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トップ > 刊行物 > びぶろす > 68号(平成27年4月)

びぶろす-Biblos

68号(平成27年4月)

びぶろす

  • 発行:国立国会図書館総務部
    (National Diet Library)
  • ISSN:1344-8412
2. 【特集:あつまれ!図書館】
専門図書館協議会~ 一元化までの軌跡と将来展望 ~

専門図書館協議会事務局長  鈴木 良雄
国立国会図書館総務部司書監 大塚 奈奈絵

1. 専門図書館協議会の成立

専門図書館協議会(以下「専図協」という。)は、「官庁・地方議会・民間各種団体・調査研究機関・企業・大学その他の図書館、資料室、情報管理部門相互間の連絡と図書館活動の有機的連携をはかり、その向上と発展に資することを目的として」昭和27年に設立されたが、その経緯には創設直後の国立国会図書館が深くかかわっていた。

昭和22年施行の地方自治法により地方議会図書室が設置された。また、昭和23年に創設された国立国会図書館は、行政及び司法の各部門に対して図書館サービスを提供することを目的の一つとし、この実現のために行政及び司法の各部門に国立国会図書館の支部図書館を置いた。この官庁図書館のネットワークを中心に、関東での専門図書館の全国組織の結成準備がすすめられたが、これには国立国会図書館の初代副館長であり、図書館の協力と連携による図書館サービスの提供を持論としていた中井正一氏の意向が大きかった。

一方、関西地区では戦後の早い時期から専門分野を持つ図書館や資料室の協力組織結成に向けた動きが始まり、昭和24年に大阪商工会議所図書館を中心に大阪図書館協会が発足し大阪特殊図書館部会が活動を行っていた。

昭和25年の全国図書館大会では、日本図書館協会の中に特殊専門図書館部会を結成しようという意見が多数を占めたが、中井氏の意を受けた国立国会図書館支部図書館部の考査奉仕課長酒井悌氏は、英国のASLIB1 、米国のSLA2 のような独立した組織が日本にも必要であるとの考えに立って説得にあたり、関西地区の準備会、関東地区の世話人会を取りまとめて準備を進め、昭和27年3月に専図協の設立をみた。初代会長には国立国会図書館長金森徳次郎氏、副会長には東京市政調査会会長前田多門氏、大阪商工会議所会頭杉道介氏、初代理事長には国立国会図書館副館長中井正一氏が就任し、中央事務局は同館支部図書館部内に置かれ、事務局長には同館支部図書館部長酉水(すがい)孜朗氏が就任した。また、支部図書館の機関誌『びぶろす』が当分の間、専図協の機関誌も兼ねることになった。

専図協には関東・関西の二つの地区協議会が置かれ、それぞれが資料センターを開設して各地区の図書館協力ネットワークの中心として機能した。その後、昭和30年には中部地区協議会が、翌年には九州地区協議会、北海道地区協議会、昭和33年には東北地区協議会が発足した。さらに昭和34年には資料や組織が集中する東京の関東地区資料センターを広島に移すことが決まり、昭和36年には広島を中心とする中国地区協議会が発足して、全国7地区協議会による専図協の地区ネットワークが形成された。

2. 専図協の出版活動 3

専図協の各地区協議会では資料センターを基盤として月例会、講演会、研修会等が活発に開催され、昭和30年以降は特色のある資料を次々と出版・刊行した。

昭和31年にはアジア財団の資金援助と国立国会図書館支部図書館部の協力により専門図書館のディレクトリーである『調査機関図書館総覧4 』を刊行した。約1,000の調査研究機関を網羅した同誌は、分類順に配列され、各種索引(機関、地域別、蔵書内容、定期刊行物、スペシャルコレクション)を備えた構成で日・英語で刊行され、非常な好評を博して、のちの『専門情報機関総覧』の刊行につながった。

昭和32年には、同様にアジア財団の資金援助により、終戦時からの膨大な統計資料を網羅した『日本統計総索引』の編纂に着手した。100名を超える統計専門家を動員し、2年の年月をかけて編纂された『日本統計総索引』は、昭和34年に東洋経済新報社から刊行されて、専図協ならではの出版物として図書館界以外の各界からも高く評価された。

昭和35年には、前年に中央事務局を国立国会図書館から外部機関に移したこと、専図協の機関誌を兼ねていた『びぶろす』の編集方針が変更されたこと等を背景に『専門図書館協議会会報』が創刊された。なお、同誌は昭和44年に『専門図書館』と改題されてアカデミックな内容の研究誌へと成長し、現在に至っている。独自の機関誌を持つことはその組織の独自性と自主性を高める効果があり、専門図書館職員の研究や研鑽の成果を発表する場を確保したことによって、その後の専図協の成長と発展に寄与したと言える。

