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トップ > 国会図書館について > 書誌データの作成および提供 > 著者標目・名称典拠 > 個人名標目の選択・形式基準 (2011年6月以降)

書誌データ作成ツール:個人名・団体名標目の選択・形式基準

個人名標目の選択・形式基準 (2011年6月以降)

目次

1 個人名標目付与方針

1-1 対象範囲

 この基準は、『日本目録規則1987年版改訂3版』(以下「NCR87R3」)の「第23章 著者標目」および「第24章 件名標目」のうち個人名標目について、当館適用細則を敷衍するものである。
 標目付与の対象となる資料は、NCR87R3適用対象資料のうち次に示すものである。
 国内で刊行された図書(加除式資料を含む)、和古書、地図資料、録音・映像資料、電子資料および非図書資料、ならびに海外で刊行された日本語資料(逐次刊行物を除く)

1-2 標目形の根拠

 個人名標目は、個人を識別する観点から、生年、職業等の個人情報を付記事項として記録する。記録する個人情報は、以下から採取する。

  • (1)書誌作成対象資料
     書誌データ作成の対象となる当館所蔵資料。
  • (2) 参考図書類
     公刊された人名辞書等の参考図書。
  • (3) インターネット上の情報資源
     官公庁、他の国立図書館等が作成し提供する信頼性の高いデータベース。

採用の優先度は、(1)~(3)の順とする。以下、(1)~(3)をまとめて「書誌作成対象資料等」という。

1-3 標目訂正の基準

 標目訂正は単純な誤りのほか、次の場合に行う。

(1) 本人から申請があり、「国立国会図書館の書誌データに関する個人情報保護対策基準」に従って標目訂正する場合
(2) 優先して採用すべき文字種が判明した場合
(3) 読みが判明せず推量としていたが、異なる読みが書誌作成対象資料等から判明した場合
(4) 出版者に問い合わせて取得した読みと異なる読みが書誌作成対象資料等から判明した場合
(5) 韓国・朝鮮人名の母国語読みが書誌作成対象資料から判明した場合
(6) 書誌作成対象資料等から世系が判明した場合
(7) 書誌作成対象資料等から没年が判明した場合
(8) 同名異人の識別のため、職業・専攻等のみを付記事項としていたが、書誌作成対象資料等から生(没)年が判明した場合
(9) 同名異人の識別のため、暫定的付記事項*を採用していたが、書誌作成対象資料等から生(没)年又は職業・専攻等が判明した場合

*初出資料の出版年(月)を記録する。(3-4「付記事項」参照)

2 個人名標目の選択基準

2-1 対象

 個人名を対象とする。また、次の場合も個人名扱いとする。

(1) 個人名の形式を有する共同筆名やグループ名
  【例】  標目形:霧島//那智
〔若桜木虔、日向彩雲、瑞納美鳳、霧島永人の共同筆名〕
(2) 団体名の形式を有する個人名
  【例】  標目形:渡辺電機(株) 〔漫画家の筆名〕
2-2 著者標目とする個人名

 著作について責任を有すると判断した個人名を著者標目に選択する。具体的には、次の(1)~(7)の責任表示のうち、一つの責任表示に対して3番目までに含まれる個人名を著者標目とする。

(1) 本タイトルの責任表示
(2) 総合タイトルの表示がない資料で、個々の著作のタイトルが列記されている場合の、個々の著作の責任表示
(3) 特定の版又は付加的版にのみ関係する責任表示
(4) シリーズに関係する責任表示
(5) 各巻に関係する責任表示
(6) 形態的に2冊以上からなる場合の各冊の責任表示
(7) 和古書における内容細目の責任表示
(8) 注記した個人のうち、著作の内容について責任を有すると判断した個人名
2-3 著者標目としない個人名
(1) 2-2のうち一つの責任表示に記録されている4番目以降の個人名
(2) 責任表示中の架空の著者(動物、フィクションの登場人物、心霊等)
(3) 内容細目の責任表示(和古書を除く)
(4) 責任表示を除く記述中の個人名のうち、著作の内容に責任を有すると判断した個人以外
2-4 件名標目とする個人名

 個人伝記、特定個人に関する資料、個人の記念論文集については、その対象となっている主要な個人名を件名標目とする。その採用は最大3までとする。ただし、人名多数の場合は、個人名件名ではなく、普通件名を付与する。

