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トップ > 刊行物 > びぶろす > 平成16年4月号(電子化24号)

びぶろす-Biblos

平成16年4月号(電子化24号)

  • NATIONAL DIET LIBRARY
  • 発行/国立国会図書館総務部


はじめに

『びぶろす』は、昭和25年4月に創刊し、以後行政・司法各部門の支部図書館と専門図書館の連絡情報誌として今日に至っております。より広い範囲への提供を考え、平成10年8月号で冊子体を停止し、10月から国立国会図書館ホームページで公開しています。刊行形態は異なりましたが、今後も当館、支部図書館および専門図書館の折々の状況を掲載して行きます。

本誌に掲載された記事を全文または長文にわたり抜粋して掲載される場合は、サイトポリシーをご覧いただき、事前にご連絡ください。

目次

  1. 国立国会図書館中央館・支部図書館総合システム
  2. 第94回SpecialLibrariesAssociation(SLA)年次大会参加報告
    −情報専門職のコンピテンシーを中心にして−
  3. 平成15年度専門図書館協議会秋季セミナー『ハイクオリティ情報を極める』に参加して
  4. ビジネス支援ライブラリーTOKYOSPRing
  5. 平成15年度の納本制度審議会
  6. 平成16年度行政・司法各部門支部図書館職員に対する研修について
  7. 平成16年度専門図書館協議会総会・全国研究集会のお知らせ
  8. 国立公文書館所蔵資料特別展「激動幕末―開国の衝撃―」のご案内
  9. 日誌

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国立国会図書館中央館・支部図書館総合システム

総務部支部図書館課

平成16年4月1日から「国立国会図書館中央館・支部図書館総合システム」の稼働が開始いたしました。このシステムは従来の「国立国会図書館中央館・支部図書館ネットワークシステム」(以下「支部図ネットワークシステム」という。)の後継として平成14年度から3か年計画で開発を行ってきたものです。

1.支部図ネットワークシステム

いわば第1期システムともいうべき「支部図ネットワークシステム」は、平成9年度から3か年計画で開発し、平成10年4月に霞が関WANと接続し、同年5月末からシステムの本格運用を開始しました。平成10年はちょうど支部図書館制度創設50年にあたる年でしたが、このシステムによりはじめて中央館と支部図書館を電子的に結ぶネットワークシステムが実現しました。「支部図ネットワークシステム」は平成16年3月まので約6年間、順次システム改修、機能拡張を行い、利便性の向上をはかりながらシステムの運用を行ってきました。このシステムは 1)納本・寄贈資料情報システム 2)業務統計情報システム 3)図書館利用案内情報システム 4)共同利用データベースシステム 5)『びぶろす』情報検索システムの諸機能で構成されていましたが、特に毎週運行している連絡便による行政・司法から中央館への納本、支部図書館間の寄贈資料についてのデータの管理、処理は、このシステムの主要な機能でした。

また、主として業務用システムとして開発されたシステムですが、図書館利用案内情報システムは、行政・司法の職員に対して各支部図書館の利用案内等を提供していました。

このシステムの導入、運用を通じて、各支部図書館の電子的な基盤整備、図書館業務の機械化の進展がはかられたと言えると思います。

2.国立国会図書館中央館・支部図書館総合システム

第2期システムである「国立国会図書館中央館・支部図書館総合システム」(以下「総合システム」という。)は「国立国会図書館中央館・支部図書館電子化推進第二次基本計画」(平成13年3月国図協第66号)に基づき、システム開発を行いました。「支部図ネットワークシステム」の後継システムとして、システム面と業務面双方の効率化、合理化をはかるとともに、システムとしてよりシンプルで使い易いものを目指しました。また、新たな機能として、ネットワークによる中央館・支部図書館情報資源の共同利用を目的として分散型総合目録機能を盛り込みました。

従来のシステムは霞が関WAN経由またはダイヤルアップによる接続を行っていましたが、ダイヤルアップ接続は平成15年度末をもって終了し、新システムは霞が関WAN上で運用しております。平成16年4月時点では、中央館並びに支部図書館26館のうち霞が関WANの接続が限定される最高裁判所図書館を除く25館及び分館6館中1館の計27館がシステムを使用しています。

(1)システムの機能概要
システムの機能概要は次のとおりです。
  1. ホームページ及び電子掲示板機能
    a)公開ページ、b)支部図書館職員のページと、情報のメンテナンスを行うc)管理者のページから構成されています。
    a)
    公開ページは、霞が関WANに接続しているパソコンから行政府省等の職員が自由に閲覧できるページです。支部図書館制度についての説明、国立国会図書館中央館や各支部図書館のサービスについての案内広報等のほか、霞が関WAN上に公開している各支部図書館書誌情報データベースにリンクできるようになっています。
    b)
    支部図書館職員のページは各支部図書館の職員のみが閲覧できるページです。中央館・各支部図書館の掲示板として図書館サービスの案内とともに、業務上必要な連絡事項について、この掲示板を使用します。これによって中央館・支部図書館間の連絡業務の電子化を推進し、業務の効率化をはかります。
  2. 総合目録検索機能
    中央館に設置された横断検索サーバが霞が関WAN上に公開された支部図書館の書誌情報データベースを横断的に検索し、一元的に結果を表示するものです。平成16年度当初は会計検査院、総務省、林野庁、国土交通省、防衛庁の5支部図書館が参加しており、総データ件数は和洋図書、逐次刊行物あわせて約24万件です。
    総合目録については、参加館を増やし総合目録としての有効性を高め、支部図書館所蔵資料の有効活用をはかっていく必要があります。支部図書館の参加をお願いするとともに、中央館としては、資料の相互利用については運用面で留意が必要と認識しています。また、中央館のNDL-OPACを検索対象とすることにより、総合目録の検索機能の利便性を高めることが中央館の課題と認識しています。

総合システムの運用を通じて中央館・支部図書館間の連携をさらに強めていきたいと思います。今後ともよろしくお願いいたします。

総合システム概念図

総合システム概念図
(図をクリックすると拡大します)

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第94回 SpecialLibrariesAssociation(SLA)年次大会参加報告−情報専門職のコンピテンシーを中心にして−

青柳英治

1.はじめに

筆者は専門図書館協議会が主催する「若手育成基金」からの助成を受けて、2003年6月7日からニューヨークで開催された第94回SLA(SpecialLibrariesAssociation)AnnualConferenceに出席する機会を得た。本大会への出席にあたっては、筆者の関心事項の1つである情報専門職のコンピテンシーについて理解を深めることに主眼を置いた。本稿ではこうした問題意識のもとに出席した分科会の内容と会議で入手した資料にもとづいて、情報専門職のコンピテンシーを中心に報告したい。

