• 利用案内
  • サービス概要
  • 東京本館
  • 関西館
  • 国際子ども図書館
  • アクセス
  • 複写サービス
  • 登録利用者制度
  • オンラインサービス
  • オンラインサービス一覧
  • 国会関連情報
  • 蔵書検索
  • 電子図書館
  • 調べ方案内
  • 電子展示会

トップ > 刊行物 > びぶろす > 平成16年1月号(電子化23号)

びぶろす-Biblos

平成16年1月号(電子化23号)

  • NATIONAL DIET LIBRARY
  • 発行/国立国会図書館総務部


はじめに

『びぶろす』は、昭和25年4月に創刊し、以後行政・司法各部門の支部図書館と専門図書館の連絡情報誌として今日に至っております。より広い範囲への提供を考え、平成10年8月号で冊子体を停止し、10月から国立国会図書館ホームページで公開しています。刊行形態は異なりましたが、今後も当館、支部図書館および専門図書館の折々の状況を掲載して行きます。

本誌に掲載された記事を全文または長文にわたり抜粋して掲載される場合は、サイトポリシーをご覧いただき、事前にご連絡ください。

目次

  1. topic法曹養成システム改革の背景と法科大学院構想
  2. 私記最高裁判所図書館
  3. 平成15年度行政・司法各部門支部図書館職員各地区図書館等調査研究参加報告〜関西〜
  4. 第7回資料保存研修を受けて
  5. お知らせ「近現代日本政治関係人物文献目録」の公開
  6. 日誌

このページの先頭へ

TOPIC:法曹養成システム改革の背景と法科大学院構想

浅古弘

はじめに

司法制度改革審議会が、1999年7月27日の発足から約2年間の審議を経て、2001年6月12日に「21世紀の日本を支える司法制度」という副題を冠した意見書を公表した1。意見書は、第一に、「国民の期待に応える司法制度」とするため、司法制度をより利用しやすく、分かりやすく、頼りがいのあるものとする。第二に、「司法制度を支える法曹の在り方」を改革し、質量ともに豊かなプロフェッションとしての法曹(裁判官・検察官・弁護士)を確保する。第三に、「国民的基盤の確立」のために、国民が訴訟手続に参加する制度の導入等により司法に対する国民の信頼を高める。この3点を基本的方針として、明治以来の日本の司法制度を根本から見直し、21世紀の日本社会に相応しい司法制度に改革をしようとの提言である2

そのなかでも、社会の強い関心を呼んでいるのが、法科大学院という新たな法曹養成システムである。「司法制度を支える体制の充実強化」のために、法曹養成システムの改革が必要であるとし、「法科大学院(仮称)構想に関する検討会議」の報告3を受けて、司法試験という「点」のみによる選抜ではなく、法学教育、司法試験、司法修習を有機的に連携させた「プロセス」としての法曹養成システムを新たに整備し、司法が21世紀の日本社会において期待される役割を十全に果たすことができるよう人的基盤を確立するために、基幹的な高度専門教育機関として法科大学院を設けるべきであるとした。

文部科学省は、この法科大学院構想を具体化するために、中央教育審議会の答申4を得て、法科大学院の設置基準に関する関係法令の整備を行った。法科大学院の設置については、当初の予想に反して、72大学が法科大学院の設置申請を文部科学省に提出したが、文部科学省は、大学設置・学校法人審議会の答申を得て、2003年11月27日に、66大学に設置を認め、2大学の設置を保留とし、4大学の設置申請を不認可とした5。設置認可された大学は、2004年4月の開校に向けて、具体的準備に入っているところである。しかしながら、司法制度改革審議会の掲げた新しい法曹養成の理念が、どれだけ実現されるかは、今後の各大学の姿勢と現在検討中の新司法試験の在り方に関わっているといえよう。

1.高い能力を持った法律家の需要と法科大学院

法科大学院構想が出てきた背景には、「高い能力を持った法律家の需要」、「法曹養成制度の見直し」、「大学改革の潮流」の三点があると言われている。そこでまず、「高い能力を持った法律家の需要」から見ていくことにしたい。

日本は、明治以来、「萬國対峙」(欧米列強と対等平等の独立国になる)という時代の課題を達成するために、行政が裁量的に広範囲に市場を規制して国内産業を保護し、紛争が起こらないように事前規制すること(「行政の支配」)で、効率の良い近代化政策を採ってきたのである。しかしながら、急速に進む「情報の地球的規模での共有」と「世界市場の形成」は、一国経済の世界経済への一体化という現象を生み出し、国際的な経済活動を規律する共通の普遍的な規範(ルール)、すなわち「市場経済の原理」と「自己責任」の完遂というグローバル・スタンダードの実現を日本に求めているのである。すなわち、自己の責任において法という透明なルールの下で自由に活動ができるような「法の支配」を基盤とした社会に変容することが求められている。地球規模で活動している日本の企業が、こうした変化に極めて敏感に反応し、経済団体連合会などの産業界から司法制度改革の必要がいち早く提起された6のは、ごく自然のことであった。世界の流れは、国境を越える物の自由化ばかりではなく、サービスの自由化をも求めてきている。法曹の世界にも、欧米の法曹や法律事務所を相手に競争し、ますます関係を強めているアジア諸国の企業や市民を相手に法律サービスを提供しなければならない時代が目の前に迫ってきているのである。

