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書誌データの基本方針と書誌調整:書誌調整連絡会議

平成21年度書誌調整連絡会議報告

 2009年11月25日(水)、国立国会図書館(東京本館)において「平成21年度書誌調整連絡会議」を開催しました。この会議は、書誌調整に関する情報の共有や意見交換を目的として、関係諸機関と定期的に協議を行うものです。
 今年度は「日本の件名標目表:BSHとNDLSHの連携・その先へ」と題して開催しました。日本では主な件目標目表としてBSH(基本件名標目表)とNDLSH(国立国会図書館件名標目表)の二つが用いられてきましたが、書誌情報が機関の壁を越えて流通する環境下では、両者が連携し、件名標目表の標準化を行うことが欠かせません。今回の会議では、BSH、NDLSHの現状についての報告の後、現在検討中である両者の連携を含めた件名標目表の将来像について議論しました。

<平成21年度書誌調整連絡会議 出席者>

上田 修一 慶應義塾大学文学部教授
粕谷 紳二 株式会社日販図書館サービス図書情報製作部情報製作課長
北  克一 大阪市立大学大学院創造都市研究科教授、日本図書館協会件名標目委員
柴田 正美 帝塚山大学心理福祉学部長・教授、日本図書館協会件名標目委員長
杉本 重雄 筑波大学大学院図書館情報メディア研究科教授
中村 徹 科学技術振興機構文献情報部辞書課長
平田 義郎 国立情報学研究所学術基盤推進部学術コンテンツ課図書館連携チーム係長
松木 暢子 株式会社図書館流通センターデータ事業部データ部長
宮澤 彰 国立情報学研究所情報社会相関研究系教授
渡邉 隆弘 帝塚山学院大学人間科学部情報メディア学科准教授、日本図書館協会件名標目委員
(以上敬称略、五十音順)

(国立国会図書館)
田屋 裕之 収集書誌部長
石川 武敏 収集書誌部副部長
原井 直子 収集書誌部司書監
中村 聖 収集書誌部収集・書誌調整課課長補佐
大柴 忠彦 収集書誌部国内資料課主査

<聴講者>
杉山 誠司 日本福祉大学大学院事務室主幹
高井 君枝 東京都立中央図書館サービス部資料管理課整理係分類主題担当係長
内藤  求 株式会社ナレッジシナジー代表取締役、京都大学地域研究統合情報センター客員准教授
永森 光晴 筑波大学大学院図書館情報メディア研究科講師
藤倉 恵一 文教大学越谷図書館司書
松山 巌 玉川大学教育学部教育学科助教
村上 晴美 大阪市立大学大学院創造都市研究科教授
山本 一治 一橋大学経済研究所事務部統計情報主担当
(以上敬称略、五十音順)

*参加者の所属および肩書きは、すべて会議開催当時のものです。

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【報告(1): 国立国会図書館の方針について】

原井直子(収集書誌部司書監)

 国立国会図書館(NDL)は2008年に「国立国会図書館60周年を迎えるに当たってのビジョン」(通称「長尾ビジョン」)を発表し、これまで以上に積極的なサービスを目指している。このビジョンのうち、書誌データの提供に関係するのは以下の3点である。

  • 利用者が求める情報への迅速で的確なアクセスまたは案内をできるようにします。
  • 利用者がどこにいても、来館者と同様のサービスが受けられるように努めます。
  • 公共図書館をはじめとする国内の各種図書館とより密接な連携・協力を進めます。

 これらの下に、収集書誌部は2008年3月に「国立国会図書館の書誌データの作成・提供の方針(2008)」 [PDF File 55KB]を策定し、サービス向上に努めている。そのうち典拠に関するのは、次の3点である。

  • 書誌データ提供の改善(典拠データの公開とダウンロードの実現)
  • 情報検索の改善(主題データ、検索用語彙の充実)
  • 外部資源の導入及び外部との協力(書誌データ及び典拠データ等を活用した研究への協力と成果の導入、典拠ファイル及び件名標目ファイルの共通化)

 NDLSHに関しては、すでに「PDF版公開」「テキストデータ公開」といった成果をあげてきた。
 現在、NDL全体としては、「NDLおよび他機関が保有する情報の統合的な検索」「利用者を最適な入手手段にナビゲート」「APIを通じてサービスを外部に提供」という3点を目指す「情報探索サービス」を準備している。この中では、書誌サービスは下図の4領域に分けられる。 

図:書誌サービスの4つの領域
書誌サービスの4つの領域

 こうした書誌サービスの改善の下で、NDLSHに関しては、以下の4点を進めていく。

  1. NDLSH自体の改善:作成ルールの明確化と改善
  2. NDLSH運用方法の見直し:マニュアルの改訂と公開
  3. NDLSH提供形式・方法の改善:SKOS化の検討
  4. 件名標目表の共通化・標準化:BSHとの連携・利用機関との連携

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【報告(2): NDLSHの現状】

大柴忠彦(収集書誌部国内資料課主査)

