びぶろす-Biblos
平成15年1月号(電子化19号)
- NATIONAL DIET LIBRARY
- 発行/国立国会図書館総務部
- ISSN 1344-8412
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はじめに
『びぶろす』は、昭和25年4月に創刊し、以後行政・司法各部門の支部図書館と専門図書館の連絡情報誌として今日に至っております。より広い範囲への提供を考え、平成10年8月号で冊子体を停止し、10月から国立国会図書館ホームページで公開しています。刊行形態は異なりましたが、今後も当館、支部図書館および専門図書館の折々の状況を掲載して行きます。
*本誌に掲載された記事を全文または長文にわたり抜粋して掲載される場合は、サイトポリシーをご覧いただき、事前にご連絡ください。
目次
- 郵政事業庁図書館について
- 平成14年度行政・司法各部門支部図書館職員各地区図書館等調査研究 参加報告
〜佐賀県〜 - 手作りの専門図書館・農文協図書館を訪ねて― 国立国会図書館特別研修 ―
- topic 電力自由化
- 国立国会図書館国際子ども図書館「絵本に見る夢展」のお知らせ
- 日誌
郵政事業庁図書館について
岸田泰男
1.わが館の概況
郵政事業庁図書館は、明治19年2月に逓信省総務局において公文書の編纂及び保存、史誌の編纂、図書の保管、統計並びに翻訳の事務をしていたことから始まります。その後、明治26年大臣官房文書課に図書室が設置されましたが、大正12年9月の関東大震災により、図書類が全焼したため、地方機関の逓信局、郵便局等に依頼して資料の収集・復旧に努め整備回復が図られました。また、昭和23年8月に国立国会図書館の支部逓信省図書館、翌昭和24年6月の機構改革によって支部郵政省図書館となり、平成13年1月の中央省庁再編により支部郵政事業庁図書館となっています。
現在、CD-ROM、DVD等の非図書資料を含む蔵書数は約13万となっています。
なお、中央省庁再編により、旧郵政省の情報通信関係部局が総務省本省の一部となったことから、情報通信関係の図書は総務省図書館に移管されました。
2.情報化の取り組み
わが館の情報化は、平成元年のオフコン導入から始まりました。まず、貸出を機械処理するために昭和45年以降の蔵書書誌データを入力するとともに、利用者に登録カードを発行し機械処理を開始しました(現在、全蔵書の書誌データの入力が終了しています)。その後、平成6年に省内にLANが敷設されたことに伴い、先に機械入力した書誌データをオフコンから抽出し、職員は机上の端末で、容易に図書の検索ができるように情報化を図りました。また、平成8年の更改時に合わせオフコンからUNIX系サーバに、更に、平成13年10月の更改時にWindows版に更改しました。
なお、平成11年からは省内LAN上で新着図書データの提供も行っています。
3.特色あるコレクション
当館では、郵政事業に関する資料のほか、広く社会科学全般の図書を中心に収集に努めています。
他の図書館と異なる特殊なコレクションと言えるものは、郵政行政に関する明治初期の創業時からの駅逓局報・逓信公報・郵政公報(明治18年以降〜:運輸通信公報通信版を含む)を挙げることができます。そのほか、創業期から現在までに発行された各種の創業談、年史類(駅逓〜逓信省〜郵政省)を始め、逓信関係の各種統計書(明治22年〜)及び郵政省となってからの郵政行政統計書(創刊〜)や各種の部内関係の雑誌・新聞などの定期刊行物等を創刊号から最新号までをほとんど全て所有しています。
4.今後の課題
ご存知のように、郵政事業庁は平成15年4月に国営の公社である日本郵政公社となります。公社化を控え、法律、経済、経営関係のビジネス書の要望が強まっており、職員のニーズを迅速に汲み取り、図書の収集に生かせるようにするのが当面の課題です。
公社化に伴い、郵政事業庁図書館も昭和23年8月以来の支部図書館としての役割を終えますが、今後も中央館、各支部図書館とは協定を締結し、協力関係を維持していきたいと考えています。
(郵政事業庁図書館)
