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トップ > 刊行物 > びぶろす > 75号(平成29年1月)

びぶろす-Biblos

75号(平成29年1月)

びぶろす

  • 発行:国立国会図書館総務部
    (National Diet Library)
  • ISSN:1344-8412
3. 【特集:レファレンスインタビュー】
国際子ども図書館のレファレンスサービスとレファレンスインタビュー ―インタビュー確認シートの活用―

国立国会図書館国際子ども図書館資料情報課

1.国際子ども図書館のレファレンスサービス

数々の文化・芸術施設が集まる東京の上野公園の奥に、国際子ども図書館はあります。国立国会図書館の一施設として2000年に設立された日本唯一の国立の児童書専門図書館で、国立国会図書館の蔵書のうち、主に児童書とその関連資料を所蔵しています。

国立国会図書館で提供するレファレンスサービスの範囲は、次のように規定されています1

(表1)国立国会図書館で提供するレファレンスサービスの範囲

(1) 利用案内(5) 簡易な事実調査
(2) 所蔵調査(6) 検索の援助
(3) 所蔵機関調査(7) 資料の紹介
(4) 書誌的事項調査(8) 他機関の紹介

国際子ども図書館では、子どもからは、子どもの疑問に端を発する事実調査や、調べ学習、読書案内に関する質問が、大人からは、児童書・児童文学及び児童図書館・学校図書館活動に関するレファレンスが、多く寄せられています。

本稿では、当館で対応している様々なタイプのレファレンスの中から、利用者の質問内容を聞き取るレファレンスインタビューを特に重視している「ストーリー・レファレンス」について、担当課である資料情報課(以下、「当課」という。)の取組みをご紹介します。

2.「ストーリー・レファレンス」とは

当課では、「昔読んだ、こういった内容の児童書、絵本を探している」という質問を、「ストーリー・レファレンス」と呼んでいます。表1の範囲の中では、(4)書誌的事項調査(文献のタイトル、著者名、出版者、出版年、巻号、収載ページなどの調査)に含まれます。その特徴は、次のとおりです。

  • 書名や著者名等の書誌事項は不明または曖昧だが、色や形、絵、言葉、特定の場面等の細部が強く印象に残っている
  • 特定の資料を目的とすること(「小さい頃自宅にあった、ピンク色のドレスの『あの』シンデレラの絵本」等)が多い
  • 探している資料が定番の児童書ではないことも多い

ストーリー・レファレンスにおいては、OPAC等のデータベースや参考図書による調査だけでは資料を特定することができないケースが大半を占めます。頼みの綱は利用者の記憶だけです。インタビューでどれだけ的確な情報を聞き取れたかが、回答の成否を決定付けるといっても過言ではありません。にもかかわらず、インタビューは知識や経験の差による違いが出やすく、質の高いインタビューをどの職員も安定して行えるようにすることは、難しい課題です。そこで当課では、ストーリー・レファレンス専用のインタビュー確認シートを独自に作成し、使用しています。


インタビュー確認シート

3.インタビュー確認シートとインタビューの概要

インタビュー確認シートは、7つの大項目からなるA4両面刷りの書式です。それぞれの大項目の下に、詳細を聞き取るための小項目を複数設けています。項目はすべて質問形式で、そのまま読み上げて使えるようになっています。

インタビューは、おおむね二段階に分けて実施します。まずは、利用者に自由に話してもらいながら、シートに情報を書き込みます。利用者の話が終わったら、シートの冒頭からすべての項目を、復唱と再質問によってチェックしていきます。復唱は、こちらが傾聴していることを示し、利用者自身に内容を客観的に整理していただくことが狙いです。また、再質問は、同じ項目について角度を変えて確認することによって、情報の精度を高めることを目的として行います。

このシートの最大のポイントは、小項目にあります。大項目と小項目は、例えば次のように設定されています。

【大項目】

いつ、読みましたか?

【小項目】

  • 何年前ですか?
  • 具体的に、西暦or昭和/平成でいうと、何年くらいですか?
  • その時、何歳(何年生)でしたか?
  • 自分で読みましたか?誰かに読んでもらいましたか?

