書誌データ作成ツール:日本目録規則適用細則
日本目録規則1987年版改訂2版 第2章 図書 和図書適用細則(平成17年4月〜平成20年12月)
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当館では、和図書の書誌データ作成に際して適用細則を定めている。この適用細則は『「日本目録規則1987年版改訂版」和図書適用細則』(『全国書誌通信』No.103:1999.3.31)を引き継ぐものであり、主な変更点は次の3点である。
[1] | 加除式資料については、「日本目録規則1987年版改訂2版 第13章」の改訂案(平成16年5月14日公開)およびその後の改訂動向に則したものとした。 |
[2] | 責任表示で、4以上の個人名および団体名を、省略せずすべて記録することとした(内容細目を除く)。 |
[3] | 各巻タイトルの定義を明確にした。 |
これらについて修正を行い、平成17年4月1日から適用を開始した。その後、平成17年8月10日に「日本目録規則1987年版改訂2版 追加および修正」が刊行されたことにともない、この適用細則もその内容に則して改訂した。以下はその概要と全文である。
目次
<概要>
- 適用範囲
この適用細則は,「日本目録規則1987年版改訂2版」(以下「NCR2R」)の「第1部 記述」および「日本目録規則1987年版改訂2版 追加および修正」(以下「NCR2R2005」)のうち,「第2章 図書」の部分を扱う。ただし,条項全体が和古書・漢籍のみに対する規定である場合および条項中に和古書・漢籍のみに対する規定がある場合,当該条項,当該規定は除外する。
また,「NCR2R2005 第13章 継続資料」のうち加除式資料について規定している部分についても,この適用細則で扱い,独自の条項番号を設定している。 - 適用対象資料
本文が日本語の単行書(和古書を除く)を対象とする。
また,本文が日本語の加除式資料も対象とする。なお,各条文では,特に区別の必要がある場合以外は,「図書」は「加除式資料」をも含んでいるものとする。 - 本則採用の原則
全国書誌作成機関として標準化を推進するために,NCR2R第2章本則を採用することを原則とし,NCR2R2005についても,適宜取り入れる。
条文をそのまま適用する場合および適用しない場合は,条項番号と「適用」「非適用」の語句のみを示す。 条文を変更して適用する場合は,条項単位で該当条文の全文を示す。 - 物理単位および各巻に関する事項について
記述の対象(2.0.2.1)は単行書を原則とするが,物理単位の記録(2.0.2.2別法)も併せて採用しており,「各巻に関する事項」など,独自の条項番号を設定している箇所がある。 - 条項の排列について
「記述すべき書誌的事項とその記録順序」(2.0.4)で定義した順序にしたがっているため,独自の条項番号を設定した箇所については,条項番号順の排列になっていない。 - 標目について
この適用細則では,図書の記述のみを扱い,標目付与には触れていない。標目付与については,『国立国会図書館「日本目録規則1987年版改訂版」和図書適用細則』(『全国書誌通信』No.103:1999.3.31)の標目の部を基準とする。ただし,漢字表記のない日本人・中国人・韓国人名は,その図書に表示されている形を標目形とすることもある。 - 出力形式および記号法について
この適用細則はオンライン目録における書誌データの入力形式を定めることを主眼とするため,出力形式および区切り記号については原則として言及しない。ただし,書誌的事項の例示においてはISBD区切り記号を用いる。
この適用細則中では,区切り記号として用いるスペースを□,記述中のスペースを△で示す。
「日本目録規則1987年版改訂2版 第2章 図書」和図書適用細則
2.0 通則
この適用細則では,明治元年以降に出版された日本語で書かれた図書の記述について規定する。和古書として扱うことが適当な装丁のものは『「日本目録規則1987年版改訂2版」和古書適用細則』(『全国書誌通信』No.116:2003.12.10)を参照する。
2.0.1 記述の範囲 適用
2.0.2 記述の対象とその書誌レベル
2.0.2.1(記述の対象)