平成14年度行政・司法各部門支部図書館職員各地区図書館等調査研究 参加報告〜佐賀県〜
太田治郎
- −日程及び訪問先−
- 10月30日(水)佐賀市立図書館
- 10月31日(木)佐賀県立図書館
- 佐賀大学附属図書館
- 11月1日(金)佐賀県議会図書室
(はじめに)
各地区図書館等調査研究は国立国会図書館がその支部図書館となる各府省庁図書館及び最高裁判所図書館の職員の資質向上を目的とした各種研修の一環として行われてきました。
これは国内各地の先進的な公共図書館を始め、伝統ある大学附属図書館、都道府県議会で大切な役割を果たしてきた議会図書室等各種図書館を一括して視察することにより、図書館に勤務する我々にとって、広く図書館界の現状を知り、今後の図書館の進む方向を考え、また、我々の日々の図書館業務のあり方を考えさせるものともなってきました。 図書館関係の研修も各種ありますが、教室で先生が講義する研修と異なり、この各地区調査研究は、国内各地を巡り、各地の特色ある図書館を見て回るという楽しみもあり、何回か参加させて頂いた私にとっては、それぞれが心に残る思い出であります。 残念なことですが、各地区調査研究は今年度の佐賀地区の後、来年度に国立国会図書館関西館と天理大学附属図書館を視察するのをもって最後となるのも時代の流れに沿ったものと考えます。
(佐賀市立図書館)
同図書館は、(1)いろいろな人の交流の場(2)マルチメディア情報センター(3)生涯学習の拠点という3つのコンセプトのもと、「リゾート型図書館」として平成8年8月に開館しました。一般図書はもちろん、国内の雑誌約500タイトル、九州管内の地方新聞各紙等を収集し、利用者に最新の情報を提供しております。館内には、ハイビジョンシアターを設置しており、また、年間を通じて多くのイベント(図書館まつり、手作り絵本コンクール、お話し会等)を開催している等により、現在も市民の利用が伸びている状況にあります。平成12年度は、約87万人の来館があり、図書資料等の貸出は約41万5千人、約297万点とのことでした。
また、佐賀市内の学校図書館と情報ネットワークを構築しており、同図書館で所蔵状況等を一括して管理し、相互貸借等のサービスを行っております。 自動車文庫は、佐賀市内26か所を巡回しており、また、団体貸出の配送も行っていることから、年間約10万冊の貸出があります。
さらに、図書館資料のリサイクル事業として、年3回程度、除籍となった図書資料等を学校図書館、各種施設並びに市民へ無償で提供しており、図書資源の有効活用を行っているそうです。
このように、同図書館は、図書館本来の機能に加えコミュニティーセンター的な役割も合わせ持った、従来の公共図書館のイメージとは異なった図書館であり、市民の中にとけ込んだ活気に満ちあふれている図書館でした。

(佐賀市立図書館)
(佐賀県立図書館)
来年で開館90周年を迎える同図書館は、「地域の基幹図書館」として専門図書も多く収集しており、現在、約50万冊の図書を所蔵しています。なかでも、佐賀県の重要な産業である農業、水産業や焼き物関係の図書を多く所蔵しています。
また、鍋島家由来の図書館であるため、鍋島家文庫(約3万3千点)を始めとする郷土にまつわる多くの資料(古文書、古地図等)を収集しており、現在、約10万点を所蔵しています。これらのうち、約7万5千点は、内壁が桐材で被われ、空調管理が行われている特別書庫で管理されており、これらの資料の多くは、かなりの年数が経過している等により、取り扱いが難しいため、一般の利用者へは、複製したものやマイクロフィルム化したもので対応しているそうです。
さらに、佐賀県の歴史資料の作成等の業務も行っております。
このように、同図書館は、今後も佐賀のことなら何でもわかる「佐賀の百科辞典」としての役割を果たしていくとのことであり、他の公共図書館(市立図書館等)とはまた違った役割を持つ図書館でした。
なお、「佐賀県立図書館年報 平成13年度」によると、平成13年度は約32万人の来館があり、図書資料等の貸出は約3万人、約10万点となるようです。

(佐賀県立図書館)
(佐賀大学附属図書館)
