びぶろす-Biblos
57号(2012年8月)
7. 【シリーズ 国立国会図書館のオンラインサービス】
インターネット資料収集保存事業
国立国会図書館関西館 電子図書館課
福嶋 聖淳
1. インターネット情報集めています
以前にインターネット上で見たはずの情報が、ウェブサイトの更新や掲載場所変更のため、見つけられずに困ったという経験は、ないでしょうか。そんな時にご利用いただきたいのが、国立国会図書館の「インターネット資料収集保存事業」です。
インターネット上には数多くの有用な情報があふれていますが、それらは頻繁に更新・削除され、失われやすいという特徴があります。当館は、こうしたインターネット情報を、紙媒体の資料と同様に後世に伝えていくべき重要な資料(インターネット資料)と捉え、平成14年4月から、日本国内のウェブサイトやその中に含まれる電子雑誌を、サイト発信者の許諾を得て、選択的に収集・保存してきました。さらに平成22年4月からは、国立国会図書館法の改正に基づき、国や地方公共団体等、公的機関のサイトを網羅的に収集しています。
収集したインターネット資料はすべて、館内(東京本館、関西館、国際子ども図書館)の端末から閲覧することができます。発信者の許諾が得られたものについては、インターネットを通じた閲覧やプリントアウトも可能です。
今回は、これら国立国会図書館が収集したインターネット資料を利用するための二つのサービスについて、ご紹介します。
2. 「ウェブサイト別」
ウェブサイトの収集は、国の機関であれば月1回など頻度を決め、収集ロボットと呼ばれるソフトウェアにより自動でおこなっています。こうして集めたウェブサイトを、収集時の形のままご覧いただけるサービスが「インターネット資料収集保存事業(ウェブサイト別)」です。平成24年5月現在、7000余のタイトルを収集・提供しており、累積データ量はおよそ140TBに及びます。東日本大震災以降は、被災自治体や震災関連のウェブサイトも精力的に収集しています。
キーワードやタイトル、公開者等から国立国会図書館が収集してきたウェブサイトを検索できます。例えば首相官邸の過去のウェブサイトも見ることができます。「首相官邸」を検索すると、ウェブサイトの収集日一覧が表示されます。一番古い収集日の「2004/11/19」を選択すると、その収集日時点のウェブサイトが表示されます(図1)。当時は小泉内閣でした。閣僚が誰だったかも、すぐに調べることができます(首相官邸のウェブサイトは平成21年8月以降、「内閣官房」の一部として収集しています)。
なお、国立国会図書館が収集したデータであることを明確にするため、画面上部には、収集日等が記載されたメッセージが表示されます。

図1:平成16年11月19日に収集した首相官邸のサイト。当時の首相は小泉純一郎氏だった。
「ウェブサイト別」では、既に閉鎖されたウェブサイトもご覧いただけます。例えば、市町村合併の結果なくなってしまった自治体や独立行政法人化前の公団、各種イベント(日韓で共催された2002年FIFAワールドカップ等)のウェブサイトなどを、収集・保存しています。
総務省や財務省は、掲載期間が終了した自省の情報を「ウェブサイト別」で閲覧できることを紹介し、現行の各サイトから誘導しています。こうしておけば、ウェブサイトの利用者は古い情報にも比較的容易にアクセスできますね。
3. 「著作別」
もう一つのサービスは「インターネット資料収集保存事業(著作別)」です。
最近は、冊子体で発行されてきた図書や雑誌が電子化され、インターネット上に掲載されるケースが増えています。こうした刊行物・著作物に相当するファイル(PDF形式のものなど)を収録しているのが、「著作別」です。紙媒体での刊行が廃止になったものも、多数提供しています。
あるテーマについて書かれた報告書や論文を読むために、様々な機関のサイトを探し回るのは大変です。「著作別」では、国の機関等、公的機関を中心に、既にインターネット上から消去された過去の著作物を効率よく検索・閲覧できるよう、資料の充実を図っています。
「著作別」は、国立国会図書館のデジタル化資料を検索・閲覧できるサービス「国立国会図書館デジタル化資料」の中で、利用できます。国の機関や地方公共団体、独立行政法人、大学などがウェブサイトに掲載した各種の白書、年鑑、報告書、機関紙、雑誌論文など約10万件を収録し、提供しています(平成24年5月末現在)。
「国立国会図書館デジタル化資料」内で、「著作別」の資料のみを検索したい場合は、トップ画面上部の「詳細条件で検索」ボタンをクリックし、資料群「インターネット資料」を選択します。多数のデータがヒットした場合は、検索結果表示画面ならば、左側の「絞り込み」枠内の各ボタンをクリックして、機関や出版年等で、検索結果を絞り込むことができます。

図2:インターネット資料収集保存事業(著作別)
4. 終わりに
以上、「インターネット資料収集保存事業」について、簡単に紹介しました。より詳しい使い方は、各サービスに利用案内を掲載していますので、そちらをご覧ください(ウェブサイト別、著作別)。
冒頭でも述べたように、インターネット上の情報は、消失しやすいものです。それらを、いつでも、誰でも、確実に利用できるようにするため、国立国会図書館はこれからもインターネット資料の収集と保存に努めていきます。是非、ご活用ください。

