びぶろす-Biblos
平成11年2月号(電子化3号)
- NATIONAL DIET LIBRARY
- 発行/国立国会図書館総務部
- ISSN 1344-8412
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はじめに
『びぶろす』は、昭和25年4月に創刊し、以後行政・司法各部門の支部図書館と専門図書館の連絡情報誌として今日に至っております。より広い範囲への提供を考え、平成10年8月号で冊子体を停止し、10月から国立国会図書館ホームページで公開しています。刊行形態は異なりましたが、今後も当館、支部図書館および専門図書館の折々の状況を掲載して行きます。
*本誌に掲載された記事を全文または長文にわたり抜粋して掲載される場合は、サイトポリシーをご覧いただき、事前にご連絡ください。
目次
平成10年度図書館情報学公開講座 骨子紹介

当館図書館研究所では、例年、図書館情報学に関する職員研修を行っており、その際には、広く図書館関係者にも公開し、多くの方々にご参加いただいております。本年度は「図書館をめぐる動向と国立国会図書館」という総合テーマのもと、11月13日から12月11日まで5回にわたって下記5名の講師にご講演いただきました。各講師とも、それぞれの専門分野における最近の動向をふまえてお話しいただき、大変興味深く、有意義な講座になりました。その骨子を報告いたします。
図書館研究所研修室にて(講師:杉本重雄氏)
| 講師 | 演題 |
|---|---|
| 塩見昇 講師 (大阪教育大学教育学部教授) 「日本の図書館政策と国立国会図書館」 |
我が国の図書館政策の近年の動きについて、行財政改革・生涯学習審議会の動向等との関わりを概説いただいた。また、図書館法改正の焦点となっている、望ましい基準、無料原則の問題についてご意見をいただいた。これらを受け、今後の図書館界のために国立国会図書館に期待することを述べていただいた。 |
| ダニエル・ジャニコ講師 (ユネスコ官房付事務局長補) 「公共図書館:情報化社会の新環境下における新しい傾向、問題と解決策」 |
利用が増加しているというフランスの公共図書館事情の紹介と、貸与権をめぐる仏図書館界・出版界の反応、さらに電子図書館(特にフランス国立図書館の例を中心に)の動向について具体的にお話いただいた。また、公共図書館宣言を通じたUNESCOの図書館界における役割についても言及された。 |
| 杉本重雄 講師 (図書館情報大学図書館情報学部助教授) 「電子図書館の研究開発の動向」 |
インターネット上の電子図書館サイトを実際に訪ねながら、電子図書館の意義について再考しつつ、電子図書館推進にはコンテンツ(何を提供するのか)・要素情報技術・環境(利用環境、知的財産権や国際間協力等の問題整理)の3点がいずれも重要であることについてお話があった。さらに現在の研究開発の動向と、メタデータ(Dublin Core Metadata)の概要、今後取り組むべき課題についてまとめていただいた。 |
| 三浦逸雄 講師 (東京大学大学院教育学研究科教授) 「米国の大学図書館における組織改革の動向」 |
今日の社会・経済の変化の中で米国の大学図書館が直面している課題と、図書館組織自体が持つ特性と問題点について概説いただいた。その後、米国大学図書館間の組織改革の動向について、実際の事例と改革後の問題点を解説していただいた。さらに組織改革の持つ意味、組織分化との関わりについてまとめていただいた。 |
| 松岡 講師 (日本図書館協会企画調査部長) 「公立図書館職員の現状と研修の必要性」 |
公立図書館における司書制度(採用・人事異動 ・派遣職員・館長等)の現状と、自治省による人事管理の方針や地方分権政策が、図書館に及ぼす問題点について解説いただいた。このような中、図書館員研修の必要性が増加している現状について、いくつかの視点から論じていただいた。さらに、実施すべき研修の対象・内容・資格・実施機関についての提言と、今後の課題についてまとめていただいた。 |
文責:図書館研究所 三輪由美子
第14回ディジタル図書館ワークショップ<ご案内>
このたび、図書館情報大学においてディジタル図書館にかかわる研究や開発に関する議論の場としてディジタル図書館ワークショップが開かれます。ご興味のある方はふるって参加されてみてはいかがでしょうか。詳しくは、下記ホームページをご覧ください。
- 期日:
- 1999年3月3日(水)11:00〜16:30
- 会場:
- 図書館情報大学 講堂
- 参加:
- 無料
- お申し込み先:
- 〒305−8550 つくば市春日1-2 図書館情報大学 田畑孝一
- 詳しくは
http://www.DL.ulis.ac.jp/を参照してください。
| 発表論文 | 発表者 |
|---|---|
| Dublin Coreメタデータについて-現在の状況と利用例 | 杉本重雄 図書館情報大学 |
| Digital放送におけるメタデータ応用と電子図書館システム | 原岡和生 次世代情報放送システム研究所兼ソニー(株) |
| Moving the Digital "Project" to "Production" | John Price-Wilkin ミシガン大学図書館 ディジタル図書館部(通訳 平賀 譲) |
| 次世代電子図書館システム研究開発事業におけるプロトタイプシステムの概要 | 堀井光彦 吉田哲三 富士通(株) |
| 経済統計指標へのアクセス | 篠原久姫子 神戸大学経済経営研究所 |
| 「係り受け句 」による検索後の展開とそれに基づく文献選択 | 図書館情報大学 |
支部図書館職員のみなさんアジアを見直そう
IFLA IFLA IFLA IFLA IFLA
International Federation of Library Association
今年の第65回国際図書館連盟大会の開催国は、タイ(バンコク)です
期間:1999年8月20日(金)〜28日(土)
1999年8月20日から28日まで、タイのバンコクの国際会議場でIFLA第65回大会が開催されます。今年のメインテーマは 「Libraries as Gateways to an Enlightened World」で、タイはアジアでは、フィリピン、日本、インド、中国に次ぐ5番目の開催国となります。世界の図書館人と共通のテーマを語り、考える貴重な経験をされてみては、いかがでしょうか。