3 個人名標目の形式基準

 例示に使用する記号の意味は次のとおりである。

  • 「△」は、スペースを表す。
  • 「//」は、欧文形外国人名を除く名称の、姓と名の区切りを表す。なおNDL-OPAC等、当館提供のオンライン検索目録では、「,」や「∥」と表示する。
  • 「,」は、読みの姓と名の区切り、又は欧文形外国人名の名称の姓と名の区切りを表す。
  • A ⇒ B
     Aが標目の対象となった名称(資料に表示された形等)で、Bはその標目形であることを表す。
  • A ← B
     Aが標目形であり、BがAの「を見よ」参照形であることを表す。
  • A ⇒ B
      ← C
      ← D
    CとDがBの「を見よ」参照形であることを表す。
  • A ⇔ B
     AとBが標目形であり、それぞれ「をも見よ」参照の関係であることを表す。
  • 〔 〕は、例示における説明・解説を表す。
  • 標目形に続く( )は、付記事項を表す。
  • 下線は注意すべき箇所を表す。

 なお、標目形のみを例示する場合は「標目形:」の導入句に続けて表す。また、例示について、付記事項、読み、「を見よ」参照形、「をも見よ」参照形のすべてを挙げている訳ではない。

3-1 個人名標目に係る文字の取り扱い

 使用する文字セットは、2002年4月から「JIS X 0208:1990」を採用している。ただし、そのうち実際に使用するのは「JIS C 6226-1978」(以下「JIS78」)の範囲内の文字としている。

(1)  漢字は、原則として所定の情報源に使用されている字体で記録するが、楷書以外の書体は楷書体に改める。また江戸期以前の日本人名の場合は旧字を新字にする等、字体の統一を行っている。
   
(2)  仮名はそのまま記録するが、変体仮名は平仮名に改める。
   
(3)  欧文形外国人名の大文字の使用法は、当該言語の慣行に従う。
   
(4)  欧文形外国人名で使用されるキリル文字・ギリシア文字は、ローマ字表記に翻字する。なお、翻字法は「ALA-LC Romanization Tables」に拠る。
  【例】 Цветаева, Марина. ⇒ TSvetaeva,Marina.
  【例】 Τριφιοδωροσ. ⇒ Triphiodoros.
   
(5)  中国簡化文字(簡体字)は、日本で使用される漢字に置き換える。中国簡化文字の置き換えは、「中国簡化文字表」(『大漢和辞典』修訂第2版(大修館書店 1989-1990)附録)、『中日辞典』第2版(小学館 2003)を基本ツールとする。
   
(6)  ハングルは、日本で使用される漢字に置き換える。漢字が容易に判明しない場合は、その発音の片仮名形に置き換える。
   
(7)  記号は、単なる区切りの記号と判断した場合は、記号を省いた形を標目形とするか、又は別途定める基準に従い置き換える。
  【例】 〔個人が記号を含めた名称を主張し、固定して使用する場合は、記号も含めた形を標目形とする〕
KABA.ちゃん ⇒ KABA.ちゃん
  【例】 〔イニシアルにつく記号はピリオドに統一する〕
ボワィヤン・S・米田 ⇒ ボワィヤン・S.米田
  【例】 〔姓と名で文字種が異なる場合は、その区切りの記号を省略する〕
バーバラ・寺岡 ⇒ バーバラ寺岡
   
(8)  再現不能の文字(JIS78の範囲外の文字*)は次のように記録する。
  a. 漢字は、意味上・字形上からJIS78内の漢字に置き換えても名称自体を損なうことがないと判断した場合は、その漢字に置き換える。置き換えができない場合は、JIS外字コードを別途設定し、それを文字の替わりに使用する(データに埋め込む)。
  b. 区別的発音符が付いたローマ字(拡張ラテン文字)は、JIS外字コードを別途設定し、それを文字の替わりに使用する(データに埋め込む)。
  c. 記号は、JIS78内に置き換えられる他の記号があれば置き換えるが、省略しても名称自体を損なうことがないと判断した場合は省略する。
  d. ローマ数字はアラビア数字に置き換える。

*JIS78の範囲外の文字については、JAPAN/MARCの標目形および参照形にJIS外字コードを埋め込んでいる。またNDL-OPAC等、当館提供のオンライン検索目録における標目形および参照形は、次のとおり表示する。