   
2.大会の概要
 

第94回SLA年次大会は、2003年6月7日から12日までヒルトンホテルをメイン会場として隣接する3か所のホテルにおいて開催された。
会議は、オルブライト前国務長官他2人のスピーカーを迎えての3つの基調講演会、研修や会食の体裁を採ったミーティングや図書館ツアーからなる約120の有料イベント、講演形式の約120の分科会そして出版社やベンダーなど約240社の出展による展示会とから構成されていた。

こうした構成のなかでも特に著名人を招いての基調講演会は会議にアクセントを添えるものとなっていた。開会の講演を行なったピューリッツア賞受賞者で作家のデービッド・マカルー氏は、自身の具体的な著作を挙げながら作家としての初期の仕事についてのエピソードを紹介した。そして、作家活動を通して感じた図書館の役割の重要性や利用方法を説いた。また、閉会の講演を行なった前国務長官のマドレーヌ・オルブライト氏は、女性初の国務長官として在任中に携わった仕事を紹介した。特にNATOの近代化やコソボの民族紛争、中東和平やロシアの核問題について、自らが果たした役割について述べると同時に北朝鮮の核の脅威とブッシュ政権の北朝鮮に対する政策についても言及した。この2つの講演会だけでも延べ7,500人の聴衆が集まり、情報専門職にとって実務を中心とする普段の仕事では得られない貴重な機会を得ると同時に、知識の幅を広げる機会がもたらされた。

次に本年の分科会の傾向をそのテーマから探ってみると図1のようになる。まず、近年の資料情報部門の流れである情報技術に関するテーマを取り扱った分科会が最も多く、次いで経営に関するテーマを扱った分科会がこれに続いた。さらに、ある特定分野の情報専門職の仕事をテーマとして取り上げた分科会も顕著であり、これは専門図書館協会という組織の性質を表した当然の結果とも言えよう。

図1、分科会テーマの内訳

(出所)『FinalConferenceProgram』より作成

会議の特徴は、ネットワークやコミュニケーションなど情報専門職にとって今後ますます必要とされる知識の開発を促す機会を提供し、かつ組織のなかで役立つ戦略に焦点を当てそれらを習得できるよう会議が開催されていた点にある。それゆえ、実務に基づく実践的な事例発表が多いという印象を受けた。本大会で聴講した第一線で働く実務家たちによる発表は、情報専門職が各々の職場に戻った後、直接あるいは間接に実務に反映されているものと思われる。

最終日に行われた閉会の基調講演会が終了した後、引き続き会員を対象とした総会が開かれ役員の交代が行なわれた。旧役員陣は当該期間の活動についての総括を行ない、新役員は就任にあたっての抱負を述べると同時にナッシュビルで開催予定の次期年次大会の紹介を行なった。

さらに、今総会では3年にわたって検討と議論を重ねてきたSpecialLibrariesAssociationからInformationProfessionalInternational(IPI)への名称変更の是非を問う投票が総会参加者たちによって行なわれた。それは投票カードを挙げることにより賛否の意思を表示する形に拠っていた。結果、IPIの名称が好ましいとする総会参加者の数が現名称のままでよいとする者よりも上回ったものの、名称変更を行なうための投票(賛成521票、反対369票)では会則の変更に必要とされる2/3以上の賛成票が得られずIPIへの名称変更には至らなかった。この投票は、名称変更をめぐる賛否についての意見表明の場も設けられ議論と熟慮が重ねられた結果であった。こうした動きは、近年の情報技術の進展にともなう情報専門職の仕事の変化と親機関から求められる役割の変化によって生じたものと思われる。つまり、専門図書館という組織形態を重視するよりも、専門図書館をも含めた情報産業で働く情報専門職を1つのプロフェッションとして捉え、かつ強化する必要性を感じている参加者たちの気持ちの表れと捉えることができよう。こうした結果を受けて、シンシア・ヒル新会長は100年近くにわたって使用してきた現名称を今後も使い続けながらも、親機関の期待に応えるために最先端の情報ツールや技術を利用した情報サービスを常に提供してゆかなければならないとした声明を発表して今大会の幕を閉じた。

