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トップ > 刊行物 > びぶろす > 63号(平成26年1月)

びぶろす-Biblos

63号(平成26年1月)

びぶろす

  • 発行:国立国会図書館総務部
    (National Diet Library)
  • ISSN:1344-8412
8. 平成25年度第99回全国図書館大会(福岡大会)に参加して

支部国土交通省図書館 武藤 重

 (社)日本図書館協会主催の第99回全国図書館大会は、「あなたの未来をひらく図書館」をテーマに、平成25年11月21日(木)及び22日(金)の2日間にわたり、福岡県福岡市で開催されました。


会場のアクロス福岡シンフォニーホールエントランス

1. 基調報告・記念講演

 初日は、開会式、表彰式(第29回日本図書館協会建築賞)及び全体会(基調報告・記念講演)でした。
 全体会では、最初に日本図書館協会理事長の森茜氏より1年間の活動の基調報告がありました。『図書館をもっと身近に、暮らしの中に』をモットーとする活動の報告を伺い、図書館は地域と連携し、図書館員を通して、人々のために情報を発信していくことが重要であるということを再認識いたしました。
 続いて、東京大学大学院総合文化研究科教授のロバート・キャンベル氏による『過去と未来の自分に出会えるかもしれない、究極の図書館』と題しての記念講演がありました。キャンベル氏は、幼い頃から図書館(氏の講演では、「書籍を見るだけの場所ではなく、人種、宗教も関係のないところ」と語られています)に通い、利用者が何を考え、何を読んでいるかについてオープンになった自由さの中で過ごされたとのことでした。1985年に来日し、九州大学に在学されてからは日本文学を専攻され、近世から明治の漢文学及びそれに関する多方面に活躍されています。
 また、氏は東日本大震災被災地の人々の読書を支援する活動もされています。これは、『本を読むこと』で人との結びつきを実感し、それによって様々な不安を和らげることが出来るとのお考えからとのことです。人々の集まる地域を創る図書館や地域の人々と協力しての地域に根差した図書館創設、書物を通して自分を見つめ直し、歴史を理解するなど様々な可能性についての氏の言葉には、人の心を豊かにする力があるように感じました。

2. 第5分科会に参加して

 2日目は、多岐にわたるテーマのもとに開催された14の分科会のうち、『専門図書館:挑戦する!専門図書館~新しいライブラリーのカ・タ・チ』をテーマにした第5分科会に参加させていただきました。
 会場の電気ビル共創館には、『BIZCOLI』という会員制ライブラリーが入っています。本分科会では、『人がつながる、アイディアが生まれる会員制ライブラリーBIZCOLIの挑戦』という題で八尋和郎館長より講演があり、見学もさせていただきました。九州の『知の集積・交流・創造』の拠点を目指し、「ビジネス(BIZ)」と「コミュニケーション(CO)」を活性化するための機能を備える「ライブラリー(LI)」であるBIZCOLIには、統計資料やビジネス書を中心に、開架約1万冊、閉架約20万冊の資料が所蔵されています。開架スペースでは、資料の表紙は正面に向けられ、資料紹介のPOPが付けられているなど、配架にも創意工夫が見られました1


第5分科会会場電気ビル共創館

 以下、くまもと森都心しんとしんプラザ図書館の田中榮博館長の『図書館とビジネス支援』の講演を中心に報告させていただきます。田中館長は、富山大学附属図書館から千代田図書館(東京都千代田区立)を経て、現在、くまもと森都心プラザ図書館の館長をされており、以前在職された二館での経験も交えてお話しいただきました。例えば、富山大学附属図書館では、学宝として大切に保存してきたヘルン文庫2 を地元の人々に知ってもらうため『ヘルン文庫ゆかりの地ツアー』を企画したそうです。同館では、館長が異動された後も期間限定でヘルン文庫を開放するなど、周知のための取組が引き継がれているそうです。この一連の取組で、地域の人々と協力することでビジネスに繋がることを確信したと話しておいででした。また、千代田図書館では、近接する神保町が古書店街を擁していため、ご自身で街を歩いて店主の方々とお話しし、図書館と地域を一つにすることを始められたとのことです。その繋がりを基に「図書館で古書店を紹介するビジネス支援」、「古書店巡りツアー」、「館内のビジネスゾーン(打合せスペース)設置」等、多くの企画を実現されたお話を伺い、地域ごとに様々な活動ができることが分かりました。ビジネス分野以外にも、街の中に図書館を紹介・案内するコンシェルジュを派遣する取組もされたとのことです。
 そして現在館長をされているくまもと森都心プラザ図書館でも、それまでの経験を活かし、ビジネス支援センターを図書館に併設するなど、新たなビジネス支援体制を整えておいでとのことです。また、大人向けのセミナーを開催するだけでなく、学校とタイアップして小・中学生向けのセミナーも行ったりと、学習・教育支援の面でも大きな役割を担っていることが伺えるお話もあり、地域に密着した図書館サービスの重要性を実感しました。
 職務柄でしょうか、理事長の基調報告や田中館長ご自身の経験等を踏まえた具体的な内容を始め、地域の人と連携してのにぎわいの創設や、街の中核として人の集まる場所としての図書館、時代の変化に対応していく図書館など、今後の展望についての言葉が強く心に残りました。
 最後に、今大会の運営に尽力されました関係者の皆様方に、厚く御礼申し上げます。
 なお、来年度は、東京で「第100回」を迎えます。より素晴らしい大会となりますことを祈念いたします。

(むとう しげ)

  1. 同館については、平成25年5月国立国会図書館『びぶろす』60号の[特集:公開型専門図書館]により詳細に紹介されています。
  2. 小泉八雲の旧蔵書で構成されています。

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