視覚障害者等用データ送信サービス 送信承認館向け利用ガイド Ver.20240105 国立国会図書館 別紙1 【視覚障害者等用データの基礎知識】 本書では、国立国会図書館(以下「NDL」といいます。)の「視覚障害者等用データ送信サービス」(以下「本サービス」といいます。)で提供している主なデータについての基本的な予備知識を解説します。 なお、 本書で紹介するソフトウェアや機器は、送信承認館での利便性を考慮し、無償のものがある場合は優先して紹介しています。有償の製品については、一般的な普及度が高いと思われるものを中心に紹介していますが、紹介する製品等に関して、NDLが何らかの宣伝や権威付けを行うものではありません。 目次 A 音声DAISY(デイジー) B マルチメディアDAISY C テキストDAISY D 電子書籍(EPUB) E 音声付き電子書籍(EPUB) F 透明テキスト付PDF G WORD(DOCX) H プレーンテキスト I 点字データ A 音声DAISY(デイジー) まず使ってみたい方は下記の一覧からどうぞ。  ※ダウンロードにはログインが必要です。 音声DAISY一覧 https://mina.ndl.go.jp/types/daisyaudio?cs=mina-genre-types-daisyaudio&display=panel&f-filter=%2Bdefault&f-filter=download (ア) 音声DAISYとは ・「Digital Accessible Information SYstem」の略で、従来のカセットテープに代わるデジタル録音図書の国際標準フォーマットです。複数のバージョンがありますが、本サービスで提供するデータは基本的にバージョン2.02ですので、本書でも2.02を前提に記載します。 ・原本(墨字図書)の文字情報を肉声(稀に合成音声の場合も)で音に変換することで、耳(聴覚)による読書を可能にしたもので、見出しについては文字情報も収録されています。また、原本の章構成に基づいてデータが構造化されているため、章や節、任意のページを頭出しして読書することができます。図表の情報なども、音による説明に置き換えられています。(省略されている場合もあります。) (イ) データの形態 ・通常、図書館ではCD-ROM1枚に1タイトル(分量が多い場合は複数のCDに及ぶことも)が収録されたものが蔵書として管理され、利用者に貸出されています。 ・本サービスでダウンロードいただくDAISYのデータは、1書誌につき1つのZIPファイルとなっています。 ・1タイトル当たりのファイル容量は数十〜数百メガバイトになるため、ダウンロードには少々時間がかかります。 ・ZIPファイルを解凍すると、通常はフォルダ1個と「discinfo.html」というファイルの2つが現れます。フォルダの中には、mp3ファイル等の音声ファイルと、「ncc.html」等の各種設定ファイル等が格納されています。「discinfo.html」は、PCで再生する場合には必要ありませんが、専用のプレイヤーで再生する場合に必要なファイルです。 (ウ) 利用の方法 ・PCで再生する場合 専用のソフトウェアが必要です。 もっともよく使われているソフトウェアは「MyBook Neo」というソフトウェアですが、ここでは無償ソフトであるAMIS(https://www.dinf.ne.jp/doc/daisy/software/amis3_1_4.html)の使用例をお示しします。 @AMISを起動する。 Aファイル→開く で、ダウンロードしたZIPファイルを解凍して現れたフォルダに格納されている「ncc.html」を選択して開く。 ※AMISの通常モードで再生できない場合は、コンパティビリティモードをお試しください。 ・プレイヤーで再生する場合 音楽CDのプレイヤーのような、卓上のDAISY再生機が市販されています。 例:プレクストークPTN3(https://www.plextalk.com/jp/products/ptn3/) この形態の機器で再生するには、ダウンロードしたデータをCD又はSDカードに書き込む必要があります。 また、小型の携帯再生機も市販されています。 例:携帯型OCRマルチプレーヤー センスプレーヤー(https://www.extra.co.jp/sense/senseplayer.html) B マルチメディアDAISY まず使ってみたい方は下記の一覧からどうぞ。  ※ダウンロードにはログインが必要です。 マルチメディアDAISY一覧 https://mina.ndl.go.jp/types/daisyaudiotext?cs=mina-genre-types-daisyaudiotext&display=panel&f-filter=%2Bdefault&f-filter=download (ア) マルチメディアDAISYとは ・音声DAISYに含まれている情報に加えて、原本の本文のテキストデータを含んでいるデータ形 式です。また、原本の図や写真の画像データが含まれています。