びぶろす-Biblos
電子化48号(2010年5月)
- 発行:国立国会図書館総務部
(National Diet Library) - ISSN:1344-8412

3. 法律図書館連絡会第52回総会の報告
岩田 陽子
法律図書館連絡会とは
法律図書館連絡会は、会員館相互の連携を図り法律分野の図書館技術の向上に役立て法律図書館としての機能の充実発展を図ることを目的に活動を行っている団体である。69館の加盟館のほか20人の賛助員を擁している(平成21年末現在)。国立国会図書館は常任幹事館となっている。
幹事館代表者による幹事会を年に数回ずつ開催するとともに、定例研究会運営委員会を中心に法情報に関するレファレンス等に関する研修も行っている。会員館の代表者が一同に集う総会を年に1回開催している。
国立国会図書館と法律図書館連絡会の関係
国立国会図書館の議会官庁資料課長が法律図書館連絡会の常任幹事を務めている。
また同課課長補佐が代々法律図書館連絡会の唯一の刊行物である「法図連通信」を編集する法図連通信等編集委員会委員長を務めている。今回私は総会の中で行われた法図連通信等編集委員会を含む各種委員会の報告を行うために総会に出席した次第である。
第52回総会の概要
最初に等雄一郎議会官庁資料課長と開催館である明治大学の図書館長である吉田正彦教授により、総会開催の挨拶が行われた。その後、成城大学法学部の指宿信教授により「図書館の力、ライブラリアンの力」という演題で記念講演が行われた。
記念講演では、日米の図書館の評価方法のあり方に関する比較について言及がなされた。日本では統計・数量の面から評価がなされがちであるのに対して、アメリカでは図書館の使命に対する到達度と利用者からの評価がより重視される旨の説明があった。また、アメリカでは、インターネットを活用することで、より充実した図書館サービスが展開され、図書館サービスが単なる資料検索提供にとどまらず、利用者への情報マネージメントの役割を果たすようになっている状況が紹介されていた。
午後は幹事会の1年間の活動報告、会計・監査報告が行われた。その後三つの委員会(法図連通信等編集委員会・定例研究会運営委員会・ビデオ制作委員会)の活動報告が行われた。最初に私が法図連通信等編集委員会の活動報告を行った。昨年の法図連総会のあと、委員会のメンバーが集まっての活動はできなかったが、メール等で連絡を行い法図連通信の編集を行った。法図連通信第41号には、議会官庁資料課の課内研修の一環として行ってきた外部図書館の見学と、法図連で行った法図連加盟図書館の見学を併せて特集記事として図書館見学記を掲載することができた。
三委員会の活動報告の後は、幾つかの総会の協議事項につき決定手続が滞りなく行われた。
総会と同時開催で行われた中級講座は二部構成で行われ、第一部では、元法務図書館勤務の高山京子氏から「法務図書館所蔵の戦前戦後における未整理図書の整理作業を終えて」というテーマでお話を伺った。当該未整理図書は、第二次大戦前後の資料であり、大きな法案の草案類も含む貴重な資料群であるが、その史料的価値について、占領期の法制史を専門とする出口雄一桐蔭横浜大学准教授による解説が行われた。高山氏が整理作業の苦労話をしながら幾度か涙ぐまれる様子が印象的であった。
第二部では、一部と打って変わって「日本法情報データベース各社の違いについて:各提供会社による違い」というテーマで(1)第一法規、(2)レクシスネクシス・ジャパン、(3)LIC、(4)TKC、(5)ウエストロージャパンのプレゼンテーションが順次行われた。
各社のプレゼンテーションのあとの質疑応答では、通常のデモンストレーションでは聞くことができないような話を聞くことができた。
例えば、各社が独自に収集している判例の状況に関する質問への回答においては、雑誌や判例集に収録されなかった判例であっても、各社が独自に収集する場合がある、との回答があった。
総会に出席して
二回目の法図連総会の出席であったが、昨年の関西での開催のときとは参加者も異なり、多くのライブラリアンと話をすることができた実りのあるものであった。
他方、法律図書館連絡会の設立の趣旨が、戦後の資料の乏しいなかで、お互いに資料の貸し借りを行い、相互協力するためであったことに鑑みると、加盟館の蔵書状況等の変化や電子情報の普及等、当時とは様相が大きく変わってきており、法律図書館連絡会が図書館界の中で果たすべき役割、またその中で当館が幹事館としてどのような形で貢献するべきか、という点を再検討する時期にきているように思われる。このような点につき、同連絡会の関係者と意見交換しながら活動を進めていきたいと考えている。
(国立国会図書館調査及び立法考査局行政法務課
本稿は、筆者が同局議会官庁資料課在職中に執筆したものである。)
