• 利用案内
  • サービス概要
  • 東京本館
  • 関西館
  • 国際子ども図書館
  • アクセス
  • 複写サービス
  • 登録利用者制度
  • オンラインサービス
  • オンラインサービス一覧
  • 国会関連情報
  • 蔵書検索
  • 電子図書館
  • 調べ方案内
  • 電子展示会

トップ > 刊行物 > びぶろす > 平成21年秋号(電子化46号)

びぶろす-Biblos

平成21年秋号(電子化46号)

  • 発行:国立国会図書館総務部
    (National Diet Library)
  • ISSN:1344-8412


1. 女子栄養大学図書館の紹介

池内和恵

1. はじめに

 女子栄養大学図書館は、埼玉県坂戸市の坂戸キャンパスにあり、東京都豊島区の駒込キャンパスにある短期大学部図書館と香川栄養専門学校図書室の3館で学校法人香川栄養学園の図書館を構成しています。
 本学園は、昭和8年に医師である創設者香川昇三と綾が当時国民病であった脚気のほか、さまざまな病気の治療研究にあたっていましたが、栄養学により疾病を予防し人々の健康を守ることを決意し、現在の東京都立六義園近くの自宅に「家庭食養研究会」を創設し、発足しました。
 建学の精神は、「食により人間の健康の維持・改善を図る」ことにあり、本学図書館はその精神に基づき栄養学を中心に医学分野、食品学、衛生学、調理学、食文化や食育に関わる資料を収集し、研究者や学生による調査・研究、学習の場として活用されています。
 収集資料につきましては、2008年度より本学創設者の研究の基である「脚気」や「ビタミン」に関する資料についても、収集することになりました。

女子栄養大学図書館

女子栄養大学図書館

2. 施設・概要

 大学図書館は、坂戸キャンパスのほぼ中央に位置し、4階建の1階・中2階・2階部分に閲覧室と書架を配置しています。2階が図書館の入口となっており新着和洋雑誌室、閲覧室、グループ閲覧室、そして図書館資料を利用したレポート作成が可能な多目的閲覧室があります。このフロアーには、参考図書、授業用参考書、本学教員著書・卒業生著書等の資料があります。その他、新着雑誌、新着図書、学生選書、教員推薦図書コーナーを置き、脚気関連資料、ビタミン関連資料、レポート論文作成参考書のコーナーもこのフロアーに設置しています。また、所蔵資料・電子ジャーナル・データベース等の検索端末は、すべてのフロアーにありどこの階からも資料の検索ができるようになっています。中2階書庫は、逐次刊行物資料のフロアーとして、和・洋雑誌バックナンバー、他機関刊行紀要、新聞縮刷版、本学学生博士・修士・卒業研究論文があります。1階には、専門分野ならびに人文・社会科学分野の図書があり、利用者は自由に手にとって図書を見ることができます。図書館入口前にはブラウジングルームがあり、日刊新聞や出版情報などをおき、ソファーで利用者がくつろいだ時間を過ごせるようなスペースとなっています。ここでは、現在“韓国食文化の歴史”というテーマで本学所蔵資料の企画展示を行っています。このテーマに関する所蔵リストも作成し、館内にはコーナーを設置し、展示資料以外にも興味のある資料があれば利用できることを紹介しています。また、分子モデルをこのスペースにおき、学生の目にふれるようにしています。本学出版部刊行物の展示コーナーもあり、新刊をはじめ既刊の書籍も一覧できます。

女子栄養大学図書館 施設・概要

女子栄養大学図書館 施設・概要

女子栄養大学図書館 施設・概要

  • 施設設備: 1980(昭和55)年竣工。図書館・面積:約1,500m2
    閲覧席 209席。OPAC・検索用PC 17台。
  • 蔵 書 数 : 図書 約10万冊。雑誌 約2,000冊。視聴覚資料 約1,000点。
  • 入館者数: 年間約120,000人。
  • 貸出冊数: 年間約20,000冊。
  • 奉仕対象: 約3,000人(うち学生約2,000人)。