こうした社会の変化に対応するためには、「法の支配」の担い手として高い能力を持った法律家(法曹ばかりでなく、法曹資格を持った法律専門職)が多数必要となるのである。すでに企業再編の加速や規制緩和、さらには不良債権の処理などで、弁護士に対する法的サービスの需要が爆発的に拡大している。これまでのような訴訟(法廷)を中心とした活動だけではなく、紛争の予防や解決のための交渉、あるいは企業の戦略的企画会議での助言などの活動が仕事の中心になってきている。そこでは、問題を適切かつ的確に把握し、解決できる能力を持ち、知的財産・金融・企業法務・福祉などの専門的・先端的分野や国際社会における多様な法的サービスに対応できる法律家が求められている。こうした専門性は、知的財産権の専門裁判所の設置構想に見られるように、弁護士だけでなく、裁判官や検察官にも求められているのである。

2.法曹養成制度の見直しと法科大学院

こうした望まれる法律家を、現行の法曹養成制度のもとで、社会のニーズに応えられるだけの数を養成することには限界があるといわれている。現在の法曹資格取得の前提条件は司法試験に合格することであり、司法試験は「裁判官、検察官又は弁護士になろうとする者に必要な学識及び其の応用能力を有するかどうかを判定する国家試験」(司法試験法1条)である。しかしながら、司法試験は、理論的知識とその応用能力があるかどうかを判定する試験であるにもかかわらず、教育的基盤として、法学部卒業はもちろん、大学で総合的・体系的な法学教育を受けたかどうかを問わないのである。義務教育を修了していれば誰でも受験できる開かれた試験なのである。司法試験は資格試験であるといわれながら、実際には司法研修所の定員との関係で極めて厳しい競争試験となっている。今年度の司法試験は、受験者45,372人に対し、合格者が1,170人、合格率2.58%、合格者の平均年齢は28.15歳であった。

司法試験科目の6科目で高得点をとれば合格というこの試験制度のもとで、超難関の司法試験にできるだけ短期間で合格するためには、基本書も読まず、大学の講義にも出席せずに、ひたすら予備校に通い、マニュアル的な教本で出題と解答のパターンだけを習得するのが近道だと信じられるようになってしまった。その結果、法律家に求められる自立的な思考力・判断力に欠け、具体的な事案の処理ができない若手法曹が見受けられるようになり、合格者数の拡大とともに、このような傾向が一層顕著になってきたといわれる。

司法制度改革審議会は、「法曹に必要な資質」として、「豊かな人間性・感受性、幅広い教養と専門知識、柔軟な思考力、説得・交渉の能力等の基本的資質に加えて、社会や人間関係に対する洞察力、人権感覚、先端的法分野や外国法の知見、国際的視野と語学力等」を挙げて、「世界に通用するプロフェッション」を育成しなければならないとした。このような「世界に通用するプロフェッション」を育成するためには、現行の司法試験とそのための受験勉強だけでは達成できないことは明らかであり、専門職法学教育を大学で行うべきだという議論が、法科大学院構想という形で出てきたことは当然のことであった。

3.大学改革の潮流と法科大学院

かつて日本にも、法曹の養成を法学教育のこととした時代があったが、1886年の帝国大学創立を軸として、法学教育の主眼を「行政の支配」の担い手である行政官僚や司法官僚あるいは大企業の指導者の養成ということに重点を移すようになった。こうした目標の転換に敏感に反応し、法学部教育に政治学系統の学問や経済学系統の学問が包摂され、裁判を通しての法の運用の学習よりも、むしろ行政活動や企業活動を円滑ならしめるための技術としての法の理解が要求されるようになった。帝国大学法科大学を中心に成立した日本型法学教育は、私学の法学教育に対しても多大な影響を与えるようになり、その内容にわたる監督統制が強められ、日本の法学教育は専門職法学教育から距離を置くこととなった。

戦後の学制改革のなかでは、国・公・私立を問わず、法学部の大量増設が行われた。法文学部を加えても戦前僅かに11校しか存在しなかったものが93大学を数えるまでになり、毎年47,000人が法学部に入学している。この法学部増設は、当然のことながら、法学教育の目標に大きな影響を与えずにはおかなかった。なぜならば、大多数の法学部出身者は、法律専門職としてではなく、民間企業に就職していかなければならなかったからである。この現実に対応して、新制大学における法学教育は「リーガル・マインド」を持った「ゼネラリスト」、すなわち法的素養のある企業人の養成を目標としてきたのである。しかも戦後の学制改革が旧制高等学校を廃止し、教養教育をも大学教育のこととしたから、法学の履修はますます窮屈なものとなった。こうした法学教育の目標の拡散・曖昧さは、日本の法学教育から法律家の養成を目標とする欧米の法学教育に見られる厳しさを失わせるとともに、語学・教養教育の不足も深刻なものとしたのである。

このことの反省にたって、大学審議会は、わが国の高等教育の構造的改革が必要であると考え、「社会、経済の構造変化と国際的な相互依存関係、世界的規模での競争の中で、職業人として指導的な役割を果たす人材を育成する」ためには、「学部段階における幅広い教養教育を受けた者を対象として、高度専門職業人の養成を目的とし、職業資格との関連も視野に入れた新しい形態の大学院制度を検討」しなければならないとした7

司法制度改革審議会の意見を具体化するために、中央教育審議会は、法科大学院の制度設計に直接かかわる設置基準、学位、入学者選抜等についての答申8をまとめたが、そのなかで、法科大学院構想は「人々の知的活動・創造力が最大の資源であるわが国にとって、優れた人材の養成と独創的な学術研究の推進等の役割を担う大学における教育研究の振興は、今後の発展に欠くことのできない「未来への先行投資」であ」り、「大学(大学院)が社会との対話の中で自らを変革し、国民の期待に応えて「知の再構築」を図っていくことができるか、今後の大学改革の行方を展望する上でも重要な試金石」であるとの認識を示した。このように、法科大学院構想は、単に法曹養成システムの改革だけでなく、わが国の高等教育の見直しでもあったのである。

