びぶろす-Biblos
61号(平成25年8月)
6. 5分でわかる・特許検索基礎のキソ-特許電子図書館(IPDL)の紹介―
国立国会図書館総務部支部図書館・協力課
田中 早(さき)
身近なのに詳しくはよく分からない・・・、特許や商標とはそんな存在であると思う。本稿ではそんな特許や商標について、筆者が2年間出向先としてお世話になった特許庁所管の独立行政法人工業所有権情報・研修館(以下、「INPIT」という)の事業を中心に、とにかくこれだけは押さえておきたい4点を挙げる。
1. 特許電子図書館(略称:IPDL)
「特許や商標を調べたい」と言われたとき、まず思い出したいのが、IPDLである。IPDLは、INPITが運営するデータベースで、特許・実用新案・意匠・商標を無料で検索できる。ID登録等の必要もないので、一度アクセスしていただきたい。

次に、基本的な検索方法を2つ紹介する。
2. 特許を番号から検索する
例題:特開平09-123456の内容が見たい。
特許は様々な番号を持っている。例えば、出願時に付される出願番号、出願から1年6カ月後に発行される公開特許公報1で付される公開番号、そして特許登録時に付される特許番号などがある。通常、特許の出願番号は『特願』、公開番号は『特開』、特許番号は『特許』と表記される。
例題は特開とあるので、まずこれが特許の公開番号であることがわかる。さらに『平』は『平成』を意味し、この公報が発行された年を表す。 具体的な検索手順としては、まずIPDLへアクセスし、「特許・実用新案検索」をクリックして「1.特許・実用新案公報DB」を選択。すると、以下のような画面が表示され、

『文献種別』に、各番号に割り当てられているA,B等の記号(画面上方に一覧有)を入力し、『文献番号』には番号を入力するようになっている。例題では、『文献種別』に『特許公開』の「A」、文献番号は『平09-123456』の「平」を「H」にして「H09-123456」を入力して「文献番号照会」をクリックする。すると、次の画面が表示されるので、左側に表示されている公報の番号をクリックすれば公報内容が表示される。ちなみに、公報番号中『昭和』は『昭』、『大正』は『大』、『明治』は『明』と表記され、文献種別の記号はそれぞれ「S」「T」「M」となる。

なお、IPDLでは様々な公報が、公報発行日から番号検索・閲覧できる。
3. 商標の検索
例題:「インピット」という商標が登録されているか検索する。
ある商品やサービスの名前が商標として登録されているのかどうか検索したい場合は、まず「商標検索」をクリックし、「4. 称呼(しょうこ)検索」を選択する。『称呼』とは、商標の『読み方』であり、同検索メニューでは商標の読み方から検索することが出来る。

称呼検索の画面で『称呼1』の欄に『全角のカタカナ』で探したい商標の読み方(ここでは「インピット」)を入力し、「検索実行」を押す。すると、読み方が「インピット」あるいはそれに近い読み方であろう商標が検索され検索結果○○件と表示が出る。そこで、「一覧表示(類似種別順)」をクリックすると、該当商標の一覧が表示される。一覧からは各商標の詳細も確認できる。
なお、称呼検索のデータベースは 2. の公報の検索と違い特許庁内で登録データ等が入力されてからデータが反映されるまで約1ヶ月~1ヶ月半くらいのタイムラグがあること、基本的には現在権利が存続しているものしかヒットしないことに注意したい。
4. 特許制度等に関する主な相談先
特許検索や制度について何か迷ったら、以下の相談先へ連絡すると良い。
- IPDLの利用方法に関すること
「IPDLヘルプデスク」
電話:03-5690-3500(平日9時~21時) - 出願・制度に関すること
「INPIT相談部」
電話:03-3581-1101(内線2121~2123)(平日8時半~20時)
いずれも、専門の職員が大変丁寧に対応してくれる。
なお、特許制度については特許庁において「知的財産制度説明会(初心者向け)」2等も開催されている。説明会への参加が困難な場合、説明会のテキスト3はHPに掲載されているので自習用に活用できる。また、IPDLの利用方法についてはマニュアルやガイドブックがHPに掲載されているほか、年数回、各都市で無料の講習会も行われているので詳しくはHPをご参照いただきたい。
以上4点を押さえておけば、特許や商標についての問い合わせを受けた時に何らかの回答ができるだろう。迷った時は 4. の相談先をとにかく活用してほしい。なおIPDLは、今回紹介した特許や商標の他、実用新案、意匠(デザイン)も検索可能である。まずは試しに検索してみていただければ、と思う。
最後に出向中の2年間「特許」について全く知らなかった筆者に辛抱強く制度やIPDLについて教えて下さったINPITの皆様には大変感謝している。このような拙い記事で申し訳ないが、INPITが行っている事業について紹介の一助になることを願ってやまない。
- 出願内容を広く周知するために刊行されている。
- 毎年ページが変更される。本リンクは平成25年度のもの。
- ページ末「説明会のテキスト」参照