昭和40年には、かねてから改訂の必要が言われていた『調査機関図書館総覧』を前身とする『専門情報機関総覧』の編纂準備が開始された。同誌は約1,400機関の情報をとりまとめて昭和44年に刊行され、引き続き刊行された英文版も海外の機関にも好評をもって迎えられた。こののち、『専門情報機関総覧』は3年毎の改訂で内容を充実し、図書館界でも類書のない刊行物として、現在まで専図協の出版活動の最も主要なものとなっている。


『専門情報機関総覧2015』(2015.2.25刊行)

3. 専門図書館協議会の国際交流

出版活動と同様に、専図協の活動が日本の図書館界に大きな影響を与えたのが国際交流である。昭和42年の専図協創立20周年記念事業にSLAの前会長であり専務理事のマッケナ博士を招聘し、昭和48年には7名からなる視察団を派遣して欧米5か国24機関50か所の施設や機関を見学・懇談した。翌49年にはASLIBの50周年記念祭典に5名の代表団を送り、さらに昭和52年には国際連絡委員会を設置し、2年後にハワイで開催されたSLA第70回年次大会には代表団29名を送り、6名が分科会で発表を行った。会議終了後は23名のアメリカ本土専門図書館視察団がロサンジェルス、ニューヨーク、ワシントン、ボストン等の専門図書館を見学し、以後、組織としての国際交流は益々盛んになった5

昭和61年には国際図書館連盟(IFLA)の年次大会が東京で開催され、専門図書館部会での報告や国際図書館情報総合展でのブースの開設などを行い、成功を収めた。

平成元年にニューヨークで開催されたSLA第80回年次大会では、日本からの科学技術情報の発信への関心の高まりを背景に、専図協の代表団が”Japan Session”を担当した。平成8年には、国際連絡委員会が国際交流委員会に改組され、その後も、平成9年のSLA第88回年次大会、平成12年の「国際専門図書館大会」でも同様に”Japan Session”を設けて報告を行った。

こうした専図協の国際交流は、単なる見学・懇談というレベルに止まらず、日本の専門図書館の状況を海外に的確に発信したという点で、同時代の日本の図書界の活動の中でも抜きんでたものであった。出版や国際交流等の活動を通じて、専図協は多くの優秀な人材を輩出し、その人々が日本の図書館界を牽引する役割を果たしたことはいうまでもない。専図協の積極的で広範囲な諸活動が我が国の図書館界に与えた影響は非常に大きいものであったと言える。

4. 2000年ビジョンと中央事務局の移転

専図協の中央事務局は、一時期、三菱経済研究所が担当した期間を除いて、国立国会図書館の中に置かれていた。同館の機構改革によって、設立当時の支部図書館部が、連絡部、次いで図書館協力部に改組され、連絡部時代以降は部長が専図協の総務担当常任理事を務めた。また、図書館協力部国内協力課長が常任幹事に就任して、中央事務局を同課内に置き、その課員と非常勤職員とで事務局の実務を担当する体制が長く続いた。

しかし、平成になり、国立国会図書館の関西館構想が現実化し、図書館協力部門が関西館へ移ることが予想されて、同館が引き受けてきた専図協の事務局業務の遂行が不可能になることが予測された。このため、専図協ナショナル・プラン委員会が平成4年に作成した「専門図書館協議会2000年ビジョン(案)」では中央事務局の独立が提起され、平成7年の総会で承認された。結果、専図協の創設50周年の年であり、同館関西館の開館した平成14年度に、専図協事務局は日本図書館協会会館内に事務局を移転し、「2000年ビジョン」の下で運営を続けることとなった。その後の日本経済が停滞する中で、専門図書館も予算削減の苦境を強いられたものの、平成17年からは『メールマガジンSENTOKYO』を発行し、翌18年からは「SENTOKYOブログ」の運用を開始するなど、時代に即応したサービスを続けてきた。

5. これからの専門図書館協議会

専図協は、平成21年に「専門図書館協議会は、専門図書館・専門情報機関の有機的連携を図るとともに、その向上発展を通じて、社会に貢献します。」というビジョンと「会員機関や関連団体などとの連携・ネットワーク化を推進するとともに、専門図書館員や情報専門家の拠点として、国内外に向けた活動を行います。」「専門図書館員や情報専門家の資質や能力の向上のため、研修、情報交換、情報発信に取り組みます。」「会員機関や専門図書館員・情報専門家の活動を積極的に社会に広め、専門情報機関、情報専門家の役割と価値への社会的認識と評価を増進させる活動を進めます。」という3つのミッションを定めた。