同図書館は、佐賀大学の教育・研究活動を支援する組織としての役割のもと、図書資料等の収集・管理を行い、その情報提供を行っています。そのため、収集状況からみると、他の公共図書館等と比べ、洋書や和・洋雑誌の割合が高くなっています。
学内利用者へのサービスとして、同図書館ホームページを通じて、電子ジャーナルや文献情報検索データベースの情報提供を行っています。その他、入退館管理システム及び自動貸出システムの整備に伴い、平成11年10月より、教官に限ってですが、24時間開館サービスを行っているそうです。 また、平成13年3月より、インターネット上で、佐賀大学学術情報処理センターと共同で開発した「佐賀大学電子図書館−とんぼの眼−」の運用を開始し、広く一般へ情報発信を行っています。OPAC(所蔵目録検索システム)のみならず、貴重書、博士論文等佐賀大学や同図書館所蔵資料に関する情報を複数提供しています。
さらに、近年の学生の活字離れ、読書離れによる図書館利用の減少をくい止める対策として、平成13年度より、11月中を「図書館月間」と位置づけ、公開セミナー、所蔵コレクションの展示、図書貸出強化運動等を実施し、図書館の利用促進を図っています。 このように、同図書館は、大学の教育・研究活動を支援する専門性が強い図書館であり、また、高度な情報技術の支援のもと、「電子図書館」により所蔵資料等の多くの情報を一般国民へ積極的に発信している図書館でした。
ちなみに、佐賀大学の学生総数は6515人、図書館の閲覧席数は549席とのことですが、「佐賀大学附属図書館概要 2002」によると、平成13年度は約29万人の入館があり、図書資料等の貸出は約1万5千人、約2万7千点となるようです。

(佐賀大学附属図書館)
(佐賀県議会図書室)
同図書室は、議員の調査研究に資することを目的とし、法規、地方自治関係、国会及び佐賀県議会会議録、各都道府県議会史等を中心に収集活動を行っており、現在、約2万点の図書及び各種資料を所蔵する小規模ですがきれいに良く整理された図書室でした。
一般への貸出業務も行っていますが、利用者の大半は県議会に出入りしている記者等というのが現状です。
また、平成14年2月より、佐賀県議会ホームページを通じて、佐賀県議会会議録の内容を県民へ情報発信しております(会議録全文検索システム)。これにより、佐賀県議会ホームページへのアクセス数が増加しているそうです。
このように、同図書室は、専門性が強く、一般の人にとっては馴染みの薄い図書室ですが、インターネットを利用した県議会会議録の情報発信を通じて県民へ認知され始めている図書室でした。
なお、「平成14年度 行政・司法各部門支部図書館職員の各地区図書館等調査研究 視察資料」によると、平成13年度は議員、執行部、事務局、一般合計で約3千6百人の閲覧があり、資料貸出は48点、図書貸出は392点となるようです。

(佐賀県議会図書室)
(総括)
今回は、市民へのサービス中心の市立図書館、「佐賀の百科事典」としての県立図書館、大学の教育・研究に必須の佐賀大学附属図書館、県議会議員等の調査研究に資する為に設置されている佐賀県議会図書室と役割が異なった4図書館を視察しましたが、いずれの図書館もその役割を果たすべく、図書資料等の収集活動等を精力的に行い、更にインターネットを活用して一般の方々へも情報発信を積極的に行っていました。
農林水産省図書館も、平成12年度の補正予算で電子図書館を開設して農林水産省の行政図書資料をインターネットで発信していますが、農林水産行政にかかわる専門図書館として、今後もその役割を更に充実させていく必要があることを改めて認識し、図書館業務に携わる職員として、学ぶことの多い各地区調査研究でした。
終わりに、今年度佐賀県内の各種の図書館を視察させて頂き、最近の図書館界の情勢の一端に触れさせて頂いたことを感謝いたします。国立国会図書館支部図書館課の担当の方々、視察先の各図書館の皆様方にはお忙しい中、大変お世話になり有り難うございました。改めて言うまでもなく一般の図書館は図書館を訪れ、利用しようとする人のためにあります。これらの方々に図書館のサービスに満足して頂けるよう努力する図書館員の一人でありたいと思いました。