大会参加のための登録コーナー

大会参加のための登録コーナー

展示会場でのブース

展示会場でのブース

大会プログラム

大会プログラム

3.情報専門職のコンピテンシー
3.1 コンピテンシーの内容
コンピテンシーとは、成果や業績を重視する米国から入ってきた概念(1)である。米国訓練開発協会(AmericanSocietyforTraining&Development)によるとコンピテンシーとは「高業績者がもつ普通人とは違う能力」とされ、通常は「高い業績をもたらす行動特性」と訳されている。つまり、「高い業績を上げることができる行動や能力」それも行動が前面に出るので「顕在化された能力」と見ることができる(2)
高業績をもたらす行動や能力に着目したコンピテンシーを重視する米国では、やはり情報専門職においてもコンピテンシーの概念をもとに母体組織やサービス対象者への有益かつ効果的な情報提供サービスが行われている。
情報専門職へのコンピテンシー概念の適用は、1997年SLAにおいて「情報専門職のコンピテンシーに関する特別委員会」(TheSpecialCommitteeonCompetenciesforSpecialLibrarians)から役員会へ提出された「21世紀に向かって求められる情報専門職のコンピテンシー」(CompetenciesforSpecialLibrariansof21stCentury)(以降、1997年版)に端を発している。ここで、情報専門職におけるコンピテンシーの定義を示しておこう。今回筆者が参加した分科会によると、SLAにおけるコンピテンシーとは情報サービスの提供者と利用者双方の視点から効果的に情報提供サービスを行うために獲得された知識、理解力、技能そして態度のことであり、それらの相互作用によって形成されるものである。
今回参加した分科会「情報専門職に求められるビジネスと戦略立案のためのコンピテンシー」は、情報専門職が母体組織へ貢献しかつそのなかで中心的な役割を果たすために求められるコンピテンシーを把握することの重要性とコンピテンシーを求められる水準まで高める方法について紹介したものである。
まず、コンピテンシーの説明にあたっては、2002年に改訂されたSLAの「21世紀に向かって求められるスペシャルライブラリアンのコンピテンシー」(3)(以降、2002年版)がもとになっている。そして、情報専門職のコンピテンシーを職業的能力と人的資質とに区分して、より詳細かつ具体的な分類がなされている。2002年版によると職業的能力とは、情報専門職の情報資源とその利用法、技術、経営手腕そして調査方法についての知識、および最高品質の情報サービスを提供するためにそれら知識を使いこなす能力とに関連したものである。つまり、有益な情報提供サービスを行うための組織的に必要とされる能力と考えられる。一方、人的資質とは、情報専門職が効率的に働くことを可能にする一連の技能や態度、そして価値観のことである。具体的には、コミュニケーションが上手である、自己のキャリア向上のための継続教育に関心を払う、サービス対象者に付加価値をつける、変化し続ける環境に柔軟かつ積極的に対応し続けるといったことである。つまり、自己研鑽により個人的に高める必要のある資質と考えられる。
1997年(表1)情報専門職の職業的能力(ProfessionalCompetencies)
1.1 情報資源の内容について熟知し、厳しく評価、判断、選別する能力を有する。
1.2 母体組織及びサービス対象者の業務内容に応じた専門分野の知識を有する。
1.3 便利で、利用しやすく、経費効率の優れた情報サービスを母体組織の戦略的方向に沿った形で開発管理する。
1.4 図書館及び情報サービスの利用者に対して、優れた訓練とサービスを提供する。
1.5 情報ニーズを評価、判断したうえで、そのニーズに応える付加価値のある情報サービスと情報プロダクトを立案し、売り込む。
1.6 情報の収集、整理、組織化、配布において適切な情報技術を利用する。
1.7 組織の上層部に情報サービスの重要性を伝えるにあたり、実務的かつ経営管理にのっとった適切なアプローチを行う。
1.8 母体組織の内外から利用できる専門的な情報プロダクトを開発する。
1.9 情報利用の結果を評価し、情報管理に関連する問題解決のための調査を行う。
1.10 変化し続けるニーズに合わせて常に情報サービスの改善を図る。
1.11 上層管理者グループの有能なる一員であり、情報に関連する問題においては、母体組織の情報コンサルタントの役割を担う。
2002年改訂版(表1)情報専門職の職業的能力(ProfessionalCompetencies)
1.1 情報資源の内容と形態について熟知し、厳しく評価、判断、選別する能力を有していることを示す。
1.2 母体組織及びサービス対象者の業務内容に応じた専門分野の知識を使う。
1.3 工業規格や業務工程などサービス対象者の環境に関する深い理解に基づいた情報資源やサービスに応じたポートフォリオを構築する。
1.4 最も有効な外部情報プロダクトやサービスを購入し、かつ最も経費効率の優れた方法でそれらを母体組織に配する。
1.5 組織内部で作成される情報プロダクトやサービスの構築や開発に参加する。
1-6 現行及び新たな情報利用に関わる問題点を見極め、解決策を生み出す。
1-7 母体組織での情報検索を改善するためにデータベース、索引付与、メタデータ、情報分析そしてシステム設計について専門的知識を適用する。
1.8 母体組織やサービス対象者の継続的な情報ニーズに応えるために最も適切な情報利用ツールを集める。
1.9 利用者のニーズによりよく応えるために母体組織の内外で作成された情報資源やサービスを適合させる。
1.10 情報を利用できるように最新技術やツールの試用、選別、適用を先導する。
1.11 情報技術やその利用法について最新動向を母体組織にアドバイスする。
1.12 情報資源やサービスが混在する状況下で適切な情報形態や技術の利用を促進する。
1.13 サービス対象者に対して絶えず変化する情報資源やツールを効果的に利用するための訓練と支援とを提供する。
1.14 作成から長期的な保存や破棄に至るまで母体組織の内外で作成された情報のライフサイクルを管理する。
1.15 便利で利用しやすく経費効率の優れた情報サービスを母体組織の戦略的方向に沿った形で開発管理する。
1.16 情報ポリシーの作成とその実施にあたりサービス対象者にアドバイスする。
1.17 情報の作成、保存、利用について高い倫理規準を定めこれに従う。
1.18 組織の上層部、利害関係者やサービス対象者のグループに情報サービスの重要性を伝えるための適切な基準を作成して使用する。
1.19 情報資源やサービスを絶えず改善するために有効な最良の方法をとる。
1.20 最も優れた事例を試み、共有することによって図書館情報学を専門的職業とする人々の知識向上に貢献する。
1997年(表2)情報専門職の人的資質(PersonalCompetencies)
2.1 優れたサービス気質を持つ。
2.2 図書館の内外を問わず、チャレンジを求め、新しい好機に気を配る。
2.3 広義的に物事を見る。
2.4 相互利益となる協力関係を模索する。
2.5 互いに敬意を払い、信頼できる人間関係を築く。
2.6 効果的なコミュニケーションスキルを持つ。
2.7 チームの一員として、他者と上手く働く。
2.8 リーダーシップを発揮する。
2.9 重要事項について企画立案し、優先順位を付け、焦点を合わせる。
2.10 生涯学習や自己キャリア向上を追及する。
2.11 企業家精神や独立事業を起こすに必要なセンスを持ち、新たなチャンスを作り出すことができる。
2.12 専門職間のネットワークと連携の価値を認識している。
2.13 変化し続ける時代に、柔軟かつ積極的に対応することができる。
2002年改訂版(表2)情報専門職の人的資質(PersonalCompetencies)
2.1 専門職としての気質や倫理感を持つ。
2.2 チャレンジを求め、新しい好機を活用する。
2.3 広義的に物事を見る。
2.4 効果的にコミュニケーションを図る。
2.5 互いに信頼関係を構築する。
2.6 パートナーシップや協力関係を築く。
2.7 互いに敬意を払い、信頼できる人間関係を築く。
2.8 いつでも学習の機会を持ち、変化を受容できる体制を整える。
2.9 学習と革新を促進する。
2.10 リーダーシップのスキルを高めて利用する。
2.11 目標の追求にあたっては初心を貫く。
2.12 重要事項について企画立案し、優先順位を付け、焦点を合わせる。
2.13 生涯学習や自己キャリア向上を追及する姿勢を示す。
2.14 斬新な発想ができる。
2.15 専門職間のネットワークと連携の価値を認識している。
2.16 仕事、家族、社会的義務の平衡を保つ。
2.17 変化し続ける時代に柔軟かつ積極的であり続ける。
2.18 互いの目標達成を賞賛する。

(出所)表1・表2ともに1997年版は片岡洋子の翻訳、2002年改訂版は筆者翻訳による。

この2つの区分をもとに情報専門職に求められるコンピテンシーをより具体的に分類したものが表1と表2である。1997年版と2002年版とを比較してみると、まず職業的能力では、次の3つの能力が従来にも増して強く求められており、それゆえより詳細な説明が追加されていることが窺える。第1に情報サービスにあたって経費効率の優れた方法を選択し、かつサービスに伴う情報プロダクトの専門知識を問う能力、第2に情報サービスの重要性を伝えるためのアドバイスや基準などのルール作りができる能力、第3に母体組織やサービス対象者の変化し続けるニーズに合わせるために、常に情報サービスの改善が図れる能力である。