一方、平成19年には地区協議会事務局のうちの中部が、平成22年には東北、平成24年には関西が中央事務局へ移管され、創立60周年を迎えた平成24年の総会では「専図協一元化の方向性について」が承認された。

その後、事業面での一元化を進めると同時に、各地区協議会の事務局機能を中央事務局に移管して全組織を一元化する作業が行われ、平成26年4月1日に新たな専図協事務局が誕生して、専図協は一つの定款、一つの会計、一つの事務局で運営されることになった。

一元化の最も大きなメリットは、これまで各地区協議会ごとに行われてきた会計を一元化して、各地区が有してきた財産を集中化することであり、これにより専図協の新しい事業の展開が可能となった。

専図協の会員は、機関会員を中心としているが、民間企業はもとより、政府関係機関や地方自治体、美術館・博物館・史料館等を含み、会員機関それぞれが対象とする分野が異なることが最も大きな特徴である。また、大学・大学院の付属機関や公立図書館を除くと、少人数で運営されている機関が多く、スタッフ数が2名以下の機関が多いことが特徴である。今後、専図協には、こうした会員の特徴に加えて、各地区協議会の活動の歴史をふまえ、全国的な視野で活動を展開する必要が求められている。

すなわち、新生専図協の方向性としては、分野の異なる専門図書館のプラットフォームとして、全国に展開する多様な分野の専門図書館の運営を支えるための中心的な団体となることが強く求められている。そして、そのためには、医学図書館協会、薬学図書館協議会、農学図書館協議会、地方議会図書室など、専門図書館関係団体との連携を一層強化していくことが必要とされている。

平成26年5月30日開催の通常総会で確定された「専門図書館協議会未来予想図」には、新生専図協の5つの新事業が挙げられている。

第一は、「専門図書館情報を集約して発信する」ことである。これは専門図書館を網羅的に把握できる唯一のディレクトリーである『専門情報機関総覧』の新しい版を作成するとともにデータベース化を図り、学校図書館が活用できる『調べる学習ディレクトリー』や日本の私立図書館を一覧した『私立図書館ディレクトリー』のような各種情報を提供しようという試みであり、様々なレファレンスに有効に活用されることが期待されている。

第二は、「人材育成の促進」である。専図協は、これまでも全国研究集会や各種の研修・研究会を企画し、専門図書館および専門情報機関で情報関係業務に携わる人材の育成を行ってきた。今後は、全国どこからでも会員が利用できるe-ラーニングの体制を新設するとともに今までの研修内容を見直し、認定資格制度と連動した研修体制を構築していくことを目指す予定である。また、将来的には、専門図書館員が様々なキャリアを生かすための情報サイトを立ち上げる方向で検討を進める予定である。e-ラーニングにより、全国どこでも居ながらにしてスキルアップを図ることができるという点で、特に地方の専門図書館職員の期待が大きいものと考えられる。


全国研究集会の様子

第三は、「会員相互の情報交換の強化」である。これは、様々な集会や電子媒体による情報交換の促進に加え、事務局によるコンサルティングを実施し、企業とのパートナーシップの強化を目指すというもので、会員機関に小規模な資料室が多い実態の下では、最も望まれる方向性であるといえる。

第四は、「日本を代表する専門図書館関係団体として国際的地位を確立する」であり、SLAやKSLA6 をはじめ、これまで培ってきた国内外の各種図書館関係団体との連携を一層強めることにより、新生専図協の国際的地位を確立しようというものである。

最後は、「一般社団法人化への取り組み」で、これは長年の課題となっている。専図協の存在感を高め、安定した運営を目指すためにも法人化の実現が望まれていると言える。

昭和27年に官庁図書館、地方議会図書館、そして民間の調査研究機関を繋ぐ組織として国立国会図書館内に誕生した専図協は、事業の拡大とともに徐々に独立を果たし、平成26年度には全国7つの地区協議会の一元化を実現した。今後は、IT環境を活用した新規事業の実現という次のステップを目指すこととなる。課題は多いが、「未来予想図」に描かれた10年後の専図協の姿に近づくべく、今後も努力を重ねていきたいと考えている。

(すずき よしお/おおつか ななえ)

  1. Association of Special Libraries and Information Bureauの略
    現在の名称はThe Association for Information Management
  2. Special Libraries Associationの略
  3. 現在の出版物については専図協HP > 出版物を参照のこと。
  4. Directory of Research Libraries
  5. 『専図協三十年のあゆみ』専門図書館協議会30年史編纂小委員会, 専門図書館協議会, 1982.6, <国立国会図書館請求記号:UL3-15>
  6. Korea Special Library Associationの略。韓国専門図書館協議会。

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