(農林水産省図書館)
手作りの専門図書館・農文協図書館を訪ねて― 国立国会図書館特別研修―
竹内勲
この日、11月15日は、晴天ながら12月中旬の寒さであった。午後1時過ぎに東京本館西口から同館の暖房の効いたマイクロバスで一路練馬区へ・・。参加者16人が降り立ったのは、吉祥寺駅に近い立野町の閑静な住宅地のまっただ中にある、こぢんまりした白い瀟洒な3階建てのビルの前であった。玄関前のアメリカハナミズキの紅葉が見事なこの建物が、財団法人農文協図書館だった。2階が事務室で、3階が図書館となっている、蔵書7万冊の小ぶりな専門図書館である。

(農文協図書館の外観)
この図書館のオーナーとも言うべき社団法人農山漁村文化協会(農文協)は、昭和15年の創立以来、農村文化の向上をめざし、各種の文化活動を推進してきた農林水産省の外郭団体である。とくに戦後は、新しいリーダー・岩淵直助氏のもと、「農民に役立つ文化活動の推進」を旗印として、「農民が本を読まないのは、農民が悪いのでなく、本が悪い!」との信念を持って、粘り強く、地道に農民に役立つ本作りに力点を置いてきた。その集大成の1つが、農文協図書館の設立(昭和55年)と、ここを拠点とした全国を視野に入れた図書館活動の展開である。
以上からも分かるように、農文協図書館の7万冊の蔵書は、極めて個性的である。農業、農村、食料・食品、さらには、食農教育に係わる文献を外国事情まで含めて広範に収集・提供している。その数約4万冊。そして、当図書館のもう一つの特徴でもある、個人文庫(現理事長兼館長・近藤康男氏の蔵書をはじめとする、11氏の寄贈文庫)が、合わせて約3万冊(これらの中には、戦前の旧植民地等に関わる貴重な文献もかなり見受けられた。)ある。さらに、農文協の編集・発行の「日本農書全集」全72巻に収録された農書300余点の底本のコピーの製本版及び同「日本の食生活全集」全50巻のもととなった、昭和初期の全国の話者350人(関係者総数5千人)の調査表を所蔵しており、他に例がないそうである(一部、「出版ダイジェスト」第1859号を引用)。
私たち参加者は、三階の役員室で原田理事から前述のような話をビデオを交えて聞かせてもらった後、館内を三々五々見学した。最近の当図書館の利用者の関心は、かつての農業問題から、食料問題に明らかに軸足が移っているとのことであった。それも食の安全性や医療・健康問題まで、関心が広がっており、対応がなかなか大変とのことであった。館内の書架は、一般利用者対応の「公開書架」と研究者利用に限定した「閉架書庫」に分かれている。「公開書架」の蔵書データーは、全て専用パソコンでの検索が可能で、全国の図書館を通じて地方からの利用にも対応しているとのことであった。
一方、「閉架書庫」では、貸出は出来ないが、個人文庫を中心に研究者が、貴重な資料を十分に閲覧、研究できるように配慮されているとのことであった。書架及び図書資料はいずれもよく手入れされていて、さらに床材も温かみのあるデザインと素材で全体的に心地よかった。チョット手狭の感は否めないが、最近はやりの郊外型の大型図書館の対極にある、手作りの専門図書館の典型を見た思いがした。なお、当図書館の1日の利用者は10名前後の由であった。

(公開書架と筆者)
ところで、この日の特別研修でのうれしいハプニングは、農文協名誉会長・同図書館長の近藤康男先生(103歳)にお会いできたことである。今朝は体調がすぐれない由を伺っていたが、お元気にご挨拶をいただき安堵した。先生は、初代の農林省統計調査局長として、「世界に冠たる農林統計」を作り上げるとともに統計調査と図書館(活動)が表裏一体の関係にあることを力説、体現されてきた方である。経済学者であり、読書家、蔵書家、執筆家でもある先生のさらなるご健勝とご活躍をお祈りする次第である。みんなで先生のご帰宅を見送った後、玄関前のハナミズキの下で、記念撮影をして、流れ解散となった。農文協の皆様、東京本館の皆様に感謝申し上げて、筆を置くこととしたい。

(農文協名誉会長・同図書館長の近藤康男先生)
(農林水産省図書館)
TOPIC:電力自由化
福田理
■なぜ電力自由化か?