原則として,単行書と加除式資料を記述の対象とする。単行書は,固有のタイトルを有する単独に刊行された図書であり,次にあげるものを含む。
ア) | 本体と,形態的に独立しているが,固有のタイトルがない付録,補遺などからなるもの |
イ) | セットものの一部をなしているもの |
ウ) | シリーズの一部をなしているもの |
エ) | 継続資料の一部をなしているもの(固有のタイトルをもつ別冊等) |
オ) | 合刻本(2.1.1.2D参照) |
共通タイトルと巻次,回次,年次等からなるもの,共通タイトルと部編名や付録などの従属タイトルからなるものは,単行単位を分割し物理単位を記述の対象とする(2.0.2.2別法A参照)。
2.0.2.1A
個々の図書のほかに, グループ全体に固有のタイトルがある単行書の集合(セットもの等)を記述の対象とすることができる。
これらには次にあげるものを含む。
ア) | 固有のタイトルがある付録などと組み合わせて刊行されたもの |
イ) | 図書が主体となった複合媒体資料 |
2.0.2.1B 非適用
2.0.2.1D
加除式資料については,書誌的事項に変化が生じたときは書誌的記録を改める。ただし,以下の場合は新たな書誌的記録を作成する(13.0.2.1A,13.0.2.1B参照)。
ア) | 内容の変更等にともない,新たな物理単位として刊行されたとき |
イ) | 資料種別が変わったとき |
2.0.2.2(記録の書誌レベル) 非適用
2.0.2.2別法
記述の対象に応じて,次に示す書誌レベルの記録を作成する。構成部分の記録は,内容に関する注記として記録する(2.7.3.7参照)。
記述対象 | 記録の書誌レベル |
単行書 | 単行レベル |
単行書の集合 | 集合レベル |
加除式資料 | 継続刊行レベル |
ただし,以下の場合は,図書の1冊ずつを記述対象とする物理単位の記録を作成する。
A. | 単行単位の分割 | ||||||||
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|||||||||
B. | 集合単位の分割 | ||||||||
|
2.0.2.3(単行レベルの記録) 適用
2.0.2.3任意規定 非適用
2.0.2.3A
複数の集合単位もしくは構成単位があるときは,書誌階層において上位レベルのものから順次記録する。上下関係にないとき,関係が不明のときは,表示順に記録する。
2.0.2.3B
この適用細則では規定しない。
2.0.2.4(集合レベルの記録)
セットもの等を記述の対象とするときは,集合単位を記述の本体とする書誌的記録を作成する。
2.0.2.4A 適用
2.0.2.4B
この適用細則では規定しない。
2.0.2.5(構成レベルの記録) 非適用
2.0.2.5A 非適用
2.0.2.5B
この適用細則では規定しない。
2.0.2.6(継続刊行レベルの記録)
加除式資料を記述の対象とするときは,継続刊行単位を記述の本体とする書誌的記録を作成する。集合単位はシリーズに関する事項として記録する(13.0.2.3参照)。
2.0.3 記述の情報源
2.0.3.0(記述の基盤)
加除式資料については,出版開始年月を除き,最新号を記述の基盤とする(13.0.3.0参照)。
2.0.3.1(記述の情報源)
記述のよりどころとする情報源は,図書を構成する各部分に基づいて,次の優先順位とする。
ア) | 標題紙(標題紙裏を含む),奥付,背,表紙(裏表紙を含む)。奥付がカバーにのみ表示されているときは,該当部分を切り取り本体に貼ることで,奥付とみなす。発行年月がカバーにのみ表示されているときは,該当部分を切り取り奥付に貼付するか転記することで,奥付に表示されているとみなす。 |
イ) | その図書本体のア)以外の部分 |
ウ) | カバー,箱等 |
エ) | その図書以外の情報源 |
2.0.3.1A 非適用
2.0.3.1B 適用
2.0.3.2(各書誌的事項の情報源)
各書誌的事項の情報源は,次のとおりとする。
ア) | タイトルと責任表示……標題紙(標題紙裏を含む),奥付,背,表紙(裏表紙を含む) |
イ) | 版……標題紙(標題紙裏を含む),奥付,背,表紙(裏表紙を含む) |
ウ) | 出版・頒布等……標題紙(標題紙裏を含む),奥付,背,表紙(裏表紙を含む) |
