びぶろす-Biblos
電子化51号(2011年2月)
- 発行:国立国会図書館総務部
(National Diet Library) - ISSN:1344-8412

5.第96回全国図書館大会(奈良大会)に参加して
橋本 吉弘
平成22年9月16日より17日の2日間にかけて開催された、全国図書館大会奈良大会に参加させて頂きました。日頃より図書館に勤務している関係で、時折は他省庁との意見交換程度の交流はあるのですが、県や市が運営する図書館などとは全くと言っていい程接する機会もないため、この大会を通じて様々な図書館の特徴や取り組み、抱えている問題点などを知ることができればという思いと、私自身、奈良県に行く事が初めてという事で期待の面持ちで今大会に臨ませて頂きました。
最初の会場である「なら100年会館」にて、開会式などの全体会が開催されました。その中の基調講演にて、私もとても関心がありました官製ワーキングプアの講話がありました。全国的にも非正規雇用の図書館勤務者は約6割という状況にも関わらず、生活保護水準以下の賃金で働いている労働者がいるというのは、図書館が官製プアの温床とならぬように改善していかなければならない喫緊の課題ではないのかと感じました。
2日目は、公共図書館に関する分科会に参加させて頂きました。ここでは市民と図書館との関係に関する今後の課題や目標についての講演でした。その中で、図書館にて行っている独自の取り組みとして一例を教えて頂いたのですが、私が想像していた以上に一般利用者との関わりが多く、様々な工夫を凝らしている様子がよく分かりました。室内のレイアウトはもちろんの事、学生が多く利用する参考書は特設コーナーを設けたり、「仕事の合間に資格を取ろう」と銘打った、様々な資格取得に役立つ図書を並べるという様に実に多様でした。
そうした各図書館の状況に応じた独自の工夫が功を奏し、図書館の利用者が増えたというお話を聞き、利用者の方々との繋がりが深まっていく様子が想像でき、現在の当館における状況と照らし合わせるいい機会となりました。
平成22年は、著作権法の改正、過疎地域自立促進特別措置法に図書館が明記されるなど様々な動きがあった年になりました。これに乗じて、図書の電子化や障害者の方に対するサービスの拡大が出来たり、過疎債を利用して市長村に新たな図書館に設置するなど、これからの図書館は、今まで以上に様々な可能性を秘めているのではないかと思います。
また、私は図書館において、利用者との繋がりは一番重みを置くべき所だと思っています。利用者一人一人の要望は異なりますし、応えていく上で避けられない問題点は必然的に発生します。しかし、それを解消するための方法を思案したり、実行に移すための障害を取り除くという行為は、大小様々でありますが大変な労力を要すると思います。それは全ての図書館が抱えているものですが、内容は一概に一括りにできるものでもなく、周囲の状況などによって実に多様化します。私の勤務する図書館でも同様に、様々な要望や意見が飛び交っています。それに答える上で行き詰まりそうな時に、他の図書館が行っているサービスなどはとても参考となり、今後よりよい打開策を打ち出す事が出来るのではないかと感じ、非常に有意義な大会となりました。
最後に、今大会の運営に尽力されました関係者皆様方に、厚く御礼申し上げます。

(全国図書館大会(奈良)会場)
(支部林野庁図書館)
