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トップ > 刊行物 > びぶろす > 平成21年夏号(電子化45号)

びぶろす-Biblos

平成21年夏号(電子化45号)

  • 発行:国立国会図書館総務部
    (National Diet Library)
  • ISSN:1344-8412


1. ドイツ政府機関図書館の連携協力

マリア・ゲッカーリッツ氏1(ドイツ・チューリンゲン州教育文化省図書館長)

はじめに

 今年2009年はベルリンの壁崩壊20周年にあたります。東西ドイツの統合は、行政の歴史の中で先例のない変化の始まりでした。
 ドイツは連邦制をとっており、現在、16の連邦州(Land)があります。各州はそれぞれ立法、行政、司法の機能をもっており、教育や文化については州独自の政策をとっています。
 私は1991年1月からチューリンゲン州の政府で働き始め、新しい地方議会および地方政府がどのようにして成長していくかを実際に経験することができました。

政府機関図書館のネットワーク

 ドイツの政府機関図書館は、連邦および州の議会図書館、州政府図書館、連邦政府の地域図書館、連邦の機関の図書館のほか、公的な機関として商工会議所図書館や教会図書館なども含めて2、現在約1,300館です。州の政府機関図書館の運営はそれぞれの州に任されており、資金も州から得ています。政府機関図書館は、予算削減等で厳しい状況に置かれ、資料の購入等で他の図書館と協力していく必要に迫られています3
 ドイツ国内の政府機関図書館の協力団体として、ドイツ議会・政府機関図書館協会4(APBB)があります。ドイツ図書館協会を前身として1955年に設立され(1957年に現在の名称に変更)、現在は640館が加盟しており、継続教育を中心に活動しています。APBBは、2004年に「ライプツィヒ覚書」5を公表し、電子情報時代における政府機関図書館の役割および直面する課題について、信頼できる情報の提供、電子政府プログラムにおける役割、ネットワークの重要性などを提言しました。
 ドイツの特徴として、州の図書館協力団体が活発に活動していることが挙げられます。ニーダーザクセン州のハノーバー政府機関図書館協会6は、第二次世界大戦後の不安定な情勢の中で政府機関図書館を支援するため、1949年に設立されたもっとも歴史の長い団体です。現在は、加盟館で電子図書館を構築するほか、地域の公共・大学図書館等の協力組織や、ドイツの電子ジャーナルポータルEZB7に参加するなど、積極的に活動しています。
 私の所属するチューリンゲン州では、チューリンゲン政府機関図書館ワーキンググループ8(ThABB)があります。当初の加盟館は7館でしたが、現在は58館が加盟しています。ThABBのおもな事業は、総合目録の構築、図書館システムの統合のほか、予算削減を目的とした大学図書館との連携による電子ジャーナル等のコンソーシアム契約などです。また、図書館員の継続教育も重要視しています。

連邦行政機関のネットワーク

 連邦行政機関のイントラネットワークとして、内務省が運営するベルリン−ボン情報ネットワーク9(IVBB) があります。首都機能がボンからベルリンへ移転し、行政機関が約600km離れたボンとベルリンに分かれて存在することになって、信頼性の高いネットワークで情報をやりとりするため1994年に設立され、1999年の首都機能移転に伴い本格稼働しました。文書管理や各種データベースの提供のほか、テレビ会議などもこのネットワーク上で行われています。
 また、2004年には、IVBB上に政府機関図書館のポータルサイトが構築されました。内務省が運営しており、22の連邦行政機関図書館の目録(約280万冊収録)の横断検索やオンライン・データベースのほか、さまざまな図書館サービスを利用することができます10

これからの継続教育

 政府機関図書館は、限られた予算と人員で、従来の印刷物と新たな電子メディアの融合したハイブリッド図書館へと変わらなければなりません。このためにまず必要なのは、現在の職員への投資です。APBBでは継続教育に積極的に取り組み、さまざまな教育コースを設けていますが、このような比較的小規模の団体が個々のニーズに応じた教育を行うためには、関係団体との協力が不可欠です。例えば、法律図書館協会、専門図書館協会、博物館・教会図書館協会などとの連携が考えられます。また、ウェブサイトを有効活用して、継続教育の情報を提供していく必要があります。

将来へむけて

 政府機関図書館およびその職員の役割は、これから大きく変わっていくと思います。すべての政府機関図書館員は、効果的なコミュニケーションを学ばなければなりません。効率よく活動し、あふれる情報の中から必要な情報を選んで提供するという困難な課題を実現するために、他機関との協力とネットワークはとても重要なものです。
 最後に、ある無名の方の言葉を紹介します。
 「あなたが変化を作り出さなければ、変化があなたを作り出すであろう(If you don't create change, change will create you!)」
 ドイツの政府図書館は、変化を恐れてはいません。

(これは、平成21年3月25日に行われた平成20年度第2回中央館・支部図書館協議会におけるゲッカーリッツ氏の特別報告を要約したものである。)


                         

1 氏は、ドイツ議会・政府機関図書館協会の国際協力担当、IFLA政府機関図書館分科会常任委員でもある。

2 ドイツでは、商工会議所および教会は公法上の団体として認定されている。

3 ネットワークの課題については、IFLA Professional Reports, No. 106, “Guidelines for Libraries of Government Departments”(2008) の12章を参照。

4 Arbeitsgemeinschaft der Parlaments- und Behördenbibliotheken

5 Leipziger Memorandum. http://www.apbb.de/memorandum.php 英語版も掲載されている。

6 Arbeitsgemeinschaft Hannoverscher Behördenbibliotheken

7 Elektronische Zeitschriftenbibliothek 1997年にレーゲンスブルグ大学図書館が開発した、ドイツ国内の図書館および研究機関の契約する電子ジャーナルの総合目録。2003年から米国議会図書館も参加している。詳しくは次の文献を参照。米澤誠 動向レビュー:学術的ポータルをめぐる動向 『カレントアウェアネス』282(2004.12.)
http://current.ndl.go.jp/ca1542

8 Thüringer Arbeitskreis der Behördenbibliotheken

9 Informationsverbund Berlin Bonn (IVBB) 英語のサイトは
http://www.en.bmi.bund.de/nn_148276/Internet/Content/Themen/Informationsgesellschaft/
DatenundFakten/The__Berlin__Bonn__Information__Network__en.html

10 Der Beauftragen der Bundesregierung für Informationstechnik. Das Informations- und Bibliotheksportal im Intranet des Bundes.
http://www.cio.bund.de/DE/IT-Angebot/IT-Infrastrukturen/Bibliotheksportal/bibliotheksportal_node.html

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