熱帯のエキゾチックな風景、強烈な太陽に光輝く寺院群、そして「ほほえみの国」といわれるタイ、そのすてきな笑顔に出あったとたん、普段の疲れもきっとどこかに吹っ飛んでしまいます。 滞在中はタイの図書館員との交流をぜひおすすめします。図書館におけるインターネットなどハイテクの普及ぶりや、図書館教育の充実に目を見張らされたりと、日本にいては得難い体験が必ず得られます。また、スラムの子供たちや、農村の識字教育に黙々と取り組んでいる図書館員たちの、貴重なお話を伺う事もできます。
何、「コミュニケーションはどうする?」ですって!大丈夫、心配はいりません。たとえ身振り・手振りであっても、こちらの熱意さえあれば、彼女たち(図書館員の99%は女性です)の優しい笑顔が必ずかえってきます。
21世紀の到来にそなえて今年の夏はREFERESH!ASIAしてみませんか。
(社)日本図書館協会では、大会の詳細をインターネットで紹介していますので、そちらをご覧ください。
IFLA大会スケジュール★
- 8月20日(金)
- 午前:運営理事会
- 午後:部会・分科会役員会
- 8月21日(土)
- 終日:部会・分科会役員会
- 夕刻:IFLA役員会レセプション
- 8月22日(日)コア・プログラム、UNESCOオリエンテーション
- 午後:評議会
- 夕刻:展示会・レセプション
- 8月23日(日)
- 午前:応募論文発表 部会会議 分科会、ラウンドテーブル会議(RT)
- 午後:全体会議、開会式
- 夕刻:ガラレセプション/夕食 タイの夕べ
- 月24日(火)
- 終日:分科会、RT会議、招待講演 ポスターセッション
- 夕刻:図書館レセプション
- 8月25日(水)
- 終日:分科会、RT会議、研修/図書館視察(半日)
- 昼:招待講演、ポスターセッション
- 午後:運営理事会
- 8月26日(木)
- 終日:ワークショップ/セミナー
- 研修/図書館視察(半日)
- 午後:分科会役員会
- 8月27日(金)
- 終日:部会、分科会、RT役員会
- 昼:運営理事会、理事会
- 午後:評議会、閉会式
- 8月28日(土)
- 終日:遠足日
- なお、大会については、IFLAのホームページでも見る事が出来ます。
http://www.ifla.org/
『紙!未来に遺す−第8回資料保存シンポジウム講演集』
本の紹介
「酸性紙問題」に警鐘が鳴らされたのは、今から20年程前の1980年代のことでした。
19世紀半ばに確立した近代製紙技術で作られた紙のほとんどは、製紙過程で加える硫酸アルミニウムなどによって、紙の酸性化が進み、数十年でポテトチップスのように崩れてしまうことが指摘されたのです。その後、資料を永く後世に伝えるために、各国の図書館員や文書館員は、製紙関係者や化学者と協力して、この対策に取り組んできました。
まず、酸性紙で作られた資料を保存するための技術として、「脱酸処理」技術の開発や保存容器の開発があります。
また、現在の文化を後世に伝えるために、中性書籍用紙の開発とその利用促進の働きかけが行なわれてきました。そして現在、さらに保存性に優れた「パーマネントペーパー(耐久用紙)」の国際規格が制定され、普及しつつあります。
本書は、このパーマネントペーパーと保存性が世界的に評価されている和紙に焦点をあて、「紙!未来に遺す」をテーマに行われた第8回資料保存シンポジウムの記録集です。
ロルフ・ダーロ氏(ノルウェー王立図書館サービス研究所副所長、ISO/TC46/SC10委員長)の講演「パーマネントペーパー−問題点と将来性−」を始めとして、国内講師からの和紙の世界、和紙の科学、日本の洋紙の現状に関する講演は、私たちの紙についての認識を新たにしてくれることでしょう。また、巻末の付属資料「パーマネントペーパー(耐久用紙)−文化遺産の保存のために−」は、IFLA保存分科会が作成したパンフレットの翻訳ですが、「パーマネントペーパーって何?」という疑問にわかりやすく応えてくれます。
資料保存に関わる人にもそうでない人にも、興味深い1冊です。
(評者:図書館研究所 吉本恵子)
紙!未来に遺す−第8回資料保存シンポジウム講演集』
- 講演
- 「パーマネントペーパー−問題点と将来性−」
- ロルフ・ダーロ(ノルウェー王立図書館サービス研究所副所長、ISO/TC46/SC10委員長)
- 「和紙のすばらしさ」久米康生(和紙研究家)
- 「和紙の科学」稲葉政満(東京芸術大学大学院助教授)
- 「日本の洋紙−印刷用紙を中心に−」坂口葵(王子製紙(株)洋紙営業本部技術サービス部部長)
- 質疑応答/付属資料:パーマネントペーパー(耐久用紙)−文献遺産の保存のために

国立国会図書館編
日本図書館協会発行/発売
1998.10. 84p. A5 1,400円(税別)
ISBN-4-8204-9820-7