  • 漢字:基本的に「〓」で表示する。
  • 拡張ラテン文字:区別的発音符を取り除いたローマ字、あるいは「〓」で表示する。

 なお、この基準における例示については、拡張ラテン文字を使用する際、便宜上その字形をそのままの形で表現している。

3-2 名称と読み
(1) 名称
 名称は書誌作成対象資料等から採用する。
 明治期以降の著者標目は、原則として最初に目録記入を作成するとき、その資料に表示されている形を統一標目とする。件名標目は、参考資料等において多く用いられている形を統一標目とする。ただし、著者、件名とも、同一人が2以上の名称を用いる場合はそれぞれを標目とする。(3-6「「をも見よ」参照」参照)
 江戸期以前の個人名標目は、参考資料等において多く用いられている形を統一標目とし、筆名、雅号、通称など、2以上の名称を用いる場合であっても、それぞれを標目としない。(3-2「名称と読み」(3)-m参照)
 中国人名および韓国・朝鮮人名は漢字形を採用する。漢字形が判明しない場合は、仮名表記があればそれを採用し、ローマ字表記のみであれば欧文形外国人名扱いとする。(3-7「外国人名」参照)
 日本人名、中国人名、韓国・朝鮮人名以外の人名は欧文形外国人名とし、名称は原語形を採用する。(3-7-3「欧文形外国人名」参照)原語形が書誌作成対象資料等から判明しない場合は、出版者への問い合わせ等により情報を得る。情報を得ることが不可能な場合は、綴りを推量して標目とする。

(2) 読み
  読みは書誌作成対象資料等から採用する。書誌作成対象資料等から判明しない場合は、インターネット検索や本人等への問い合わせなどの手段で読みを付与する。また、目録作業者が容易に判断できる読みについては、調査を省略して推量読みを採用することがある。
 姓名の形を持つ個人名の読みは、姓と名の間をコンマ「,」で区切って記録し、姓と名から構成されていない個人名の読みは、一語又は必要であれば分かち書きで記録する。
 名称が英数字・特定の記号*のみで構成される場合は、名称と同一の形を第一の読みとし、ルビがあればルビの読みを第二の読みとして付加する。英字1文字の場合はルビがなくても例外的に片仮名の読みを付加する。
 また名称に英数字・特定の記号を含む場合は、英数字・特定の記号部分が名称と同一の形を第一の読みとし、その部分にルビがあればルビの読みを第二の読みとして付加する。
 中国人名の読みは漢字の日本語読みを採用し、母国語読みが判明した場合は「を見よ」参照とする。(3-7-1「中国人名」参照)
 韓国・朝鮮人名の読みは書誌作成対象資料にある母国語読み表記を採用し、書誌作成対象資料に母国語読み表記がない場合は漢字の日本語読みを採用する。母国語読みを採用した場合は漢字の日本語読みを「を見よ」参照とする。(3-7-2「韓国・朝鮮人名」参照)
 欧文形外国人名の読みは、名称と同じ原語形の綴りを採用する。拡張ラテン文字を使用した標目は、区別的発音符を取り除いたローマ字を読みとして記録する。(3-7-3「欧米形外国人名」参照)

*特定の記号とは( )’+-&%=.,の10種類を指す。

(3) 事例
  a. 姓名の形を持つ個人名
    【例】 森山賢一 森山//賢一
        読み:モリヤマ,ケンイチ
         
  b. 姓と名から構成されていない個人名
    【例】 昭和天皇 昭和天皇
        読み:ショウワ△テンノウ
    【例】 清少納言 清少納言
        読み:セイ△ショウナゴン
    【例】 タモリ タモリ
        読み:タモリ
         
  c. 世系、生没年あり
    【例】 標目形 市川//団十郎(10世 1882-1956)
        読み:イチカワ,ダンジュウロウ
         
  d. 英数字のみ、又は英数字を含む場合
    【例】 〔ルビがない〕    
      5・SEASON 5・SEASON
        読み:5△SEASON
         
    【例】 〔ルビがない〕    
      z z
          読み:z
        読み:ゼット
      〔英字1文字の場合は片仮名の読みを付加する〕
       
    【例】 〔ルビがある〕    
      326 326
        読み:326
        読み:ミツル
      〔数字のみとルビ「ミツル」の2とおりの読みを付与する〕
       