エ) | 形態……その図書から |
オ) | シリーズ……標題紙(標題紙裏を含む),奥付のページ,背,表紙(裏表紙を含む) |
カ) | 各巻……標題紙(標題紙裏を含む),奥付,背,表紙(裏表紙を含む) |
キ) | 注記……どこからでもよい |
ク) | ISBN,ISSN,入手条件・定価……どこからでもよい |
2.0.3.2B 適用
2.0.3.2C
所定の情報源以外から得た書誌的事項は,補記の事実を示すため角がっこに入れて記録する(以下「補記する」)。
2.0.4 記述すべき書誌的事項とその記録順序
記述すべき書誌的事項とその記録順序は,次のとおりとする。
ア) | タイトルと責任表示に関する事項 | ||||||||||||||
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イ) | 版に関する事項 | ||||||||||||||
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ウ) | 出版・頒布等に関する事項 | ||||||||||||||
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エ) | 形態に関する事項 | ||||||||||||||
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オ) | シリーズに関する事項 | ||||||||||||||
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カ) | 各巻に関する事項 | ||||||||||||||
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キ) | 注記に関する事項 | ||||||||||||||
ク) | ISBN,ISSN,入手条件に関する事項 | ||||||||||||||
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2.0.4.1(2言語以上の同一書誌的事項)
同一書誌的事項が2言語(文字)以上で表示されている場合,並列タイトル,並列シリーズ名,各巻並列タイトルを記録し,その他の書誌的事項は日本語のものを記録する。
2.0.5 記述の精粗
記述の精粗は原則として第2水準(標準の書誌的事項)を採用し,これらに若干の書誌的事項を加える。
2.0.6 記録の方法
2.0.6.1(転記の原則)
図書を記述するとき,次の書誌的事項は,原則としてその図書に表示されているままに記録する。ただし,特に別途規定されている場合を除く。
ア) | タイトルと責任表示に関する事項 |
イ) | 版に関する事項 |
ウ) | 出版・頒布等に関する事項 |
エ) | シリーズに関する事項 |
オ) | 各巻に関する事項 |
2.0.6.1A 非適用
2.0.6.2(目録用の言語・文字) 適用
2.0.6.2別法 非適用
2.0.6.3(文字の転記)
漢字は,原則として所定の情報源に使用されている字体で記録する。楷書以外の書体は楷書体に改める。かなはそのまま記録するが,変体がなは平がなに改める。
簡体字は「中国簡化文字表」(『大漢和辞典』修訂第2版(大修館書店刊,1989-1990)附録),『中日辞典』(小学館刊,1992)により対応する漢字に置き換え,注記で説明を加える。
ローマ字,キリル文字等欧文文字は原則としてそのまま記録するが,大文字および句読点の使用法は,当該言語の慣行に従う。会社名・団体名,コンピュータ用語等のローマ字表記は固有名詞として扱い,一般に通用している表示のままに記録する。
Ten△years△after(情報源の表示:Ten Years After)
INAX
TOKIO
PowerPoint
表示のとおり転記することが不可能なハングル,アラビア語等の文字は,日本語に置き換えたものを補記し,注記において説明を加える(2.7.3.1ウ),2.7.3.2ウ)参照)。その他の「JIS X 0208:1990」の外字の取り扱いは,「書誌データに使用する文字種取り扱い基準」に従う。
2.0.6.3別法1 非適用