4.法科大学院の基本的設計

こうした法科大学院の理念を実現するため、その設置に際しては一定の基準を満たさなければならない。設置基準については、中央教育審議会の答申を受けて、文部科学省が定めた「大学院設置基準」の一部改正(平成15年文科令15)、「専門職大学院基準」(平成15年文科令16)、「専門職大学院に関し必要な事項について定める件」(平成15年文科告示53)、「学位規則」の一部改正(平成15年文科令15)などに規定されている。

それによれば、法科大学院は標準修業年限3年とする専門職大学院であり、法科大学院の修了者には、「法務博士(専門職)」などの学位を授与する。課程の修了には、3年以上在学し、93単位以上を取得することが要件である。法科大学院において必要とされる法律学の基礎的学識を有すると認められた者(法学既修者)については、2年以上在学し、63単位以上を修得すれば、課程を修了できるという例外を設けた。これはすでに学士課程において法学を学修した者がいる現状を考えての措置である。法科大学院は、法律基本科目群(憲法・行政法・民法・商法・民事訴訟法・刑法・刑事訴訟法)、実務基礎科目群(法曹としての技能及び責任その他の法律実務に関する基礎的な分野の科目)、基礎法学・隣接科目群、展開・先端科目群(先端的な法領域に関する科目その他の実定法に関する多様な分野の科目)のすべてにわたって授業科目を開設し、学生が司法試験受験を考えて試験科目だけを履修することがないように配慮しなければならないとされている。また授業を行う学生数は少人数とし、法律基本科目の授業については50人を標準とすることも求められている。

教員については、高度の教育上の指導能力があると認められる者を必要数置かなければならず、最低限必要な専任教員数は12人、専任教員1人当たりの学生の収容定員は15人以下としなければならない。法律基本科目には専任教員を配置するのが原則であり、専任教員のうちおおむね2割程度以上を実務家教員(裁判官・検察官・弁護士など)とする必要がある。現職の裁判官や検察官を教員として法科大学院に派遣する仕組みも作られた。

法科大学院の入学者選抜については、法科大学院の多様性を確保するため、入学者のうち法学部出身者以外の者又は社会人が占める割合が3割以上となるよう努力しなければならないとされている。

5.第三者評価(適格認定)と法科大学院−むすびにかえて−

法科大学院がスタートすると、原則、法科大学院を修了した者に司法試験受験資格が与えられ、修了後5年間に3回の受験が認められる。このこととの関係で、法科大学院については、第三者評価機関が、法科大学院の教育水準の維持・向上の観点から、評価基準に基づいて大学を定期的に認証評価することになる。第三者評価機関から適格認定を受けられなかった場合には、国が調査し、法令違反状態が明らかであれば、改善勧告・変更命令・認可取消等の措置が講ぜられることになる。設置後も常に設置申請時の水準を維持・向上させなければならないから、法科大学院を設置した大学の責任は重いのである。

法科大学院を、実務教育だけの職業訓練学校であるとか、司法試験予備校と同視するかの如きことを喧伝する人がいないわけではないが、これは全くの誤解であり、このことは大学設置・学校法人審議会の答申によっても明らかである。法科大学院での教育は、司法試験の受験指導ではなく、実務を意識した理論教育であり、理論と実務とを架橋する教育が期待されているのである。この新しい法曹養成システムが、その理念通りに成熟して行くかどうかは、法科大学院を見る社会一般の評価に負うところが大きい。司法試験合格率だけで、その法科大学院を短絡的に評価するようなことがあれば、また、現状へ逆戻りしてしまうのである。

(早稲田大学法学部教授)
(早稲田大学法科大学院(仮称)開設準備委員会副委員長)

  1. 「司法制度審議会意見書−21世紀日本を支える司法制度−」URL:http://www.kantei.go.jp/jp/sihouseido/report-dex.html
  2. 政府は、この提言を最大限尊重する方針を決め(http://www.kantei.go.jp/jp/kakugikettei/2001/0615sihouseido1.html)、司法制度改革推進法(平成13年法律119)を公布して、司法制度改革推進本部を内閣に設置し、司法制度改革推進計画をまとめている(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/sihou/keikaku/020319keikaku.html)。
  3. 「法科大学院(仮称)構想に関する検討のまとめ−法科大学院(仮称)の制度設計に関する基本的事項」URL:http://www.kantei.go.jp/jp/sihouseido/dai33/pdfs/33siryou1.pdf
  4. 「法科大学院の設置基準等について」URL:http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/index.htm
  5. URL:http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/daigaku/toushin/03112104.htm
  6. 「司法制度改革についての意見」(1998年5月19日)、URL:http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/pol173.html。通商産業省産業政策局も、2000年5月9日に「経済活動と司法制度に関する企業法制研究会報告書」をまとめている。
  7. 「グローバル化時代に求められる高等教育の在り方について」URL:http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/index.htm
  8. →註4。

目次へもどる

このページの先頭へ

私記最高裁判所図書館

飯島彦安

「びぶろす」に機会を設けていただきましたので、当館のほんの概略を紹介させていただきます。

まずは、定石に従い沿革史から・・・・。

当館発足の契機は、昭和23年12月21日の法律第260号「裁判所法の一部を改正する法律」に遡ります。本法の最高裁判所に国立国会図書館の支部図書館を設置する旨の規程が、使い古された表現ですが当館の生みの親ということになりましょうか。この規程により、翌昭和24年(1949年)に旧大審院図書室を引き継ぎ、霞ヶ関の最高裁判所旧庁舎内に当館が発足しました。

