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トップ > 刊行物 > びぶろす > 66号(平成26年10月)

びぶろす-Biblos

66号(平成26年10月)

びぶろす

  • 発行:国立国会図書館総務部
    (National Diet Library)
  • ISSN:1344-8412
平成26年度専門図書館協議会全国研究集会分科会に参加して

支部農林水産省図書館 農林水産政策研究所分館 石川 幸子

1. はじめに

7月9日(水)、全国研究集会分科会に参加した。東京タワーを見上げる場所にある会場の機械振興会館に到着したときは、梅雨真っ直中の曇天、今にも大雨が降り出しそうな天候だった。

以下、参加した分科会について簡単に報告する。

2. 第1分科会「コンソーシアム活動の課題と展望~電子資料の安定的提供のために~」

本分科会のテーマは、大学、研究機関等の図書館員であるなら誰もが頭を悩ませる永遠の課題である。それだけに会場はたくさんの人で埋まっていた。


第1分科会の様子

第一テーマ:医学・薬学系コンソーシアムとしての取り組み(宮内洋一氏:アステラス製薬株式会社/日本薬学図書館協議会JMLA・JPLAコンソーシアム委員長)

人も予算も右肩下がりのスパイラルから抜け出られない現実の下、JMLA(医学図書館協会)とJPLA(日本薬学図書館協議会)が共同でコンソーシアム事業の推進を始めたのは2001年からとのことである。「医学・薬学」「病院」「企業」それぞれ違う立場であるという複雑な構成のなか、出版社・代理店との直接交渉を実施したり、加盟館への説明会を開催、大学図書館コンソーシアム連合との合同会議を行ったりと積極的かつ丁寧な活動で大変ご苦労されていることを強く感じた。最後にお聞きしたコンソーシアムの次期委員選出がそれにもまして大きな課題であるとの報告が一番印象的であった。

第二テーマ:研究独法図書館コンソーシアムの事例紹介--先端研究の現場から(田邉浩介氏:(独)物質・材料研究機構/(独)研究図書館コンソーシアム連絡会(JNLC))

研究独法図書館コンソーシアム連絡会の立ち上げと運用についての発表であった。独自に電子リソース管理システムなどを開発し、参加機関の情報共有、業務のノウハウの継承といった業務の中で情報の自動収集や分析等機械的な処理が可能なものについてはそちらに移行しているとのことである。

そのほか外国雑誌の契約についても言及があったが、やはりコンソーシアムとしての契約は困難で、結成以来契約実績が1件ということであった。外国雑誌をとりまく現状は予想以上に厳しい状況であることを痛感した。

発表者お二人は、共に強い意志と熱意でコンソーシアムの活動をこなされていることが印象的だった。課題は明確に整理、分析されているので一つ一つ山を乗り越えていけばコンソーシアムは発展継続できると確信した。

3. 第4分科会「つながる専門図書館」
第1テーマ:これからの横断検索を考える--カーリルがつなぐ専門図書館--(吉本龍司氏:株式会社カーリル)

株式会社カーリルの吉本氏のお話には、カーリルと同じように自然と引き込まれた。プレゼン資料がカーリルに合わせたかわいいデザインだったからかもしれない。


カーリルの発表

また吉本氏についても、自然体でとても柔軟な考えをされる方という印象を受けた。

公共図書館を利用したことがない同氏が、今や図書館利用者なら知らない人はいないであろう「カーリル」の生みの親であったというのは驚きだった。「自分が住んでいる場所から探せたらよいなぁ」という発想から今や全国93%(発表時)の公共図書館に対応するまでに至っているとのことである。

図書館を知らないことが逆によかった、知らないからこそ「横断検索」とは呼ばず「日本最大の図書館」と謳ったことが逆に反響を呼んだとのこと。図書館関係者の頭のなかにすり込まれているおきまりのキーワードではなく、新鮮かつ聞いただけで連想できるキーワードを盛り込んだ点や素敵なデザインがカーリルの魅力だと思う。

今回の主テーマは「専門図書館と多館種との連携」であったが、吉本氏からすると「専門図書館」ではなく「Deepな図書館」なのだとか。いわゆる人気のある本とは本全体の10%程度である。専門図書館はそれ以外の、書店では売っていない・入手困難な残り90%をターゲットとすることで、利用者にまず「どんな本、資料がある図書館?」と興味を持ってもらう。そこからいろいろなアイデアが生まれてくるのではないか、そんなことを予感させてくれる発表であった。

第2テーマ:ミニシンポジウム:専門図書館と他館種図書館との連携、その先(菊池健司氏:(株)日本能率協会総合研究所 他)

ミニシンポジウムでは、図書館におけるビジネス支援の傾向、最近のユーザーの傾向とユーザーニーズの変化、情報源の変化と特徴、出版されなくなった(廃刊)資料とその価値、Web情報をプロとしてどう捉えているか、図書館員がユーザーに使ってほしい情報とは、などといった問題提起がなされ、菊池氏の軽快な司会さばきのもと、二人のパネリストを中心に議論展開された。

開催趣旨である「全国に展開する専門図書館・専門情報機関と有機的な連携を図り、専門図書館の未来をともに考え、語り合い、行動」につながったのではないかと思う。

4. おわりに

今回の研究集会に参加し、コンソーシアム運営上の苦労、カーリル誕生の経緯と今後への期待、BICライブラリの展望と課題等、それぞれの分科会で様々な風を感じることができた。もしも仮に専門図書館の利用が拡大したと仮定した場合、図書館側も対応できるキャパシティを維持し続けることが可能なのか心配であるとの意見も質疑の中で出された。

インターネット上でいつでも、どこでも、誰でも簡単に検索できる環境がどんどん進化している。しかし、その情報源であるアナログな現場の対応・体制は、反比例して後退しているという現実を直視せざるを得ないことを実感した。

(いしかわ ゆきこ)

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