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トップ > 刊行物 > びぶろす > 73号(平成28年7月)

びぶろす-Biblos

73号(平成28年7月)

びぶろす

  • 発行:国立国会図書館総務部
    (National Diet Library)
  • ISSN:1344-8412
5. 【特集:公文書を探索する】
外務省外交史料館の所蔵史料・活動の概要

外務省大臣官房総務課外交史料館 日向玲理

1.設立の経緯

外務省では、明治初年の創設以来、省内の一切の記録を網羅的に収集・分類・保存する事務を重視してきました。そこには戦前期に外務大臣を務めた石井菊次郎が、「書類整備の完否は結局、外交の勝敗を決する」と述べたように外交実務を支える記録の重要性が意識されていました。また、わが国外交の経緯を明らかにするため、文書類の編纂・刊行にも力を入れてきました。

しかし、残念ながら第二次大戦などによって多くの重要な外交の記録が焼失しました。戦後の外務省は、残存した記録を整備する一方、散逸史料の収集・復元をはかり、さらに連合国に接収された記録の返還を求めるなど幾多の努力を重ねました。

サンフランシスコ平和条約成立後、国民の外交史実への関心が高まるとともに、外交史や国際政治学などを専門とする内外の研究者は、「外務省記録」を活用した研究を望みました。ところが、当時の外務省には専用の閲覧施設がなく、しかも省員が担当業務のかたわら閲覧に応じるなど、利用者へのサービスは十分とはいえませんでした。

こうした中で研究者を中心に、欧米諸国の例にならい、史料館の設立を要望する声が高まりました。また、外務省としても、書庫の狭隘化に伴い、文書の保存施設を新たに設ける必要がありました。

この結果、誕生したのが、外務省外交史料館1(以下、当館という)です。当館は、戦前期の外務省記録を中心とする外交史料の保存、閲覧、展示、編纂など外交史に関する情報を総合的かつ広く一般に提供する外務省の一施設として、1971(昭和46)年4月に開館しました。1988(昭和63)年7月には、展示室・図書室・収蔵庫を備えた別館が増設(吉田茂記念事業財団より寄贈)されました。

他方、公文書をめぐる法制面に目を転じると、2001(平成13)年には、「行政機関の保有する情報の公開に関する法律」(情報公開法)の施行に伴い、当館は総務大臣より、歴史的な資料を適切に保存管理する施設に指定されました。

その後、各方面で公文書館・公文書をめぐる様々な議論がなされ、2011(平成23)年4月1日、「公文書等の管理に関する法律」に基づき、当館は外務省の特定歴史公文書等の管理を行う施設として外務大臣の指定を受けました。これにより当館は、国立公文書館と同等の機能と役割を担う外交の公文書館となりました。現在、法に基づく歴史的資料の移管受入れ・保存・利用促進という公文書館業務2と、『日本外交文書』の編纂業務を二本柱として、日々の業務に取り組んでいます。


2.主な所蔵史料の概要

(1)戦前期「外務省記録」

外交活動に伴う外務本省と在外公館との往復電報・公信類をはじめとする史料が、外務省創立から第二次大戦終結までの約80年にわたり、40,000冊を超えるファイルに整理・編纂されています。このうち明治・大正期の記録は、1門(政治)・2門(条約)・3門(通商)など8の大項目に、また昭和戦前期の記録は、第二次大戦終戦関係も含み、A門(政治・外交)・B門(条約)・E門(経済)など16の大項目にそれぞれ分類されています。当館ではこれら戦前期「外務省記録」を、原則として原本で閲覧することができます。

