びぶろす-Biblos
56号(2012年5月)
3. 【特集 なんだろう、支部図書館】
支部図書館制度下での図書館サービス
国立国会図書館利用者サービス部科学技術・経済課
齊藤 史
国立国会図書館(以下「当館」といいます。)と行政および司法の各部門に置かれる支部図書館は、支部図書館制度のもと一つの図書館ネットワークを形成し、相互に協力し合って図書館サービスを提供していますi。行政・司法各部門の職員の方々は、このネットワークを通じて様々なサービスを御利用になれます。
1 資料の相互貸借サービス

(資料相互貸借サービスの概要図)
行政・司法各部門の職員の方々は、所属機関の支部図書館の蔵書を借りることができるほかに、支部図書館制度に基づき図書館同士が相互に資料を融通する、いわゆる資料相互貸借サービスを利用して、他の支部図書館および当館の蔵書を借りることもできるようになっています。我が国唯一の納本図書館である当館は、資料の保存を第一目的としているため、個人の一般利用者に向けては資料の貸出を行っていません。また、専門図書館として特徴ある所蔵資料を持つ各支部図書館の中には一般には公開していない館もありますから、これは行政・司法各部門の職員の方々にとって非常に価値あるサービスですii。ただしこのサービスを御利用頂くためには、所属機関の支部図書館を通して貸出申込をすること、業務上の要件での利用であることが条件になります。
2 当館のサービス
当館は支部図書館制度における中央館であり、上記の資料相互貸借サービスの中でも特に大きな位置を占めていますiii。また、資料の貸出以外にも様々なサービスを提供しています。詳細は当館ホームページの「行政・司法へのサービス」で説明されていますが、ここでは代表的なサービスを簡単に紹介します。
(1)所蔵資料の検索
当館がどのような資料を所蔵しているかは、当館ホームページで公開されている以下のツールで調べることができます。
・NDLサーチ→当館だけでなく、全国の公共図書館、公文書館、学術研究機関等が持つ所蔵資料を検索することができるシステムです 。
・NDL-OPAC→当館の所蔵資料の検索・申込ができるシステムです。
行政・司法各部門の職員の方々はこれらを用いて借りたい資料を特定し、その後、所属機関の支部図書館を通して貸出を申し込むことになります。
(2)所蔵資料の貸出
当館から各支部図書館への資料の貸出方法には、来館貸出と郵送貸出の2種類があります。来館貸出は貸出を申し込んだ行政・司法各部門の職員御本人が直接当館に来館して資料を受け取る方法で、申込から受取までに時間がかからないことが利点です。郵送貸出は、当館から所属機関の支部図書館へ資料を配送する方法で、職場にいながらにして資料を受け取ることができます。配送には3日程度のお時間を頂きます。
(3)資料の複写
当館の所蔵資料に関して、御希望の箇所を複写して郵送でお届けする郵送複写のサービスもあります。これは有料のサービスですが、やはり所属機関の支部図書館を通して申し込んで頂く必要があります。また、上記の来館貸出で借りた資料については、当館内において一定の枚数まで無料で複写を行うことも可能です。
(4)デジタル資料の閲覧・複写
当館は所蔵資料のデジタル化を進めており、それらの資料を当館内の専用端末で閲覧・複写することができます。また、契約する各種データベース等についても同じく専用端末で利用することができるようになっています。行政・司法各部門の職員の方々の場合は、所属機関の支部図書館で利用の御希望を申し出ていただければ、当館における担当窓口である支部図書館・協力課事務室においてこの専用端末を使うことができます。
(5)インターネット上のオンライン・サービス
当館がホームページ上で一般公開しているオンライン・サービスについては、行政・司法各部門の職員の方々も個人で御自由に使って頂くことができます。デジタル化した所蔵資料のうち著作権処理の済んだ資料を閲覧したり、調査の際に参考となる調べ方案内を利用したりといったことが可能ですので、こちらもぜひ御利用頂きたいサービスです。
今回紹介した以外にも、支部図書館制度を通じて提供するサービスは多くございます。何かの調査に悩んだ時、何かの情報を手に入れたい時、図書館は行政・司法各部門の職員の皆様が御想像する以上に多くの有益な情報を提供できる可能性があります。是非、所属機関の支部図書館に御相談いただければと思います。
(本稿は、筆者が支部図書館・協力課在職中に執筆したものである。)
- 支部図書館制度の詳細については本号「支部図書館制度」を御参照ください。
- 個人の一般利用者の方々は、お近くの公共図書館や御所属の大学図書館などを通じた図書館間貸出サービスを利用して、当館の資料を利用することができます。ただし、この場合、図書館内のみでしか閲覧ができないなど、様々な制限が設けられています。詳細は当館ホームページの「資料の貸出」のページを御覧ください。
- 『国立国会図書館年報 平成22年度』によると平成22年度の資料相互貸借点数は、支部図書館対支部図書館の間で計3,644点、国立国会図書館対支部図書館の間で計11,161点となっています。
- NDLサーチで検索できる当館以外の機関が所蔵する資料については、支部図書館制度に基づく資料相互貸借サービスの範疇には含まれません。