(含まれていないものもあります。) ・音声のみを聞く、読みやすい大きさに文字を拡大してみる、読み上げられている箇所をハイライト表示して音を聞きながら文字を追うなど、さまざまな利用方法があります。(文字拡大、ハイライトなどのできることは、再生ソフトにより異なります。)いろいろな利用方法があるため、発達障害・視覚障害など様々な障害のある方が利用することができます。ただ、他のデータに比べて製作に時間がかかります。 (イ)  データの形態 ・音声DAISYと同じです。 (ウ) 利用の方法  ・音声DAISYと同じです。 C テキストDAISY まず使ってみたい方は下記の一覧からどうぞ。  ※ダウンロードにはログインが必要です。 テキストDAISY一覧 https://mina.ndl.go.jp/types/daisytext?cs=mina-genre-types-daisytext&display=panel&f-filter=%2Bdefault&f-filter=download (ア) テキストDAISYとは ・音声は含まれておらず、原本の本文(全文)のテキストデータを含んでいるデータ形式で、電子書籍のようなイメージのものです。 ・原本の章構成に基づいてデータが構造化されているため、章や節、任意のページを頭出しして読書することができます。 ・文字の大きさ、色、フォント、背景色等を利用者が自由に変えることができるため、利用者の障害の状況に応じて利用することができます。 ・本文のデータは、読み上げソフト(合成音声)で音声に変えて利用することができます。 ・図表の情報は、省略されている場合もあります。 (イ) データの形態 ・本サービスでダウンロードいただくテキストDAISYのデータは、1書誌につき1つのZIPファイルとなっています。 ・ZIPファイルを解凍すると、フォルダ1個が現れます。フォルダの中には、テキストデータを含むxmlファイル等と、各種設定ファイル等が格納されています。これらのファイルは一体となって動作しますので、複製するときはフォルダごとコピーします。なお、ファイルを開く際に参照するのは、拡張子が.opfのファイルです。 (ウ) 利用の方法 ・PCや、スマートフォン、タブレット端末で再生する場合 専用のソフトウェアが必要です。音声DAISYの項で紹介したAMISでも再生(表示)はできますが、日本語の読み上げ機能がありませんので、読み上げ再生をするためにはスクリーンリーダーを併用する必要があります。 無償ソフトの例:NVDA(https://www.nvda.jp/)、ナレーター(Windows11標準ソフト)、VoiceOver(MacOS、iOS、iPadOS標準ソフト)、TalkBack(Android標準ソフト) 市販ソフトの例:PC-Talker(http://www.aok-net.com/screenreader/pctkakaku.html)、JAWS(http://www.extra.co.jp/jaws/) ・プレイヤーで再生する場合 テキストDAISYに対応した再生機が市販されています。音声DAISYの項で紹介した2機種は、いずれもテキストDAISYにも対応しています。 D 電子書籍(EPUB) まず使ってみたい方は下記の一覧からどうぞ。  ※ダウンロードにはログインが必要です。 電子書籍(EPUB)一覧 https://mina.ndl.go.jp/types/epubtext?cs=mina-genre-types-epubtext&display=panel&f-filter=%2Bdefault&f-filter=download (ア) EPUBとは ・「Electronic PUBlication」の略で、電子書籍のファイルフォーマットで、DAISYの後継規格に位置付けられています。 ・HTMLをベースとしており、多くの端末(パソコン、スマートフォン、タブレット端末、EPUBに対応したDAISY再生環境機器)で利用ができます。(一部の端末では、EPUB閲覧ソフトのインストールが必要です。) ・テキストDAISYと同様に、利用者の障害の状況に応じて利用することができます。 ・本サービスで提供するデータは基本的にバージョン3.01ですので、本書でも3.01を前提に記載します。 (イ) データの形態 ・本サービスでダウンロードいただくEPUBデータは、1書誌につき1つのepubファイル(拡張子が.epub)となっています。 ・テキストデータのほかに画像データ等も含まれる場合があります。 (ウ) 利用の方法 EPUB専用の閲覧ソフトを使用して読むことができます。閲覧する環境に応じた閲覧ソフトを入手して利用ください。 ・PCで音声として再生する場合 読み上げ再生するためにはスクリーンリーダーを導入する必要があります。 無償ソフトの例:NVDA(https://www.nvda.jp)、ナレーター(Windows11標準ソフト)、VoiceOver(MacOS、iOS、iPadOS標準ソフト)、TalkBack(Android標準ソフト) 市販ソフトの例: PC-Talker(http://www.aok-net.com/screenreader/pctkakaku.html)、JAWS(http://www.extra.co.jp/jaws/) E 音声付き電子書籍(EPUB) まず使ってみたい方は下記の一覧からどうぞ。 ※ダウンロードにはログインが必要です。 音声付き電子書籍(EPUB)一覧 https://mina.ndl.go.jp/types/epubaudiotext?cs=mina-genre-types-epubaudiotext&display=panel&f-filter=%2Bdefault&f-filter=download (ア) 音声付き電子書籍(EPUB)とは ・「Electronic PUBlication」の電子書籍(EPUB)に録音音声を加えたデータ形式です。音声以外の機能や使い方は電子書籍(EPUB)と同じです。 ・自動読み上げの音声で再生する音声なしの電子書籍と異なり、別途作成された音声で再生することができます。 (イ) データの形態 ・本サービスでダウンロードいただくEPUBデータは、1書誌につき1つのepubファイル(拡張子が.epub)となっています。 ・テキストデータのほかに画像データ等も含まれる場合があるほか、音声が含まれます。 (ウ) 利用の方法 EPUB専用の閲覧ソフトを使用して読むことができます。閲覧する環境に応じた閲覧ソフトを入手して利用ください。 F 透明テキスト付PDF まず使ってみたい方は下記の一覧からどうぞ。  ※ダウンロードにはログインが必要です。 透明テキスト付きPDF一覧 https://mina.ndl.go.jp/types/pdf?cs=mina-genre-types-pdf&display=panel&f-filter=%2Bdefault&f-filter=download  (ア) 透明テキスト付PDFとは ・PDFファイルの一種で、紙資料をスキャンしたデジタル化画像と、テキストデータを1つのファイルとしてまとめたファイル形式です。テキストは透明であるため、目に見えませんが、スクリーンリーダーでテキストを読み上げたり検索したりすることが可能です。 (イ) データの形態 ・一般的なPDFファイル(拡張子.pdf)と同じです。 ・本サービスでダウンロードいただくPDFデータは、1書誌につき1つのZIPファイルとなっています。 (ウ) 利用の方法 ・PCで再生(表示)する場合 AdobeReaderのほか、Google ChromeやFirefoxといったウェブブラウザでもファイルを開いて表示できます。 ・PCで音声として再生する場合 読み上げ再生するためにはスクリーンリーダーを導入する必要があります。 無償ソフトの例:NVDA(https://www.nvda.jp)、ナレーター(Windows11標準ソフト)、VoiceOver(MacOS、iOS、iPadOS標準ソフト)、TalkBack(Android標準ソフト) 市販ソフトの例:PC-Talker(http://www.aok-net.com/screenreader/pctkakaku.html)JAWS(http://www.extra.co.jp/jaws/) G WORD(DOCX) まず使ってみたい方はこちらをどうぞ。 ※ダウンロードにはログインが必要です。 Word(DOCX)一覧 https://mina.ndl.go.jp/types/word?cs=mina-genre-types-word&display=panel&f-filter=%2Bdefault&f-filter=download (ア) WORD(DOCX)とは ・マイクロソフト社がWindows、macOS等向けに提供している文書作成ソフトウェアであるMicrosoft Wordで利用できる形式のデータです。 (イ) データの形態 ・一般的なWordファイル(拡張子.docx)と同じです。 ・Microsoft OfficeのWord本サービスでダウンロードいただくDOCXデータは、1書誌につき1つのZIPファイルとなっています。 (ウ) 利用の方法 ・PCで再生(表示)する場合 一般的なテキストエディタ(Windowsの「メモ帳」等)で再生できます。 ・PCで音声として再生する場合 読み上げ再生するためにはスクリーンリーダーを導入する必要があります。 無償ソフトの例:NVDA(https://www.nvda.jp)、ナレーター(Windows11標準ソフト)、VoiceOver(MacOS、iOS、iPadOS標準ソフト)、TalkBack(Android標準ソフト) 市販ソフトの例:PC-Talker(http://www.aok-net.com/screenreader/pctkakaku.html)、JAWS(http://www.extra.co.jp/jaws/) H プレーンテキスト まず使ってみたい方は下記の一覧からどうぞ。 ※ダウンロードにはログインが必要です。 