以来,図書館情報大学の何代か前の養成所で司書学を研鑽された方々をはじめとする、先輩諸氏が築かれてこられた有形・無形の遺産(失礼、言葉のアヤですので先輩のみなさま悪しからず)を礎として、裁判事務に必要な資料・情報を提供することを使命とする司法部門の一機関としての役割を果たしてきました。

沿革のはなしの途中ですが発足54年目の統計的概要をご紹介すると蔵書関係は、図書約25万冊(和15万・洋10万)、雑誌は和洋合わせて707種、加除式資料は同じく和洋合わせて257種となっています。視聴覚資料については、受入図書や雑誌の付録などが主という段階で、ご披露に及ぶほどのものはありません。

その後、昭和49年の最高裁裁判所移転に伴い当館も隼町庁舎の4階と5階に移り、国立国会図書館と向かい合っています。当然のことながら、旧庁舎時代の逸話などを聞かせてくださった先輩も年毎に職場を去られ、その頃のことは「去年の雪今いずこ・・・」となる時も遠いことではなくなりました。

約半世紀の歩みをお話しすると終わらなくなるので、あとは独断で選んだ当館沿革のランドマークにだけ触れさせていただきます。

当館では毎年3、4名の図書館情報大学生を図書館業務実務修習生としてお迎えしていますが(いえ,沿革からの脱線ではありません)、ある年その方達から実務修習先に当館を選んだ理由のひとつが、ベーシックな図書館の実務を経験できるという魅力(?)であると聞かされました。といってもベーシックな図書館の意味が分かりません。恥を忍んで尋ねたところ、「図書館のコンピュータ導入が急速に普及しつつある時代に、まだそうしていない図書館のこと」だと教えられ、中年の職員同士苦笑を交わしたことがありました。

もちろん、当時からその問題は数年にわたる課題として検討を重ねていたところでしたが、平成8年にブレインテック社の総合蔵書管理システム「情報館」が導入され、機械化図書館の仲間入りを果たしました。

ベーシックな図書館を卒業して7年目の今日、(ひとりを除き)バージョンアップ版の「情報館95」を使いこなしながら、機械化による格段のサービス向上の実態を実感しています。もっとも今の職員構成では、ベーシック時代を経験していない職員の方が多数派を占めており、遠からずこうした感慨も熟年の回想談に過ぎなくなりそうです。

機械化実現から5年後の平成13年には、「図書館蔵書検索システム」が完成し、運用が開始され、裁判所のネットワーク・システムであるJ・NETにより、来館しなくとも全国の裁判所からパソコンで「情報館95」に入力されているデータを検索できるようになりました。

私情まじりの駆け足的沿革史はこれで終わりとし、当館の組織の概略に移ります。図書館はそれぞれの設立経緯やその特色・規模により、各部門の名称に統一的なものはありませんので、当館における各係の名称と担当業務の概略をご紹介します。

当館の組織は総務課と整理課から構成されており、総務課は庶務係のほか、貸出や閲覧提供を担当する閲覧係、レファレンス対応を担当する参照係、排架や書庫管理及び雑誌の製本手配や図書の補修手配などを担当する保管係に分かれています。

整理課は、選書会議用リストの作成や、担当セクションへの購入依頼手続や国際交換業務など図書・資料収集関係の業務と当館蔵書としての登録関係全般を担当する受入係と,それらの図書を分類整理し、利用者に必要な書誌情報を採録し「情報館95」へ入力する和書整理係、洋書整理係に分かれますが、これに加え当館の刊行物である「邦文法律雑誌記事索引」の編集を担当する雑誌索引係があります。

順序としては、蔵書構成の特色にふれなければならないところですが、迅速な裁判事務の処理に資する資料の提供を使命とする当館としては、「そのための法律専門図書・資料の収集に努めています」のひとことで終わってしまいます。実務資料優先の専門図書館としては、致し方ない仕儀ですが、木で鼻をくくるような自己紹介では恐縮ですので、よその図書館並に「文庫」というコレクションがありますので、一応ご披露させていただきます。と申しても,国内で当館しかないような稀観本のはなしではありません。

煙幕の前口上が長くなりました。当館の文庫は、和図書では「明治文庫」、洋図書では「正求堂文庫」ということになります。

「明治文庫」は,全国の裁判所で所蔵されていたものの,現行の裁判事務の執務資料としては利用されなくなった幕末・明治・大正初期に刊行された法律書が除籍による廃棄で失われることのないよう、当館が引き取り保存しているものです。

保存状態も千差万別の古書ですから毎年専門業者に補修を委託しています。

「正求堂文庫」は、イギリスでバリスターの資格を取得され、中央大学の前身である英吉利法律学校の創立に貢献された増島六一郎博士が、生前収集された英米の法律文献をはじめとして、今日に至るまで「FederalSupplement」など、法律図書館にとり重要な英米判例集を継続して寄託していただき、利用者の便に供させていただいています。

このほか当館蔵書の特色(といえるかどうか恥じ入るところですが)は、洋図書にドイツ語文献の占める割合の高さでしょうか。

今の洋法律文献の収集割合は、利用率に比例して英語・ドイツ語・フランス語の順になっていますが,蔵書にドイツ書の比率が高いのは,外国法の研究といえばまずドイツ法が主流であった時代に収集された、大審院の蔵書を引き継いだことによると思われます。

「図書館員、古きが故に貴からず」と言われそうなこの頃ですが、「書籍、古きが故に貴からず」との価値判断ができるスタッフがおりませんので、大切に保存しています。(明治文庫洋書版の観なきにしもあらず、と言っては、大先達の方々に叱られそうですが。)