 平成16年度の書誌調整連絡会議で件名標目をテーマとしてから5年が経った。平成16年から開始したNDLSH改訂作業の自己評価を行う。

(1)semantics(意味論):「ことば」とその意味の関係
改訂方針:「豊富な」かつ「明確な」件名標目
結果:語彙が増加し、新語の追加も多い。シソーラス化も完了した。全体として、目標をある程度達成している。今後も語彙の増強を継続する。

(2)syntax(統語論):「ことば」と「ことば」とのつながり方
改訂方針:統制のとれたルールの中で、フレキシブルに細目を結合し、多面的な主題をも表現できるようなものを目指す。
結果:制限を緩和したが、たとえば地名細目の結合に制限があるなど、不十分な点がある。また、細かい部分でのルールの不明確さにより、件名作業の現場で混乱が生じる場合がある。全体として、改善度は十分とはいえない。細目をさらに充実し、結合のルールをより明確にしていく。

(3)pragmatics(語用論):「ことば」とその使用者との関係
改訂方針:NDLSH冊子体の序説の全面的な改訂、及び作業マニュアルの作成・公開により、利用を促進する。
結果:作成・公開は行ったが、不十分なものとなってしまっている。フランス国立図書館が使用しているRAMEAUなどを参考にし、マニュアルの充実に努めていく。

 これらの課題を踏まえた上で、「NDL内での汎用化(NDLSHを付与する資料群の拡大)」「件名標目の共同作成(他館からのリクエストによる件名新設等)」を目指し、不断の改訂作業を行っていく。

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【報告(3): BSHの現状】

柴田正美(日本図書館協会件名標目委員長)

 日本図書館協会件名標目委員会は、BSH(基本件名標目表)の改訂・維持を役割としている。公共図書館等に所蔵されるであろう一般的な資料を念頭に、件名標目や主題から検索するときにどのような言葉が使われるかを考えながら作業を行う。
 1999年7月に刊行したBSH第4版は、標目や参照語など合計10,982項目を挙げている。その後、2003年9月に「第1次追加件名標目案」として398項目を公開し、現在562項目について「第2次追加件名標目案」とすべく精査している。また、2002年10月には機械可読版を発行した。
 今後の課題として、まず「不適切な件名標目」への対処がある。BSHの中には、放送禁止用語や差別語などの点から不適切と指摘される可能性のある語が含まれている。こうした語について、言い換えるべきなのか、いわゆる「言葉狩り」が資料を見えなくしてしまうのではないか、といった視点から考えていく必要がある。
 また、件名標目を図書館界で積極的に使ってもらおうという立場に立つと、個々の図書館の件名標目のあり方が課題になってくる。BSHはそれぞれの図書館が新たに言葉を付け加えてもよいものであるが、BSHそのものの改訂を個々の図書館の件名標目に反映させていくシステムを構築することが求められている。

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【報告(4): BSH-NDLSH連携に向けた検討状況】

中村聖(収集書誌部収集・書誌調整課課長補佐)

 NDLは、BSHとNDLSHの連携に向けて検討をしている。
(1)BSH−NDLSH連携に向けて
 2009年4月に館内にチームを立ち上げ、日本図書館協会件名標目委員会の先生方からもご意見もいただきながら検討を行ってきた。BSHとNDLSHにはいくつかの相違点がある。たとえば標目数が、BSHでは標目・細目・参照・説明つき参照の合計が約11,000件、NDLSHは合計で約47,000件(説明つき参照はない)であるが、BSHのみにある標目も多い。標目数以外にも、標目の列挙方法(NDLSHには階層構造標目表がない)、細目の掲載方法、説明つき参照の有無などに違いがあり、対処していかねばならない。
 連携の具体的な方法については、標目形が異なるものについてはBSHをNDLSHの参照形に入力する、NDLSHにないものは新設する、といった方法をとる。いずれも、BSHであることを明示する。

(2)件名標目表の基本的なあり方
 両者の連携を考える上では、件名標目表の基本を考え直していくことも必要である。採録の方針や範囲、新しい主題にどのように対応していくか、階層構造のあり方、細目の扱い方などを、明確にしていかねばならない。また、件名標目表をデータ作成機関に使ってもらうようにするためには、作業マニュアルや解説書を公開していかねばならないが、どのような形態が使いやすいのか、盛り込むべき事項はなにか、変更をどのように周知していくかなどの課題がある。

(3)NDLSHの課題
 NDLSHについても、「NDLSH自体の改善」「運用方法の改善」「提供形式・方法の改善」「件名標目表の共通化・標準化」といった課題がある。NDLSHの充実、SKOS(Simple Knowledge Organization System)形式によるデータ提供などを行うとともに、利用機関との連携や標目の共同作成といったことを目指していきたい。

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【報告(5): SKOSを活用した件名標目表の提供】

 杉本重雄(筑波大学大学院教授)

