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トップ > 刊行物 > びぶろす > 70号(平成27年10月)

びぶろす-Biblos

70号(平成27年10月)

びぶろす

  • 発行:国立国会図書館総務部
    (National Diet Library)
  • ISSN:1344-8412
6. 平成27年度専門図書館協議会全国研究集会第5分科会に参加して~オープンサイエンスと研究データ公開

支部農林水産省図書館 農林水産政策研究所分館 新井 光秋

1. はじめに

今年度も標記研究集会(以下、「本研究集会」という。)の第5分科会に参加したので、その概要を報告いたします。昨年度に引き続き開催場所は機械振興会館(東京都港区芝公園)で、晴天の下、東京タワーを見上げる感じで会場入りでき、気分も良い感じに高揚して臨めました。

2. 第5分科会「オープンサイエンスと研究データ公開」(3名の講師による報告)


第5分科会の様子

最初に科学技術・学術政策研究所 科学技術動向研究センターの林和弘氏 1 から「オープンサイエンスの動向とこれからの研究データ」と題したお話を伺いました。

オープンアクセスは1990年代から始まった電子ジャーナル化からの大きなパラダイム転換であり、論文の「電子化」からプラットフォームの活用や研究活動のオープン化と研究「成果」の共有・利活用等においてもオープンサイエンスの考え方が浸透し始めています。これまでの「図書館と出版社の局所的利害」を凌駕するコンセプトであり、研究活動のオープン化が「最終形」であることを図書館への示唆も交えて報告されました。

農林水産政策研究所分館も農林水産省の試験研究機関内の専門図書館であり、この報告はデータリポジトリの問題を喫緊に抱える公的情報機関にとって将来のビジョンを見通せる大変有意義なものでした。

次に京都府立総合資料館の小森浩一氏から「東寺百合文書のデジタル化とウェブ公開」と題して御報告いただきました。

京都府立総合資料館は昭和38年に開館され、「図書館機能」、「文書館機能」及び「博物館機能」を兼ね備えた総合施設であり、平成29年度に向けて更に京都府立大学文学部・同大学付属図書館等との複合施設を建設中とのことでした。

「東寺百合文書」(とうじひゃくごうもんじょ)は、約19,000点(約25,000通)という文書数もさることながら、「代表的な中世古文書」ということで、「重要文化財」(昭和55年)及び「国宝」(平成9年)に指定されているとのことでした。更にユネスコの世界記憶遺産にも推薦され、現在はその登録の可否待ちとのことで、その史料的価値に驚嘆しました。

本文書は受け入れ(昭和42年)後、マイクロフィルム化や修理事業を経て、平成25年にはデジタル化事業を開始し、平成26年に全ての文書のデジタル化を終えたとのことで、担当者の多大な苦労をうかがわせるものでした。ここで紹介されたデジタル化の方法等(高画質、全点目録のほか、和暦・西暦・キーワード検索可、Web上のコンテンツは原則クリエイティブ・コモンズ 2 )は専門図書館には少なからずあるであろう古資料(文書含)を将来電子化する際に大いに役立つものであり、大きな知見を得ることができました。


後醍醐天皇綸旨案「東寺百合文書WEB

最後は、筆者と同じ農林水産省の試験研究機関であった(現在は国立研究開発法人)国際農林水産業研究センターの林賢紀氏の「研究データの発信に向けて:『ホームページによる情報発信』の次を考える」と題する報告でした。

国内における科学技術情報流通の基準である「科学技術情報流通技術基準」と、G8の下に設置されている政府高官グループ(GSO)において合意された「オープン研究データに関する5原則 3 」の2者共通の要素をもとに、研究所で求められる情報発信について「パパイヤの品種」や「屋内型エビ生産システムで飼育されたバナメイエビのおいしさ」などを例にとり、研究と成果の公開方法の一例を示していただきました。

筆者と同じ農林水産省関連の研究機関の専門図書館ということもあり、「研究成果の発信」等で共通の問題点が多数あり、大いに参考になりました。

3. おわりに

今年度は、午後の第5分科会のみの参加でしたが、相変わらず本研究集会はクオリティーの高い講師から情報が得られる場となっていると感じました。

専門図書館員は昨今、人員・経費削減等で多忙を極めていると思いますが、大半の分科会が盛況だったと聞きました。専門図書館員が日頃感じている問題点等をタイムリーに取り上げていただいているため、例年参加者が多いのではないかと思います。本研究集会は、世相に応じた専門図書館員の育成等の観点からますます重要な意味を持つと考えます

最後に御講義いただいた講師の方をはじめ、お会いできた多くの参加者の方々に深く感謝する次第です。

(あらい みつあき)

  1. 日本における電子ジャーナル事業の確立と宣伝活動の先駆者であり、SPARC Japan(国際学術情報流通基盤整備事業)のメンバー。日本学術会議の元会員。
  2. クリエイティブ・コモンズ・ライセンス(CCライセンス)を提供している国際的非営利組織とそのプロジェクトの総称。インターネット時代のための新しい著作権ルールの普及を目指し、様々な作品の作者が自ら「この条件を守れば私の作品を自由に使って構いません。」という意思表示をするためのツールであり作者は著作権を保持したまま作品を自由に流通させることができ、受け手はライセンス条件の範囲内で再配布やリミックスなどをすることができる。引用:http://creativecommons.jp/licenses/
  3. 「容易に探せること(discoverable)」、「容易にアクセスできること(Accessible)」、「容易に理解できること(Understandable)」、「容易に管理できること(Manageable)」、「人材(People)の確保」の5つ。出典:White Paper: 5 Principles for an Open Data Infrastructure Draft v2.0, 21 May 2013:G8 Global Data Infrastructure WG

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