2.0.6.3別法2 非適用
2.0.6.4(数字の記録)
タイトルと責任表示に関する事項(巻次,回次,年次等および部編名を除く),シリーズに関する事項(シリーズ番号等およびシリーズの部編名を除く),各巻に関する事項(各巻巻次,回次,年次等および各巻部編名を除く)においては,ローマ数字を除き数字はそのままの形で転記する。ローマ数字は原則としてアラビア数字に置き換える。漢数字とアラビア数字等,情報源により表示の文字種が異なる場合,原則としてアラビア数字を記録する。表示の違いについては注記しない。その他の書誌的事項においては,数量や順序などを示す数字はアラビア数字とする(2.1.6.2参照)。
零八・一五
ファイナルファンタジー11(情報源の表示:ファイナルファンタジーXI)
2.0.6.5(再現不能の記号等の記録)
記号等は,原則としてそのまま記録する。表示のとおり転記することが不可能な記号等は,説明的な語句に置き換えたものを補記する。さらに必要があるときは注記において説明を加える(2.7.3.1ウ),2.7.3.2ウ)参照)。また,飾りとみなした場合は省略もしくは簡潔な記号に置き換える。記号の取り扱いは「書誌データに使用する文字種取り扱い基準」に従う。
[ホツマツタヘ](情報源の表示:)
遊・戯・王(情報源の表示:遊☆戯☆王)
2.0.6.6(誤記,誤植)
書誌的事項の明らかな誤りは正しい形に訂正し,誤った形は必要とみなせば注記する(2.7.3.0ア)参照)。
2.0.6.7(ISBD区切り記号法)
この適用細則では規定しない。
2.0.6.8(記入における記述の記載位置)
この適用細則では規定しない。
2.1 タイトルと責任表示に関する事項
2.1.0 通則
2.1.0.1(書誌的事項)
記録すべき書誌的事項と,その記録順序は次のとおりとする。
ア) | 本タイトル |
イ) | 並列タイトル |
ウ) | タイトル関連情報 |
エ) | 巻次,回次,年次等および部編名 |
オ) | 責任表示 |
2.1.0.2(区切り記号法)
この適用細則では規定しない。
2.1.0.3(複製本)
複製本の場合,原本ではなく複製本自体のタイトル,責任表示等を記録する。必要に応じて原本の書誌的事項を注記する(2.7.3.3イ),ウ)参照)。
2.1.1 本タイトル
2.1.1.1(本タイトルとするものの範囲)
図書に表示されているか,表示がない場合でも,それによって図書が同定識別される固有の名称が本タイトルである。その中には次に示すようなものもある。
ア) | 総称的な語,イニシアル,著作者名(団体名も含む)のみのもの | |
詩集 梅原龍三郎 |
||
イ) | 識別上必要な数や文字と不可分なもの | |
5万分の1地形図における栃木県の地名索引
MAB1□:□図書館用機械交換フォーマット |
||
ウ) | (本文の言語を注記する。2.7.3.0イ)参照) | |
An△introduction△to△Brazil(注記「本文は日本語」) |
部編や付録等の従属タイトルは,部編名として,巻次,回次,年次等と同様に扱う(2.1.6.1参照)。
2.1.1.1B 適用
(2.7.3.1オ)参照)
2.1.1.1C
別タイトルは,タイトルの一部として表示されている場合は本タイトル,サブタイトルとして表示されている場合はタイトル関連情報として記録する。
ヴィクトールあるいは権力の座についた子供たち
シャーロック・ホームズ対ドラキュラ□:□あるいは血まみれ伯爵の冒険
2.1.1.1C別法 非適用
2.1.1.1D
本タイトルの上部または前方に表示されている先行事項(冠称,角書きなど,タイトルを限定修飾するもの,またはタイトルに関連して表示されているもの)は次のように記録する。
ア) | 先行事項が本タイトルの一部とみなされるときは,全体を本タイトルとして記録する。 ひと目でわかる労災保険給付の実務(情報源の表示:ひと目でわかる労災保険給付の実務) |
イ) | 本タイトルの一部としてみなされず,別個の書誌的事項として判断されるときは,情報源における表示の順序にかかわらず,当該書誌的事項の所定の記録順序に従って記録する。 |
[1]タイトル関連情報 | ||||||||||||||||||||||||||