大項目の「いつ」だけでは、回答の仕方は千差万別ですし、「20年くらい前です」などと、一言で済んでしまう場合も多いと思います。しかし、同じ約20年前でも、「20年くらい前に自分で読んだ。1995年に小学校に入学した私が、3年生か4年生の頃」という場合と、「15年~20年程前、当時5歳前後の孫に読んで聞かせた(孫は1999年生まれ)」という場合では、同じ「絵本」を探しているとおっしゃっていたとしても、前者は挿絵の多めの読み物を、後者は低年齢向けの絵雑誌を調査範囲に含めることが考えられるなど、調査対象が異なってきます。

このような具体的な情報を引き出せるかどうかというのが、インタビューの「質」ということになります。このシートは、読み上げるだけで一定の水準以上のインタビューをすることができる作りになっています。また、経験が浅い職員にとっては、ベテランのインタビューをなぞるように経験できるというメリットもあります。

項目の設定がこまやかな分、確認には時間がかかりますが、省略してしまうとこのシートを使用する意味が失われてしまうので注意が必要です。もちろん、質問した結果覚えていない項目については無理に埋める必要はありませんが、すべての項目を確認しきることを、職員の間で徹底することが重要です。また、職員の憶測や推測を交えて記録しない、曖昧な情報は曖昧なまま記録する、ということにも注意しています。

表2に、項目の一覧をお示しします。一見、重複が多いように感じられるかもしれませんが、復唱・再質問を通じて新しい記憶が掘り起こされ、回答につながったというケースもありました。

(表2)インタビュー確認シート項目一覧

□ いつ、読みましたか?
  • 何年前ですか?
  • 具体的に、西暦 or 昭和/平成でいうと、何年くらいですか?
  • その時、何歳(何年生)でしたか?
  • 自分で読みましたか?誰かに読んでもらいましたか?
□ どこで、読みましたか?
  • 自宅にありましたか?
  • 幼稚園or保育園?
  • 小学校の図書室?中学校などの図書室?
  • 地元の図書館?
□ どんなモノを読みましたか?
  • 絵本ですか?読み物(物語)ですか?
  • タイトルやシリーズなど、覚えている言葉はありますか?
  • 1冊に1つのお話でしたか?いくつか入っていましたか?
  • 【絵本の場合】幼稚園などから毎月配られていた雑誌(キンダ―ブック等)でしたか?
□ どんなお話ですか?
  • 主人公や登場人物は人間でしたか?動物でしたか?
  • 登場人物の名前など、覚えていることはありますか?日本人っぽいとか、外国人っぽいとか。
  • 舞台は日本でしたか?外国でしたか?
  • ストーリーで覚えていることがあれば、途切れ途切れでも構いません、教えてください。
  • お話は最後はどうなりましたか?
□ 誰が書いた作品ですか?
  • 著者や画家の名前を覚えていますか?
    【覚えている場合】どうしてはっきりと覚えているのですか?
  • 文体や画風(絵のタッチなど)で覚えていることはありませんか?
  • 今までに似ている本・絵を見たことがありますか?
□ どんな形・デザインの本でしたか?
  • 本の大きさ、厚さ、表紙の色やデザイン、本の硬さなどで、覚えていることはありませんか?
  • 本のサイズは縦長でしたか?横長でしたか?
  • 文字は縦書or横書、どちらでしたか?
  • 絵は全部カラーでしたか?
  • 文字は多かったですか?段組みされていましたか?
  • 絵はどのくらいの分量がありましたか?挿絵や口絵程度でしたか?
  • 【シリーズ、全集の確認】同じようなデザインの本を他に見た覚えがありますか?
□ 他に覚えていることはありますか?
  • 特に印象に残っている場面があったら是非教えてください。
  • 出版者を覚えていますか?
    【覚えている場合】どうしてはっきりと覚えているのですか?

なお、これらの項目は、当課における調査手順や使用しているレファレンスツールを念頭に設定しています。本稿に掲載したのは2016年11月時点の内容で、随時見直しています。参考にされる場合はご注意ください。また、国際子ども図書館にストーリー・レファレンスを依頼される場合は、これらの項目を確認していただけますと大変助かりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

(しりょうじょうほうか)

  1. 国立国会図書館内規 一般レファレンス事務処理要領(昭和61年12月26日館長決定第15号)

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