脈絡もなく私情まで紛れ込み、みなさまには隔靴掻痒であろう自己紹介に終始しましたが、「始めは処女の如く終わりは脱兎の如く」これで閉館とさせていただきます。

(最高裁判所図書館)

目次へもどる

このページの先頭へ

平成15年度行政・司法各部門支部図書館職員 各地区図書館等調査研究参加報告〜関西〜

齋藤守榮

調査研究概要
  1. 目的
    本調査研究は、国立国会図書館が支部図書館職員を対象とする研修の一環として行ったものであり、国内各地区の図書館活動の実態を調査し、各種図書館等の機能・運営・相互協力についての知識を深めることにより、もって支部図書館の運営と業務の改善の参考に資するものである。
  2. 調査対象図書館及び日程
    1. 天理大学附属天理図書館(平成15年10月30日)
    2. 国立国会図書館関西館(平成15年10月31日)
  3. 参加者
    各支部図書館職員 26名(引率2名)
【天理大学附属天理図書館】

近鉄天理線の天理駅に向かう車窓から、見たことのない大きい建物を不思議な面もちで目にしながら、そして目的の天理駅に降り立った10月30日は、まさに秋晴れの爽やかなお天気であり、そのせいか、これから訪れる天理大学附属天理図書館への期待が何故かわき上がってきた。そして駅の大きさに似合わないほど大きい駅前広場、そして都内のターミナル駅を思わせる程のタクシー乗り場を前にしたとき、その時期になるときっと大勢の信者達がこの駅に降り立つのだろうと、見たことのない風景に勝手に想いを巡らせてしまった。そしてタクシーで訪れた天理図書館は、快晴の青空に今を見頃と黄色一色となった銀杏が、石造りの重厚な面持ちの建物に色を添えていた。一見、図書館とは思えないような、見るからに歴史を偲ばせる建物であり、そしてその入り口には大航海時代を彷彿させる大砲がさり気なく置いてあり、気がつくと駅前で感じた期待がまた別な形で私の中に渦巻いていた。館内に入ると、石造りの歴史有る建物に共通する薄暗さがあり、ややひんやりとした空気は、ある種の居心地の良さを感じるものである。玄関ホールから左に上がった先に会議室があり、地区研の開始の時間まで暫くそこで待っていたが、ステージのある講堂はそこそこ古めかしく、テーブル付きの据え付け型折り畳み椅子はやや小さめで、しかし見かけの割には座り心地は悪くなかった。地区研開始の案内の後、天理大学附属天理図書館の担当者から今回の地区研についてのスケジュールの説明があり、まずはビデオを上映の後、施設を見学、さらに開館73周年記念展として折良く開催されていた「近世の文化と活字本」を見学するとのことであった。上映したビデオについての補足説明の後、館内あちこちを案内していただいたが、やや古めかしい書庫には一見しただけで価値のありそうな感じの古い本が整然と並んでおり、それは歴史の重みを感じさせる独特の雰囲気があり、古いものを保存し伝えている天理図書館に改めて学ぶべきものを感じた。説明によると、書籍の収集には使命感を持っており、(1)海外布教者の育成、(2)誤りのない史実の保存、(3)社会文化事業としての公開活動と、それぞれに資するものを収集するということであった。また、昔の本は、それぞれに徳があり、それだけで何かを教えてくれる……と言っておられた事がとても印象的であった。更に開催されていた記念展「近世の文化と活字本」を展覧会担当者の解説で充分に見学することができたが、活字による印刷というものが随分古い時代からあったのを初めて知ることができた。また、天理図書館がその設立については、天理教徒の啓蒙・伝道を目的として設立したもので、布教者を育てそして後世に引き継ぐ使命を持っている図書館であると改めて認識した。また、歴史有る図書館であるので見学者も多く、昨年は54件あり、うち14件が海外からの方々とのことである。

天理大学附属天理図書館の正面

(天理大学附属天理図書館の正面)