電力は目に見えないけれど、ちょうど空気が人間が生きるためになくてはならないのと同じように、現代社会が動いて行くためには必要不可欠なものになっている。空気は一応無料だけれども、電力は有料で、請求書が来るたびにああこんなに使ったのかと思い知らされる。給料も増えないこの不景気の時代には、月額数十円の値上がりでも家計にとって痛いものだが、大量に電力を使う工場、オフィスビル、百貨店、レジャー施設などは、数パーセントの価格変動が大打撃になることもある。1990年代に入って押し寄せてきた各分野での規制緩和の流れの中で、欧米諸国に比べて割高といわれる電力料金の低減化をねらった電力自由化が動きだしたのは自然のなりゆきでもあった。
■動き始めた電力自由化
日本の電力業界は、戦後の再編の中で、厳密に地域割りされた10電力体制が取られ、民営とはいいながら実質的には国家管理されてきた。一般電気事業者と呼ばれる10大電力会社(例:東京電力)が、地域ごとに発電、送電、配電を独占的に受け持って、お互いに干渉し合わないけれど、電力料金はほぼ同じという体制が長く続いてきた。電力料金の算定方法は総括原価方式といわれ、簡単にいえば、経営に必要なコストをすべて料金に転嫁できるというシステムで、コスト削減へのインセンティブに乏しい方式であった。
この体制に活を入れたのが1995年に行われた31年ぶりの電気事業法改正である。これにより、10電力会社への卸売りに限って、新規電気事業者が電気を販売すことができることになり、自由化への道を踏み出した。引き続いて1999年の電気事業法の再改正では、2000kW以上の大口需要家(小売り需要量の約3割にあたる)を対象に新規事業者が小売り参入できることとなり、制限付きながら、一応電気事業への自由な参入が実現することとなった。
■インフラを握る大手電力
しかし、ここでのポイントは、電力供給のインフラ(送電線、送電設備などのいわゆる系統)は既存の10電力会社が握っているということである。電気事業者が消費者に電気を送り届けるためには、この系統を経由しなければならない。系統は全国津々浦々にネットワークで繋がっている。電気事業者が遠隔地の消費者に電気を送るためには、送電線に電気を送り込むだけではなく、遠隔地の変電所から消費者に向けた配電線に電気が送り込まれなければならない。このように電気を発電したものに代わって電気を送電することを託送と呼んでおり、これができるのは系統を所有している10電力会社である。新規参入者は、卸、小売りともに、既存電力会社に託送料を支払うことになる。小売り一部自由化後、NTT系のエネット、三菱商事系のダイヤモンドパワーなど、新規参入が相次いだが、この託送料がネックとなって、既存電力会社を脅かすほどの存在にはなりえていない。
■安定供給か自由競争か−完全自由化への道のり
このような中で、経済産業省は、自由化の最終段階に向けて、総合資源エネルギー調査会(経済産業相の諮問機関)の電気事業分科会での議論を積み重ねて来た。自由化の最終段階とは、一般家庭(50kW以下小口需要家)向け小売りまでをすべて自由化する完全自由化のことであるが、これには、電気事業連合会(既存10電力会社の業界団体)を中心に大きな反対意見があった。その意見の柱は「安定供給」という公益性である。電気は時間帯や季節による需要の変動に備えて、ピーク時に対応できるだけの過大な設備を備えておかなければならないし、需要の少ない僻地へも電気を供給する義務がある。完全自由化が行われた場合、その中での競争に打ち勝つためには、そのような公益性維持のためのコストを支払い続けることはできないということである。2000年夏に起きたカリフォルニアの電力危機は、公益性を無視した過度の自由化がもたらした失敗例とされた。
