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トップ > 刊行物 > びぶろす > 72号(平成28年4月)

びぶろす-Biblos

72号(平成28年4月)

びぶろす

  • 発行:国立国会図書館総務部
    (National Diet Library)
  • ISSN:1344-8412
3. 【特集:図書館のお引っ越し】
国際子ども図書館のお引っ越し

国立国会図書館国際子ども図書館資料情報課 檜山 未帆

国際子ども図書館は、国立国会図書館の支部図書館です。東京の上野にあり、我が国唯一の国立の児童書専門図書館として、国立国会図書館の蔵書のうち、主に児童向けの資料を所蔵しています。

平成27年から平成28年にかけて、国際子ども図書館はアーチ棟と呼ばれる新館の建築に伴いリニューアルを行いました。リニューアルに当たっては、施設の再配置や資料の移転など、新たなサービス展開のための基盤を整備しました。ここでは、主に既存棟(以下、「レンガ棟」といいます。)からアーチ棟への約40万冊・40日に及んだ資料の移転について、計画、準備から実際の移転作業までをご報告します。

1.移転に向けた計画の策定

レンガ棟には40万冊規模の書庫がありますが、満架が近づいた平成22年から児童書の関連書や関連雑誌などを毎年少しずつ国立国会図書館東京本館内の書庫に一時保管することにより、ようやくスペースを確保している状態でした。並行して具体化した建築計画でアーチ棟の地下1・2階に65万冊規模の書庫が新設されることになりました。

また、これまで施設の制約上、レンガ棟の第一・第二資料室の2室に分かれていた資料室を、アーチ棟2階に新設する「児童書研究資料室」に移転・統合することが決まり、児童書の専門図書館としてのサービスはアーチ棟を中心に行っていくことになりました。

このため、資料室の開架資料約4万冊と、レンガ棟書庫に配置されていた資料約40万冊のうち、約35万冊のアーチ棟への移転を行うことになったのです。

書庫計画の策定では、まず「どの資料をレンガ棟に残し、どの資料をアーチ棟に移転するか」の検討から始めました。国際子ども図書館では、世界約140の国と地域の資料を収集し、現在約9万冊を所蔵しています。また、図書や雑誌だけではなく、紙芝居・電子資料・マイクロ資料など、様々な形態の資料を全体で約40万冊所蔵しています。利用頻度の高い、近年納本された日本の児童書や児童雑誌は資料室に近いアーチ棟の地下1階へ、それ以外の日本の児童書や外国の資料はアーチ棟の地下2階へ、利用頻度がそれほど高くない児童書の関連書・関連雑誌やデジタル化済み原本などはレンガ棟に残すなど、資料群ごとに資料配置を決めました。

移転作業そのものは外注で行うため、平成26年秋頃から調達に向けて仕様書を作り始め、その際に書庫内の資料の割付も決定しました。書庫の割付は、移転後10年分の資料が入るように資料の増加量を計算して作成しました。増加量の算定方法は資料群ごとに異なります。特に雑誌は現在ある約1700タイトルについてそれぞれ1タイトルごとにセンチ単位で増加量を算定しなければならず、またこれから先10年間に新しく刊行されるであろうタイトル数も予測しながらの算定だったため、膨大な作業量になりました。

平成27年3月には仕様書が確定し、8~10月に資料室と書庫資料の移転を行うというスケジュールも現実味を帯びてきました。

2.移転準備作業

平成27年6月に移転業者が決定しました。移転業者は運搬のプロですが、図書館の専門家というわけではありません。書架の左から右、上から下という資料の並び順や、「段・連・列」という書架を数える単位など、図書館独自の決まりごとや用語などを共有するため、7月頃から書庫内の移転対象の書架全てに資料の並び順など基本的な事項を書いた紙を貼るなどの準備を行いました。

また、移転する資料群と、移転しない資料群が混在していて分かりにくいところが多かったので、誰が見ても一目で分かるように移転対象外の書架に「移転しない」と書いた


書架に貼った掲示:資料の並び順や「段・連・列」を説明

紙を貼りました。

移転業者による実際の作業では、書架からの資料の取り出しと書架への資料の排架は、図書館での作業に習熟している人を必ず含む決まった担当者が行い、書庫間の運搬作業は日替わりの作業者が担当しました。資料の取り出しと排架の担当者が、移転する資料や順番をよく理解して運搬作業者に指示をしたため、排架時の大きな間違いが少なく、また、長い作業期間中に習熟した人を少しずつ増やすことができました。