沿革
天理図書館の創設は古く、大正時代に遡る。大正8年に天理教青年会図書委員により図書購入に着手したのがその始まりであり、同13年10月に中山正善天理教二代真柱が青年会会長に就任し、改めて図書館の設置と図書収集・整理等について審議され、翌年3月創設の天理外国語学校内にそれまでに収集した図書を移し、同14年8月に天理図書館と命名して新たな運営方針に沿った図書館として発足した。図書整理については、将来の経営プランに従って教校・中学校・女学校の蔵書のみならず、中山家の所蔵図書をも包含して総合化が進められ、同15年9月にこれらの図書を新築になった外国語学校校舎3階西側に集結し、それまでの館名の天理図書館を「天理外国語学校付属天理図書館」と改めるとともに、同年11月に閲覧を開始した。蔵書数は、約26,000冊(うち洋書は約5,000冊)であった。昭和3年10月、天理教教会本部は天皇即位御大典記念事業として本格的な独立図書館の建築に着手し、昭和5年10月に竣工したのが現在の建物であり、現天理図書館がその第一歩を踏み出した。その後、天理図書館は教内及び地域社会における中心的文化施設として教義や一般文化の啓蒙に広く関与してきたが、天理外国語学校の付属図書館である天理図書館は、次第に純粋に宗教学や各国の語学・文化等を中心とする研究図書館として、また公開図書館として活動を行ってきた。戦後は外国語学校の大学昇格とともに蔵書の増加が行われたが、蔵書の急増による狭隘が問題化し、書庫を主とした増築を行い、同38年6月に竣工し現在に至っている。
蔵書
平成15年3月末現在での蔵書数は、約200万冊であり、和漢書と洋書は3対1である。
蔵書は各分野にわたって集められているが、文科系に重点が置かれた蔵書であり、宗教、東洋学、オリエント学、考古学、民族学、地理学、言語学、各種外国文学、国文学など。また、逐次刊行物も約11,500種を所蔵する。特に特色のある収集は、古文書・自筆本・内外稀覯書・地図で、全国から閲覧の希望者が絶えない。その中で、カトリックの伝道史に関する図書群で「ぎやどぺかどる」、「こんてむつすむん地」等のいわゆる「きりしたん版」は世界的な稀覯本とのこと。また国文学関係も充実しており、中古文学、近世文学は密度が高く、更に西鶴、芭蕉、宣長、鴎外、子規などといった者たちの直筆を含む関係資料を体系的に収集している。また、日本近世儒学関係、神道関係などの資料も豊富であり、国外では東洋の稀覯古典籍、西洋ではインキュナビュラ、ディッケンズ等のコレクション、その他、ゲーテの自筆書など、多方面に渡っている。これらのうち、播磨国風土記など6点が国宝であり、和名類聚抄など83点が重要文化財に指定されている。そのほか、江戸期浄瑠璃本版木約15,000枚、江戸末期の木活字約5万個、メルカトル等によって作られた西欧製の地球儀、天球儀約50基なども所蔵する。
特別文庫
図書館が収集した著名な蔵書家の旧蔵文庫は200件余りあり、そのほとんどは文庫の単位ではなく一般蔵書中に収めているが、規模が大きく由緒あるものはそのまま特別文庫として纏めて収蔵しており、綿屋文庫、古義堂文庫、吉田文庫、近世文書、天理教文献が特別文庫として収蔵されている。
機械化
昭和63年度から電算機処理を導入し、これ以降に整理された資料の検索は端末機を使って行うことができるようになっている。それ以前はカード及び冊子目録による。
閲覧者数等(平成14年度)
入館者数:91,295人
閲覧冊数:26,739冊(学内45%、学外55%)
うち、14%が貴重書(学内24%、学外76%)
貸出冊数:7,293冊(ほぼ学内のみ)
複写枚数:81,827枚(学内3%、学外97%)
うち、71%が貴重書及び準貴重書で、マイクロフィルムによるか、写真による複製である。
所感
天理図書館の建造物が歴史ある建物であるとともに、所蔵資料も歴史的な文化遺産として重要な価値あるものが多数存在する。和洋古書は一般新書などと別々に保管していると聞いたが、いずれも自然環境の中で保管されている。歴史的文化遺産を自然環境そのままで長く保存していることは意外であったが、それだけに、保存に対する努力は相当なものと推察する。限りある予算の中で、資料の保存にウェートを置くか、それもと収集にウェートを置くか実に難しいところであるが、うまくバランスを取っているのであろう。とにかく、朝から抱いていた私の天理図書館に対する期待感は、充分に満足するものであったのは事実である。
【国立国会図書館関西館】

昨日に引き続き今日も秋晴れの快晴に恵まれ、本日の訪問先である国立国会図書館関西館に向けて、宿泊先とした近隣にあるホテルから徒歩で出発した。

国立国会図書館関西館は、関西文化学術研究都市の一角に位置している。関西館は、年々増加する蔵書により国立国会図書館東京本館の書庫が満杯に近くなり、新たに大規模な収蔵施設を確保する必要があること、また、急速な情報通信技術の発展に対応した図書館サービスを提供することが期待されていること等の課題に応えるために当地に設置されたものである。総ガラス張りの関西館建物は、まさに21世紀に相応しい様相を呈しているものであり、敷地外周の傾斜した壁面一面には上端から水が流れ落ちていて、なにか不思議な空間を醸し出しており、昨日見学した天理図書館とは全く趣の異なるものである。正門を入ると正面入り口までかなりの距離があり、東京の何処に行っても密集した状態に慣れた身では、その大きさにちょっと驚いて左右を見やると何か地面がギザギザになっていて、これは何の施設なのかと思いつつ入り口から館内に入るとそこはエントランスキューブとなっており、その広さと明るさにまた驚いてしまった。1階の奥にある会議室で予定の時間通りに地区研の開始となり、関西館総務課の田中総務係長からの概要説明、そして案内用ビデオの上映があり、補足説明の後、田中係長の案内で館内を見学した。まずは総ガラス張りの建物の説明があり、その明るさ、ガラス面の状態、更に屋外に出て外観、ギザギザの建造物の説明があり、それが地下1階閲覧室の採光用のものと分かった。またそこには芝生が植えてあり緑が目に一杯に広がる。関西館は光・緑・水をテーマとして建造されているとの説明があった。ガラス張りの建物は、昼間は充分な外光を採り入れて館内を明るくし、中庭、屋上庭園の緑が眼に優しく写り、とても開放感のあるものである。そして夜間は逆に内部の明かりが外に洩れ出すことにより一種独特の建造物といった雰囲気を漂わせるのであろう。閲覧者には所定の手続きで利用カードが発行され、駅の自動改札を思わせるゲートを通って閲覧室に入室するようになっており、そして利用カードには閲覧者の図書館内での利用の詳細が記録され、書庫への書籍の請求件数、印刷枚数等のデータ管理ができ、併せて館内のセキュリティの確保に役立てているとのことであった。地下1階の閲覧室は充分なスペースがあり、また天井から外光が入ってくるせいか実に開放的な感じで、閲覧者は落ち着いて利用できるのではと思えた。閲覧席は350席あり、その7割以上の250席に検索・閲覧用端末が設置してあり、蔵書の検索、オンラインでの複写申込み等ができるようになっていて、まさに情報通信技術の発展に対応した図書館サービスを行っていることを実感した。また、端末の操作方法が分からない閲覧者のために、専門のインストラクターを配備しており、閲覧者に対する配慮、充分なサービス体制を構築していることが確認できた。書庫は地下2階以下に設置され、固定書架、集密書架、マイクロネガ保存庫のほか、140万冊の収蔵能力のある自動書庫がある。現在は600万冊の収蔵能力があるが、向こう15年程度で満杯になるようで、最終的には2,000万冊の収蔵能力を有する書庫を予定しているとの説明があった。現在の収蔵冊数は、アジア言語資料を含めて図書類が50万冊以上、逐次刊行物は6万タイトル以上、その他科学技術資料等が数百万件とのことである。資料を閲覧室に運ぶための搬送設備が設置してあり、作業従事者の負担軽減、迅速な手配に役立っている。また資料保存のための設備も充実しており、書庫内の温度は22℃、湿度は55%に保たれている。火災の際にも資料をできるだけ傷めないよう消火設備は窒素ガスを使用するというものであり、書庫内の環境、設備面ではかなり充実している。