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[2] | 巻次,回次,年次等および部編名 | |||||||||||||||||||||||||
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[3] | 著者。ただし,著者名を含めないとタイトルとしての特定性が低いもの,著者名を冠したタイトルで知られているものは,著者名を含めてタイトルとする。 | |||||||||||||||||||||||||
有機機器分析入門□/□シギア,ストルテン[著] | ||||||||||||||||||||||||||
(情報源の表示:シギア・ストルテン有機機器分析入門) | ||||||||||||||||||||||||||
ワトソン看護におけるケアリングの探究□/□ジーン・ワトソン著 | ||||||||||||||||||||||||||
(情報源の表示:ワトソン看護におけるケアリングの探究) | ||||||||||||||||||||||||||
[4] | 版表示 | |||||||||||||||||||||||||
国史大系.□−□増補(情報源の表示:増補国史大系) | ||||||||||||||||||||||||||
[5] | シリーズ名 | |||||||||||||||||||||||||
生理.□−□(歯科衛生教本)(情報源の表示:歯科衛生教本生理) | ||||||||||||||||||||||||||
[6] | 注記(2.7.3.1キ)参照) | |||||||||||||||||||||||||
遺跡発掘調査報告書の地名は「○○所在」と注記に記録する。 | ||||||||||||||||||||||||||
桑島館跡(注記「石川県白峰村所在」)(情報源の表示:石川県白峰村桑島館跡) |
2.1.1.1E
標題紙,奥付,背,表紙に表示されている各タイトルが異なるときは,適切なタイトルを本タイトルとして記録する。適切なタイトルとは,[1]日本語のもの,[2]複数の情報源に共通するタイトルまたは詳しいタイトルである。
本タイトルとして選定しなかったタイトルが2種類以上ある場合は,本タイトルの情報源を注記する。1種類しかない場合は,本タイトルとして選定しなかったタイトルおよびその情報源を注記する。ただし,タイトルの違いが微細なときは注記しない。異なるタイトルを並列タイトル,タイトル関連情報,シリーズ名,各巻タイトルとみなした場合は注記しない(2.7.3.1ア)参照)。
2.1.1.1F
加除式資料については,本タイトルに変化が生じた場合,従来記録していた本タイトルを変化後のタイトルに改める。変化前のタイトルは注記する(2.7.3.1ク),13.1.1.3参照)。
2.1.1.2(記録の方法) 適用
ひと目でわかる労災保険給付の実務
(情報源の表示:ひと目でわかる労災保険給付の実務)
2.1.1.2A
かなのルビは,本タイトルとしては記録せず,タイトル標目として記録する。漢字のルビは,該当する文言のあとに丸がっこを付して記録する。
IT(情報技術)(情報源の表示:「IT」に対応するルビとして「情報技術」)
2.1.1.2B
所定の情報源にタイトルの表示がない場合は,目次や外箱等に表示されているタイトルを本タイトルとして補記し,その情報源を注記する。また,図書中のどこにもタイトルの表示がないときは,適切な情報源による本タイトルか,目録担当者が決定した簡潔で説明的な本タイトルを補記し,その情報源を注記する(2.7.3.1ア)参照)。
2.1.1.2C
合集等で,所定の情報源にその図書全体の総合タイトルが表示されていて,同時にその図書に収録されている著作それぞれのタイトルが表示されているときは,その総合タイトルを本タイトルとして記録し,それぞれの著作のタイトルは,各巻タイトルまたは内容細目(注記)として記録する(2.9.0,2.9.1,2.7.3.7ア)参照)。
ハンス・カロッサ全集.□第3巻□/□ハンス・カロッサ[著].
第3巻:□ドクトル・ビュルガーの運命□/□ハンス・カロッサ[著]□;□田口義弘訳.□逃走/□ハンス・カロッサ[著]□;□田口義弘訳.□青春の変転□/□ハンス・カロッサ[著]□;□金子英雄訳
文学は何ができるか.