次に、人的資質では複雑化する社会情勢において内容および形態面で多様性を有する情報資源を的確に母体組織やサービス対象者に提供してゆくことが求められている。そのためには、広い視野を持つこと、および他者との良好な協力関係やコミュニケーションの構築が図れることの2点がより重要となってくる。改訂版ではこの点を反映し項目の細分化がなされている。
このように職業的能力と人的資質とに分けられた情報専門職に求められるコンピテンシーは、時代の流れに合致するよう適宜その内容を変化させている。

ある分科会の会場

ある分科会の会場

3.2 コンピテンシーを高める方法
情報専門職のコンピテンシーを高めるためには、組織内外のサービス対象者に対してなされる情報提供サービスの質を常に改善するとともに、情報専門職の現在有しているコンピテンシーを把握する必要がある。情報専門職のコンピテンシーは職業的能力と個人的資質とを問わず、技能、知識、理解力、態度という4つの要素から構成されている。(表3参照)これら要素のバランスは、コンピテンシーごとに変化するものであり、個人的なコンピテンシーの水準は、情報専門職に必要な技能、知識、理解力そして態度の涵養の度合いだけでなく、情報専門職が普段からコンピテンシーの適切なバランスに心掛けているかどうかが関係してくる。
(表3)コンピテンシーの構成要素
技能 習得し得る測定および観察が可能な行動
知識 情報提供サービスを行うために支えとなる知識
理解力 情報提供サービスを行うために必要となる広範な状況を概念的に理解する力
態度 仕事の成果に結びつくような振舞い

(出所)分科会「情報専門職に求められるビジネスと戦略立案のためのコンピテンシー」配布資料より作成

つまり、表1に挙げられた20項目の職業的能力と表2に挙げられた18項目の個人的資質とを高めるためには、4つの要素に照らして項目ごとにどの様な要素が必要となってくるのかといった点を考えるために職務の洗い出し作業を行う必要がある。さらに、自分自身に求められる要素の習得状況を把握し、自己評価を行うといったことが重要となる。(図2参照)こうしたプロセスは、自らのコンピテンシーについて考えるための重要な機会をもたらすことになる。

コンピテンシーの向上は、最終的に母体組織やサービス対象者が行うビジネスへの貢献へ結びついてゆかなければならない。そのためには、職業的能力と人的資質とからなるコンピテンシーを図3に示す5つのフローに適応させることによりビジネス環境との連携を図る必要がある。それぞれのステップで求められるコンピテンシーは、やはり先述した技能、知識、理解力、態度という4つの構成要素に照らして考え、各ステップで求められる要素を把握したうえで現状における自分自身のそれら要素の習得度合いを比較検討していくと有効である。

さらに、これらの作業を通して明らかにされた各項目で必要とされるコンピテンシーと自らのコンピテンシーとの間に存在するギャップを認識し、改善してゆくことによって常にコンピテンシーの継続的な向上を心掛けなければならない。そのためには、コンピテンシーを構成する4つの要素に照らして行った自己評価をもとにコンピテンシーを高める方策を見極める必要がある。つまり、そのための目標、方法、予定などを盛り込んだ行動計画を作成するのである。この行動計画は学校教育、職業的訓練、個人的訓練、指導者等による適切な助言を通して遂行されてゆく。特に組織上の一構成員である情報専門職は、母体組織および職能団体によって行われる各種教育・訓練によって体系的にコンピテンシーを高めていく必要がある。

(図2)コンピテンシーの洗い出し作業の一例

(図2)コンピテンシーの洗い出し作業の一例

(出所)分科会「情報専門職に求められるビジネスと戦略立案のためのコンピテンシー」配布資料より作成

(図3)ビジネスコンピテンシーの概念

(図3)ビジネスコンピテンシーの概念

(出所)分科会「情報専門職に求められるビジネスと戦略立案のためのコンピテンシー」配布資料より作成

6.おわりに

本稿ではSLAAnnualConferenceにおいて出席したコンピテンシーについての分科会で紹介された内容および事例を踏まえて情報専門職に求められるコンピテンシーの内容とその向上方法について述べてきた。情報技術の進展とそのネットワーク化の流れのなかで、情報専門職は質の高い人的サービスの提供を通して競合する情報サービス機関との競争に勝ち残ってゆかなければならない状況にある。そのためには、情報専門職に必要なコンピテンシーを明らかにすることによってそのスキルを高め、付加価値を有する情報提供サービスを実施する必要がある。SLAで示されたコンピテンシーの概念は、情報専門職が専門職として機能するためのツールとして必要不可欠な基準となっていることが今回の会議への出席を通して実感することができた。
また、SLAのコンピテンシーの概念は、特に専門職としての高い位置づけが得られていない日本の情報専門職にとっても参考に値するものであったと思われる。

(日本貿易振興機構アジア経済研究所図書館)

SLAキット

SLAキット

  1. 日本におけるコンピテンシー概念の紹介は、1997年に片岡洋子によって『専門図書館』誌上で紹介された。そして、近年でも日本の専門図書館で働く情報専門職の役割の変化に注目する形で山崎久道や木下みゆきらによって考察が加えられている。
  2. 相澤與一 黒田兼一監修『グローバリゼーションと「日本的労使関係」』新日本出版社,2000,p.76-79
  3. 本年の年次大会が終了した直後に2003年改訂版として新たなコンピテンシーがSLAのホームページにアップロードされている。[引用日:2004年3月8日]また、2003年改訂版を日本語に翻訳したものが栗田淳子によって『専門図書館』(No.202,2003-IV,p.34-38)に紹介されている。

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平成15年度専門図書館協議会秋季セミナー「ハイクオリティ情報を極める」に参加して

堀井幸

調査研究概要

平成15年12月4日から5日にかけて、『平成15年度専門図書館協議会秋季セミナー』が開催されました。平成14年度の秋季セミナーと同じく京都市内での開催となり、38名の受講者が全国から集まりました。筆者も参加する機会に恵まれましたので、報告させていただきます。