国立国会図書館関西館正面

(国立国会図書館関西館正面)

関西館の概要
閲覧室
閲覧席 350席(250席にパソコンを設置)
総合閲覧室に5万冊の参考図書と主要な雑誌・新聞を開架。
アジア情報室には3万冊のアジア関係図書と主要な雑誌・新聞を開架。
平日200名〜300名、土曜日400名〜500名
所蔵資料
和図書
534,000冊
洋図書
8,500冊
逐次刊行物
和雑誌・新聞14,000タイトル、洋雑誌・新聞41,000タイトル
文部科学省科研費報告書
102,000件
国内博士論文
392,700人分
科学技術資料
海外テクニカルレポート2,438,000件、他770,000件
アジア言語資料
図書66,000冊、雑誌・新聞7,000タイトル
所感
関西館は近代建築の粋を集めて建設された図書館である。閲覧室にあっては開放的な感じで圧迫感がなく、しかも電子機器が設置してあり、閲覧者にとっては非常に利用しやすい環境となっている。一方、書庫の中にあっては、職員が作業をし易い環境設備が整っている。今後、2,000万冊の所蔵に向けて発展していくとのことであるが、更なる発展を期待したいものである。
二日間に渡って二つの図書館を見学したが、それぞれの館がそれぞれの特色を備えており、その特色を更にいかすべく努力していることが充分に感じられた。今回の地区研で私なりに見たり感じたりしたことを、私共の今後の図書館運営に役立てていきたいと思う。二つの図書館を感覚的に表現すると、天理図書館はアナログ的で、いにしえの良き郷愁といったものを感じる図書館であり、一方、関西館はデジタル的であり、ITを活用した情報時代の図書館と感じたのは果たして的を射ているであろうか。

(特許庁図書館)

目次へもどる

このページの先頭へ

第7回資料保存研修を受けて

石塚瑞歩

国立国会図書館の資料保存研修は毎回補修方法を変えて体験的に補修方法が学べる研修です。
以前に受けた第5回は「無線綴じの補修」で、そこで習ったことを持ち帰ってページの抜けたものなどを何冊か修復することが出来ました。また違った補修方法を学んでいろんな種類の本を直せるようになりたいと思っていたところ、今回の第7回を紹介していただきました。

最初の講義では「防災訓練も資料保存のひとつなんです。」と言われました。
空調管理、定期清掃、害虫駆除などは営繕の仕事のようですが、すべて資料の劣化予防につながることなので資料保存の一環なのだそうです。

私が資料保存研修を受けた理由は「補修の技術が学べるから」だったのですが、講義によるとそれはむしろ二の次で、まずは壊れないように予防するというのが資料保存の基本的な考え方なのだそうです。なんとなくアナログな分野だと思っていましたが、将来的にはメディア変換なども関係してくるため最先端のデジタル技術の知識も必要になるそうです。

それでも壊れてしまった場合に・・・というのが今回の研修のメインであり、私がこの研修で一番楽しみにしていた部分です。班ごとに机が組まれ、はさみや筆や糊などの道具が人数分準備されていて、研修室というよりは学校の美術室のようで気さくな雰囲気がありました。
今回は(1)簡易補修、(2)表紙と本体をつなぐ補修、(3)パンフレット製本と3種類の補修方法を教えていただきました。

(1)簡易補修
材料:和紙(薄手の美濃紙等)
ページの破れの補修方法です。手で裂いたような切り口で紙の繊維が少しでも残っているものは、裂け目を糊でつなぐと、乾けばきれいになります。写真のように(わかりにくいですが)はさみで切ったように繊維が切断されてしまったものは、薄い和紙を継ぎ目にして補修します。
国立国会図書館ではページの色や厚さに応じて和紙を使い分けているので、何十種類もの和紙を用意しているそうです。

簡易補修の例
(簡易補修の例)

(2)表紙と本体をつなぐ補修
材料:ハトロン紙
上製本の本で表紙背表紙と本体部分がはずれてしまったものの補修方法です。(写真参照)
上製本の場合、ページがはがれてしまうことは無線綴じよりも少ないのですが、本体と表紙の間が比較的弱いので、このような壊れ方は多いそうです。
本体部分の背にクラフト紙で輪を作り、表紙部分と貼りあわせます。
無線綴じのように全部解体しないので、1冊30分以内で出来上がり、完全に元通りになります。
見返しも破れている場合は、製本用クロスで見返しをつないでから補修します。

表紙と本体をつなぐ補修の例
(表紙と本体をつなぐ補修の例)