女子栄養大学図書館 施設・概要

3. 特長

(1)栄養と料理デジタルアーカイブス URL http://eiyotoryori.jp/
 本学創設者の香川昇三と綾は、昭和8年に「家庭食養研究会」を創設し、栄養学の普及と実践を開始しています。研究会の会員に配布した講義録や献立は謄写版にして会員に配布されましたが、この講義録がそもそもの始まりで、その後会員も増え、雑誌の体裁で昭和10年6月に雑誌「栄養と料理」と名づけ創刊号となりました。研究会の目的は食生活改善の普及にあったため、雑誌「栄養と料理」は当初希望者には無料頒布もしましたが、予約者が殺到し次号からは「弐拾銭」で販売することになりました。栄養学や料理法に関する一般向けの参考雑誌として、多くのかたがたに読み継がれ日々の生活の参考にされ、昭和20年に戦災による校舎焼失、1年間の休刊、昭和21年1・2月合併号復刊など戦争、戦後の混乱期にも刊行の趣旨は変わらず、今日まで刊行されてきました。 図書館では、「栄養と料理」の特に戦前から昭和30年代までの紙質劣化に対する保管策ならびに汚破損等利用による資料劣化の対策を検討する必要がありました。また「栄養と料理」の創刊から今日までの全体が栄養学史、食生活改善史、日本食物史といったさまざまな性格を有する文献であり、戦中・戦後の食文化史的遺産でもあることから、研究者はじめ広く社会に提供する方策を検討しておりました。その結果、創刊時から全文画像データとして全誌面をデジタル化し、インターネット公開することが最適との結論に達し、「栄養と料理デジタルアーカイブス構築事業」として取り組むことになりました。名称は、『栄養と料理デジタルアーカイブス』とし、創刊号(昭和10年)から第54巻(昭和末期)迄の52年間(昭和20年休刊)を対象とし、平成14年から19年までの6年間に10年前後ずつ順次インターネット公開をし、構築してまいりました。開発経費は、文部科学省の補助金による助成を充当し、データ構築を図りました。2008年度の訪問者数は190万人を超えております。なお、このデータベースは『デジタルアーカイブス白書2005』(※1)国内グッドWebサイト事例集[大学・研究機関]で紹介されました。

栄養と料理デジタルアーカイブス

栄養と料理デジタルアーカイブス

※1『デジタルアーカイブス白書2005』
 デジタルアーカイブ推進協議会(トランスアート発売)2005年

(2)女子栄養大学オープンコースウェア  URL http://ocw.eiyo.ac.jp/
 2007年度より大学の授業やその資料をインターネットに公開するWebサイトを開設しました。
 このサイトでは、講義概要や配布資料に加え、授業で使用したスライドやウェブサイトなどを公開しています。
 現在7講義(※2)の公開ではありますが、2008年度の訪問者数は60万人を超え、今後も最新の授業内容や資料を随時公開していく予定です。

女子栄養大学オープンコースウェア

※2 講義名:『栄養生理学』、『情報処理統計学実習』、『情報処理学実習』、『実践栄養学』4講義

(3)女子栄養大学図書館 西洋古版本所蔵目録
 栄養学の歴史的発展、また食の歴史的研究を行う研究者に応えるため17世紀から18世紀の基礎的一次資料の収集をめざし、1996(平成8)年より文部科学省「私立大学等研究設備整備費等補助金」の申請・採択により一点ずつ本学所蔵資料として蓄積を行ってきました。採択を受けた資料は順次2階ブラウジングルームに展示、紹介しています。この目録は、今までの成果32タイトルのコレクションについて撮影・編集等を図書館員が行い、2008年度に製作したものです。このコレクションの中から埼玉県大学・短期大学図書館協議会の事業の一つ「図書館と県民のつどい埼玉2008」(埼玉県図書館協会主催)の展示会に、本学のお宝(貴重書)として数点の展示を行いました。(※3)
 目録については、修正箇所もかなり目につくため、2008年度の採択資料を追加し、改訂版を製作する予定です。

