びぶろす-Biblos
56号(2012年5月)
6. 【特集 地方議会図書室】
国立国会図書館による地方議会図書室への支援
国立国会図書館関西館
塚田 洋
地方議会図書室は、地方議会議員の調査研究を助けるため、各議会に置かれる専門図書館です。近年では、地方分権に伴う地方議会の機能強化が求められており、その中で図書室の整備・充実が課題となっています。
この特集では、国立国会図書館による議会図書室への支援と、サービス充実に向けて奮闘する議会図書室を紹介します。
はじめに
国立国会図書館(以下「当館」という。)は、国立国会図書館法21条の規定に基づいて、都道府県議会その他の地方議会図書室を支援している。その内容は、資料に基づく連携・協力と議会図書室職員向け研修の実施に大別される。
1 資料に基づく連携・協力
当館は地方議会図書室の発展を援助するため、各支部図書館の協力のもとに各府省庁の刊行物を収集して、全国都道府県議長会を通じて各議会図書室へ送付している。送付資料は当館刊行物を含めて年間約4,000冊に及び、議会の調査活動に貢献している。
また、都道府県及び政令指定都市議会図書室に対しては、衆参両議院の協力により、国会会議録を送付して、援助の実を挙げている。
その他、国立国会図書館は、利用登録をしている議会図書室に対して、公共図書館と同様のサービスを提供している。
2 議会図書室職員向け研修の実施
また、平成18年度から毎年1回、議会図書室の実務者を対象とした研修(「都道府県及び政令指定都市議会事務局図書室職員等を対象とする研修」)を実施している。
以前は、議会事務局長と国立国会図書館長の懇談会や議会図書室担当者の連絡会議を開催していたが、議会図書室のサービス充実に必要なノウハウを提供するため、現在のような研修を実施することとなった。
平成23年度は、共通科目として、「インターネットで使えるレファレンス・ツール」を開講し、多様なデータベースの使い分け、効率的な調査方法について講義と実習を行った。
また、参加者の幅広い要望に応えるため、初めて選択科目を開講した。「調査業務の進め方」では、国会議員への調査サービスに用いる情報ツールを、業務フローに沿って説明した。また、「図書館資料の保存」では、震災に強い排架方法の講義と、簡易補修の実習を行った。これらの研修資料は後日参照できるよう当館ホームページに掲載している。
むすび
研修アンケート等からは、地方議会図書室のスタッフ諸氏が、人員や資料の制約の中で、議員サービスに奔走している様子が伺われる。当館は今後も支援の充実に取り組み、地方議会図書室のサービス強化に貢献する必要があろう。
(本稿は、筆者が支部図書館・協力課在職中に執筆したものである。)

