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トップ > 刊行物 > びぶろす > 67号(平成27年1月)

びぶろす-Biblos

67号(平成27年1月)

びぶろす

  • 発行:国立国会図書館総務部
    (National Diet Library)
  • ISSN:1344-8412
2. 【特集:著作権(基礎編)】
図書館でのコピーサービスと著作権(著作権法第31条&第42条)

国立国会図書館利用者サービス部複写課 伊東 雅之

図書館で所蔵されている資料のコピーは、著作権法に基づいて行われる。本稿では、図書館でのコピーサービスに関連の深い著作権法第31条と第42条について、国立国会図書館(以下「当館」という)での対応事例も含めて紹介する。

1. 著作権法第31条

図書館の資料は大半が著作物であるが、著作物は著作権の保護期間内は原則として著作権者の許諾を得ずに利用できない。ただ、なんらかの理由で著作権保護期間内の著作物を著作権者の許諾なしに利用できる場合がある。

たとえば、図書館の果たしている公共的奉仕機能に鑑み、図書館におけるコピーについて定めたのが、著作権法第31条である。本稿では、同条のうち一般利用者の調査研究目的のコピーについて定めた第1項第1号について取りあげる。

同号では、図書館が利用者の求めに応じ、調査研究のために著作物の一部分 1 を一人につき一部コピーして提供することを認めている。したがって、目的は調査研究でなければならず、娯楽や観賞のためのコピーは認められていない。ただし、発行後相当期間を経過した定期刊行物の場合に限って個々の著作物の全部がコピーできる。そして、一人につき一部での提供という制限があるので、同じ部分を複数部数コピーしての提供はできない。

当館の一般利用者のコピー申込は、ほとんどがこの第31条第1項第1号に基づいたものである。同号に基づく申込の際に、職員が複写カウンターでまず確認するポイントは、定期刊行物かどうかである。発行後相当期間経過した定期刊行物であれば、個々の記事・論文・楽譜・絵画・写真などをコピーすることが可能となる。ただし、定期刊行物1冊すべてのコピーはできず、コピーできる分量は全体の半分以下となる 2 。なお、発行後相当期間は、定期刊行物の刊行頻度によって判断する。例えば週刊誌は1週間、月刊誌は1か月、季刊であれば3か月としている。いわゆる最新号など発行後相当期間を経過していない定期刊行物は、著作権法上は個々の著作物の一部分まではコピーできることになるが、当館では一律コピーを提供していない。これは、当館の所蔵資料が出版社等からの納本に拠っていることから、迅速な納本推進のため、流通を妨げないよう配慮しているためである

定期刊行物ではない資料の場合、利用者は同号本文のとおり、個々の著作物の半分までのコピー申込となる。書下ろし小説のように、一冊が一著作物から成るような資料の場合は、本文の半分以下の範囲のコピーが可能なので、利用者にとって分かりやすい。一方、全集、短編集、論文集、詩集、写真集、画集などは、収録された個々の論文・詩・写真・絵画等が一著作物のため、各論文・作品の半分以下しかコピー申込ができないこととなる。例えば、1冊200ページの論文集があり、ある研究者が20ページの論文を書いていた場合、論文20ページ全てのコピー申込はできず、10ページ分まで 3 で申込をしてもらうことになる。個々の写真や絵画が見開き2ページで掲載されている図書の場合は、1ページ分のみのコピーが可能で、1ページに作品が収まっている場合は申込ができない。厚い1冊の本のごく一部のコピーにもかかわらず申込できない場合もあり、利用者の理解を得られないことがある。このような事例で参考になるのが、図書館におけるコピーと著作権について争われた多摩市立図書館事件(最高裁平成9年1月13日)である。判決では、事典のなかの著作者が明示されている一項目を一著作物と解し、一項目全部のコピーを認めなかった図書館の行為に違法性はないとしている。先ほどのような場合には、この判例も交えて利用者に納得してもらうよう説明をしている。

2. 著作権法第42条

著作権法第42条は、裁判手続のため、立法・行政目的のため、または特許・薬事行政等の手続のために必要と認められる限度で、著作物をコピーすることを認めている。当館では、著作権法第42条に基づくコピー申込も受け付けている。

まず、裁判目的のコピー申込があった場合、裁判手続 4 のために必要な場合に該当するかどうかを確認する。具体的には、証拠書類として弁論・陳述の根拠としての提示や、将来裁判手続を開始するための準備が該当する。申込ができるのは、裁判の当事者、弁護士等の裁判の代理人 5 、鑑定人等である。

立法・行政目的のコピー申込があった場合、国会関係者が法案審議や国政調査のために必要な場合か、国や地方公共団体の職員が事務を遂行するために必要な場合か、など目的が適正か確認する。また、内部資料として必要としている場合に限られるので、複製物が外部に配布される資料は対象とならない。コピー申込できるのは、立法・行政機関やその職員に限られる。特許・薬事行政等の手続のためのコピー申込についても、審査のために必要かどうかを判断して受け付ける。

調査研究目的でのコピーと異なり、著作権法第42条に基づくコピーは、著作物の一部分、一人につき一部、といった条件はなく、必要と認められる限度においてコピーできるため、著作権者が本来有する権利をより制限することになる。したがってコピー申込の手続を厳重にしており、申込の際に複写申込書だけではなく、特別複写許可申請書という別の申請書の提出も必要としている。

なお、著作権法で認められているとはいえ、図書館が必ず第31条第1号、同42条に基づくコピーサービスをしなければならないわけではない。例えば当館が納本図書館という性質上最新号のコピーは提供していないように、運用上の基準は、果たすべき役割や利用者の利用状況などを勘案して、各図書館が判断するべきものである。

(いとう まさゆき)

  1. 著作物の一部分の解釈については、「少なくとも著作物の半分を超えないもの」と解されている(「著作権審議会第4小委員会(複写複製関係)報告書」)。
  2. 執筆者に著作権があるほか、記事・論文等を選択・配列した雑誌編集部等に編集著作権があるため。
  3. この場合の10ページはまとめて10ページでも複数個所で計10ページでもよい。
    例:pp.1~pp.20の論文の場合 pp.1~pp.10でもpp,1~pp.4、pp.7~pp.12でも複写可能。
  4. 通常の裁判所での手続の他、海難審判庁による海難審判、公正取引委員会の審決手続など、行政庁の行う審判等も含まれる。
  5. 弁護士事務所の事務員など代理で申込に来た場合も含む。

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