内容:□文学と前衛性□/□山村嘉己著.□文学の自律性□/□植松健郎著.□文学の党派性□/□小川悟著.□文学における負の領域□/□小川雅也著.□文学の前衛性と構造主義□/□渡辺幸博著
2.1.1.2D
図書全体に対応する総合タイトルがなく,図書の内容をなす各著作のタイトル等が表示されているときは,これらのタイトルと責任表示等を所定の情報源に表示されている順で列記する。同一著者の場合でも責任表示は省略せず,それぞれ記録する(2.1.5.2F参照)。
紫式部日記□/□紫式部[著]□;□阿部秋生校註.□和泉式部日記□/□和泉式部[著]□;□阿部秋生校註(情報源の表示:紫式部日記・和泉式部日記 阿部秋生校註)
2.1.2 資料種別 適用
2.1.3 並列タイトル
2.1.3.1(並列タイトルとするものの範囲)
本タイトルとして選定するタイトルの別言語および別の文字(またはその一方)のタイトルで,所定の情報源に表示されているもの。次にあげる場合に記録する。
ア) | 本タイトルに対応する別言語および別の文字(またはその一方)のタイトルで,この言語および別の文字(またはその一方)の本文があるもの。 |
イ) | 本タイトルと別言語の原タイトルで,原本の本文はないが所定の情報源に本タイトルと同等,または単独で表示されているもの。原タイトルは注記としても記録する(2.7.3.1エ)参照)。 |
ウ) | 相当する言語の本文はないが,所定の情報源に本タイトルと同等,または単独で表示されているもの。 |
2.1.3.1A 適用
2.1.3.2(記録の方法)
所定の情報源に表示されているままに記録するが,大文字の使用法は当該言語の慣行に従う(2.0.6.3参照)。
東京大学総合研究博物館所蔵関野貞コレクションフィールドカード目録□=□Catalogue△of△field△cards△of△Sekino△Tadashi△collection
(情報源の表示:CATALOGUE OF FIELD CARDS OF SEKINO TADASHI COLLECTION)
2.1.3.2別法 非適用
2.1.4 タイトル関連情報
2.1.4.1(タイトル関連情報とするものの範囲)
タイトル関連の情報。本タイトルに対するもの以外に,総合タイトルのない場合の各著作のタイトルに対するものもある。情報源における表示の位置は,タイトルのあとに続くものが多いが,タイトル先行事項としてタイトルの上部や前方に表示されていることもある。タイトル関連情報には,サブタイトル,作品形式や著作形式を含む。キャッチフレーズ等はタイトル関連情報とみなさない。
2.1.4.2(記録の方法)
タイトル関連情報は,それのかかわる本タイトル(並列タイトルがある場合は,並列タイトル)に続けて記録する。同一著者の2以上のタイトルに共通するタイトル関連情報は,それぞれのタイトルに続けて記録する。ただし,それぞれに記録することが適当でないと判断される場合には,最後のタイトルのタイトル関連情報として記録する。巻次,回次,年次等および部編名により異なるサブタイトルは,微細な違いを除き注記する(2.7.3.1カ)参照)。タイトル関連情報は,本タイトルとしたものとともに表示されているものを記録する。
2.1.4.2別法 非適用
2.1.4.2A
2以上のタイトル関連情報があるときは,所定の情報源における表示順ではなく,本タイトルとの繋がりの強弱の順で記録する。例えば,サブタイトルは作品形式より先に記録する。
まつりと行事□:□川里の民俗□:□写真集
(情報源の表示:写真集まつりと行事 川里の民俗)
2.1.6 巻次,回次,年次等および部編名
2.1.6.1(巻次,回次,年次等および部編名とするものの範囲)
巻次,回次,年次等(以下「巻次等」)は,資料の形態的に独立した部分に付された番号等による一定の順序づけである。巻次等の前後に,それを修飾する語がついているものもある。部編名(「付録」等の従属タイトルを含む)も巻次等と同様に扱う。
2.1.6.2(記録の方法)
情報源に表示されている形で記録するが,大文字の使用法は当該言語の慣行に従う。巻次等については,数字はアラビア数字を用いる(2.0.6.4参照)。年次の省略形は完全形にして記録する。
巻5(情報源の表示:巻五)
第3章(情報源の表示:第参章)
2004(情報源の表示:'04)
平成2年(情報源の表示:2年)
巻次を修飾する語は,可能ならば「NCR2R 付録2 略語表」で定められた略語を用いる。
no.(情報源の表示:number)
v.(情報源の表示:volumeまたはvol.)
