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トップ > 刊行物 > びぶろす > 59号(平成25年2月)

びぶろす-Biblos

59号(平成25年2月)

びぶろす

  • 発行:国立国会図書館総務部
    (National Diet Library)
  • ISSN:1344-8412
9. 平成24年度第98回全国図書館大会(島根大会)に参加して

支部国土交通省図書館
福澤 美枝子

平成24年度全国図書館大会は、「文化を伝え、未来を創る図書館-古事記編纂1300年 神々の国しまねから-」を大会テーマに、平成24年10月25日(木)及び26日(金)の2日間にわたって、島根県松江市で開催されました。
 初日は、島根県民会館において、開会式、表彰式及び全体会が開催されました。全体会では、塩見昇日本図書館協会理事長より、図書館振興の動きと評価される国の施策、継続的な東日本大震災被災地の図書館への支援、社会の大きな動きであるデジタル情報環境の変化等、過去1年間の図書館及び図書館界の動向に関する基調報告があり、続いて東京大学社会科学研究所教授の玄田有史氏より、「希望のチカラ」と題して、普段、私達が使っている漠然とした概念「希望」を取り上げた記念講演が行われました。
 景気低迷、人口減少、高齢化、震災そして原発問題等、様々な経済的、社会的要因により、見通しのつかない不安定さの中で私達は、生活しています。このような状況下、希望とは何かを、玄田氏は私達一人一人にやさしい口調で問いかけ、希望とは、人生という物語を生きていくために必要なエネルギーであると説かれました。また、図書館を通じて本を読むことにより、希望を紡ぐ力が与えられ、希望に必要な想像力も育まれる、図書館を通じて本との出会いをヒントに、多くの子どもや大人が希望をみつけて欲しいと言うメッセージを残されました。
 2日目は、多岐にわたるテーマのもと、12の分科会が開催され、そのうちの「専門図書館:館種を越えて絆を結ぶ」をテーマにした第5分科会に参加させて頂きました。
 まず、午前の部では、“専図協”の略称で親しまれている専門図書館協議会(以下、「専図協」といいます。)事務局長の鈴木良雄氏より、「専門図書館の活動とは~専門図書館協議会の役割~」と題して、基調報告がありました。専図協の歴史と設立、昭和27年3月に国立国会図書館内に中央事務局が創設され、平成14年に東京都中央区新川に移転・独立させたこと、平成24年3月現在、会員機関数は426機関で、全国の各地区協議会が当該地区の会員機関と協同で様々な活動を実施し、中央事務局がバックアップしながら全国規模で活動及び事業を続けていることなど、歴史から始まって様々な事業、活動に至るまで、専図協についてまとまった内容を聞く良い機会が得られたと思います。
 次に事例発表の1件目として、食卓でおなじみの味の素が開設する「味の素(株)大阪支社 食のライブラリー」の報告が根岸日出夫氏からありました。同ライブラリーは古今東西の「食」に関する図書・資料の他、統計や年鑑、研究報告書等を所蔵し、独自の分類を行っている企業図書館で、古書や浮世絵などの貴重書を展示する活動も行っています。展示は定期的に入れ替えるとのことですが、展示ケースの横に関連図書を置き、おのずと利用者の興味を注ぐよう工夫をこらし、また、近隣の病院にお互いのパンフレットを置くなど、さりげないPRを地道に続けているとの感じを得ました。
 2件目の事例発表として、「金光図書館の歩みと今後の展望」と題して金光英子氏から金光図書館についてのお話を伺いました。本も建物も人もないなか、金光教教徒社を借り、関係各所や個人からの寄贈を受けて、金光図書館は開館したそうです。図書館のための図書館では意味がなく、利用され、活用され、生きて役に立つ図書館でなければならぬという、その開館の趣旨に感動しました。電話1本で世界中、日本中に貸出をし、貸出後、この本が返ってくるかこないかの心配はせず、今、必要としている人に貸出をする事の方が大事だと言うお話を伺い、開館の趣旨を裏付けるものと思いました。
 金光図書館は、開館当初、小学生はじめ学生の利用者が多数をしめたため、これらの動きを確実にとらえ、殊に児童生徒のニーズにこたえるため、児童書を整え、童話会の開催等、児童奉仕に力を注ぎ、また、1冊の点字図書が寄贈されたのを機に、点字図書の全国的な貸出が開始され、障害者活動にも熱心に取り組んでいます。
 3件目の事例発表は、「専門図書館におけるビジネス支援サービスへの取り組み-BⅠコモンズ・ライブラリーを例として-」と題して機械振興協会経済研究所の結城智里氏より、インターネットの普及により利用者が減少している中、専門図書館として、情報源を最大限に生かす方法についてお話がありました。結城氏は公共図書館に対して、専門図書館が後方支援を行う事を提案し、ユーザーの求める情報が公共図書館にない場合、専門図書館にその情報を求め、来館可能な範囲であれば、利用者に専門図書館の利用を勧める、これにより専門図書館にとっては利用者増となり、また公共図書館にとっては、ない情報を得て良い関係を結ぶ事ができると述べられました。
 4件目の事例発表は、平成16年にビジネス支援をスタートさせ、図書館発のモノづくり企業を成長させている鳥取県立図書館の小林隆志氏より、「公共図書館と専門図書館の連携の必要性について-鳥取県立図書館のビジネス支援の実践から-」というテーマで、ビジネス支援事業の基本的なものの考え方とそのための準備について、お話を伺いました。まず、多様な情報を提供するため資料の充実をはかり、産業支援機関および専門図書館とのネットワークの構築等を掲げ、首都圏に集中している専門図書館の情報を地方でも活用できるよう体制を整える事が大切であると力説されました。
 5件目の事例発表は、「秋田県立図書館のビジネス支援サービスについて-現状と課題-」と題して、秋田県立図書館の吉田孝氏からお話を伺いました。ビジネス関連図書や雑誌の充実、商用データベース、インターネットの提供等、早い段階からビジネス支援サービスに取り組んできた秋田県立図書館は、年々予算減が求められ、サービス内容の拡充もおぼつかないことから、専門機関や専門図書館との連携を深めビジネス支援サービスの拡充を模索しているとの報告を受けました。
 2日間に及ぶ大会に出席させていただき、図書館及び図書館界の動きを学ぶと共に、インターネットの普及に伴い、図書館の感が薄れる中、館種は違っていても利用者への図書館の使命は同じであり、その重要性及び存在意義を改めて痛感する良い機会となりました。大会に参加させていただいた事に感謝し、得られた知識を今後の図書館業務に反映させたいと思っています。

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