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トップ > 刊行物 > びぶろす > 60号(平成25年5月)

びぶろす-Biblos

60号(平成25年5月)

びぶろす

  • 発行:国立国会図書館総務部
    (National Diet Library)
  • ISSN:1344-8412
5. 【支部図書館紹介】
支部海上保安庁図書館海洋情報部分館を見学して

参議院法制局
藤戸 敬貴

1. 国土交通省青梅総合庁舎

 海上保安庁海洋情報部は平成23年12月に築地から青海へと庁舎を移転した。いわゆる「お台場」である。広々とした敷地に各種研究施設や巨大な倉庫群が建ち並ぶ中、国土交通省青海総合庁舎はある。そしてその一画を占めるのが支部海上保安庁図書館海洋情報部分館(以下、「海洋情報部分館」という)だ。

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国土交通省青海総合庁舎

 国立国会図書館は、各府省庁および最高裁判所にある支部図書館およびその分館と情報の交換をするため、年に一度各館を訪問している。その機会に筆者が海洋情報部分館を訪ねたのは平成24年12月のことであった。永田町に勤務する筆者にとって青海を訪れる機会はそうそうない。それゆえ海洋情報部分館を見学させていただけるだけでも貴重な体験だったが、この日はご厚意により海洋情報部の関連施設(海洋情報資料館、海の相談室)も見学させていただいた。

2. 海洋情報部分館

 海洋情報部分館は、海洋情報部が「水路部」と呼ばれた明治時代から国内外の水路図誌(海図、水路誌、潮汐表など)や関連資料を収集してきた。関東大震災や第二次大戦の影響で多くの貴重な資料が失われたものの、戦後の図書館再建は順調に推移し、現在の蔵書は図書23,000冊、逐次刊行物380タイトルを超える。海洋情報部が発行する水路図誌はもちろん、諸外国の水路図誌や海洋物理学・測地学・天文学・暦学など関係諸分野の資料を数多く揃えている。まさに「海の専門図書館」と呼ぶにふさわしい蔵書群である。

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海洋情報部分館閲覧室

 閲覧室は海上保安庁職員であれば自由に出入りできる。部屋の大きさは図書館としては比較的小規模だが、利用の多い資料が開架式の書架に並べられているので利便性は高い。その他の豊富な蔵書群は広い書庫に収められている。今回は特別にこの書庫も見学させていただいたが、作成途上の海図など貴重な資料を拝見した。また、通常の書架だけでなく、大きな地図を広げて保存するための平たい棚を積み重ねたような書架もあって興味深かった。資料の形態によって保存方法は変わるということの好例だと思う。

3. 海洋情報資料館

 続いて案内いただいたのは海洋情報資料館である。青海総合庁舎の1階にあり、こちらは誰でも自由に見学できる。

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海洋情報資料館

 明治時代に水路図誌を作成するために使用された機器類や、実際に作成された当時の水路図誌などが陳列されている。順路に従って見学すれば水路図誌作製の歴史がひととおり把握できるように工夫されており、大変勉強になる。また、伊能図や、かつて機密扱いとされていた水路図誌も展示されており、歴史ファンなら興味は尽きないだろう。
 その中で筆者が最も惹かれたのが海図アーカイブである。伊能図謄写図や明治期の海図、測量原図などのデジタル画像が大きなディスプレイに表示される。画面の解像度は高く、タッチパネル式で拡大縮小自由自在、操作感抜群である。実際に海洋情報資料館に足を運んで体感していただきたい。海洋情報部が所蔵する資料が大半だが、国立公文書館や国立国会図書館などの資料も収録されている。
 また、一部の画像についてはインターネットでも公開されているので、関心のある方はご覧になってはいかがだろうか。

4. 海の相談室

 最後にご紹介いただいたのが海の相談室である。海洋情報資料館の並びにあり、こちらも誰でも利用できる。外に面した壁は一面ガラス張りで開放感にあふれており、外から届く柔らかい光が明るい雰囲気を演出している。
 ここでは、海洋情報部刊行物をはじめとした海洋関係の各種資料が開架されており、利用者は自由に閲覧できる。また、レファレンスも受け付けており、海洋関係の研究や仕事についてだけでなく、ヨットやボートなどのマリンレジャーに必要な情報も提供しているとのことだ。

5. むすび

 海上保安庁海洋情報部は、海に関する情報全般を集積して刊行物を出版するほか、海洋情報資料館や海の相談室でそれらの情報を日本国民に提供している。これらの情報は海運業やレジャーなどの海の安全にとって欠かせないものだろう。もちろん海洋関係の学問研究の発展にも大きく寄与していることと思う。
 海洋情報部分館が所蔵する資料群はこれらの情報の水源みなもとであり、海上保安庁にとってだけでなく、日本全体にとって大きな意義を有する存在なのではないかと思った。

 最後に、海洋情報部分館の担当者ならびに海洋情報資料館および海の相談室の方々に、この場をお借りして厚く御礼申し上げます。

(本稿は、筆者が支部図書館・協力課在籍中に執筆したものである。)

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