○総合テーマとカリキュラム
インターネットの普及によって、ある程度の情報ならば簡単に手に入れられるようになっているユーザーに対し、図書館員は情報専門職としてクオリティの高い情報を提供することを求められています。そこで、今回は総合テーマを「ハイクオリティ情報を極める!」と題し、ハイクオリティ情報の検索、入手、提供を学ぶ内容となっています。
カリキュラムは次のとおりです。
(一日目)
  • 「ワンパーソンライブラリーにおけるハイクオリティ情報の提供について」
    講師:松下 美子氏(元(社)都市開発協会都市問題図書館)
  • 「情報源とユーザーとのマッチング−主にDBを活用して」
    講師:菊池健司氏((株)日本能率協会総合研究所)
  • 「ハイクオリティ情報入手のためにDBの強みを知る
    −DBベンダーから検索あれこれ1:ビジネス情報」
    講師:日経メディアマーケティング(株)
    マージェント・ジャパン(株)
    コメンテーター:矢納 大研修委員((株)NTTデータ経営研究所)
(二日目)
  • 「ハイクオリティ情報入手のためにDBの強みを知る−DBベンダーから検索あれこれ2:科学技術情報」
    講師:科学技術振興機構
    (株)ジー・サーチ
    コメンテーター:林賢紀研修委員(農林水産省)
    司会:矢野大研修委員
○「ワンパーソンライブラリーにおけるハイクオリティ情報の提供について」
講師の松下氏は、社団法人都市開発協会都市問題図書館の設立初期より司書として活動され、都市開発分野の第一級コレクションを作り上げらました。また、高い専門知識を活かした図書館業務はワンパーソンライブラリーに求められる理想的なライブラリアンとして、今年度の専門図書館協議会において表彰されている方です。
利用者の使いやすい環境づくりのために様々な工夫、努力をされたことが結果的に少人数での図書館運営の成功につながったとのことで、筆者の在籍する支部国土交通省図書館北海道開発局分館もほぼ同じような規模の図書館であり、大変参考になるところがありました。
もちろんこちらの図書館でも情報化は進み、インターネット環境は必須のものとなっていますが、松下氏は「最後は"人"であり、コミュニケーション能力、専門分野への知識、サービス精神が大切である」と強く述べられていました。
残念なことに、都市開発協会の解散に伴い都市問題図書館は5月に閉館となってしまいました。蔵書は現在、国土交通大学校へ寄贈され、利用に供されています。図書の移管に際しても、場所だけではなく扱う人間も替わることに対して、細やかな配慮をされており、図書館員としての大切な資質を再確認させられる内容でした。

セミナーの会場
セミナーの会場

○「情報源とユーザーとのマッチング−主にDBを活用して」
講師の菊池氏は日本能率協会総合研究所マーケティング・データ・バンクに所属されており、ユーザー企業からの情報提供依頼を受けて、ビジネス情報・マーケティング情報を提供されています。
数年前までは回答のための情報源は、まず文献に当たるというものでしたが、今では商用データベースも文献同様に有効なものになっており、マーケティング・データ・バンクでも数十種類のデータベースと契約を結んで活用されているそうです。
最近の依頼者の傾向としては、自分でインターネット検索をした上でそれ以上の情報を求めてやってくることが多く、弊害として存在しない情報を求めたり、いくつかの情報をまとめて出来るものに対しては完成したものを求める傾向があるとしています。
このような人達に対し、「世の中には存在しない、手に入れることが出来ない情報もある」ということを教えていくこともサーチャーとしての役割であると示されました。
その上で、依頼者の要求しているデータを理解して、スピーディに提供することを「マッチング」と呼び、そのためにユーザーを知ること、情報源の特性を知り、体系化しておくことが大切であるとしています。
日々、多くの依頼に答えている経験から、各データベースの活用場面についての紹介もあり、貴重な情報を得ることが出来ました。

○「ハイクオリティ情報入手のためにDBの強みを知る−DBベンダーから検索あれこれ」
ビジネス情報分野からは<日経テレコン21>と<MergentOnline>、科学技術情報分野からは<JOIS>、<Dialog>、それぞれのベンダー各社から講師を招いて講義が行われました。どちらも事前に参加者から集めたレファレンス事例を各データベースを用いて回答を導き出す実践的な内容です。
参加者の多くが前出のデータベースを業務で利用しているとのことでしたので、今までの使い方よりもさらに一歩進んだ使い方を知ることが出来る機会であったようです。データベースを利用しても調べ切れなかったという事例の回答が、簡単に出されたケースもありました。
操作方法は当然のこと、各データベースのそれぞれの特徴と強みを知り、レファレンス内容に合わせて使いこなす事が、図書館員にとって今は必須なのだと実感しました。
講義の中では回答を全てデータベースから得ましたが、実際に利用する際には費用がかかるものなので、データベースを使って簡単に答えを得るか、少し手間は掛かるが費用はかけずに他の手段で答えを得るか、費用と労力のバランスを考えて利用していけば良いということも講師からアドバイスされました。

DBベンダーによる説明
DBベンダーによる説明

○セミナーに参加して
今回のセミナーは、松下氏、菊池氏により、図書館員・サーチャーとして利用者対応とデータベースの基礎知識を確認した上で、データベースベンダー各社の講師により、データベースを使いこなす技術を得るという、とても良い構成であったと思います。
最後の質疑応答も予定時間を過ぎても終わらない程活発に行われ、各図書館が、日々高度なレファレンス業務を行うために努力されていることを実感させられました。
このようなセミナーは他館の活動を知ると同時に、自館の活動に役立てる事が出来る貴重な機会でもあります。次回のセミナーもまた、有意義なものになることを期待するところです。

(支部国土交通省図書館北海道開発局分館)

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ビジネス支援ライブラリー TOKYOSPRing

高土正巳

1.はじめに

平成14年6月28日に東京商工会議所ビル1階に「ビジネス支援ライブラリーTOKYOSPRing」(以下BSLという)が開館した。東京都産業労働局からの委託を受けて、当商工会議所が設置・運営しているものであり、開館後1年9ヶ月余りが経つ。東京都の方針により、本年(平成16年)3月末をもって同ライブラリー事業は終了する。各地の図書館にビジネス支援の取り組みが広がるなど、BSLは先駆的な役割を果たした。東京都では、BSL事業に関わるレファレンス・サービスや創業・経営支援機能の新たな展開を目指している。8月頃には、新たに東京都産業労働局が運営する「東京都しごとセンター(仮称)」(飯田橋のシニアワーク東京)で、起業・創業に関する情報提供・相談などを実施する予定である。閉館するBSLのこの2年間とこれからを簡単に述べてみたい。