    【例】 〔ルビがある〕    
      山田J太 山田//J太
        読み:ヤマダ,Jタ
        読み:ヤマダ,ジェイタ
      〔英字を含む「Jタ」とルビ「ジェイタ」の2とおりの読みを付与する〕
       
  e. 平仮名のみで構成
    【例】 いしいひさいち いしい//ひさいち
          読み:イシイ,ヒサイチ
           
 

 

  • 児童書の著者等、読者対象にあわせた文字種の場合は、漢字形を優先して採用する。
    【例】 わらべきみか 童//公佳
          読み:ワラベ,キミカ
        わらべ//きみか
           
  f. 姓名転置形
 

 

  • 筆名は転置形のまま採用する。
    【例】 ヨシ・カシワバラ ヨシ・カシワバラ
          読み:ヨシ△カシワバラ
    【例】 テリー伊藤 テリー伊藤
          読み:テリー△イトウ
           
  g. 号を含む名称
 

 

  • 号を省略する。号を含む名称は「を見よ」参照とする。
    【例】 淡々斎千宗室 千//宗室(14世)
          読み:セン,ソウシツ
        淡々斎千宗室
           
 

 

  • 姓のように慣用されている号は姓名の形式とする。
    【例】 明白庵宋淵 明白庵//宋淵
          読み:メイハクアン,ソウエン
           
  h. 日本姓を含む複合名
 

 

  • 本名は姓名の形式とする。倒置形は「を見よ」参照とする。
    【例】 キャロル・ベック山本
        山本//キャロル・ベック
読み:ヤマモト,キャロル△ベック
        キャロル・ベック山本
           
 

 

  • 筆名は表示のままの形式とす
    【例】 塚田-城みちる 塚田-城//みちる
          読み:ツカダ△-△ジョウ,ミチル
    【例】 ジャン=ポール・アイカワ
        ジャン=ポール・アイカワ
読み:ジャン△=△ポール△アイカワ
           
  i. 外国人が日本に帰化した場合および外国人が日本人名を持つ場合
    【例】 〔帰化名〕    
      ラモス瑠偉 ラモス//瑠偉
          読み:ラモス,ルイ
    【例】 〔外国人が日本人名を持つ〕
      マブソン青眼 マブソン青眼
          読み:マブソン△セイガン
      〔マブソンは姓ではないことが判明している〕
       
      源ビンロイ 源//ビンロイ
          読み:ミナモト,ビンロイ
        グェン,ビン△ロイ
           
  j. 日本人が外国人名を模している場合
 

 

  • 表示のままの形式とする
    【例】 B.V.ワイズ B.V.ワイズ
          読み:B.△V.△ワイズ
    【例】 メープル・ピンドット
        メープル・ピンドット
          読み:メープル△ピンドット
           
  k. 日系人
 

 

  • 姓が漢字または平仮名の場合は姓名の形式とする。倒置形は「を見よ」参照とする。
    【例】 アルベルト湯川 湯川//アルベルト
          読み:ユカワ,アルベルト
        アルベルト湯川
    【例】 マルシア・一枝・西家
        西家//マルシア一枝
読み:ニシイエ,マルシア△カズエ
        マルシア一枝・西家
           
  l. 日本人男性と結婚した外国人女性
    【例】 瓜谷アウロラ 瓜谷//アウロラ
          読み:ウリタニ,アウロラ
           
  m. 江戸期以前の個人名
 

 

  • 江戸期以前の個人名は、参考資料等において多く用いられている形を統一標目とし、筆名、雅号、通称など2以上の名称を用いる場合であっても、それぞれは標目とせず「を見よ」参照とする。
    【例】 葛飾北齋 葛飾//北斎
          読み:カツシカ,ホクサイ
        葛飾//北齋
        勝川//春朗
        画狂老人卍
           
  n. おおよそ中世までの個人名で慣用される、姓と名の間の「ノ」の読みは原則として採用しない。
    【例】 鴨長明 鴨//長明
          読み:カモ,チョウメイ
          〔読み:カモノ,チョウメイは不採用〕
    【例】 千利休   千//利休
          読み:セン,リキュウ
          〔読み:センノ,リキュウは不採用〕
    【例外】 紀貫之 紀//貫之
          読み:キ,ツラユキ
    【例外】 太安麻呂 太//安麻呂
          読み:オオ,ヤスマロ
3-3 同名異人

 標目形の名称およびその読みがともに同一である場合の別人は同名異人とする。従って、標目形の名称が同じでも読みが異なれば同名異人とはみなさない。
 また、次の(1)~(6)は、別字として記録するが、同名異人かどうかの判断の場合には同名とみなす。

