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トップ > 刊行物 > びぶろす > 71号(平成28年1月)

びぶろす-Biblos

71号(平成28年1月)

びぶろす

  • 発行:国立国会図書館総務部
    (National Diet Library)
  • ISSN:1344-8412
4. 【特集:新聞を読む】
角筈(つのはず)図書館の業界紙誌と新聞資料について

新宿区立角筈図書館 松永 剛政

はじめに

新宿区立角筈図書館は平成元年9月5日に新宿区立図書館の地域館として、複合施設である角筈地域センターの5・6階に設立されました。現在、ビジネス情報支援の拠点館という位置づけになっており、新宿区内の図書館としては初めて図書館情報システムが導入された館でもあります。

西新宿の高層ビル群の更に西に立地しており、大規模ターミナル駅である新宿駅から1kmほど離れています。近隣には大きな公園もあり、いつも多くの人で賑わっています。平日の利用者の多くは新宿区外から西新宿地区への通勤者で、土日は地域住民の利用が多く見られます。ビジネス情報支援の拠点として、地域貢献の場として、両局面を保有した特色ある地域図書館と言えるでしょう1

平成22年4月1日から指定管理者による運営を開始し、現在は民間企業である株式会社図書館流通センターが運営しています。

本稿ではビジネス情報支援の視点から、業界紙誌・新聞の収集、ビジネスコーナーの設置、講演会・ビジネス情報相談会の開催など、情報収集のプロセスや収集した情報・データの保管と管理方法、そしてその情報の利用促進、アウトプットの仕方などを記します。

1. 業界紙誌の収集に関して

新宿区立図書館の基本方針として、「ビジネス支援、医療健康支援など区民の知りたい要望に応え、的確な情報提供ができるよう、その強化が求められている」という一文があります2。その中でも角筈図書館は、ビジネス情報支援の一環として、調査に役立つ資料の基本である、新聞・雑誌・官公庁統計・各種年鑑・業界団体の資料・民間調査会社の資料などをメインに収集しています。その他にも速報性・専門性を考え、業界紙誌(業界の新聞や雑誌)を多数収集しています。しかし、業界紙誌は余りに種類が多く、限られた予算内では充分な数を購入することが難しくなっています。

そこで、数年前から寄贈を依頼して収集することとしました。当初は地場産業である印刷・染色業をはじめ、ビジネス相談会で相談を受けることが多い飲食業などを重点的に収集していましたが、現在ではさらに流通・医療・メディア・建設・不動産など、13分野にジャンル分けして収集し、ビジネスコーナーに配架しています。残念ながら休廃刊になったものも多いですが、バックナンバーも含め、一部は事務室に保管しています。


業界紙誌のコーナー

448タイトル(平成27年11月現在)の所蔵のうち、多くは管理の都合上から館内閲覧に限っていますが、特に需要の見込まれる75誌に関しては貸出を行っています。このうち、web上での閲覧が可能なものは約3分の1の24誌に留まっており(全ページ閲覧可能なものは13誌)、紙媒体での所蔵が求められる所以です。

2. 新聞の収集に関して

当館ではビジネス情報支援の一環として、情報入手にあたって有効な一次資料である新聞の収集にも力を入れています。インターネットが普及した現在でも新聞を利用する人は非常に多く、一次資料としての信頼性の高さ、情報の有用性を強く感じさせます。また、前項で紹介したように、週刊や月刊で発行される業界紙誌も多く所蔵していますが、情報の取捨選択の速さを重視し、ほぼ毎日発行される速報性の高さが新聞を収集している理由にもなっています。

当館では主要5大紙をはじめとして、経済情報に詳しい「日経産業新聞」、「日経ヴェリタス」といった新聞や、近隣の企業に関連する食品、印刷・出版、染織・アパレル関係の業界情報に詳しい「食品新聞」、「繊研新聞」といった専門紙も揃えており、全18紙を常時閲覧できます。この18紙の選択にあたっては、数多く発行されている新聞の中でも、多種多様な分野の情報変化に耐えうるように経済情報全般について書かれている新聞から、専門的な情報を伝達する新聞までを常時閲覧として置くことにより、幅広いニーズに応えたいという狙いがあります。例えば「株式新聞」は証券専門紙で、平日毎日刊行されており、利用者からの需要が高いことが収集を決めた理由です。同紙は、新聞の最大の利点である紙媒体としての速報性と専門紙の利点の専門性の双方を兼ね備えている代表的な専門紙ですが、このような新聞を用意することが、ビジネス情報支援の拠点館としての役割を果たす一助となっていると考えております。

