びぶろす-Biblos
電子化48号(2010年5月)
- 発行:国立国会図書館総務部
(National Diet Library) - ISSN:1344-8412

4. 平成21年度の納本制度審議会について
納本制度審議会は、国立国会図書館法に規定する納本制度の改善及びその適正な運用に資するため、平成11年4月に設置された国立国会図書館長の諮問機関である。その平成21年度における活動について報告する。
まず、平成21年7月23日の第16回納本制度審議会において、長尾真館長からオンライン出版物の収集について問題提起がなされ、収集の意義や電子情報の提供・保存等をめぐって懇談が行われた。
続いて平成21年10月13日の第17回納本制度審議会では、長尾館長から中山信弘会長に対して「国立国会図書館法第25条に規定する者(私人)がインターネット等により利用可能とした情報のうち、同法第24条第1項に掲げられた図書、逐次刊行物等に相当する情報を収集するための制度の在り方について」の諮問がなされた。これは、政府機関等が公衆に利用可能としたインターネット資料の収集(平成22年4月開始)に続き、私人が提供するネットワーク系電子出版物のうち、編集過程を経てインターネット等で利用可能とされた情報を他の情報と区別して包括的に収集する制度を設けることの適否等について尋ねるものである。審議会は、諮問にかかる専門事項を調査審議するため、「オンライン資料の収集に関する小委員会」(以下「小委員会」)を設置した。
小委員会は、平成21年11月から平成22年2月にかけて3回の調査審議を行い、「オンライン資料の収集に関する中間報告」(以下「中間報告」)を取りまとめた。
平成22年3月16日、第18回納本制度審議会において、小委員会から中間報告が説明され、質疑の後、ほぼ原案どおりに了承された。
今後、審議会は、今回の小委員会の報告を基に諮問に対する答申を行うことを予定している。
審議会に関する情報は、国立国会図書館ホームページ(http://www.ndl.go.jp/)>納本制度>納本制度審議会(http://www.ndl.go.jp/jp/aboutus/deposit_council_book.html)に掲載している。
「オンライン資料の収集に関する中間報告」の骨子
1 国立国会図書館法第25条に規定する者(私人)によるオンライン出版物を他の情報と区別して収集する制度を設ける。
2 中間報告の要点は以下のとおり
(1)オンライン出版物の意味
インターネット等により利用可能となっている情報で、図書、逐次刊行物に相当する情報とする。ウェブ情報(図書、逐次刊行物に相当しない情報)、放送番組、動画、音楽配信は含まない。
(2)収集の対象となるオンライン出版物
オンラインのみで出版されたものに限定はせず、有償・無償は問わない。また、データベースの個々のコンテンツそのものは対象となるが、データベースシステムそのものは対象とはならない。日本国内で発行されたものであり、内容による収集対象の限定は行わない。
収集にあたっては典型的な例によるガイドラインを示す。
(3)収集方法
オンライン出版物の収集においては、情報の発信主体による送信を主として行い、技術的に可能な場合には、自動収集による収集を行う。
(4)義務を負う者
オンライン出版物の収集において義務を負う者は、当該オンライン出版物をインターネット等により、広く公衆に利用可能とした者とする。
(5)フォーマット
文化財として収集蓄積したオンライン資料(国立国会図書館が図書館資料として取り扱う「オンライン出版物」の意)は、現在の利用だけでなく、将来の利用も見越した長期保存対応を考える必要がある。
(6)利用にあたっての想定
基本的に有体物の図書館資料と同等の利用提供を行うことを想定する。
(7)著作権の問題
私人によるオンライン資料を記録媒体に記録する場合には、法律に基づく複製権の制限が必要である。
(8)損失補償
納入に通常要するべき費用に相当するものとして、送信による収集が行われる場合にはその手続き費用を考慮する。
(9)義務履行確保
現段階では、罰則規定を設けないことが妥当である。
3 制度化する場合の留意事項等
文化財の保存と蓄積に係る国立国会図書館の業務として、オンライン資料の収集については、制約ある資源のなかであっても、段階的にかつ着実に取り組む必要がある。
(納本制度審議会事務局(国立国会図書館収集書誌部))