(1) 新字体・旧字体の関係にある文字
  【例】 栄-榮  辺-邊  岳-嶽
   
(2) JIS C 6226-1978(JIS-78)とJIS X 0208-1983(JIS-83)で第一水準と第二水準が入れ替わり、コード番号も入れ替わった文字(22組ある)
  【例】 鰺-鯵  鶯-鴬  檜-桧
   
(3) 異体字のうち、1997年以前に当館において字体を統一していた文字(異体字は原則として別字扱い)
  【例】 館-舘  辺-邉  淵-渕
   
(4) 同一人でも表示が統一されないことがある文字
  【例】 己-已-巳  島-嶋-嶌  斎-斉
   
(5) その他、その旧字体と字形が酷似しているために混同する可能性のある文字
  【例】 写-冩(写の旧字は寫)  繊-纎(繊の旧字は纖)
   
(6) ローマ字の大文字・小文字
  【例】 〔次のa~cは同名異人の関係である〕
    標目形a: 斎藤//実
      読み:サイトウ,ミノル
    標目形b:. 斉藤//実(1928-)
      読み:サイトウ,ミノル 〔(4)により標目形aと同名異人〕
    標目形c:. 齋藤//實(1961-)
      読み:サイトウ,ミノル 〔齋は斎の,實は実の旧字なので標目形a、bと同名異人〕
         
    標目形d: 斎藤//実(1858-1936)
      読み:サイトウ,マコト 〔読みが異なるので上記3名と同名とはみなさない〕
3-4 付記事項

 付記事項は世系および生没年を採用し、世系および生没年で区別できないときは、職業・専攻等を付記する。
 付記事項とする情報は、書誌作成対象資料等から採用する。ただし、職業については一般によく用いられている語彙を統一的に使用することがある。
 世系、生没年、職業・専攻等が判明しない場合は、その個人について最初に標目を作成する書誌作成対象資料(初出資料)の出版年(月)で代替する。この措置は暫定であり、正規の付記事項(次の(1)~(3))が判明した時点で修正する。(1-3「標目訂正の基準」参照)

(1)  世系:書誌作成対象資料等から判明すれば必ず記録する。
   
(2)  生没年: 書誌作成対象資料等から判明すれば必ず記録する。
 和古書の著者については、生没年が判明しない場合でも、可能な範囲で年代を限定できる語句を記録する。
   
(3)  職業・専攻等:同名異人が存在し、(1)~(2)で区別できない場合(同一、不明など)に記録する。
   
(4)  初出資料の出版年(月):同名異人が存在し、(1)~(3)が不明の場合は初出資料の出版年を記録する。出版年が同一の場合は、さらに月を記録する。
     
  【例】 〔世系で区別〕
    標目形: 林家//正蔵(9代目)
    標目形: 林家//正蔵(8代目 1895-1982)
       
  【例】 〔生没年で区別〕
    標目形: 鈴木//正義(1911-)
    標目形: 鈴木//正義(1915-1993)
       
  【例】 〔和古書における年代の付記〕
    標目形: 源//雅亮(平安時代後期)
       
  【例】 〔職業・専攻等で区別〕
    標目形: 渡辺//一男
    標目形: 渡辺//一男(弁護士) 〔生没年不明のため職業で区別〕
       
  【例】 〔生年が同じため職業を付記して区別〕
    標目形: 中村//功(1935-)
    標目形: 中村//功(1935- 医師)
       
  【例】 〔初出資料の出版年で区別〕
    標目形: 坂本//真一郎
    標目形: 坂本//真一郎(pub.2005)
       
  【例】 〔初出資料の出版年月で区別(出版年が同じ場合は月も付記する)〕
    標目形: 佐藤//久美子
    標目形: 佐藤//久美子(pub.2005)
    標目形: 佐藤//久美子(pub.2005.12)
3-5 「を見よ」参照

 標目に採用しない名称、又は将来標目となる可能性のある名称は、書誌作成対象資料等から判明すれば「を見よ」参照とする。
 このほか、韓国・朝鮮人名の漢字の日本語読み、書誌作成対資料中の外国人名の片仮名表記など、検索上必要と判断した形式も「を見よ」参照とする。