pt.(情報源の表示:Part)
複数の巻次等が表示されているときは,同格のものは丸がっこに入れて記録し,下位のものはスペースに続けて記録する。同格の場合,巻次または回次と年次の双方が表示されているときは年次を,巻次等と部編名の双方が表示されているときは部編名を,丸がっこに入れて記録する。情報源により西暦紀年と元号等で年次の表示が異なるときは,顕著なものを記録する。情報源に巻次等とともに巻次等と同格の版表示が表示されているときは,巻次等を記録し,版表示は記録しない(2.2.1.2別法参照)。
漢詩で詠む中国歴史物語.□3(近代編)
社労士基本書.□2003年度版△上巻(労働保険編)
社労士基本書.□2003年度版△下巻(社会保険編)
2.1.6.2A
情報源に表示されていなくても,識別のため必要なときは,巻次等を補記する。
2.1.6.3
巻次等および部編名により異なるサブタイトルは,微細な違いを除き注記する(2.1.4.2,2.7.3.1カ)参照)。
2.1.6.4
加除式資料については,原則として巻次等および部編名を記録しない(13.3.0.0参照)。
2.1.5 責任表示
2.1.5.1(責任表示とするものの範囲)
責任表示の範囲は,直接的な著作者,すなわち本文の著者,編さん者,画家,撮影者などのほか,間接的な原作者,編者,撰者,述者,脚色者,監修者,監訳者,訳者,校訂者などを含む。その他,指導,構成,取材等の様々な著作関与者は,著作責任者と判断される場合は責任表示とする。解説者等は,古典,図版集等の解説抜きには成り立たない著作の場合は責任表示とする。
主催者,共催者,多数の分担執筆・訳者,校閲者,訓点者,協力者は,必要とみなせば注記する(2.7.3.2イ)参照)。
「編集」と表示されていても,著作責任がないと判断すれば責任表示としない。
2.1.5.1別法 非適用
2.1.5.1A
本タイトル,タイトル関連情報およびシリーズ名中に表示されている著者名等は,著作責任が強いとみなせば,責任表示としても記録する。役割を示す語句は補記する。
村上節太郎がとらえた昭和愛媛□/□村上節太郎[撮影]
金融サービスの高度化とリスクマネーの供給拡大に向けて□:□産業構造審議会産業金融部会中間報告□/□産業構造審議会産業金融部会[著]
時間への失墜□/E.M.シオラン[著]□;□金井裕訳.□−□(E.M.シオラン選集□/□E.M.シオラン[著]□;□4)
(情報源の表示:E.M.シオラン選集4 時間への失墜 訳者 金井裕)
2.1.5.1B 非適用
(2.1.5.2D参照)
2.1.5.1D
2以上の個人や団体が表示されている場合は,次のようにする。
ア) | 同一の役割を果たしているときは,その数にかかわりなくこれら全体を一つの責任表示とする。 |
ああ言えばこう食う□/□阿川佐和子,檀ふみ著 | |
イ) | 原著者と翻訳者のように,異なる役割を果たしているものがあるときは,その役割ごとに別個の責任表示とする。 |
水の美容健康法□/□アンナ・セルビー著□;□佐藤志緒訳 |
2.1.5.1E 非適用
2.1.5.1E任意規定 非適用
2.1.5.1E別法
一つの責任表示における個人名や団体名は,表示のままにすべて記録する。
2.1.5.1F
加除式資料については,責任表示に変化が生じた場合,従来記録していた責任表示を変化後の責任表示に改める。変化前の責任表示は注記する(2.7.3.2エ),13.1.5.3参照)。ただし,内部組織名の変更等,重要な変化とみなさない場合には注記を省略する。
2.1.5.2(記録の方法)
その図書の著者(個人または団体)あるいはその著作に関与した副次的な著者(原著者,編者,訳者,校訂者等)と役割を示す語句(著,共著,作,文,画,撮影,作曲,編,編著,編纂等)を記録する。役割を示す語句の中で,著作は「著」,編集は「編」,翻訳は「訳」に省略する。その他の語句(編集責任,責任編集,総編集,総監修,企画・編集等)は表示のままに記録する。
日本の神道□/□つださうきち著
マッチ売りの少女□/□野坂昭如文□;□米倉斉加年絵
乗物万歳□/□阿川弘之,北杜夫対談
翰苑□/□竹内理三校訂・解説 。
役割を示す語句が外国語のみの場合は,日本語に訳し,補記する。
[著](情報源の表示:by)
[編](情報源の表示:edited by)
[編纂](情報源の表示:compiled by)
[撮影](情報源の表示:photo)
かなで表示されている外国人名は,イニシアルにはピリオド(.),姓名の間は中黒(・)を付ける。複合姓やミドルネーム等の区切り記号は原則として表示のままとする。
ジャン△ポール・サルトル
ジャン=ポール・サルトル
ジャクソン・ブラウン△Jr.
