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トップ > 刊行物 > びぶろす > 64号(平成26年4月)

びぶろす-Biblos

64号(平成26年4月)

びぶろす

  • 発行:国立国会図書館総務部
    (National Diet Library)
  • ISSN:1344-8412
5. 【研修体験記】
支部図書館・専門図書館見学会に参加して

国立国会図書館利用者サービス部科学技術・経済課 落合 翔

1. はじめに

平成25年度の国立国会図書館(以下、NDL)行政・司法各部門支部図書館職員特別研修では、支部図書館及び専門図書館の見学会が何回か行われた。筆者は、NDL職員として見学会に参加する機会に恵まれたので、以下に報告する。

筆者の所属する科学技術・経済課は、NDL東京本館内にある科学技術・経済情報室の運営を担当している。また、科学技術・医学分野及び経済・社会・教育分野に関するレファレンス業務や、「リサーチ・ナビ」におけるこれらの分野の「調べ方案内」コンテンツの編集も行っている。本稿では、見学会で得ることができた知見や、自身の業務との関係について感じたことを述べてみたい。今後研修に臨まれる方々への参考となれば幸いである。

2. 農林水産省図書館及び林野庁図書館:来館者目線の図書館作り

平成25年8月に行われた見学会では、東京・霞が関の農林水産省本館内にある農林水産省図書館及び林野庁図書館を訪問した1。同館は省庁職員のほか、一般来館者の獲得にも力を入れている。なお、両館は共同で運営をしているとのことである。

同館は同年7月にリニューアルオープンを行なったばかりである。大きな改修点としては、建物に図書館利用者専用の入口が設けられたことが挙げられる。以前は、一般来館者は庁舎への入庁手続のうえ入館手続も必要であったため、それらの手続の煩雑さが課題であったようである。しかし現在は、一般来館者専用の図書館玄関口から入り、カウンターで簡便な入館手続を行うだけで利用できるようになった。

また、閲覧室のデザインも一新された。明るいLED照明が採り入れられたうえに、床、机、書架等が木製に統一されており、政府庁舎内にいることすら忘れてしまいそうな雰囲気である。さらに書架には、省庁職員を主な提供対象とする専門書のほか、一般来館者が手軽に手に取れるような読み物も多く配架されていた。その一部は表紙が見えるように展示されており、農林水産業や林業への関心をくすぐられた。

以上に紹介されたような図書館設計は、同館職員の方々が相談を重ね、考案されたということである。来館者目線を重視した新しい図書館作りの現場に、目を見開かされた訪問となった。

3. 防災専門図書館:図書館ごとの専門性

平成25年10月に行われた見学会では、公益社団法人全国市有物件災害共済会の運営する防災専門図書館を訪問した2。同館は、災害、防災、減災などに関する資料を広く収集していることで知られている。防災分野は、筆者が日々レファレンスに携わっている分野の一つであり、参考となる情報を多く持ち帰ることができた。

同館では、貴重な資料のデジタル化を進めている。見学会では、同館が平成25年10月からインターネット公開を始めた関東大震災関連資料『震災予防調査会報告 第百号』についてのご紹介があった。同館ホームページのデジタルアーカイブでは、同資料の全編が高精細なカラー画像で提供されている。震災の被害状況地図など、色を用いて表現している情報も多く、資料の持つ生々しさを感じることができる。NDLでは、同資料のデジタル画像はモノクロで提供しているため、その情報量の歴然とした差異に驚かされた。

また、同館は防災という一点を専門としているがゆえに、非常に深く、専門的なレファレンスにも丁寧に対応しているという。こういった、各専門分野に特化した専門図書館の情報を、NDLの来館者にも提供していきたいと思う。

4. 国連大学ライブラリー:資料の提供方法の工夫

平成26年2月に行われた見学会では、東京・渋谷の国連大学本部ビル内にある国連大学ライブラリーを訪問した。同ライブラリーは、国連大学における研究や、大学院教育で重点を置く分野の資料を中心に収集、提供している。

また、国連機関特有の資料も収集されている。書庫にはおびただしい量の国連公文書(前身である国際連盟の公文書も含む)が保管されており、閲覧室には、国連や国連大学による出版物が取り揃えられている。

さらに、資料の提供方法にも国連機関ならではの事情がある。国連大学は世界各地に研究所を持っており、それらの機関への資料提供の役割も担っている。国を越えて点在する研究機関への図書館サービスは、必然的に電子情報によるものが中心になる。そのような背景もあり、同ライブラリー職員の説明からは、電子ジャーナルやデータベース、電子ブックなどの提供に関して腐心している様子がうかがえた。

特に、電子コンテンツの契約については、国連の各機関が連携して交渉にあたっており、必要なコンテンツを維持し、また各機関からの要求に応じてコンテンツを充実させることができる体制を整えているという。また、国連大学が独自に開発したライブラリーの蔵書検索システムにおいては、電子ジャーナルとのさらなる連携強化を模索中であるとの話もうかがった。職員の言葉の端々に、資料の提供方法の質を重視する姿勢が感じられた。

5. 見学を終えて

これらの見学会において得た知見は、日々の業務の随所において生かしている。例えば、閲覧スペースの整備やサイン計画においては、来館者側の目を想像して改善を考えるようになった。また、他の専門図書館との連携を念頭に置き、どのような類縁機関があるかということにも目を配りながら、レファレンスでの案内やウェブコンテンツの作成を行うよう心がけている3。研修を一過性のものとせず、これからも他館の実践を参考にしながら業務に取り組みたい。また、今後も他機関の見学の機会に恵まれれば、積極的に参加したいと考えている。

(おちあい しょう)

  1. 見学の際の様子は「農林水産省図書館・林野庁図書館見学記」(『びぶろす』63号,平成26年1月)に詳しく紹介されている。
    <http://www.ndl.go.jp/jp/publication/biblos/2014/1/07.html>
  2. (編集注)見学の際の様子は本号「防災専門図書館の見学会に参加して」で紹介している。
  3. たとえば、「リサーチ・ナビ」内のコンテンツ「過去の災害を調べる」においては、類縁機関紹介として防災専門図書館の項を新たに盛り込んだ。
    <https://rnavi.ndl.go.jp/research_guide/entry/post-441.php>

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