なお、当館は所蔵する戦前期「外務省記録」や諸史料を順次電子画像化3し、アジア歴史資料センターに提供しています。

「外務省記録」

(2)戦後期「外交記録」

外務省は1976(昭和51)年以降、作成から30年以上が経過した外交記録を、随時マイクロフィルムやCD-Rによって当館で公開してきました。その後、外務省の歴史的文書を当館に移管する体制が整備される中、いわゆる「密約」問題をきっかけに文書の公開制度も見直されました。その結果、2010(平成22)年5月、作成・取得から30年を経過した外交記録の公開の手続などを定めた「外交記録公開に関する規則」(外務大臣訓令)が制定され、外部有識者を交えた外交記録公開推進委員会が設置されました。2011年の公文書管理法施行以降は、同法及び上記規則に基づき、円滑かつ迅速な外交記録公開の実施に努めています。当館では現在、約50,000冊の戦後期の外交記録を所蔵しています。

(3)「通信全覧」「続通信全覧」4

「通信全覧」は、開国後の1859(安政6)年と1860(万延元)年の外交文書を徳川幕府が編纂した外交文書集で、320巻あります。「続通信全覧」は、「通信全覧」の後をうけて、1861(文久元)年から1868(慶応4)年までの編年文書に、修好・貿易などの事項別部門を加えて、外務省が編纂したもので、現在1,784巻が残っています。

(4)条約書5(戦前期)

戦前期に日本が諸外国と結んだ条約書を約600点所蔵しています。その内容は、修好・通商・政治・経済など多岐にわたります。二国間条約は国別に、多数国間条約は、締結年順に整理・保管しています。

(5)国書・親書6(戦前期)

徳川家の将軍・明治天皇・大正天皇・昭和天皇が諸外国の国王や大統領などから受け取った国書・親書を約1,100通所蔵しています。


3.『日本外交文書』と展示業務の紹介

(1)『日本外交文書』

日本外交の経緯を示し、外交交渉の先例ともなるべき基本史料である『日本外交文書』として編纂 ・刊行しています。外務省の事業として1936(昭和11)年から現在までに明治・大正・昭和戦前期の編纂が完了し、刊行総数は216冊となりました。2016年は、編纂開始から80年という節目の年を迎え、新たに戦後期の編纂へと進みます。なお、「日本外交文書デジタルアーカイブ」では、明治期から1937(昭和12)年頃までのデジタル画像及び目次情報を提供しています。

(2)展示

別館展示室では、幕末からの日本外交の歩みを示す主要な条約書などを展示している常設展示と特定のテーマのもとで期間限定の特別展示を行っています。近年、類縁機関との連携展示や在京大使館との共催展示にも積極的に取り組み、展示を通して日本外交の歩みを追体験できるような展示を意識しています。展示室は歴史好きな方々のみならず、大学で外交史や国際政治学などを専攻するゼミの学生、修学旅行の中・高生など幅広い年代の方々にご来館いただいています。そうした方々に、少しでも学ぶところがあったと思っていただけるような展示を心がけています。

(ひなた れお)

  1. 内藤和寿「外務省外交史料館の所蔵史料と活動-外交史料の総合的情報センターをめざして-」『アーカイブズ』国立公文書館 編,国立公文書館, (34), 2008.12 ,p.13-15 [国立国会図書館請求記号:Z71-D358] (編集注:以下、請求記号は国立国会図書館の請求記号)参照
  2. 公文書管理法施行後の外交史料館の役割と利用方法」『外交史料館報』外務省外交史料館 編,外務省外交史料館,(25), 2012.3 ,p.194-203 [請求記号:Z1-442]参照
  3. アジア歴史資料センターのホームページで、戦前期「外務省記録」の大部分をはじめ、「通信全覧」「続通信全覧」、条約書の他、当館所蔵記録を閲覧できます。
  4. この二つの史料群は、2016年に国の重要文化財に指定されました。
  5. 日本と諸外国(または国際機関)との間の国際約束に関する文書の原本や原本の真正な写し(認証謄本など)のことです。
  6. 国家元首が他国の元首に宛てて発出した手紙のことで、いずれにも、元首の署名(サイン)が記されています。条約書に並ぶ重要な外交文書です。
  7. 吉村道男「外交文書編纂事業の経緯について」『外交史料館報』外務省外交史料館 編,外務省外交史料館,(1), 1988.3 ,p.60-77 [請求記号:Z1-442]参照

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