   
2.BSL開館前

平成13年冬に東京都産業労働局から「ビジネス支援図書館」の開設について当商工会議所に打診があり、当所の関連部署と東京都の間で開設に向けてのミーティングが重ねられた。平成14年4月に東京都と当所との間で委託契約を結ぶことに同意し、同年6月正式な契約が結ばれた。

実質の開館準備は5月から始まった。場所は、当ビルの1階にあったインターネットを紹介する「ビジネス・ネット・スクエア」が役目を終えて閉館することに伴い、その後に入ることになった。5月〜6月にかけて本格的な準備が始まった。主な作業項目をあげると次のようになる。

  1. レファレンス要員(臨時員)の募集と教育
  2. 図書・雑誌・新聞・CD-ROMなど資料の選定と発注
  3. 資料データの整備と資料への装備及び受入・配架
  4. 各種業務フローの作成
  5. パソコン・プリンタの設置とLAN工事
  6. 書架・閲覧机・椅子等の発注・設置及びレイアウト変更工事
  7. 相談員との契約
  8. データベースの導入
  9. ホームページ作成・プレスリリースなどのPR

これらを2か月弱で準備することになった。

3.BSL開館

平成14年6月27日、東京都の浜渦副知事ほかマスコミ関係者等を招待してBSLのオープニング・セレモニーが行われた。翌日6月28日から正式にBSLはオープンした。

3.1.BSLの目的
BSLの主たる目的は「都内在住者・都内勤務者、あるいは都内で創業・起業を志すビジネス・パーソン向けに、多様で質の高い情報アクセス機会をワンストップかつ無料で提供する。これをもって開業率の向上など都内産業の活性化を図る」ことである。
3.2.BSLの名称
「TOKYOSPRing」の名称は、東京都産業労働局により命名された。Spring には「春」「ばね」「泉」「柔軟性」「跳躍」などの意味がある。開業に向けて「飛躍する」というイメージから名付けられた。また、小文字のingには現在進行形の意味がこめられている。
3.3.開館時間
開館時間は、平日(月曜〜金曜日)は10時から20時。第1・第3土曜日は10時から17時である。「ビジネス・アドバイザー」と呼ばれる相談員の開業等相談の時間は、平日13時から19時、第1・第3土曜日が13時から16時である。
3.4.施設
場所は先にも述べたように当商工会議所ビルの1階約65坪。閲覧コーナー24席、パソコン・コーナー15席となっている。

BSL閲覧室・開館当初
BSL閲覧室・開館当初

3.5.サービス内容
BSLのサービスの概要は、次のとおりである。
  1. ビジネス関連資料の閲覧
  2. インターネット利用環境の整備
  3. データベースの検索
  4. CD-ROMの閲覧
  5. 開業等相談窓口の設置
  6. レファレンス・サービス
  7. セミナーの開催
それぞれのサービスについて個々にふれてみよう。
3.5.1.ビジネス関連資料の閲覧
図書は、開館当初約350冊からスタートし、現在約500冊を所蔵している。「業種別貸出審査事典」「業種別業界情報」など業界情報関連図書の利用が最も多くなっている。以下「日本マーケットシェア事典」等のマーケットシェア情報、「会社総鑑」「東商信用録」などの企業情報の利用が多い。
図書・雑誌・CD-ROM等の資料のうち、BSLに資料がない場合、経済資料センターにある資料については、当センターでの閲覧が可能となっている。
雑誌は、「日経ベンチャー」など創業・起業関連雑誌を中心に26タイトル。新聞は、「日経産業新聞」「化学工業日報」など専門新聞15紙である。保存期間は雑誌1年、新聞1か月とした。
3.5.2.インターネット利用環境の整備
パソコン15台は、全てLAN経由で8MBのADSL回線につながれていて、インターネットが利用可能となっている。このうち5台は、インターネット(ホームページ閲覧)用で、8台がデータベース用、2台がCD-ROM用の端末となっている。
3.5.3.データベースの検索
データベースは、開館当初「ブルームバーグ」「日経テレコン21」「朝日DNA」「ヨミダス文書館」の4つを導入した。さらに平成14年10月に「Jfax」「国際ビジネスサポートサービス」の2つを加えた。
「ブルームバーグ」は、国内・海外の金融マーケット情報、国内外の企業情報などが検索可能である。ブルームバーグのみは、契約上プリントアウトはできない。
「日経テレコン21」は、データベースのうち最も利用が多い。通常、料金は従量制であるが、BSLでは固定費制で契約した。その代わり、メニューは日経4紙の記事情報、日経会社プロフィルの企業情報、日経WHO'S WHOの人事情報のみである。そのため新聞社系の「朝日DNA」と「ヨミダス文書館」も導入した。開館当初はこの4データベースだったが、平成14年10月に「Jfax」と「国際ビジネスサポートサービス(IBSS)」の2つを追加導入した。
「Jfax」はジェイ・アール・エスが提供するデータベースで、約15,000項目の経営相談Q&Aが検索可能である。また、ビジネス文書・契約書の書式なども載せられている。「国際ビジネスサポートサービス」は中小企業向け国際ビジネス契約書式等を見ることができる。
3.5.4.CD-ROMの閲覧
「会社四季報」「日経会社情報」「現行法規」「ダイヤモンド組織図事務所便覧」「マグローヒル科学技術用語大辞典」など11点のCD-ROMを所蔵している。各出版社に閲覧とプリントアウトについて使用許諾の確認を行った。プリントアウトについては「会社四季報」ほか計7点が可能となっている。
3.5.5.開業等相談窓口の設置
開業等相談は、繰り返しになるが平日13時から19時、第1・3土曜日13時から16時の受付時間となっている。
相談者(相談に来る人)の目的意識は概して明白である。ただ、事業計画等に甘さが目立つケースも少なくない。相談内容は多岐にわたっており、中にはかなりレベルの高いものも含まれている。
法律・税務などの専門相談は、当商工会議所中小企業相談センターの既存の相談事業と連携して相談に対応している。
3.5.6.レファレンス・サービス
レファレンス・サービスは「レファレンス・アシスタント」と呼ぶ2名の臨時員と経済資料センター職員で対応している。業界情報のレファレンスが最も多く、次いでマーケットシェア情報、企業情報、統計情報、経営指標の順となっている。
レファレンスについては、東京都立中央図書館にも協力をいただいている。
3.5.7.セミナーの開催
創業・起業に関連するセミナーを年3回開催している。平成14年度は「ビジネスプランの立て方」「創業手続きの実務」「成功する起業、失敗する起業」を開催した。平成15年度は「起業・創業(会社づくり)の失敗学」「起業の夢・志・そしてアクション」「創業・起業者のためのITマーケティング入門講座」を開催している。セミナー・講演会の企画・実施は経済資料センター職員が中心となって行っている。
4.おわりに

