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トップ > 刊行物 > びぶろす > 75号(平成29年1月)

びぶろす-Biblos

75号(平成29年1月)

びぶろす

  • 発行:国立国会図書館総務部
    (National Diet Library)
  • ISSN:1344-8412
8. 防衛研究所戦史研究センター史料室について

防衛研究所戦史研究センター史料室主任研究官 菅野 直樹

1 設立の経緯

昭和31(1956)年、防衛庁防衛研修所に戦史室が編入され、以来、戦史編纂のため、旧陸海軍関連史料の収集及び整理に鋭意努めてきた。この間、同33年には、アメリカから占領期接収史料が返還されるなど、同室の所蔵史料は充実をみた。戦史室は同40年から戦史叢書の刊行を開始し、戦史室には旧陸海軍及び近代日本の戦争について、問合せが相次いだ。

組織改編で戦史室が戦史部となってまもない昭和54年、同部は市谷から目黒に移転、翌55年の事務次官通達に基づき、同年9月から史料閲覧室において、戦史編纂に活用された史料が一般公開され、以来、戦史叢書の刊行終了後も長い期間にわたり、史料の公開と、国内外からの様々な問合せに対応してきた。この間に平成13(2001)年、史料室が改編され、総務大臣から公文書館等に類する機関として、同23年には内閣総理大臣から歴史的資料等の適切な管理を行う機関として指定を受けた。

これらの一方、所全体としては昭和60年、防衛研究所に改称し、防衛庁も平成19年、防衛省に昇格している。同28年夏、防衛研究所は所を挙げて市谷に移転した。これに伴い、史料閲覧室も同地において旧陸海軍関連史料を一般公開している。

2 所蔵史料の概要

約159,000冊(陸軍史料約58,000冊、海軍史料約38,000冊、戦史関連図書等約63,000冊)に上る当室所蔵史料は、入手経路によっておおよそ次の5種類に大別できる。

第1に、すでに触れた返還史料である。終戦をひかえた昭和20年8月14日、政府は閣議で重要文書の焼却を決定したものの、空襲を避け保管されていた陸軍省の公文書である「大日記」類、海軍省の公文書である「公文備考」類、海軍部隊の「戦時日誌」「戦闘詳報」等は占領下、GHQの接収対象となった。そして同33年4月、これらのうち大半の史料とともに、戦地で接収された部隊の戦闘詳報などがアメリカから返還されたのである。同36年4月にはマニラ湾で撃沈された重巡洋艦「那智」から回収した史料もアメリカから返還され、戦史室に収められた。

第2に、戦史室に移管された史料である。旧陸海軍省は戦後廃止され、復員業務はそれぞれ第一復員省、第二復員省に引き継がれたが、その後、復員庁、厚生省復員局、引揚援護庁、厚生省引揚援護局と変遷をたどった。こうした過程で引き継ぎ、あるいは収集された文書は、国立公文書館の設立前に厚生省から戦史を編纂していた戦史室に渡ったのである。加えて、「極秘明治三十七八年海戦史」をはじめ明治天皇の御手許に上げられた「千代田史料」も宮内庁書陵部から移管された史料である。

第3に、戦史室が収集した史料である。これには、戦史室が戦史叢書編纂のために収集した公文書、私文書はもとより、編纂官が旧陸海軍関係者から聴取して作成した資料も含まれる。

第4に、個人及び戦友会から寄贈された公文書、私文書である。一例として、大本営陸軍部最後の第一部長(作戦部長)を務めた宮崎周一元中将の関連史料には、国防方針及び用兵綱領関係をはじめ貴重な史料が含まれている。

第5に、出版物である。参謀本部および軍令部が編纂した戦史、戦後に戦友会が編纂した部隊史等に代表される。

3 平成28年夏の移転

史料の移転作業は、7月11日から開始した。移転に際し、史料及び図書を収納した中性紙箱が大きな貢献を果たした。さきに所を挙げての移転が決定した後、平成25、26両年度にわたって、史料室は所蔵史料の数量や形状に鑑み、必要な箱数を割り出した。箱の購入に当たって、要求数はもとより、単年度予算でなく、2年度にまたがって国庫債務負担行為で支弁することが認められた。

酷暑のさなか、中性紙箱は日光、湿気、塵芥等から史料を保護するとともに、移転作業を効率的にする役割を果たしたといえる。大小6種類のサイズからなる中性紙箱は、総計で約12,900箱に上った。

史料庫内

所としての施設移転が8月第1週に集中した一方、史料の移転作業は8月10日までの期間を要した。職員はもとより、各種要求に柔軟に応じていただいた引越業者の方々の奮闘ぶりも誠に印象深いものがあった。

4 史料の閲覧申込その他

史料閲覧を希望される方は、防衛省正門でなく、省敷地北側に位置する加賀門のみからの入出門となる。同門での手続きを経て、ロッカールームの鍵付きロッカー中に所持品を置いた後、史料閲覧室(183㎡)において、戦史史料をじかに閲覧することができる。

防衛研究所が目黒にあったときと比較すると、いわゆる青焼と称される図面等の技術関係史料、及び簿冊全体にわたって複写が可能である公文書、私文書いずれも閲覧者がデジタルカメラ等で撮影可能となったことは、閲覧利用上、大きな改善点である。閲覧者は史料閲覧室に隣接する小閲覧室(8㎡)にて、1回あたり30分以内で史料を撮影できる。

史料閲覧室(カウンター右手が小閲覧室の入口)

今回の移転を機に、史料閲覧室に隣接するレファレンス室(21㎡)を新たに設け、相談者には同室内にて対応するため、閲覧環境もより静穏になった。

その他の利用に関する事項については、防衛研究所ホームページ中、「史料閲覧室」を参照されたい。

(かんの なおき)

参考文献
原剛「防衛研究所図書館所蔵史料について」高野邦夫編『近代日本軍隊教育史料集成 解説』柏書房,2004.5,p.81-93[国立国会図書館請求記号:AZ-655-H19]
防衛研究所六十年史編さん委員会編『防衛研究所六十年史』防衛研究所,2013.3.[請求記号:AZ-652-L5]

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