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トップ > 刊行物 > びぶろす > 平成21年夏号(電子化45号)

びぶろす-Biblos

平成21年夏号(電子化45号)

  • 発行:国立国会図書館総務部
    (National Diet Library)
  • ISSN:1344-8412


3. 経済産業省図書館の「歩む道」

小林 孝夫

1. 着実な歩み

 季節は、夏を迎え、当館から見渡す日比谷公園の緑が一際眩しい。
 窓を開けると、爽やかな風とともに、眼下の国会通りを頻繁に往来する車の喧騒が、伝わってくる。
 当館は、大正14年5月、商工省・官房文書課に図書係が置かれて、その歴史が始まる。爾来、戦時中は軍需省、終戦とともに再び商工省の所管となり、昭和24年5月、通商産業省の発足とともに、通商産業省図書館として新たにスタートしている。
 その後、平成13年4月、中央省庁等の再編に伴い、経済産業省図書館となり、今日に至っている。凡そ80年を超える歴史の中、多くの先輩が、その時代その時代において、産業、経済、鉱工業に関する図書資料の収集、維持管理に努めてこられた。
 『本邦鉱業の趨勢』(明治39年創刊〜)、『工業統計表』(明治42年創刊〜)をはじめとする統計書は、ほぼ完全な形で整備されており、当館の所謂「特別コレクション」に位置付けられている。

2. 支部図書館として、果たすべき役割

 当館と国立国会図書館(「NDL」)との繋がりは、昭和23年8月に「支部図書館制度」が創設され、支部商工省図書館が発足した時代に遡る。戦後3年、まだまだ混乱が残る時代背景の中、立法、行政、司法の三権にまたがる制度の創設は、調整に携わった方々の多くのご労苦の賜であると拝察する。
  この制度は、米国議会図書館のクラップ副館長、米国図書館協会のブラウン東洋部委員長両氏の助言と勧告によるところが大きいと伺った。また、NDLの『支部図書館要覧』によれば、こうした勧告に基づき誕生した支部図書館制度は、「世界に例のない官庁図書館のネットワーク組織」であるとされる。
 国内の政府機関が相互に、図書・資料を利用出来る画期的な制度の誕生は、長い年月を経た今日、多くの職員が、「相互貸借の恩恵」に浴している。ただ、残念ながら、昨年9月に実施した、「ニーズ調査」のアンケート結果によれば、当省職員の認知度は、未だ低い。
 例えば、「支部図書館を経由して、NDLの利用サービスを受けたことがあるか。」との問いに、「ある。」と答えたのは、わずか14.3%に過ぎない結果に直面している。まさに、我々が、その利用の周知を図っていくことが必要不可欠であるという現実を突きつけられた。
 当館としても、NDLと各支部図書館との密接な連携、協力に配意しつつ、省内に、支部図書館の有用性を幅広く知らしめていくことが、与えられた任務であると認識している。

3. 業務改革への取組み

 当館は、数年来、省内の「業務改革」の嵐の中にある。「新しい図書館の在り方」を検討するため、基礎的なデータの収集に努めるとともに、課題に熱心に取り組んでおられる近隣の支部図書館を訪ね、実状を具に見学させていただいた。
 また、当面の検討課題と中長期的な検討課題を各々整理し、「魅力ある図書館づくり」に取り組んでいる。

(1) 「図書館の認知度の向上」及び「利用者の拡大」に向けて
省内イントラを活用して、積極的に「図書館便り」を発信
→必要な文献・資料の提供に配意
(2) 利用者の声の収集に努め、サービスの向上策を追求
閲覧室に、特設コーナーを設置し、タイムリーなテーマに沿った著作物、初学者向けの法律・経済入門書を一定期間備え付け
→政策立案を支援するインフラとして、業務遂行に貢献
(3) 業務に必要な図書の速やかな購入、さらなる図書館サービスの充実策を模索
より付加価値の高いレファレンスサービスの提供に注力
→利用者の視点に立った広範なサービスの実現
4. 新たな試み

 当館は、経済産業省・別館10Fの省内最果ての地にある。本フロアーには、(独)産業技術総合研究所(東京本部)が同居するとともに、各省庁共用会議室が数多く置かれ、終日、他省庁職員の方々が、廊下を往来される。
 本年1月、当別館1Fロビーに、未来型農業生産システム「植物工場」が設置され、二階経済産業大臣と石破農林水産大臣がデモンストレーションに出席された。
 当省の地域活性化戦略の一環として、農林水産省との連携のもと、農業の高度化を産業技術面から支援する「農商工連携」プロジェクトの一つとして立ち上げられたものである。
 当館では、図書館レベルでも協力の一端を担いたいとの思いから、「農商工連携に関わる蔵書リスト」を作成し、省内職員への周知を図った。また、農林水産省図書館のご協力を得て、双方で蔵書リストを交換し、両省職員に紹介する試みを実現しようとしている。相互貸借を進めることによって、当該プロジェクトの関心を高めようとするものである。


経済産業省図書館のカウンター
(経済産業省図書館のカウンター)

5. 夏の夜の「夢」

 かつて、JETRO・海外研修生として、カリフォルニア大学(リバーサイド校)に留学の折り、大学図書館に足繁く通った想い出がある。同図書館のライブラリアンであった、ホームステイ先のご主人から、図書館が社会に果たす役割の大きさを熱心に説かれた記憶が、今でも鮮明に残っている。
 私自身、当館の有能なスタッフ(職員、司書及び非常勤職員の皆さん)の強力なバックアップを得て、省内職員に資する利便性の高い、役に立つ図書館づくりに、引き続き取り組んでいきたいという思いがある。また、閲覧室(書架)の一角に、小鳥のさえずりをBGMに、図書に囲まれながらリラックスできる癒しの空間が作れないか、密かに思いを巡らせている。


筆者
(筆者)

(経済産業省図書館長)

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