現BSL事業は平成16年3月31日(開館は3月30日まで)で一度幕を閉じる。東京都では、BSLで実施してきたレファレンスや創業・経営支援については、(財)東京都中小企業振興公社などの機関でより実践的なサービス提供を行っていく予定である。

創業・経営相談についても当商工会議所中小企業相談センターや都関連の中小企業振興公社に引き継がれることになる。ライブラリー機能は、当経済資料センターをはじめ、都立中央図書館等がこれを引き継ぐことになる。

(東京商工会議所経済資料センター)

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平成15年度の納本制度審議会

寺倉憲一

1.委員の任期満了に伴う委嘱

納本制度審議会(以下「審議会」という。)は、国立国会図書館法に規定する納本制度の改善及びその適正な運用に資するため、平成11年4月に設置された国立国会図書館長の諮問機関です。

昨年度の審議会では、委員の任期(2年)が満了したため、平成15年6月1日付けで委員委嘱の手続きがとられました。前期委員の全員が再委嘱されたほか、百ざき英・社団法人行政情報システム研究所理事長が新たに委員に委嘱され、三期目に当たる審議会が発足しました。また、専門委員として、奥住啓介・財団法人データベース振興センター事務局長・振興部長、すぎ本重雄・筑波大学図書館情報学系教授が再委嘱され、夏井高人・明治大学法学部教授、野末俊比古・青山学院大学助教授が新たに委嘱されました(委員及び専門委員名簿は後掲)。

改めて委員が委嘱されたことに伴い、平成15年6月に開催された第8回審議会では、会の構成が行われ、衞藤瀋吉・東京大学名誉教授が会長に選出されました。会長代理には、公文俊平・国際大学グローバル・コミュニケーション・センター所長を会長が指名しました。衞藤会長は審議会設置時から、公文会長代理は前期から、引き続いての就任となります。

   
2.ネットワーク系電子出版物収集のための制度創設へ向けて新小委員会の調査審議開始

平成14年3月1日、ネットワーク系電子出版物(以下「ネットワーク系」という。)の収集に係る諮問が館長から審議会に対してなされ、この諮問を受けて設置された「ネットワーク系電子出版物小委員会」は、第7回審議会(平成15年3月13日)において、同諮問に係る専門的事項の調査審議の結果を報告しました。審議会は、同小委員会報告に基づいて、調査審議の現況及び今後の要検討事項を確認しました。以上の経緯については、過去に本誌でも御紹介したとおりです(詳しくは、本誌 平成14年4月号「ネットワーク系電子出版物に係る納本制度審議会への諮問について」、平成15年4月号「納本制度審議会におけるネットワーク系電子出版物に係る調査審議について」を御覧ください。)。

平成15年6月25日の第8回審議会では、第7回審議会の確認事項を踏まえ、ネットワーク系の収集に係る制度創設のために今後の調査審議がなお必要な事項として、(1)収集の範囲と収集方法の具体化・詳細化、(2)収集した出版物の利用の在り方、(3)収集及び利用の際の著作権に関する問題、(4)収集及び利用に対する補償の要否及び範囲、(5)義務の履行確保のための強制の在り方(過料等の制度)の各項目が再確認され、これらの各項目を調査審議するため、新たに「ネットワーク系電子出版物の収集の課題に関する小委員会」(公文俊平小委員長)が会長により設置されました(同小委員会所属委員及び専門委員については、後掲名簿参照)。なお、任務を終了したネットワーク系電子出版物小委員会は廃止されました。

同小委員会は、平成16年秋までに計5回の調査審議を行い、その結果を納本制度審議会に報告する予定です。昨年度は、第1回(平成15年9月25日)、第2回(平成16年1月26日)及び第3回(平成16年3月30日)が開催され、収集の範囲・方法、収集・利用に係る著作権法等の問題などが議論されました。

納本制度審議会では、同小委員会調査審議結果の報告を受けた後、これに基づいて平成16年内に最終答申をとりまとめる予定です。

3.独立行政法人等の出版物の納入義務の在り方に関する諮問及び答申

平成15年10月22日、第9回納本制度審議会において、国立国会図書館長から「納本制度において、独立行政法人、国立大学法人及び地方独立行政法人が発行する出版物の納入義務はいかにあるべきか。また、『特殊法人』、『地方公社』等の法人が発行する出版物の納入義務はいかにあるべきか。」との諮問が納本制度審議会に対してなされました。

審議会は、諮問事項を調査審議するため、「独立行政法人等の出版物納入義務に関する小委員会」(塩野宏小委員長、小幡純子委員、高橋真理子委員、百ざき英委員)を設置し、平成15年11月26日、同12月16日の2回にわたり、同小委員会の調査審議が行われました。

平成16年2月13日の第10回納本制度審議会においては、同小委員会の調査審議の結果が報告され、審議会は、同報告を了承した後、これを基に、「答申-独立行政法人等の出版物の納入義務の在り方について」を決定し、同日、会長から国立国会図書館長に答申が手交されました。なお、任務を終えた同小委員会は、同日廃止されました。

同答申は、国・地方公共団体の発行した出版物の納入を義務付けている現行の国立国会図書館法第24条・第24条の2の納入目的である「公用」の意義について、政府等の活動に関する国会の審議を国立国会図書館が補佐するための事務に用いることであると確認した上で、この納入目的にかんがみ、政府活動を担うことを目的として設置された法人(具体的には、独立行政法人、国立大学法人、地方独立行政法人及び一定の要件を備える特殊法人、認可法人、地方公社等)が出版物を発行したときは、国、地方公共団体の機関と同様に、複数部数(地方公共団体の上限部数を超えない部数)を無償で国立国会図書館に納入する義務を負うこととするのが適当であると述べています。

なお、同答申は、国・地方公共団体と同等の出版物納入義務を課すべき法人の範囲については、国民主権の理念に奉仕するための制度であるという点において共通性を有する独立行政法人等情報公開法において採られた対象法人の範囲についての考え方を参照して判断することが適当であるとしています。

同答申を受けて、国立国会図書館は、国立国会図書館法の改正を目指して法整備作業に着手します。

*なお、これまでの納本制度審議会の答申、報告、議事録等の資料は、当館ホームページ(/)上で公開されております。(「国立国会図書館について」→「納本制度」→「納本制度審議会」を御覧ください。)

