの図書館機能に加え、情報発信が新たな情報発信を生む、知的交流の場となるようなユニークな存在でありたいと考えています。
- (施設概要)
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- 所在地:
〒630-8135 奈良市大安寺西1丁目1000番地 - 電話/FAX/E-mail:
0742-34-2111/0742-34-2777/info@library.pref.nara.jp - ホームページ
http://www.library.pref.nara.jp/ - 交通:
徒歩/近鉄新大宮駅より約20分
バス/近鉄奈良駅・JR奈良駅より「県立図書情報館」行き終点15〜20分
近鉄新大宮駅より「四条大路南町」行き「県立図書情報館西口」下車15分 - 開館年月日:
平成17年11月3日 - 建物:
鉄骨鉄筋コンクリート造、地上3階地下1階
敷地面積31,638m2、延床面積11,820.91m2 - 収蔵資料の概要(平成18年4月1日現在):
図書、雑誌、新聞、奈良県庁文書、奈良県関係古文書、同絵図等 - 開館日数/閲覧室利用者数(平成17年度11月から):
117日/200,135人
189日/307,369人(6/25現在)
- 所在地:
(奈良県立図書情報館 資料・情報サービスグループ)
日誌(平成18年4月〜平成18年6月)
| 4月1日 |
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|---|---|
| 4月1日 |
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| 5月12日 | 「平成18年度行政・司法各部門支部図書館職員新規配属職員研修I」 19館38名 |
| 5月19日、 26日 |
「平成18年度行政・司法各部門支部図書館職員新規配属職員研修II」 19館31名 |
| 6月9日 | 国立国会図書館DBの検索講習会 「国会会議録検索システム、帝国議会会議録検索システムの検索法」「レファレンスに役立つデータベースの利用法」 11館11名 |
| 6月21日 | 平成18年度第1回中央館・支部図書館協議会幹事会 |
| 6月21日 | 平成18年度第1回中央館・支部図書館協議会 |