さらに、既存電力会社の多くは、完全自由化を受け入れられないもう一つ大きな問題を抱えている。それは、原子力である。原発一基が3000億円とも4000億円ともいわれる建設費を要するうえに、核燃料サイクルやバックエンド(放射性廃棄物最終処理)への拠出金などを含めた莫大なコストを回収するのに長期間を必要とする原子力は、短期的なコストパフォーマンス競争には不利といわれている。
■アンバンドリングは実現しなかった、しかし自由化はあともどりしない
自由化へのプログラム作成で議論が集中したのは、先に述べた送電に関するもので、これが自由化のネックになっていることから、既存電力会社から送電部門を切り離して独立させる発・送・配電分離(アンバンドリング)が経済産業省などで検討された。送電部門について、所有は既存電力会社、運営は新会社という案なども出されたが、ここでも既存電力会社の強力な反対があり、どこを妥協点とするかに時間が費やされた。
そして昨年末、電気事業分科会での一応の結論に至った。それによると、自由化は段階的に行い、まず2004年度に500kW以上の需要家を対象に自由化、2005年度から2007年度にかけて下限を50kWまで下げて、中小の工場やビルまでを含む自由化を実現する。最終段階の家庭用までの自由化の時期は2005年度以降に再検討することとして先延ばしした(図参照)。また、送電部門の独立化は行わないことになったが、かわりに、(1)送電部門の会計を分離して、送電部門で得た利益を小売部門の大幅値下げに利用することへの歯止めを設ける、(2)送電部門が得た新規事業者情報の他部門への流出を禁止する、(3)送電料を全国一律化する、(4)送電部門を監視する中立機関を設立することとなった。さらに、電力卸売市場(電力取引所)を2005年ごろに開設して、自由化を促進するとしている。
このように、既存の電力大手の抵抗に会いながらも、徐々に電力自由化は進みつつあり、もうあともどりできない状況である。一方、電力大手も手をこまねいてばかりいるわけではなく、利用の増大が有望視されている天然ガス分野や、これも規制緩和が進む情報通信分野への参入など、多角化の道を歩みはじめており、エネルギーや情報通信などのネットワーク型産業が渾然一体となった業界大再編の様相をも呈している。
図 電力自由化のタイムスケジュール

(調査及び立法考査局国土交通課)
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日誌(平成14年10月〜平成14年12月)
| 10月1日 | 平成14年度行政・司法各部門支部図書館職員司書業務研修 「雑誌記事索引の作成」 |
|---|---|
| 10月1日 |
|
| 10月4日 | 平成14年度行政・司法各部門支部図書館職員司書業務研修 「カナダ大使館図書館見学」 |
| 10月8日 | 平成14年度行政・司法各部門支部図書館職員司書業務研修 「資料保存研修」 「懇談会」 |
| 10月8日 | 平成14年度行政・司法各部門支部図書館職員司書業務研修修了式 12館17名 |
| 10月23日 10月〜25日 |
平成14年度第88回群馬大会 全国図書館大会 17館25名 |
| 10月29日 | 平成14年度第1回中央館・支部図書館兼任司書会議 |
| 10月30日 〜11月1日 |
平成14年度行政・司法各部門支部図書館職員の各地区図書館等調査研究(佐賀県) 16館21名 |
| 11月7日 11月〜8日 |
科学技術振興事業団(JST)NewJOIS、JOISeasyの検索講習会 25館26名 |
| 11月11日 | 平成14年度第2回中央館・支部図書館協議会幹事会 |
| 11月15日 | 特別研修「農文協図書館の見学」 10館13名 |
| 11月18日 | 平成14年度第2回中央館・支部図書館協議会 |
| 12月 5日 | 平成14年度国立国会図書館長と行政・司法各部門支部図書館長との懇談会 |
| 12月17日 | 特別研修「講演会:インターネット時代の著作権」 23館38名 |