(名簿)
1.納本制度審議会
会長
衞藤瀋吉:東京大学名誉教授
会長代理
公文俊平:国際大学グローバル・コミュニケーション・センター所長
委員
合庭惇:国際日本文化研究センター教授
朝倉邦造:社団法人日本書籍出版協会理事長
浅野純次:社団法人日本雑誌協会理事長
安念潤司:成蹊大学法学部教授、弁護士
内田晴康:弁護士
小幡純子:上智大学法学部教授
見城美枝子:青森大学社会学部教授、エッセイスト
小林辰三郎:社団法人日本出版取次協会会長
塩野宏:東京大学名誉教授、東亜大学通信制大学院教授
清水勲:帝京平成大学情報学部教授
高橋真理子:朝日新聞論説委員
竹内さとる:社団法人日本図書館協会理事長
村上重美 社団法人日本新聞協会専務理事
ざき英:社団法人行政情報システム研究所理事長
紋谷暢男 成蹊大学法学部教授
依田:社団法人日本レコード協会会長
(18名)
専門委員
奥住啓介:財団法人データベース振興センター事務局長・振興部長
すぎ本重雄:筑波大学図書館情報学系教授
夏井高人:明治大学法学部教授、弁護士
野末俊比古:青山学院大学文学部助教授
(4名)
2.ネットワーク系電子出版物の収集の課題に関する小委員会
小委員長
公文俊平:国際大学グローバル・コミュニケーション・センター所長
委員
合庭惇:国際日本文化研究センター教授
安念潤司:成蹊大学法学部教授、弁護士
内田晴康:弁護士
小幡純子:上智大学法学部教授
紋谷暢男:成蹊大学法学部教授
専門委員
奥住啓介:財団法人データベース振興センター事務局長・振興部長
すぎ本重雄:筑波大学図書館情報学系教授
夏井高人:明治大学法学部教授、弁護士
野末俊比古:青山学院大学文学部助教授
(10名)

(収集部収集企画課)

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平成16年度行政・司法各部門支部図書館職員に対する研修について

行政・司法各部門支部図書館の職員が出席しやすいように、年度初めに研修予定をお知らせしています。

また、参考としまして、平成16年度専門図書館協議会総会・全国研究集会と平成16年度全国図書館大会もご案内いたします。

平成16年度研修予定(平成16年4月〜平成17年3月)
研修
5 7(金)
21(金)
28(金)
新規配属職員研修
DBのオンライン検索講習会(国会会議録)
DBのオンライン検索講習会(NDL-OPAC)
6 25(金) 特別研修「中央館・支部図書館総合システム分散型総合目録DB(仮称)の紹介」 
7 5(月)
司書業務研修I
「オリエンテーション」
「レファレンス入門 経済社会分野」
8 2(月) 特別研修「見学:支部農林水産省図書館、支部林野庁図書館」
9 3(金)
7(火)
10(金)
14(火)
17(金)
21(火)
司書業務研修II
「図書館学入門」
「目録法入門」
「分類法入門」
「著作権について」
「国会分館(議事堂内図書館)について」
「資料保存研修」
10    
11 2(火)
5(金)
9(火)
17(水)

19(金)
司書業務研修III
特別講義「見学:電通本社情報センター」
司書業務研修III
「交流会」「雑誌記事索引について」
司書業務研修III
「新聞資料について」「図書館における著作権」
司書業務研修III
「レファレンス入門 人文分野」
「電子資料室について」
司書業務研修III
「国会レファレンス」「懇談会」
12   特別研修 未定
1   特別研修 未定
2 16(水) 司書業務研修IV「議会官庁資料室のレファレンスについて」

平成16年7月15日(木)〜16(金)平成16年度専門図書館協議会総会・全国研究集会(広島)
平成16年10月27日(水)〜29(金)平成16年度全国図書館大会第90回(高松)

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平成16年度専門図書館協議会総会・全国研究集会のお知らせ
  • 平成16年度専門図書館協議会総会・全国研究集会
  • 総合テーマ:「知的財産参戦略時代における情報サービスを探る」
  • 開催期日:
    平成16年7月15日(木)、16日(金)
    開催会場:
    メルパルク広島 (広島市)
    後  援:
    国立国会図書館、(社)日本図書館協会 他
  • 問い合わせ先:専門図書館協議会事務局
  • 〒104-0033 東京都中央区新川 1-11-14 日本図書館協会会館6階
  • Tel:03(3537)8335
  • Fax:03(3537)8336
  • 詳しくは:ホームページhttp://www.jsla.or.jp/)をご覧ください。
国立公文書館所蔵資料特別展「激動幕末―開国の衝撃―」のご案内

国立公文書館では、平成16年4月3日(土)から22日(木)までの間、国立公文書館所蔵資料による特別展「激動幕末―開国の衝撃―」を開催いたします。平成16年春は、本年が日米和親条約締結から150年目に当たることを記念して、「激動幕末―開国の衝撃―」と題し、国立公文書館の貴重な関係資料を展示します。
是非ご来場ください。

期間
平成16年4月3日(土)〜22日(木)土・日曜日も開催
時間
午前9時45分から午後5時30分まで
ただし、木・金曜日は午後8時まで
講演会
平成16年4月17日(土)午後2時から
「新撰組の精神的風土」
講演者:中村彰彦 氏(作家)
(入場は無料)
  • 会場:国立公文書館
  • 住所:東京都千代田区北の丸公園3-2
  • TEL:03-3214-0621(代表)
  • URL:http://www.archives.go.jp
  • (地下鉄東西線「竹橋駅」1b出口より徒歩5分,地下鉄東西線・半蔵門線、都営新宿線「九段下駅」4番出口より徒歩12分)

(地下鉄東西線「竹橋駅」1b出口より徒歩5分,地下鉄東西線・半蔵門線、都営新宿線「九段下駅」4番出口より徒歩12分)

国立公文書館所蔵資料特別展「激動幕末―開国の衝撃―」

国立公文書館所蔵資料特別展「激動幕末―開国の衝撃―」

(クリックすると拡大します)

日誌(平成16年1月〜平成16年3月)
平成16年
1月6日
支部図書館長異動
総務省図書館長
田中栄一
(前 中田睦)
1月16日
支部図書館長異動
法務図書館長
大谷晃大
(前 黒川弘務)
1月27日 特別研修「NHK放送技術研究所研究資料室の見学」
11館18名
2月27日 第16回保存フォーラム「災害と情報ネットワーク」
11館18名
3月10日 平成15年度第3回中央館・支部図書館ネットワーク検討会
3月12日 平成15年度第3回中央館・支部図書館兼任司書会議
3月15日 平成15年度第3回中央館・支部図書館協議会幹事会
3月18日 平成15年度第3回中央館・支部図書館協議会

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