(3)パンフレット製本
材料:中性紙ボード、製本用クロス(製本用テープでも可)、麻糸
パンフレットの針金綴じをはずして、中性紙の厚紙とクロスで背をつけた表紙に麻糸で綴じる方法です。
写真の紺の部分は製本用クロスで本体と麻糸で縫い合わせてあります。
本のサイズにあわせて表紙を裁断すると時間がかかりますが、あらかじめ準備していただいたものを使ったので30分ぐらいで出来上がりました。

パンフレット製本の例
(パンフレット製本の例)

今回の研修で残った材料は持ち帰って良いと言われたので、和紙や製本用クロスなど遠慮なく頂いてきました。補修の必要な本といっても1館あたりではあまり多くないので、余った材料で何冊も補修することができます。このようなお土産が大変ありがたく思いました。

他の雑務をこなしたうえで、補修の時間を割くのはなかなか難しく、どうしても先延ばしになってしまうのですが、簡単な補修で利用者の方々に気持ち良く使っていただけるなら、できるだけ直していこうと思います。

(会計検査院図書館)

目次へもどる

このページの先頭へ

お知らせ「近現代日本政治関係人物文献目録」の公開

平成15年12月19日に、当館ホームページで「近現代日本政治関係人物文献目録」を公開しました。

このデータベースは、明治以降刊行された当館所蔵の邦文図書から、政治の分野に関わった日本人に関する文献を収録し、人物名で関連文献を検索できるようにしたもので、政治分野の人物情報を調べる上できわめて有用なツールです。

人物については政治家だけでなく幅広く採録し、また文献の範囲も明治から最新までを収録対象とし、自伝、他伝、回想録、日誌、日記をはじめ、随筆、評論、講演集等に及んでいます。当館蔵書目録(NDL-OPAC)を用いた主題(人物)検索では見出すことができない資料の検索も可能です。

なお、このデータベースは、昭和60年に刊行した『国立国会図書館所蔵 近代日本政治関係人物文献目録』及び平成12年に刊行した『国立国会図書館所蔵 近代日本政治関係人物文献目録1985〜2000』を電子化し、これに平成12年以降の新しいデータを加えて作成しました。

○人物の対象範囲
天皇、閣僚、国会議員、元老院議官、枢密顧問官、政党の指導者、外交官、行政官(本省局長以上)、陸海軍人(将官以上)、都道府県会議員、知事、市長、その他政治思想家や将官以下の軍人でも政治に影響力をもった歴史的人物。
○採録した文献の範囲
自伝、他伝、回想録、日誌、日記、追悼録、人物研究を中心に、逸話、随筆、評論、紀行文、遺稿集、講演集、国会報告類のうち、伝記的要素を含んでいるもの、及びその人物の思想・信条が述べられている著作等を適宜採録した。原則として一冊の文献中該当頁が3ページ以上あるものを採録している。
○データ件数:
6789名、42077件(平成16年1月7日現在)
○データベースへの入り方:
国立国会図書館ホームページから、「資料の検索」→「近現代日本政治関係人物文献目録」へ入り、「人物名五十音順」をクリックします。また、国立国会図書館ホームページから、「日本の国会・世界の議会」→「近現代日本政治関係人物文献目録」でも辿ることができます。URLは以下のとおりです。
http://rnavi.ndl.go.jp/seiji/ (2009年5月11日に「リサーチ・ナビ」に移行しました。)
○検索例:
「西郷隆盛」と「西南戦争」を掛け合わせた検索結果です。26件ヒットしています(平成16年1月7日現在)。詳細表示画面に移ると、該当部分の論題名とページが見られます。

検索結果画面

(検索結果画面)

詳細表示画面

(詳細表示画面)

(国立国会図書館 調査及び立法考査局議会官庁資料課)
(国立国会図書館 主題情報部参考企画課)

目次へもどる

このページの先頭へ

日誌(平成15年10月〜平成15年12月)
平成15年
10月1日
支部図書館長異動
気象庁図書館長
菊池哲也
(前 小佐野愼悟)
10月3日 平成15年度行政・司法各部門支部図書館職員司書業務研修
「資料保存研修」
10月6日 平成15年度行政・司法各部門支部図書館職員司書業務研修
「電子資料室について」
「地図資料について」
「古典籍資料室について」
10月10日
支部図書館長異動
国土交通省図書館長
道明昇
(前 秡川直也)
10月10日 平成15年度行政・司法各部門支部図書館職員司書業務研修
「特別講義:東京アメリカンセンター・レファレンス資料室の見学」
10月15日 平成15年度行政・司法各部門支部図書館職員司書業務研修
「レファレンス入門―科学技術分野」
「レファレンス入門―経済社会分野」
10月20日 平成15年度行政・司法各部門支部図書館職員司書業務研修
「新聞資料について」
「懇談会」
10月30日
〜31日
平成15年度行政・司法各部門支部図書館職員の各地区図書館等調査研究(関西)
22館26名
11月11日 平成15年度第2回中央館・支部図書館協議会幹事会
11月14日 特別研修「韓国国立中央図書館の情報化の推進状況と農林水産省図書館の電子図書館の紹介」
11館13名
11月17日 平成15年度第2回中央館・支部図書館協議会
11月21日 平成15年度第2回中央館・支部図書館ネットワーク検討会
11月27日
〜28日
平成15年度第89回静岡大会 全国図書館大会
18館 25名
12月8日 平成15年度国立国会図書館長と行政・司法各部門支部図書館長との懇談会
12月16日 特別研修「(社)東京銀行協会 銀行図書館の見学」
11館 14名
12月19日 平成15年度第2回兼任司書会議

目次へもどる

このページの先頭へ