• 利用案内
  • サービス概要
  • 東京本館
  • 関西館
  • 国際子ども図書館
  • アクセス
  • 複写サービス
  • 登録利用者制度
  • オンラインサービス
  • オンラインサービス一覧
  • 国会関連情報
  • 蔵書検索
  • 電子図書館
  • 調べ方案内
  • 電子展示会

トップ > 刊行物 > びぶろす > 75号(平成29年1月)

びぶろす-Biblos

75号(平成29年1月)

びぶろす

  • 発行:国立国会図書館総務部
    (National Diet Library)
  • ISSN:1344-8412
7. 平成28年度第102回全国図書館大会(東京大会)第6分科会に参加して ~障害者差別解消法への具体的取組

支部農林水産省図書館 水嶋 正博

1.はじめに

日本図書館協会主催の全国図書館大会が、平成28年10月16日に「地域創造と図書館の未来」をテーマとして、東京の青山学院大学青山キャンパスで開催され、第6分科会「障害者差別解消法への具体的取組」に参加させていただきました。

本分科会において、平成28年4月から施行された「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」(以下、「障害者差別解消法」という。)の概要をはじめとして、障害者側からの図書館利用に係る視点や、国立国会図書館、特別支援教育、大学図書館及び公共図書館における様々な取組について、貴重なお話を拝聴しましたので、その概要等について報告させていただきます。

2.第6分科会「障害者差別解消法への具体的取組」の概要等

第6分科会では、まず、日本図書館協会障害者サービス委員会の佐藤聖一委員長(埼玉県立久喜図書館)と専門図書館部会の鈴木良雄部会長(専門図書館協議会事務局長)の基調報告、次に各図書館等からの事例報告が行われました。なお、全体を通して手話通訳及び要約筆記が行われていたことを申し添えます。

最初に、佐藤委員長から「障害者差別解消法と図書館サービス」と題して基調報告が行われ、従来の福祉サービスと障害者差別解消法等との根本的な違いについて説明がありました。従来の福祉サービスは、障害者とその程度を特定(障害者手帳が必要)し、専門職員等が支援、援助、特別なサービスを行っていたのに対し、障害者差別解消法等の理念では、何らかの社会的障壁のある人に対し、社会のあらゆる場面で、障壁のある人が利用できるように適切な配慮(=合理的配慮)を、サービスの主体自らが行うよう変化しており、合理的配慮ができるのにしないと差別になることに注意しなければならないとの指摘がありました。

次に、鈴木部会長から「専門図書館における障害者差別解消法への対応のポイント」についての基調報告が行われました。まず、『専門情報機関総覧2015』1等から概観した機関種別ごとの状況について説明が行われ、多様な機関に設置されていることや職員が少数であることが専門図書館の特徴となっているとの指摘がありました。

こうした状況にある専門図書館も、障害者差別解消法により図書館の施設や資料の利用を妨げている条件を解消することが求められています。対応の方向性としては、アクセスを広義にとらえ、視覚障害者に理解できるようなHP作成、施設面での考慮、DAISY化などのメディア変換によるサービス拡充、職員が研修などに参加して法の趣旨の理解の促進をはかること、などが挙げられました。専門図書館でできる合理的配慮等を進めることが、社会に貢献することにつながるとのことでした。

お二人のお話をお伺いし、予算や施設などの面でいろいろな制約のある専門図書館が、安易に合理的配慮を行わない理由探しをするのではなく、個々のケースに応じたちょっとした負担が重要であることなどを再認識した次第です。

各図書館等からの実践例の報告としては、まず、国立国会図書館関西館図書館協力課の安藤一博氏より、国立国会図書館が実施している障害者等用データの収集及び送信サービスについての説明が行われました。

国立国会図書館では、昭和50年に学術文献録音図書の製作と提供を開始して以来、各種図書館に対する支援や協力事業を行ってきました。さらに、平成26年1月から「視聴覚障害者等用データ」をインターネット経由で視聴覚障害者等個人に直接提供するサービスを実施2し、送信承認館における施設内端末での利用やダウンロードしたものの郵送提供、登録者による自宅での直接利用に加え、サピエ図書館とのシステム連携の実施など、順次サービスの拡充・改善を図っているとのことでした。

次に、(独)国立特別支援教育総合研究所の藤本裕人上席総括研究員から、さまざまな障害を持つ児童生徒の視点からみた合理的配慮や基礎的環境整備3について報告がありました。特別支援教育対象となる児童数の状況説明があった後、視覚障害、聴覚障害、肢体不自由、学習障害(LD)などの障害の特性ごとに読書活動への配慮の具体的事例をお示しいただきました。こうした実践事例については、内閣府の合理的配慮等具体例データ集(合理的配慮サーチ)及び(独)国立特別支援教育総合研究所のインクルーシブ教育システム構築支援データベース(インクルDB)に紹介されているとのことですので、今後の参考とさせていただきたいと考えています。

立命館大学学術情報部図書館サービス課の三谷恭弘氏からは、平成22年7月から開始した、立命館大学における視覚障害者等へのテキストデータ提供等の取組について報告がありました。2010年の著作権法の改正に伴い、教材に加え、図書館資料をテキスト化し視覚障害学生に提供するサービスを開始されたとのことでした。利用者は、予め利用方法等の研修4が必要な点に特徴があります。

最後に、調布市立中央図書館の海老澤昌子氏から、まず調布市立図書館の概要についてお話があり、昭和41年に開館以来、昭和57年に10番目の分館が設置されて分館網が完成し、現在の中央図書館では、ハンディキャップサービス専用のスペースを設置しているとの紹介がありました。拡大読書器や音声読み上げパソコンなど、様々な機器の写真を交えて説明していただきました。

3.おわりに

農林水産省図書館は、農林水産行政に係る資料を広く一般の方にも御利用いただいていますので、今回御報告いただいた、利用者に寄り添った実践的な取組を参考に今後取り組んで参りたいと考えております。

最後に、本大会の運営に携わられた方々の御苦労に対しまして、御礼を申し上げます。

(みずしま まさひろ)

  1. 専門図書館協議会調査分析委員会編,専門図書館協議会,2015.2 [国立国会図書館請求記号:UL2-L6]
  2. 国立国会図書館. 視覚障害者等用データ送信サービス(視覚障害者等個人の方向けのご案内)
  3. 障害者を含む様々な利用者が利用できるように、図書館の施設・設備・資料・サービス等を整えることをいう。「図書館における障害を理由とする差別の解消の推進に関するガイドライン」(平成28年3月18日、日本図書館協会)
  4. 図書館内の視覚障害者等のための専用施設やテキストデータ化サービスの利用方法など。研修及びデータの使用は立命館大学の授業支援システム manaba+R(まなば)より行う。

このページの先頭へ