びぶろす-Biblos
電子化53号(2011年8月)
- 発行:国立国会図書館総務部
(National Diet Library) - ISSN:1344-8412

5. 国立国会図書館行政・司法各部門支部図書館職員特別研修「実習:図書館資料の保存」に参加して
坂本 いずみ
平成22年11月19日、国立国会図書館にて行われた図書館資料の保存研修に参加しました。私は、研修受講時、図書館に勤務して半年過ぎでしたが、今回の研修を通じて、最新の情報を入手する努力をしながら、図書館における最善な資料保存のあり方を常に考えていかなければならないと思い知りました。以下、私が受けた研修の内容と感想を述べたいと思います。

実際に使用した道具
図書館は資料を利用に供することによって、人々に情報を提供します。そのためには、収集した資料を「利用できる状態」に保たなければなりません。しかし、限りある予算、時間の中でどのように資料保存を行うかが課題となります。
資料保存には、良好な状態を維持し、劣化を予防する「予防的措置」と、劣化した資料を回復させ、劣化速度を抑える「回復的・劣化速度抑制的措置」があります。予防的措置としては、書庫の管理・点検やデジタル化などの媒体変換があります。このような予防的措置を講じても傷んでしまった場合、回復的・劣化速度抑制的措置である修復補修を行います。しかし、修復補修はコストと時間がかかります。資料の利用頻度、価値を検討した上で、補修する図書を選別し、補修度合いを決定します。場合によっては廃棄という選択もしなければなりません。
宮内庁図書館では、予防的措置として、酸性紙の資料を中性紙箱で保管したり、通気性のあるビニール製ブックカバーを導入し、資料の劣化を防いでいます。それでも傷んでしまった場合、永久保存する資料は外部に再製本を発注する等しかありませんが、重要度がやや低い資料は、簡易補修を行います。私は、今回の実習を受講して、自ら簡易補修が行えるようになりました。

簡易補修中
この研修において、私は、利用者に資料へのアクセスを保証することは図書館の使命であり、図書館員は最善の資料保存のあり方を模索する義務があるということを強く感じました。技術の進歩に伴い、新しい資料保存方法や素材が次々と出てくるなか、他機関と情報交換も行いながら、利用者が必要とする資料を利用可能な状態に維持するため、常に最善な資料保存のあり方を考えていきたいと思います。
(支部宮内庁図書館)
国立国会図書館の資料保存について紹介しています。 http://www.ndl.go.jp/jp/aboutus/data_preservation.html
