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トップ > 刊行物 > びぶろす > 電子化54号(2011年11月)

びぶろす-Biblos

電子化54号(2011年11月)

びぶろす

  • 発行:国立国会図書館総務部
    (National Diet Library)
  • ISSN:1344-8412
4.【特集:災害と図書館】3月の震災における被害状況と対応について

伊藤 もも

1.はじめに

 支部農林水産省図書館農林水産技術会議事務局筑波事務所分館(農林水産研究情報総合センター、以下「筑波事務所分館」とします)は、茨城県つくば市にて1978年10月発足、1984年4月より支部図書館となりました所蔵約31万冊の図書館です。3月11日の東日本大震災でつくば市は震度6弱を観測しました。筑波事務所分館も何かに掴まらなくては立っていられないほど大きく揺れ、資料落下などの被害を受けました。今回はその状況と震災後の対応について報告いたします。

2.被害状況

 筑波事務所分館には1階と3階に閉架式デポジトリィ書庫、2階に開架式書架があります。震災当日、大きな余震が時折発生するなか職員が手分けして各階の被害状況を確認しました。
 1階は、移動書架の資料などが多少落下しましたが、コンテナに収納されていた資料はコンテナ自体が動かなかったため、被害は比較的小規模ですみました。カウンター併設の2階では新着雑誌架の雑誌は無傷でした。それ以外の書架に配架された参考図書や資料類の多くが落下し、地震発生時カウンターにいた職員によると、資料は棚の上のほうから次々に大きな音を立て雪崩のごとく落下していったそうです。また、2台積み重ねていた地図架の落下や防煙ガラスの一部破損、天井一部落下などの被害もありました。
3階は揺れが増幅し、資料も年代の古く重い製本雑誌が多かったため、被害が最も大きく“本の海”と化しました。落下した重い資料がランダムに積み重なった状態となり、資料の破損も多く出ることが予想されました。各階とも書架そのものの倒壊被害はなく、来館者や職員が全員無事で人的被害のなかったことは不幸中の幸いでした。

(写真1)書架被害1(3階)主に製本雑誌が落下した
(写真1)書架被害1(3階)主に製本雑誌が落下した

(各階被害状況)
1階:コンテナ積載以外の約1千冊落下
2階:新着雑誌以外の約5万冊落下、地図架1台破損、防煙ガラス一部破損、天井一部落下
3階:和洋図書、製本雑誌など10万冊が落下

(写真2)書架被害2(3階)参考図書類。下段の資料が地震で前方にずれ、上段の資料の落下時に引っかかって連鎖的に両方とも落ち、背表紙の破損なども生じた。
(写真2)書架被害2(3階)参考図書類。下段の資料が地震で前方にずれ、
上段の資料の落下時に引っかかって連鎖的に両方とも落ち、背表紙の破損なども生じた。

3.対応

(1)書架復旧
落下物があるなど危険なため、当面の間は臨時閉館とし職員総出での復旧作業が、震災3日後にスタートしました。来館者が利用する2階と、比較的被害が少ない1階から着手し、3月中にはおおよその資料配架が終了しました。その後、大半の資料が落下した3階の復旧に入りました。午前中9時~10時、午後4時~5時を復旧時間とし、この時間帯を中心に手の空いた職員が復旧作業を行いました。配架順が複雑なことや、大きな余震も続いたことで思うように作業が進みませんでした。また、慣れない力仕事により腰を痛める職員も続出しました。他業務の合間に地道に作業を行いましたが、全面的な資料配架は6月末の外部委託を待つこととなりました。7月上旬には3階も破損資料以外の配架がほぼ終了し、通常通りのサービスが行える体制が整いました。表紙や背表紙が脱落するなど、修繕が必要な資料は約2,000冊、比較的軽微な破損は非常勤職員により修復、被害の大きいものは外部委託することとしました(10月以降、業者による修復作業予定)。

(2)各種サービス
筑波事務所分館は、支部図書館業務のほか、全国60の農林水産省所管独立行政法人研究拠点をはじめとする産学官の農林水産関係の研究者に対し、農学情報資源システム(AGROPEDIA)により農林水産関係試験研究機関総合目録(WebOPAC)や農学文献ライブラリ(AGROLib)などのサービスを提供しています。計画停電対応のためこれらのサービスを一時的に停止しましたが、震災から5日後にはほぼ全てのサービスを縮退運転で再開しました。また、被災地及び救援復旧活動支援のため、無償での文献複写サービスも開始しました。
入館及び閲覧サービスは4月15日に再開しました。天井や防煙ガラスは当時まだ破損した状態でしたが、周囲を通行禁止とし利用者の安全性に十分配慮しました。4月時点で3階は復旧の見込みが立っていなかったため、「3階所蔵資料の利用は原則不可」とアナウンスはしましたが、複写や貸出の依頼は待ったなしでした。可能な限り提供するべく、担当者が本の山から資料を探し出すことも多々ありました。館内の修繕も6月には完了し、通常通りの利用が可能となりました。

3.終わりに

 震災から半年が経過し、筑波事務所分館では節電対策として、来館者不在時はカウンターのみ点灯する、来館者用パソコン3台のうち常時稼働は1台とする、複写機3台のうち常時稼働は1台とする、などを実施しています。多少の不便はありますが、書架も復旧し、ほぼ日常を取り戻しています。
 未だ落ち着かない日々を送られている被災地の皆様や図書館関係者におかれましては心よりお見舞い申し上げます。一刻も早い復旧と復興を祈念して本報告を終わります。

支部農林水産省図書館農林水産技術会議事務局筑波事務所分館

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