ジャクソン・ブラウン,Jr.
2.1.5.2A
責任表示には,所定の情報源のうちもっとも適切な表示を選んで記録する。例えば,原綴形とかな形が表示されている場合には,かな形を記録し,本名とペンネームが表示されている場合は,ペンネームを記録する。記録しない表示形は必要とみなせば注記するが,言語や文字種の違い(原綴と片かな,漢字と平がな等)や表示形の微細な違い(イニシアル形と完全形等)は注記しない(2.7.3.2ア)参照)。団体名ではもっとも詳しい形を適切な表示とみなし,表示の違いについては注記しない。
分子会合体とその触媒作用□/□Janos△H.フェンドラー,Eleanor△J.フェンドラー著□;□妹尾学,木瀬秀夫訳(標題紙の表示:Janos H. Fendler,Eleanor J. Fendler)
2.1.5.2B 適用
ジェファソンの民主主義思想□/□ジェファソン[著]□;□ソール・K.バドーヴァー編□;□富田虎男訳
方丈記□/□鴨長明[著]□;□市古貞次校注
2.1.5.2C 適用
2.1.5.2D
情報源に表示されていない語句等を,必要とみなした場合は責任表示として補記する。古典等で著者が容易に判明した場合は補記する。日本人は姓もしくは名のみの場合は,表示されていない名もしくは姓を補記する。内部組織名のみ表示されている不完全な団体名は,必要とみなせば上部組織名を補記する。
貿易政策と競争政策□/□[OECD][著]□;□経団連国際経済部訳
源氏物語□/□[紫式部][著]□;□阿部秋生校注
馬琴書翰集成□/□[滝沢]馬琴[著]□;□柴田光彦,神田正行編
京都市の主な出資法人の概要□/□[京都市]総務局総務部行政改革課編
情報源の表示に役割を示す語句がない場合,またはタイトルと責任表示に記録した個人や団体との関連を明らかにする必要がある場合は,これを補記する。
風景□/□土門拳[撮影]□;□菅野梅三郎編
2.1.5.2E
識別上必要でないとき,次のものは省略する。
ア) | 学位,役職名等の肩書,所属団体名やそのイニシアル,郷貫,号,字,居住地など | |
丹羽太左衛門著(情報源の表示:農学博士丹羽太左衛門) | ||
イ) | 丸がっこに入っている同格の名称 | |
国立国会図書館(情報源の表示:国立国会図書館(National Diet Library)) | ||
ウ) | 団体名の冒頭に表示されている法人組織等を示す語句。後に付される法人組織等を示す語句は省略しない。 | |
文化財研究所東京文化財研究所 (情報源の表示:独立行政法人文化財研究所東京文化財研究所) |
||
日本図書館協会(情報源の表示:社団法人日本図書館協会) | ||
東芝(情報源の表示:株式会社東芝) | ||
森永製菓株式会社(情報源の表示:森永製菓株式会社) | ||
エ) | 団体の創立の動機,趣旨を示す語句 | |
人と防災未来センター(情報源の表示:阪神・淡路大震災記念人と防災未来センター) | ||
オ) | 役所・役場の語句 | |
三鷹市(情報源の表示:三鷹市役所) | ||
ただし,例外として以下のような場合は省略しない。 | ||
ア) | 省略すると名もしくは姓のみとなる場合 | |
ストー夫人 | ||
イ) | 識別のために称号,尊称,敬称などが必要な場合 | |
ファビオラ王妃 サー・トマス・ブラウン |
||
ウ) | 世系 | |
六代目尾上菊五郎 パウロ4世 |
||
エ) | 山号 | |
身延山久遠寺 | ||
オ) | 旧姓 | |
鐙屋(一見)真理子 |
2.1.5.2F
総合タイトルがない図書の場合,著作ごとに責任表示を記録する(2.1.1.2D参照)。
紫式部日記□/□紫式部[著]□;□阿部秋生校註.□和泉式部日記□/□和泉式部[著]□;□阿部秋生校註
(情報源の表示:紫式部日記・和泉式部日記 阿部秋生校註)