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書誌データの基本方針と書誌調整:What's 書誌調整?

第4回 主題アクセス(上)

What's 書誌調整?

 今回と次回では「主題アクセス」について考えてみたい。
 そこでまず、利用者は、どのようにして目録を利用し、資料へと到達するのか、少し思い描いてみよう。
 到達したい資料の書名や著者名があらかじめ判明している場合には、それらの名称から検索するであろう。特に著者名の場合、「典拠」と結びついた「著者標目」による検索が効果的であることについては、前回見たとおりだ。
 一方、求める資料があらかじめ特定されていない、というケースもあろう。書名も著者名もわからないけれど、あるいは、誰が書いたのかは特に問わないけれど、ある内容・テーマについての資料を調べたい、という場合だ。
 こうした資料の内容・テーマ、すなわち主題から検索することを、ここでは「主題アクセス」と呼ぼう。そして、この「主題アクセス」を可能にするものが「主題目録(主題標目)」であり、「分類」と「件名」というふたつの仕組みが存在する。
 「分類」とは、主題の同じものどうしを集め(すなわち分類し)、それらを記号化して表したものである。他方、「件名」とは、ある種のキーワードであり、主題をことば(ただし、コントロールされたもの)で表現したものである。具体例を次に示す。

<例1>
書名:牛海綿状脳症(BSE)講演会集録
件名:牛海綿状脳症
分類:649.5
<例2>
書名:「狂牛病」何が問題か!
件名:牛肉;食品衛生;牛海綿状脳症
分類:648.21

 「件名」「分類」には、それぞれいくつかの異なった体系が存在するが、ここでは、「件名」については当館作成の『国立国会図書館件名標目表』(NDLSH)、「分類」については日本で最も標準的な『日本十進分類法』(NDC)に依拠する。
 まずは「件名」から見てみよう。たとえば、いわゆる狂牛病という主題について調べたいとする。とりあえず、書名で検索してみる。すると、例2の本は検索できても、例1の本は検索から漏れてしまうはずだ。そこで、件名「牛海綿状脳症」で検索してみる。こうすれば、書名中のことばが狂牛病でも牛海綿状脳症でも、はたまた、それらいずれのことばも書名中に含まれていなくても、漏れなく検索することが可能になる。
 このように、「件名」とは、ことばを統制することによって主題を表現し、効率的な「主題アクセス」を可能にするものである。上の例でいえば、牛海綿状脳症/狂牛病/BSE/という同義語をひとつにまとめる、という統制を行っている。件名として選ばれなかったことばは「参照形」として、「件名」へ導く役割を果たす。「件名」におけるこうした統制の仕方、また、そのコントロールの「拠りどころ」として「典拠ファイル」が存在するといった手立ては、基本的に「著者標目」と同様である。
 そして、この「件名」や次回に触れる「分類」という主題ツールについて、国内レベルで(さらには、国際レベルで)共通のものを使用していけば、複数の図書館の目録へ効率的な「主題アクセス」が可能になるのだ。

(『国立国会図書館月報』2003.11 No.512)

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