(1) 読みが同じ、かつ1文字程度の違いで容易に同人とわかる場合
  【例】 高木//和男 高木//和夫
         
(2) 異なる字体の場合
  【例】 渋沢//竜彦 澁澤//龍彦
         
(3) 異なる文字種の場合
  【例】 木村//浩 Kimura//Hiroshi
         
(4) 号を含む名称
  【例】 千//宗室 淡々斎千宗室
         
(5) 日本姓を含む複合名(倒置形)
  【例】 山本//キャロル・ベック
      キャロル・ベック山本
       
(6) 旧名
  【例】 植川//千代 臼井//千代
       
       
(7) 中国人名の漢字日本語読みに対する母国語読み
  【例】 林//芳 林//芳
    読み:リン,ホウ   読み:リン,ファン
    3-7-1「中国人名」参照〕
       
(8) 韓国・朝鮮人名の母国語読みを標目形に採用した場合の日本語読み
  【例】 李//恢成 李//恢成
    読み:イ,フェソン   読み:リ,カイセイ
    3-7-2「韓国・朝鮮人名」参照〕
       
(9) 原語形標目に対する外国人名片仮名形
  【例】 Kennedy,Bruce△P.
    . ケネディ,ブルース・P.
    3-7-3「欧文形外国人名」参照〕
3-6 「をも見よ」参照

 2以上の名称を用いる場合、それぞれの名称を標目とするときは「をも見よ」参照により関連付ける。それぞれの名称を標目とするのは、号・筆名など2以上の名称を使い分けている場合や、婚姻や襲名による改姓改名などで、それぞれの名称で著作があるときである。ただし、「をも見よ」参照は、書誌作成対象資料等から判明する場合、又は同一人物であることを本人に確認した場合のみとする。

  【例】 〔筆名の使い分け〕
    栗本//薫 中島//梓
    色川//武大 阿佐田//哲也 井上//志摩夫
         
  【例】 〔婚姻による改名〕
    Berrueta,Aurora. 瓜谷//アウロラ
         
  【例】 〔古典芸能の襲名による改名〕
    市川//染五郎(6世 1942-)
      松本//幸四郎(9世 1942-)
3-7 外国人名

3-7-1 中国人名(漢字形で表されるモンゴル人名、ベトナム人名、チベット人名を含む)

 中国人名は統一標目とし、同一人が2以上の名称を用いる場合は、原則として本名(諱:いみな)を採用する。ただし、字(あざな)などのほうがよく知られている場合はこちらを採用する。
 漢字形が判明すれば優先して採用し、読みは漢字の日本語読みとする。

(1) 諱(いみな)を採用する。
  【例】 〔諱を標目とし、号を「を見よ」参照とする〕
    蘇//軾 蘇//東坡
    読み:ソ,ショク   読み:ソ,トウバ
         
(2) ピンイン等ローマ字表記の母国語読みは「を見よ」参照とする。
  【例】 張//平 Zhang,Ping.
    読み:チョウ,ヘイ    
         
(3) 中国人名の母国語読みは「を見よ」参照とする。
  【例】 王//輝 王//輝
    読み:オウ,キ   読み:ワン,フイ
         
(4) 既婚女性で夫の姓を冠している場合は、夫の姓を冠しない形を標目とする。
  【例】 宋//美齢 蒋宋//美齢
    読み:ソウ,ビレイ   読み:ショウ△ソウ,ビレイ
    〔夫の姓を冠した形を「を見よ」参照とする〕
         
(5) 漢字形不明の中国人名は仮名形を標目とする。
  【例】 チャン・リンリン チャン//リンリン
        読み:チャン,リンリン
      Zhang,Lingling.
       
(6) ローマ字形しか判明しない場合は欧文形外国人名扱いとする。
  【例】 Yuan△Chuan△Lee Lee,Yuan△Chuan.
    3-7-3「欧文形外国人名」参照〕
       
(7) 漢字表記のモンゴル人名
  【例】 標目形:楊//海英
    読み:ヨウ,カイエイ
       
(8) 漢字表記のベトナム人名
  【例】 標目形:阮//進瀾
    読み:ゲン,シンラン

3-7-2 韓国・朝鮮人名

 韓国・朝鮮人名は統一標目とし、同一人が2以上の名称を用いる場合は、初出の名称又は参考資料等で多く用いられている名称を採用する。
 漢字形が判明すれば優先して採用する。
 読みは、書誌作成対象資料にある漢字の母国語読み表記を採用する。書誌作成対象資料に母国語読みがない場合は、漢字の日本語読みを採用し、書誌作成対象資料に同一人の母国語読み表記が出現した時点で、母国語読みに訂正する。

