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トップ > 刊行物 > びぶろす > 56号(2012年5月)

びぶろす-Biblos

56号(2012年5月)

びぶろす

  • 発行:国立国会図書館総務部
    (National Diet Library)
  • ISSN:1344-8412
10. 支部最高裁判所図書館勤務を終えて

元 支部最高裁判所図書館
齋藤 幸夫

 私は、最高裁判所図書館に勤務する前は、主に会計事務を長く担当してきましたので58歳になって初めて図書館事務に携わることになりました。当館は、その蔵書を以て全国の裁判所に勤務する裁判所職員の業務遂行支援を行う一方で、法曹関係者等の特別利用者や学術研究を目的とする18歳以上の一般利用者にもサービスを提供しています。今回は前者の業務を中心に、図書館勤務の中で経験したことを書かせていただきます。
 恥ずかしい話ですが、これまで、国立国会図書館はもちろん、当館にも足を踏み入れたことはなく、公立図書館を数回利用したことがある程度で、図書館事務について全く知識がない状態で勤務することとなりました。そんな私が、裁判所職員に対して、閲覧、貸出、レファレンス等の図書館サービスを行うことになったわけですが、最初の1ヶ月は、図書館事務とはどのようなことをするのか基本的な事務処理についてレクチャーを受ける一方、国立国会図書館が刊行している『行政・司法各部門 支部図書館要覧(平成21年度版)』1(以下『要覧』といいます。)を見て勉強しました。
 そして最初に関わった仕事が、主に米国・英国の法令・判例・大学紀要などの法律情報を幅広く収録した商用データベースの購入でした。
 これまでも、同データベースの導入を求める声は強くあったものの、最高裁判所図書館では、商用データベースを導入した実績がなく、利用者が特定できない図書館に導入できるのか、他の図書館で利用しているところがないかを調査している状況でした。
 そのことを聞いた時、ふと、『要覧』の中に記載されていた、「国立国会図書館中央館・支部図書館中期的運営の指針2007」及び「国立国会図書館中央館・支部図書館電子化推進第三次基本計画」の中に、各支部図書館は、商用データベースの導入を進める旨の指針があったのを思い出しました。当然、国立国会図書館ではなんらかの商用データベースを導入しているはずだと思い、国立国会図書館ではどのように商用データベースを利用しているのか、また、どのような契約をしているのかなどについて、国立国会図書館支部図書館・協力課に相談したところ、すぐに国立国会図書館での事例をご紹介いただきました。おかげさまで、その事例を参考にしながら、平成23年4月に同データベースを導入することができました。
 同データベースを導入したことで、裁判所職員は図書館に行くことなく、いつでも、どこでもパソコンがあれば必要な法律情報を見ることが可能となりました。特に、画期的なことは、北海道から沖縄までの全国の裁判所職員が、図書館へ同データベースの貸出の申込みのメールを送信すればすぐに利用できるようになったことです。
 それからは、『要覧』を常に机の上に置き、問題の解決策を考える際などに利用させていただきました。
 また、当館に勤務してからは、よくインターネットを見るようになりました。当館は国内外の法律情報を収集することを目的としていることから、その書誌情報を探すのにインターネットが有用な手段となるからです。インターネットでは市販されている資料の書誌情報はもちろん、大学法学部系統の研究会などの紀要や各種法律を研究する機関などが発行している研究紀要などの書誌情報も容易に把握できます。 余談ですが、これらの研究紀要は市販されていないものがほとんどです。そのため、これらの資料は寄贈していただく以外には入手する方法がありませんので、もし、寄贈されていない法律関係の大学・研究機関がありましたら、是非、当館にご送付いただければと思います。
 本題に戻りますが、これらの研究紀要の中には、その論文がPDF化され、無料でインターネット上に配信されているものがあることを知りました。当館では、これらの研究紀要が貸出及びレファレンスで多く利用されています。職員が机上のパソコンでこれらの研究紀要を見ることができれば、わざわざ図書館に行くこともなく、また、レファレンスを依頼する必要もありません。
 また、インターネット上だけでしか見ることができない法律情報、例えば、地方公共団体の条例などがあることも知りました。
 そして、これらの情報を裁判所職員に伝えることが、業務遂行の支援になると思い、図書館蔵書検索システム(職員専用イントラネット)に「お知らせ欄」を設けて知らせることにしました。
 ところが、同検索システムの存在が職員の中に浸透していないことが分かりました。確かに、私も当館に勤務するまで、その存在すら知りませんでしたので、早速、全国の裁判所職員に、同図書館検索システムのアイコンとともに、利用を呼びかけた文書を送付したところ、アクセス件数が、その直後の月は前年同月と比較し9倍に、その後も毎月前年同月と比較し3倍に増加しました。この結果を見て、当館に対する裁判所職員の期待が大いに感じられました。
 これからの図書館は、職員からのアプローチを待って仕事をするのではなく、図書館のほうから職員のニーズを積極的に調査し、職員にもっと図書館を利用してもらうよう働きかける姿勢が必要ではないかということをつくづく感じました。
 最後に、2年間ではありましたが、それなりの図書館サービスを裁判所職員に提供できたのではないかと思っています。これも、当館職員が裁判所職員に当館をもっと利用してもらいたいという強い思いが、様々な改善案を企画し、それを実行した賜物と思っています。この紙面を借りて当館の職員にお礼を言わせていただきます。ありがとうございました。

  1. 国立国会図書館請求記号:UL314-J15

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