バックナンバーもできる限り保管しており、「朝日新聞」「読売新聞」「毎日新聞」「日本経済新聞」は5年分の縮刷版を購入しています。これらの新聞は近隣に勤めている利用者から地域住民まで多くの利用があり、需要の高さを感じます。


新聞開架コーナー 平日の日中はほとんどの新聞が利用されており、バックナンバーの利用も多く見られます。

3. ビジネス情報相談会について

新宿区立図書館のビジネス情報支援相談会は、公共機関の中でも足を踏み入れやすい図書館で起業・業務改善の第一歩を踏み出してもらうことを目的として、中央・角筈の二館で平成18年10月から行われています。

相談会では月に一度ずつ、中小企業診断士を招いて利用者の相談に個別に応じており、その際、相談内容に合った図書・雑誌の提供も行っています。(『業種別審査事典』『業種別業界情報』をはじめとした、当該業界の資料、起業方法や事業計画書に関する資料など)。

参加者は全く起業の経験がない初心者の方から、すでに会社を興しておりその方向性や新しいアイディアを求めに来るような方まで多種多様です。

参加件数は昨年度までで418件、うち218件が角筈図書館での相談となっています。相談者のうち、相談をきっかけに起業したのは昨年度までで中央・角筈合わせて19件あり、角筈での一例が『エコノミスト』誌で紹介されたこともあります3

4. 常設展示に関して

6階ビジネスコーナーには常設展示として起業・創業に関する展示を行っています。起業に関して有用な資料を、導入からマーケティング、事業計画書などの揃え方、資金調達、人事・労務、広告・宣伝に至るまでを一連の流れとして展示しています。ビジネス情報支援相談会において飲食業の相談が多かったため、飲食業をモデルとしており、約440冊が展示されています(平成27年11月現在)。


起業・創業コーナー
手に取りやすいように分類して展示を行っています。

おわりに

「ビジネス」という言葉は現代社会においてはしばしば抽象的です。その中でビジネスライブラリーとしての形を創りあげるために日々模索を繰り返しています。必要な資料、情報を的確に収集し提供するためには変化に柔軟に対応することや、常にアンテナを高く保っていることが求められます。今後も収集する資料は精査し、多様化するニーズに対応できるようにしていきたいと考えています。

と同時に、地域図書館としても地域住民に社会貢献できるように開かれた場所でありたいと望んでいます。

私たちは必要な情報を、全ての利用者に、的確に提供したいと考えています。利用者はまさに「ビジネス」として必要な方もいれば、生活の一部として娯楽を求めている方もいます。両立のバランスを取るのは難しいですが、その分やりがいを強く感じています。

本稿では一次資料に関して多くの紙面を割きましたが、今後は直接資料を調査するだけでなく、インターネットを通じた資料へのアクセスが可能な図書館4という形も求められていくでしょう。時代の流れに沿って変化しつつ、情報拠点として、文化を発信する施設として、進化を遂げていきたいと思います。


角筈図書館(角筈地域センター5・6F)
四角部分からお入りいただけます

(まつなが たけまさ)

執筆協力:須田達夫 奥村紘美 篠田翔平 石崎珠子
  1. 引用:『しんじゅくの図書館』新宿区立中央図書館 編、 新宿区立中央図書館  2015, 2015.9,p2-7<国立国会図書館請求記号:Z21-2251>
  2. 前掲,p96
  3. 「使える図書館」『エコノミスト』毎日新聞社,87(7) 2009.2,p.77-81<請求記号:Z3-96>
  4. ビジネス情報ページでも情報提供を行っている。例:飲食店開業編

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