(1)  母国語読みを採用する。
  【例】 金//達寿 金//達寿
    読み:キム,タルス   読み:キン,タツジュ.
    〔韓国・朝鮮人名の標目に母国語読みを採用した場合、漢字の日本語読みは「を見よ」参照とする〕
         
(2)  書誌作成対象資料に母国語読み表記がない場合は漢字の日本語読みを採用する。
  【例】 標目形:金//洪信
    読み:キン,コウシン
    〔母国語読みが後の書誌作成対象資料から判明したら、標目訂正し、漢字の日本語読みは「を見よ」参照とする〕
         
(3)  漢字形不明の韓国・朝鮮人名は仮名形を標目とする。
  【例】 チャン・キホン チャン//キホン
        読み:チャン,キホン
  【例】 ぱくきょんみ ぱく//きょんみ
        読み:パク,キョンミ
         
(4)  ローマ字形しか判明しない場合は欧文形外国人名扱いとする。
  【例】 Seo-Hang△Lee Lee,Seo-Hang.
    3-7-3「欧文形外国人名」参照〕

3-7-3 欧文形外国人名

 欧文形外国人名の標目は書誌作成対象資料中の表示にかかわらず原語形を採用し、原則として米国議会図書館(以下「LC」)典拠レコードの標目形を最優先とする。ただし、LC典拠レコードの標目形がイニシアル形と展開形からなる場合は、展開形のみ採用し、イニシアル形を「を見よ」参照とする。
 読みは、名称と同じ原語形の綴りを採用する。拡張ラテン文字を使用した標目は、区別的発音符を取り除いたローマ字を読みとして記録する。
 また、原語形標目に対する片仮名形は標目に採用せず、「を見よ」参照とする。

  【例】 LC典拠レコードの標目形 Millard,A.R.(Alan Ralph)
    採用する標目形 Millard,Alan△Ralph.
      Millard,A.R.
  【例】 ウィリアム・S.ディール Deal,William△S
      ディール,ウィリアム・S.
  【例】 標目形:Thierry,Raphaël.
    読み:Thierry,Raphael.

 LC典拠ファイルに標目がない場合は、各言語の習慣を考慮し、形式を決定する。

(1)  姓名の原語形を採用する。
姓名の形を持つ個人名は姓名の順とし、コンマ「,」で区切って記録する。
  【例】 ボビー・アン・メイソン Mason,Bobbie△Ann.
      メイソン,ボビー・アン
         
(2)  外国人男性と結婚した日本人女性の名称は、欧文形外国人名扱いとし、漢字形又は仮名形は「を見よ」参照とする。
  【例】 マークス寿子 Marks,Toshiko.
      マークス//寿子
  【例】 クーデンホーフ光子 Coudenhove-Kalergi,Mitsuko.
      クーデンホーフ//光子
   
(3)  姓が片仮名又はローマ字で表示されている日系人の名称は、欧文形外国人名扱いとし、原語形に対する片仮名形は「を見よ」参照とする。
  【例】 イサム・ノグチ Noguchi,Isamu.
      ノグチ,イサム
   
(4)  古代ギリシア人は、LC典拠レコードの標目形よりもギリシア語形(ローマ字形に翻字したもの)を優先して採用する。
  【例】 Eunapios.〔ギリシア語〕
    Eunapius.〔LC典拠レコード(ラテン語)〕
  【例】 Galenos.〔ギリシア語〕
    Galen.〔LC典拠レコード(英語)〕
    Galenus.〔ラテン語〕
  ただし「National Union Catalog」を根拠とした標目はラテン語形を採用している。
  【例】 Plato.〔ラテン語〕 Platon.〔ギリシア語〕
  【例】 Homerus.〔ラテン語〕 Homer.〔英語〕
      Homeros.〔ギリシア語〕
   
(5)  前置語(冠詞、前置詞等)は個人の常用する言語や居住する国の習慣に従って取り扱う。
前置語の扱いについては、次のとおりである。
  a.英語

 

  • 前置語から記録する。
  【例】 メアリ・ド・モーガン De△Morgan,Mary.
      ド・モーガン,メアリ
   
  b.フランス語

 

  • 前置詞のみならば、前置詞を名の後に置き、姓から記録する。
  【例】 T.-A.ドービニェ Aubigné,Théodore△Agrippa△d'.
      ドービニェ,T.-A.
   