移転中の資料は利用できなくなるため、『国立国会図書館月報』やホームページ、メールマガジンへの掲載・館内掲示等の広報を行い、電話での問合わせにも対応しました。

移転業者の決定と前後してアーチ棟も完成に近づき、建設途中の新しい児童書研究資料室や書庫に入って実地検分を行う機会もあり、その中で資料移転のイメージがより具体化していきました。

3.資料移転

平成27年8月29日、これまでの第一・第二資料室が閉室しました。翌8月30日から9月15日までの約2週間を資料室の休室期間とし、この期間に資料室の資料と書庫資料のうち特に利用頻度の高い資料群の移転作業を行いました。資料室の移転は、直前まで開室していた上に、端末の設置やサイン・各種案内など、リニューアルオープンの準備作業や書庫移転の日程の都合上、8月31日の1日でほぼ全ての移転を終わらせなければいけないという非常にタイトなスケジュールでしたが、入念な事前準備のおかげで滞りなく行うことができました。資料室の移転については、『国立国会図書館月報』656号(2015年12月号)掲載の館内スコープ「国際子ども図書館に住む妖精 児童書研究資料室の移転」もご覧ください。

資料室移転の翌日からはレンガ棟書庫からアーチ棟書庫への資料の移転が始まりました。資料室休室期間中は土日も移転作業を行い、その甲斐もあって予定より少し前倒しで作業を進めることができました。休室期間中で職員もカウンター業務がなかったこともあり、移転元と移転先にそれぞれ立ち会い、きめ細かく指示を出したり、排架順に間違いがあった場合はすぐに指摘したりできました。移転業者側でも、なるべく毎日同じ作業員が来るように対応してくださったこともあり、最初の1週間を過ぎると作業にも慣れ、徐々にスピードアップしていきました。

9月16日には国際子ども図書館新館完成記念式典があり、翌17日から児童書研究資料室がオープンしました。17日以降は資料室でのサービスと書庫資料の移転が平行することになり、資料室に向かう利用者と移転作業の動線が、レンガ棟とアーチ棟の連絡通路で重なるため、警備員を配置して事故のないように注意しました。

また、資料室のオープン以降はカウンター業務もあるため、職員の立ち会いを減らさざるをえませんでした。そのため、移転担当の職員は館内用PHSを携行し、移転業者から電話があった際にはすぐに駆けつけるという対応をとりました。

10月19~20日に、東京本館に一時保管していた資料約1万4千冊を国際子ども図書館に再移転し、業者による移転作業は全て終了しました。

現在、国際子ども図書館では、レンガ棟書庫内資料の再配置を行っています。これまでは書庫が満架の状態だったため、なるべく間隔を空けずに資料を排架していましたが、書庫に余裕ができたため、今後の増加分を見込んで間を空けながら並べ替えています。こういった作業は職員が日常業務の中で計画を立て、少しずつ進めています。

児童書研究資料室はリニューアルオープン以降、日曜日も開室しています。明るく、広くなり、東京本館に一時保管していた資料も戻ってきて利用できる資料が増えた資料室に、ぜひ足をお運びください。

(ひやま みほ)

参考:移転スケジュール

(業者による移転作業はH27.8~10)

平成21年度
・新館(アーチ棟)設計(~27年度建設・レンガ棟改修工事)
平成22年度
・レンガ棟書庫が満架に近づき、児童書の関連書や関連雑誌などの東京本館書庫内への一時保管を始める。
・国際子ども図書館第2次基本計画の策定
平成23年度
・書庫内資料配置計画の検討開始
平成25年度
・必要な移転作業について検討し、作業ごとに移転対象、移転ルート、作業期間・実施時期等を決定
・移転作業見積徴取
平成26年度
・秋~調達仕様書作成開始(3月確定)
・書庫内資料配置計画策定(割付確定)
平成27年度
6月:移転業者決定
6月末:アーチ棟完成
7月:書庫内の移転準備作業開始
休館の広報開始
8/29:第一・第二資料室 閉室
8/30~9/15:資料室及び書庫資料のうち特に利用頻度の高い資料群の移転作業(2週間)
※資料室の移転は実質8/31の1日
9/16:新館完成記念式典
9/17~:児童書研究資料室 開室
・並行して書庫資料の移転作業
10/19~20:本館で一時保管していた資料の再移転(業者による移転作業終了)
平成28年4月現在:レンガ棟書庫内資料の再配置

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