プレーンテキスト一覧 https://mina.ndl.go.jp/types/text?cs=mina-genre-types-text&display=panel&f-filter=%2Bdefault&f-filter=download (ア) プレーンテキストとは ・原本(墨字図書)に印字された文字情報を、OCRソフトや手入力によりテキストデータ化したものです。太字、斜体、アンダーライン、フォントサイズの大小等の一切の「装飾」やレイアウト上の工夫は基本的に省かれ、txtファイルで表現できる情報のみに簡素化されています。 ・読み上げソフトで読み上げることにより、視覚障害者等の方が利用することができます。 ・本サービスで提供するプレーンテキストには、「国立国会図書館デジタルコレクション」を通じて提供するデジタル化資料(画像データ)から、OCR(光学的文字認識)処理により作成した全文テキストデータを含みます。 (イ) データの形態 ・一般的なテキストファイル(拡張子.txt)と同じです。 ・文字コードはShift_JISやUTF-8など、データによって異なります。 ・本サービスでダウンロードいただくプレーンテキストデータは、1書誌につき1つのZIPファイルとなっています。 ・1書誌当たりのファイル容量は数十〜数百キロバイトと小さいため、ダウンロードに時間はかかりません。 ・ZIPファイルを解凍すると、1個〜10個程度のファイル(拡張子.txt)が現れます。(それらが1個のフォルダに格納されている場合もあります。)全てのファイルで原本1冊分に当たりますので、複製するときは必ず全てのファイル(フォルダに格納されている場合はフォルダごと)コピーします。 (ウ) 利用の方法 ・PCで再生(表示)する場合 一般的なテキストエディタ(Windowsの「メモ帳」等)で再生できます。 ・PCで音声として再生する場合 読み上げ再生するためにはスクリーンリーダーを導入する必要があります。 無償ソフトの例:NVDA(https://www.nvda.jp)、ナレーター(Windows11標準ソフト)、VoiceOver(MacOS、iOS、iPadOS標準ソフト)、TalkBack(Android標準ソフト) 市販ソフトの例:PC-Talker(http://www.aok-net.com/screenreader/pctkakaku.html)、JAWS(http://www.extra.co.jp/jaws/) I 点字データ まず使ってみたい方は下記の一覧からどうぞ。 ※ダウンロードにはログインが必要です。 点字データ一覧 https://mina.ndl.go.jp/types/braille?cs=mina-genre-types-braille&display=panel&f-filter=%2Bdefault&f-filter=download (ア) 点字データとは ・横2×縦3の6つの点で表されたブライユ (Braille) 式点字をデータ化したファイルで、点字図書を作る際の原稿ファイルとなるものです。(墨字図書に対するワープロファイルのようなものです。) ・漢字1字を1マスから3マスを使って、部首・つくりなどに対応した8つの点の組み合わせで表す。漢字を表す漢点字の形式もあります。 ・点字プリンタという専用の機器で点字を印刷することにより、点字図書を作成することができます。 (イ) データの形態 ・本サービスでダウンロードいただく点字データは、1タイトルにつき1つのZIPファイルとなっています。 ・1タイトル当たりのファイル容量は数十〜数百キロバイトと小さいため、ダウンロードに時間はかかりません。 ・ZIPファイルを解凍すると、1個〜10個程度のファイル(拡張子.BES又は.BMT)が現れます。(それらが1個のフォルダに格納されている場合もあります。)全てのファイルで原本1冊分に当たりますので、複製するときは必ず全てのファイル(フォルダに格納されている場合はフォルダごと)をコピーします。 ※一般に、点字図書にすると厚みが増すため、墨字図書のページ数にして数十ページから百数十ページごとに点字図書を分冊にして製作・管理することが多いため、このようにファイルが分かれています。 ・タイトルによって、点図データ(.edl .ebkなど)のファイルが含まれていることもあります。 点図データのファイルは、多くの場合、下記の「エーデル」というソフトで製作され、再生できます。 エーデルをはじめよう!(https://www.ntut-braille-net.org/EDEL-Web/index.html) (ウ) 利用の方法 ・点字ディスプレイで点字として読むことができます。 「点字ディスプレイ」は、点字データを点字に変換する(凸の有無で表現する)機器です。 例:日本ライトハウスの点字ディスプレイ紹介ページ (http://www.lighthouse.or.jp/iccb/shops/index_shops/index_items/braille/) PCに接続してPC内のデータを読み込んだり、SDカードにコピーしたデータを読み込んだりして使用します。 ガイド終わり