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トップ > 刊行物 > びぶろす > 70号(平成27年10月)

びぶろす-Biblos

70号(平成27年10月)

びぶろす

  • 発行:国立国会図書館総務部
    (National Diet Library)
  • ISSN:1344-8412
3. 【特集:地図を読む】
都市圏活断層図の紹介 ~知ることから防災・減災へ~

国土交通省国土地理院応用地理部 三谷 麻衣

はじめに

活断層は日本全国で2000以上の存在が確認されています。昨年(平成26年)11月にも活断層による長野県神城(かみしろ)断層地震 1 が発生し、改めて活断層が注目を浴びました。国土地理院では地表における活断層の位置と形状を詳細に表示した2万5千分の1「都市圏活断層図」を作成・公開しており、本稿ではその概要を紹介します。

1. 「都市圏活断層図」作成の経緯と目的

活断層による地震が甚大な被害をもたらした平成7年1月の阪神・淡路大震災を契機に、活断層に関する詳細な位置情報の整備及び公開の必要性が高まりました。国土地理院では、これに応えるため、「都市圏活断層図」を作成し公開しています(図1)。


図1 都市圏活断層図の公開状況

本図は主要な活断層が分布し、地震が発生した場合に特に被害が甚大になる可能性の高い都市域及びその周辺地域を対象に、活断層研究者の協力のもと作成しているもので、これまでに、169面を公開しています(平成27年7月現在)。

2. 内陸型地震と活断層

地球の表面は、板のような「プレート」で覆われており、日本列島をのせている陸のプレート内の岩の層にはたくさんの割れ目があります。通常、割れ目はお互いしっかりかみ合っていますが、ここに「大きな力」が加えられると、割れ目が再び壊れてずれます。この壊れてずれる現象を「断層」活動といい、ずれた衝撃が振動として地面に伝わったものが地震です。この地震を「内陸型地震」といい、地下約5~20㎞の浅い所で起きるため、私たちの生活に大きな被害をもたらします。

そして、「断層」のうち、特に数十万年前以降に繰り返し活動し、将来も活動すると考えられる断層を「活断層」と呼んでいます。

3. 都市圏活断層図の見方

都市圏活断層図では、活断層地形と活断層を評価する上で重要な指標となる地形を分類して表示しており(図2)、活断層地形については、縦ずれ横ずれなどの活断層の変位の向き、現時点で活断層かどうか明確に特定できるか、「位置やや不明確 2 」や「伏在部 3 」 などの活動の痕跡の形態などを読み取ることができます。

以下では、活断層による地震被害と都市圏活断層図との関係の例を紹介します。

(1)地表のずれによる直接被害

内陸型地震の際、地面に「地震断層 4 」が現れることがあります。「地震断層」の上に建物があった場合は、建物の基礎が断層のずれにより破壊されてしまいます。

(2)地震の揺れによる地盤被害

地震による地盤の揺れは、一般的に震源からの距離が近いほど強く、遠くなれば弱くなる特徴があります。一方、日本の都市の多くは平野部に広がっており、平野部は柔らかい地層(沖積層)に覆われているために、遠方から来た地震波は岩盤の上にある沖積層によって増幅されて地面の揺れが大きくなります。

図2で緑色で表示されている「沖積低地 5 」及び「扇状地・沖積錐 6 」は沖積層に関連深い地形です。

また、地震による液状化の起きやすい場所と「沖積低地」も関連性が深いものです。

活断層による地震被害は、活断層との距離だけではなく、地形や地盤の影響を強く受けるため、都市圏活断層図では活断層を評価するうえで重要な指標となる地形も分類して表示しており、地盤の概要を推測できます。

(3)土砂災害による被害

活断層が動いた場合、遠く離れた都市域にも深刻な土砂災害をもたらすことがあります。

都市圏活断層図では、「地すべり」の記号を表示しており、地震が発生した際にその地域の山地・斜面部のうち土砂災害を起こしやすい地点がどこであるかを知ることができます。


図2 都市圏活断層図
六甲・淡路断層帯とその周辺「洲本」 7 (一部)

4. 都市圏活断層図の利活用

都市圏活断層図は国土地理院のホームページ内で閲覧できます。さらに、断層帯毎の解説書利用の手引きQ&Aなども公開しています。

現在、都市圏活断層図は、地方公共団体のハザードマップや防災マップにその情報が取り入れられたり、被害予測のシミュレーションの基礎資料として利用されています。

おわりに

都市圏活断層図が、少しでも防災・減災の一助になることを願っております。

(みたに まい)

参考文献 国土交通省国土地理院応用地理部(平成27年5月)都市圏活断層図:利用の手引 ―地震被害の軽減に向けて―
  1. 平成26年11月22日に長野県北部の深さ約5kmでマグニチュード(M)6.7の地震が発生した。この地震により長野県で最大震度6弱を観測し、被害を伴った。なお、この呼称は長野県による。
  2. 位置やや不明確:活断層のうち、活動の痕跡が浸食や人工的な要因等によって改変されているために、その位置が明確には特定できないもの。
  3. 伏在部:活断層のうち、最新の活動時以後の地層で覆われ、変位を示す地形が直接現れていない部分。
  4. 地震断層:地震発生の際に変位したことが明らかになっている活断層。
  5. 沖積低地:数千年前から歴史時代にかけて、海または河川の作用で形成された平坦地。
  6. 扇状地・沖積錐:河川によって形成された、谷口を頂点とし平地に向かって扇状に開く半円錐の地形。
    小規模で急傾斜なものは沖積錐とよばれることがある。
  7. 岡田篤正・石村大輔・杉戸信彦・鈴木康弘・松多信尚(2014):1:25,000都市圏活断層図 六甲・淡路断層帯とその周辺「洲本」国土地理院技術資料D1-NO.719

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