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トップ > 刊行物 > びぶろす > 63号(平成26年1月)

びぶろす-Biblos

63号(平成26年1月)

びぶろす

  • 発行:国立国会図書館総務部
    (National Diet Library)
  • ISSN:1344-8412
7. 【特集:見せ方の工夫(展示・資料紹介)】【支部図書館紹介】
農林水産省図書館・林野庁図書館見学記-企画展:秋の食材「きのこ特集」

国立国会図書館総務部支部図書館・協力課
横田 志帆子

 平成25年7月、東京都千代田区霞が関の一角にある農林水産省図書館と林野庁図書館がリニューアルオープンしました。
 筆者は、8月に行われた≪行政・司法各部門支部図書館職員特別研修≫に参加し、同館を見学しました。本稿では新しくなった図書館の魅力とともに、そこで発見した館内の環境作りや見せ方の工夫について紹介します。

木の温もりを感じさせる閲覧室
(1) 一般利用者への配慮

 以前から省庁の職員以外にも広く利用者を受け入れている農林水産省・林野庁図書館1 ですが、リニューアルを機に、より一層「開かれた」図書館になったという印象を受けます。
 その要因の一つとしては、新たに南玄関側駐車場に面した一般利用者専用の出入り口を設置し、入庁手続なしで図書館への入館を可能にしたことが挙げられるでしょう。また、入り口に向かう木の階段脇には鉢植えが置かれ、親しみやすい雰囲気を醸し出しています。


<木材を多用し、明るく温かみのある閲覧室。>

 館内に足を踏み入れると、閲覧室の床板には楢、腰板には檜の国産材が使用され、爽やかな木の薫りに包まれるようです。また、カウンターの前には、椅子にもなる檜の切株が置いてあります。こうした視覚だけでなくさわることのできる木製品の数々は、閲覧室を温かく彩ると同時に、来館した利用者に対し、ここが農林水産省と林野庁の所管する分野に特化した専門図書館であることを強く印象付けるのに一役買っているように感じます。

椅子にもなる檜の切株
<見た目のインパクトだけでなく座り心地も抜群。>

(2) 自省庁職員へのサービス

 業務のために利用する自省庁の職員へのサービスとしては、事務用端末を持ち込めるようLAN回線や電源設備を導入したり、閉館後の深夜でも資料を利用できるような制度を整えたりと、実用面も充実しています。
 特筆すべきは、これらの環境作りを全て支部図書館職員の皆様で考案された点です。省庁の図書館の職員は同時に、同館の第一の利用者である省庁職員でもあります。自組織の所管業務への深い理解と、利用者に近い目線とが、理想的な図書館作りに寄与しているように思いました。

本を通した「おいしい」きっかけ作り

 もう一つリニューアルを機に大きく変わった点に、「展示スペース」が館内に設置されたことがあります。定期的に展示を行っているこのスペースでは、10月度は秋の味覚“きのこ”を主役とする展示が行われていました。
 今回、展示スペースを前にして最初に目に入るのは、木彫りの椎茸・もみじ・リスといった、賑やかな飾りの数々です。これらは職員の方が持ち寄ったものだけではなく、林野庁内の所掌部署から借りたものや、国産きのこの消費を推進する団体が作成したものも含まれています。そのテーマの専門知識だけでなく、広報のノウハウも有する省庁内の他部署や他機関との連携により、一層充実した展示が実現されている印象を受けました。


<閲覧室内にある柱には展示架が取り付けられ、スタンドを提げられるようになっています。>

 また、省庁の図書館の展示として意外だったのが、きのこ料理のレシピ本が大きく取り上げられていることでした。展示担当者に伺ったところ、「国内の食料生産を統べる行政省庁にとって農家の方々が作った作物を多くの方に食べて消費してもらうことが第一義であり、きのこの消費を促すために図書館ができることは、本を手にとって美味しい食べ方を知ってもらうことが一番」とのことでした。
 「食」という誰にとっても身近な立脚点からきのこを眺めるこの展示を拝見して、図書館が企画展示を行う意義とは、人と本の出会いの場を提供するとともに、本を手に取った人と、その展示に直接ないし間接的に関った人を繋ぐことができる点にあると感じました。


<木彫りの椎茸はきのこや筍、山菜や漆といった林産物を扱う「特用林産対策室」から借りたもの。>

終わりに

 筆者は今まであまり専門図書館に馴染みがありませんでしたが、この見学を通して、専門図書館はある分野に特化して資料収集やレファレンスにあたっているという従来のイメージに加え、その分野を垣間見ることで見聞を広められる場でもあることを学びました。
 お忙しい中御対応くださった農林水産省図書館と林野庁図書館の職員の皆様に、この場をお借りして心より感謝申し上げます。


<高度な専門書もやさしい児童書も置いてあり、多様なニーズに対応されています。>

(よこた しほこ)

  1. 両館は平成21年度より共同で運営している。

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