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トップ > 刊行物 > びぶろす > 58号(2012年11月)

びぶろす-Biblos

58号(2012年11月)

びぶろす

  • 発行:国立国会図書館総務部
    (National Diet Library)
  • ISSN:1344-8412
7. 【第78回国際図書館連盟(IFLA)ヘルシンキ大会(8/11-17)】
国際図書館連盟(IFLA)政府情報・官庁出版物分科会(GIOPS)の最近の活動について

天理大学人間学部総合教育研究センター准教授
古賀 崇

1. はじめに

 国際図書館連盟(IFLA)は「知的自由」、「著作権ほか法律問題」などのさまざまな委員会や、館種や資料などに特化した分科会などに分かれて活動を行っているが、その中に「政府情報・官庁出版物分科会(Government Information and Official Publications Section: GIOPS)」がある。筆者は2007年よりGIOPSの分科会委員を務めており(任期は2015年までの予定)、本稿ではその立場からGIOPSの最近の活動を紹介させていただきたい。なお、筆者は本誌の平成20年1月号(電子化39号)において、GIOPSが携わった「政府機関図書館のためのガイドライン」の2007年8月案(その後、2008年に制定・公開)を紹介した記事を寄稿しており、本稿はいわばその続編ないし補足にあたる。

2. GIOPSについて

 最初にIFLAの委員会・分科会について触れたが、分科会は現在、「第1部会:図書館の館種」「第2部会:図書館のコレクション」「第3部会:図書館サービス」「第4部会:専門職への支援」「第5部会:地域」の5つの部会のいずれかに属している。GIOPSは、「逐次刊行物・その他の継続資料分科会」「音声・映像・マルチメディア分科会」などと並び、コレクションを扱う第2部会に位置づけられる。
 GIOPSの実際の活動は、IFLA大会における企画やガイドライン策定など、他の分科会と連携して行われることが多い。その中でも最も活動を共にすることが多いのは「政府機関図書館分科会(Government Libraries Section: GLS)」である。もっともGLSとGIOPSにはその位置づけに違いがある。GLSは前述の部会区分では「第1部会」に所属し、また「もっぱら政府職員をサービス対象としつつ、一般の人々にもサービスを行う政府機関図書館の運営に関する諸事項」を主眼としているように思われる。一方GIOPSは「図書館の運営」よりも「政府情報を用いた図書館サービス」を主眼としている。例えば「情報公開の一環として政府情報サービスを捉え、政府情報の共有を通じた健全な政府と民主主義の確立を目指す」という取り組みや、「大学図書館サービスを通じて学内の教育・研究に寄与するため、政府情報に関するサービスの充実を図る」といった取り組みが、GIOPSの活動の視野に入ることとなる。
 2012年8月の第78回IFLA年次大会においては、GIOPSとして単独の発表セッションは開催せず、以下の発表セッションに共催として加わる形となった。

  • 公式・真正な法情報への自由なアクセスを構築するための方策(その2・ヨーロッパ編)1
  • 政府機関図書館における新たな利用者サービスの実情と可能性

 これらはいずれも、法律図書館分科会(Law Libraries Section)、議会のための図書館・調査サービス分科会(Library and Research Services for Parliaments Section)とGIOPS、GLSとの共催で行われた。なお、それぞれのセッションの内容については、『図書館雑誌』2012年12月号掲載予定の別稿に譲らせていただく。

3. GIOPSの最近の活動成果

 前述の通り、2008年に「政府機関図書館のためのガイドライン」がGLS・GIOPSの共同作業により制定・公開された。国立国会図書館総務部支部図書館・協力課による日本語訳も上記リンク先の中にあり、「ガイドライン」の詳細については本文をご参照いただきたい2。簡単に概要のみ述べておくと、政府機関図書館の運営・サービスの充実を図るために、利用者調査やマーケティング、アドヴォカシー、物理的・電子的コレクションの構築と組織化、「政治的環境」のもとでの図書館運営の課題、といった項目を掲げている。また、複数の項目で「開発途上国における課題」を特記していることや、模範となりうる「ケーススタディ」を紹介していることが特徴と言える。
 また同じく2008年には、IFLA大会のGIOPSセッションなどで発表された論考をもとに、「政府情報へのアクセス」をめぐる論集が刊行された3。この論集には全17本の論考が収録され、また扱う対象も世界の先進国から新興国・開発途上国までをカバーしている(実際には後者のものが多い)。各論考は以下3つのテーマのもとにまとめられている。(1)政府情報・政府刊行物を市民に対して提供するための取り組みや課題、(2) 電子的な政府情報を一般の人々に提供するための技術的あるいは制度的な解決策、(3) 図書館の側で職員研修やシステム上の工夫を行うことにより、政府情報アクセスを向上させるための取り組み。これらの中でも、特に(1)においてアフリカ諸国を中心に、政府情報に国民がアクセスする意義を政府や社会にいかに認めさせるか、という点をめぐっての苦闘がつづられているのが印象的である。これは前述した「ガイドライン」と同様、とりわけ開発途上国において政府情報サービスあるいは政府機関図書館の意義を確立することが、GIOPS・GLAなどIFLAの関連分科会において大きな課題として認識されていることの現れと言えよう。

4. おわりに

 以上、ごく簡単な形ではあるが、GIOPSの最近の活動をまとめさせていただいた。筆者もGIOPS委員として、時間と労力が限られる中でも「政府情報アクセスの促進」に向けた国際的取り組みに貢献していければと思う。なお、GIOPSの活動についてはウェブサイトを通じて随時発信することとしている。

  1. 「その1」は中南米諸国を対象に、前(2011)年のIFLA年次大会(於:プエルトリコ・サンファン)にて開催された。
  2. 『びぶろす』電子化47号にも紹介記事がある。
  3. Lynden, Irina and Jane Wu (eds.) Best Practices in Government Information: A Global Perspective. Munchen: K.G. Saur, 2008, 243p.

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