西洋古版本所蔵目録

『料理辞典』初版 1723年 NOTT, John
(『料理辞典』初版 1723年 NOTT, John)

※3 本学図書館所蔵「食に関する西洋古版本コレクション」として展示資料は、以下の通りです。

  1. 『食養論』初版 1633年 HART, James
    【医師が執筆した食事と健康の関係を論じた最初の英語文献】
  2. ムノン(Menon)の18世紀フランス料理文献 4種
    『家庭料理』初版 1746年、『料理長の技術』初版 1749年
    『宮廷料理』初版 1755年、『料理と健康』初版 1758年
    【ムノンとは 18世紀フランス料理を代表する料理書の数々を執筆した人物】
  3. 『食用及び有毒キノコ事典』初版 1832年 ROQUES Joseph
    【1800年代フランス各地に生息していた「きのこ」の解説書】
  4. 『西洋古版本所蔵目録』2008年 制作:大学図書館

(4)学生図書委員会活動
 学生サービスの拡大・充実を図るため、また図書館の活性化を図るため2007年度より学生図書委員制度を構築し、活動を始めました。内容は学生選書ツアー、他機関施設見学ツアー、図書館報の作成等ですが、できることから活動することとし、現在学生参加はツアー2点となっています。
 授業日程が厳しい中、学生の参加が徐々にですが増加しており、参加した学生は、本を選ぶ楽しさ、選んだ本が図書館の蔵書になる喜び、また本を人に薦める快さなど感じていると思います。本を読みたい学生が大勢いて、その学生たちの読みたい気持ちをこの活動により後押しして、図書館の本が活用されることを願っています。

(5)提携図書館
 図書館は、財団法人味の素食の文化ライブラリー(東京都港区高輪)と2004年に互いに食に関する図書資料を蔵書として備えていることから相互協力の提携を、また独立行政法人国立女性教育会館女性教育情報センター(埼玉県比企郡嵐山町)とは2006年にそれぞれの館種の特色を生かし、資料提供サービス等の図書館サービスの連携を申し合わせています。

(6)市民への図書館利用
 大学図書館は、坂戸キャンパス周辺地域の坂戸市、鶴ヶ島市在住の市民を対象に、短期大学部図書館は、駒込キャンパス周辺の豊島区、北区、文京区在住の区民を対象に、調査・研究を目的とする希望者に学習の場を提供しています。図書館の利用は会員制で初会費・年間2,000円(更新会費1,000円)としています。なお、原則として学生・教職員の学習・教育・研究活動に支障のない範囲としています。

4. おわりに

 図書館には学園創立者香川昇三・綾記念展示室が併設され、学生はもちろん教職員さらには学外の方にも学園の創立の経緯、創立者の建学の精神を肌で触れ、目で見て直接学ぶことができるようになっています。また、本学で長く基本調理を中心に学生・生徒の指導にあたられ、多くの人材を育てられた故上田フサ先生の“学生が目で見て、実際に触って食具に親しめる場所を”というご遺志に添った「食具の小さなミュウジアム」を目指し、2003年より大学内に食具等の展示コーナーを設けています。これら遺品や資料、食器・食具等の整理、展示、企画について、図書館は事務的な部分を担っています。

 データベースや目録は、作成してそれで終わりということはなく、時間の流れにより蓄積されるものを、次にどのように構築していくかということを考えていく必要があります。
 それらを現状の図書館業務や予算等を考え合わせどのように実行していくかということが次への課題となります。
 前述「図書館と県民のつどい埼玉」の今年度の展示会にむけて、本学は本学所蔵“「食育」に関する資料”の展示を予定しています。「食育」は、2005年に食育基本法が制定され、「食」の重要さが認識され国を挙げてその取り組みが推進されています。改めて、本学園建学の精神は「食により人間の健康の維持・改善を図る」ことにあり、“食は生命なり”という創設者香川綾の言葉が今までも、今もそしてこれからも生き続けていくことを強く感じています。図書館として、特色ある所蔵資料のさらなる収集、利用、展示、情報発信等に務めなければならないと思っています。

(女子栄養大学図書館)

このページの先頭へ