 

  • 前置語が冠詞を伴った前置詞からなるときは、前置詞を名の後に置き、冠詞から記録する。
  【例】 ジャン・ド・ラ・フォンテーヌ
      La△Fontaine,Jean△de.
      ラ・フォンテーヌ,ジャン・ド
   

 

  • 前置語が冠詞のときは、前置語から記録する。
  【例】 ギュスターヴ・ル・ボン
      Le△Bon,Gustave.
      ル・ボン,ギュスターヴ
   
  c.ドイツ語

 

  • 前置語が前置詞のみのとき、又は冠詞を伴った前置詞からなるときは、前置語を名の後に置き、姓から記録する。
  【例】 ヨーハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
    Goethe,Johann△Wolfgang△von.
    ゲーテ,ヨーハン・ヴォルフガング・フォン
  d.スペイン語

 

  • 前置語を名のあとに置き、姓から記録する。
  【例】 インカ・ガルシラーソ・デ・ラ・ベーガ
      Vega,Garcilaso△dela.
      ベーガ,インカ・ガルシラーソ・デ・ラ
  e.イタリア語

 

  • 現代の名前は、前置語から記録する。
  【例】 アレッサンドロ・デル・ピエロ
      Del△Piero,Alessandro.
      デル・ピエロ,アレッサンドロ
  f.ポルトガル語

 

  • 前置語は名のあとに置き、姓から記録する。
  【例】 ヴィトール・パヴァオン・ドス・サントス
    Santos,Vitor△Pavão△dos.
    サントス,ヴィトール・パヴァオン・ドス
  g.アフリカーンズ語

 

  • 前置語から記録する
  【例】 ローレンス・バン・デル・ポスト
      Vander△Post,Laurens.
      バン・デル・ポスト,ローレンス
   
(6)  複合姓は、個人が常用する形又は慣用する形を標目とする。婚姻により生じた複合姓は個人が所属する国の言語習慣による形を採用する。
  a.個人が常用する形又は慣用する形
  【例】 ロイド・ジョージ Lloyd△George,David.
      ロイド・ジョージ
  【例】 ヨゼフ・ミューラー=ブロックマン
      Muller-Brockmann,Josef.
      ミューラー=ブロックマン,ヨゼフ
   
  b.イタリア、あるいはフランス系では「姓△旧姓,名」
  【例】 リリアーナ・トレヴェス・アルカライ
      Treves△Alcalay,Liliana.
      トレヴェス・アルカライ,リリアーナ
  【例】 タカコ・半沢・メロジー
      Melosi△Hanzawa,Takako.
      タカコ・半沢・メロジー
   
  c.オランダ系では「姓-旧姓,名」
 (慣習として、女性は結婚すると夫の姓に結婚前の姓をハイフンでつけ加える)
  【例】 Mariska△Heijmans-van△Bruggen
      Heijmans-van△Bruggen,Mariska.
  【例】 フォス美弥子 Vos-Kobayashi,Miyako.
      フォス//美弥子
   
  d.アメリカ、イギリス系では「姓,名△旧姓」
  【例】 アン・ラドクリフ Radcliffe,Ann△Ward.
      ラドクリフ,アン
  【例】 篠田ユール洋子 Yuile,Yoko△Shinoda.
      篠田ユール//洋子
   
(7)  敬称、称号、学位、職業上の肩書等(Sir、Jr.、Mrs.、Dr.など)は採用しない。
  【例】 Dr.Harry△Smith Smith,Harry.
   
   ただし、夫の姓名しか判明しない等、識別上必要な場合は敬称等を含めた形を採用する。
  【例】 チャールズ・E.カウマン夫人
      Cowman,Charles△E.,Mrs.
      チャールズ・E.カウマン夫人
    〔カウマン夫人//チャールズ・E.とはしない〕
   
(8)  ローマ字表記しか判明しない中国人名、韓国・朝鮮人名は欧文形外国人名扱いとする。
  【例】 Chenming△Hu Hu,Chenming. 〔中国人〕
  【例】 Kwang-Heui△Park    
    Park,Kwang-Heui. 〔韓国・朝鮮人〕

(収集・書誌調整課)

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個人名標目の選択・形式基準 (過去の基準)

 2011年5月以前の基準については、過去の個人名標目の選択基準のファイル[PDF File 471 KB]をご覧ください。

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