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びぶろす-Biblos

電子化49号(2010年8月)

  • 発行:国立国会図書館総務部
    (National Diet Library)
  • ISSN:1344-8412


1.京都府図書館総合目録ネットワーク−分散型と集中型を統合した書誌・所蔵データベースの紹介−

是住久美子

1.はじめに

 京都府図書館総合目録ネットワーク(K-Libnet)は、府内の公共図書館・読書施設等の所蔵データを一箇所に集めることにより図書館間の相互貸借業務を迅速化するとともに、Web上にも公開し、利用者に広く蔵書を活用してもらえる環境を提供することを目的に平成13年6月に運用を開始しました。

 運用開始当初は、データ提供館8館、検索館(データ未提供の参加館)10館の計18館からスタートし、現在はデータ提供館59館、検索館8館の計67館、京都府内全26市町村が参加しています。

2.分散型と集中型を統合した総合目録

 K-Libnetスタート時は、市町村立図書館等の財政的な負担やWebOPACの公開状況等を考慮し、各図書館からデータをあらかじめセンターに送ってもらい、そのサーバに対して検索をかける集中型総合目録を採用していましたが、平成17年10月のシステムリプレイスにより、集中型総合目録と各図書館で公開されているWebOPACに対し横断検索をかけていく分散型総合目録との併用型となりました。現在、データ提供館59館のうち38館が横断検索館となっています。横断検索館へは、書誌の同定処理を行うことができる「京都府総合目録横断検索プロトコル」の実装を推奨しています。「京都府総合目録横断検索プロトコル」によらずにHTML解析による横断検索を行うことも可能ですが、この場合は書誌が割れて表示されてしまうため、横断検索館への移行を希望する図書館へは各図書館のシステムリプレイス時に仕様として入れていただくなど採用をお願いしています。


京都府図書館総合目録ネットワーク検索システム概念図


 K-LibnetではISBNによる書誌の同定処理を行っており、同定後は基本書誌に紐付く形で分散型・集中型の区別無く所蔵館名が表示されます。K-Libnetにおいて図書の貸出を希望する場合、相手館を特定して1館に対して依頼をかけるのではなく、書誌に対して依頼をかけると所蔵館の中からK-Libnetが相互貸借の物流を担う連絡協力車の運行スケジュールと貸出実績に応じて自動で優先順位を計算し、優先順位の高い所蔵館から順番に依頼をかけていきます。貸出実績では、貸出負担を分散させるため、貸出冊数の少ない館ほど優先順位が上位にくるよう計算されます。

 依頼を受ける所蔵館は、貸出了承、予約了承、貸出不可の回答のいずれかを選択します。貸出了承回答を得られるまで優先順位にしたがって所蔵館への借受要求が繰り返されます。京都府立図書館に所蔵がある場合は必ず優先順位が1番になり、館外貸出を実施していない京都府立総合資料館は最下位になるようにしています。優先順位は手動で変更することもできます。

 集中型での参加と横断検索による参加はそれぞれメリットとデメリットがあります。集中型での参加は、データ抽出・更新データの送信等にかかる経費、手間がありますが、総合目録へ提供するデータの選別が行え、また自館の所蔵情報(資料コード・請求記号)もサーバにあり利用できるため、どの資料に対して借受要求が来たか分かりやすく、また貸出・返却時に自館の資料コード(バーコード)を用いて複数の資料を一度に処理することができます。

 一方、横断検索による参加はデータ抽出・更新データの送信等にかかる経費、手間がなく、リアルタイムの所蔵状況を提供できますが、専用のプログラムを自館サーバに実装する必要があり、他館からの借受要求が書誌単位で届くため、自館のどの資料を貸出するのか、自館システムで検索し直す必要があります。貸出・返却時には、資料に挟み込む貸出・返却票に印字された相互貸借管理番号(バーコード)を用いて一括処理を行うことができます。

 このようなメリット・デメリットがあるため、WebOPACを公開していても集中型での参加を継続する図書館もあります。

3.物流システム

 相互貸借の物流を担う府立図書館の連絡協力車は、昭和59年に南部2コース月1回の試験運行から始まり、現在では2台の連絡協力車により5コースで全市町村へ週1回運行しています。連絡協力車では、府立図書館と市町村立図書館・読書施設間の相互貸借資料だけではなく、市町村立図書館・読書施設間の相互貸借資料や文書等も運んでいます。月に1度は職員が同乗し、情報交換・運営相談等に当たっています。また、平成21年11月からは京都府精華町にある国立国会図書館関西館への巡回を開始し、関西館所蔵資料の協力貸出・返却に利用できるようになりました。

 このように府内の相互貸借はK-Libnetと物流システムが一体となって成り立っています。連絡協力車による相互貸借冊数は年々上昇を続け、市町村立図書館間の相互貸借も活発に行われています。


連絡協力車による年間相互貸借冊数

4.その他の機能

K-Libnetでは、府内の図書館・読書施設等が所蔵する雑誌や新聞の情報をまとめた「雑誌新聞総合目録」も公開しています。雑誌新聞総合目録は横断検索ではなく、年に一度、各館の雑誌・新聞の所蔵状況を調査し、府立図書館においてサーバに登録を行っています。図書と同様に相互貸借機能が搭載されています。

 K-Libnetには他に以下のような機能があります。

  • メッセージ機能
    • 相互貸借に関わる重要なメッセージは自動で送信されトップページにメッセージとして表示されます。参加館どうしが連絡事項の伝達などで自由にメッセージの送受信を行うことも可能です。
  • ウォンテッド機能
    • 検索館等に対し、資料の所蔵を問い合わせる機能です。K-Libnet運用開始当初はデータ提供館が少なかったため活用されていましたが、府内の全公共図書館がデータ提供館となった現在は、徐々に役割を終えつつあります。
  • レファレンス機能
    • 参加館で受けたレファレンスについて自館で解決できなかった場合は、レファレンスページに登録し、他館からの回答を受けることができます。府立図書館が主に回答を行いますが、他の参加館が自由に回答することもできます。
  • リクエスト機能
    • 市町村立図書館等が府立図書館に対して図書の購入をリクエストすることができる機能です。リクエストの対象となるのは、[1]高額図書、[2]直販・自費出版等で、通常の書店ルートでは購入できない図書、[3]K-Libnetのデータベースにあっても、出版後1年以内等で相互貸借が不成立と見込まれるもの等です。購入した資料はリクエストを依頼した図書館へ直接貸出機能を用いて貸出されます。
  • その他の機能
    • 統計・管理機能や、府立図書館が実施している学校向けセット貸出の情報を表示するページがあります。

5.おわりに

 京都府内の相互協力は、昭和51年に発足した府内の市町村立図書館等が加盟する京都府図書館等連絡協議会において「相互協力に関する指針」や「相互貸借実施要領」などを定め、相互貸借が加盟館共通のルールに従って行われるよう協議を重ねて作り上げてきました。K-Libnetはこれらの礎の上に成り立っているしくみです。京都府の相互貸借の歴史の中でK−Libnet導入ほど劇的な変化はなかったと思いますが、それも含め、相互貸借は30年余りかけて進化してきたものです。

 K-Libnetは公共図書館の総合目録ネットワークとして発展してきたわけですが、今後は大学図書館や他のデータベースなど館種や地域を超えた連携を見据えていくことも必要であると考えています。今後も多くの機関と協力して、よりよい仕組みへと発展させて行きたいと思います。

(京都府立図書館)


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