 SKOSは、World Wide Web Consortium(W3C)のセマンティックウェブに関する活動の中で作られた、シソーラスや分類体系、件名標目等のための記述の規格である。ウェブ上でシソーラスや分類、件名標目表等の組織的に構成されたボキャブラリの共有や相互利用を進めるのに有効である。図書館は長年にわたってこうしたボキャブラリを蓄積してきており、信頼性も高いが、システムが閉じているために利用されにくい状況にある。SKOS形式で記述することで、より広範囲のコミュニティで活用されるようになるだろう。
 筑波大学ではNDLSHテキストデータをSKOS形式に変換し、それらのビューアとしてHANAVIをウェブ上で公開している。日本語特有の「よみ」をどのように表現するかが問題であったが、世界のどこに行っても使用できるように「transcription」を記述要素として採用している。
 今後は、さまざまなコミュニティが作り上げてきたメタデータやボキャブラリを繋ぐことで、コミュニティ間のデータの相互運用を促進していかねばならない。対象範囲を広げた上で長期の安定的な利用を可能にし、普及を図ることで、図書館の培ってきた知的資産をより広く活用できるようにすることが重要である。

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【コメント】

上田修一(慶應義塾大学教授)

 件名標目表の意義は、図書館目録関係者の間では理解されているだろうが、その必要性を誰にでもうまく説明できるか。NDLSHについても、他の件名標目表、たとえば米国議会図書館件名標目表(LCSH)を翻訳して使えばよい、BSHがある、と指摘された時に、どう答えるか常に考えておく必要がある。
 文献に主題検索用のタグを付与する場合、分類記号よりは言葉のほうが利用されやすく、非統制語彙より統制語彙である件名標目のほうが検索効率がよい。したがって、件名標目表は必要である。そして、NDLSHはBSHよりも語彙は多く、また現代的な用語を用いているという点で優位にある。
 サーチエンジンでは自然語で探すのが普通だが、ウィキペディアの項目名は統制語彙であり、利用者は統制語彙がどのようなものか実感する機会を与えられている。さらに、ウィキペディアの項目名は現在使われている語であり、注目されている語であるから、件名標目表の語彙の情報源として用いてよいのではないか。もちろん文献的根拠は必要である。これほどウィキペディアが使われているのであるから、それとの連携も考えられてよい。ウィキペディアの各項目にNDL-OPACで検索された本のリストが表示されたり、件名標目表ウェブ版の各件名からウィキペディアへのリンクがあれば、件名標目表の理解が高まるのではないか。
 また、件名標目表の運営、管理について、新項目や訂正の提案など、一般の利用者からの意見が反映される仕組みがあるとよい。


【コメント】

宮澤彰(国立情報学研究所教授)

 外部との連携、公開についてNDLが積極的になったことは慶すべきことである。図書館がデータを使うことに関しては、その方向でしか生き残る道はない。今後は、公開だけでなく、イニシアチブをとるなど多方面で外部活動をしていただきたい。
 件名標目表のメンテナンスは、書誌情報の作成・流通という意味での書誌調整とは別の仕事である。件名はFRBRにおけるwork(著作)の属性であり、日々のmanifestation(体現形)の処理と関係なく行われても良い。どういうものを対象に、どういうメンテナンスをしていくかが大切だ。
 BSHに関しては、NDLSHと一緒になり、その中でBSHコミュニティの意見をどのようにメンテナンスに反映させていくか、が問題だろう。その意味でも、今後のNDLSHのメンテナンス体制が最大の問題である。
 その際、カード目録時代の尻尾(細目)は早めに切り離してしまったほうがよい。細目などの構造は、シンタックスの中に取り込んでしまうのが一法である。ただし、そのようなシソーラス構造が唯一の解ではない。シソーラス化するために綺麗にすることに注力するのは如何なものか。
 全国で何人が件名標目の付与作業を行っているかを考えても、緊密な連携をとってメンテナンス体制を組んでいくのがよい。

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【質疑および意見交換】

 報告、コメントのほか、出席者、聴講者による質疑および意見交換が行われました。ここでは、話題となった項目について、発言の概略をまとめて掲載します。

(1)NDLSHとBSHの連携作業について

質問: 細目の違いは、単なる擦り合わせではすまないのではないか。

回答: semanticsレベルの統合が先行しており、その後にsyntax、ルールを検討していく。syntaxレベルの検討は、事前結合方式をどう考えるかということでもある。(NDL)

意見: Googleの世界は事後結合であり、図書館システムも事後結合のほうが楽なようだ。事前結合か事後結合かではなく、件名標目をどう使っていくか、図書館員が利用者に対してどのようなサポート、ガイドをしていくかが問題ではないか。

(2)件名標目表のシソーラス化について

意見: 何のために階層構造を使うか。一つは関連する標目を選択しやすくする、利用者に関連するものを見せるという使い方がある。もう一つは、上位語で検索したら下位語も一緒に検索するような仕組みができる。どちらを主にするかで、シソーラス化への取り組み方も変わってくるだろう。

意見: シソーラス風な記号法を使えばメンテナンスや利用が楽になるのかどうか、システム的にうまい使い方があるかどうか、そのあたりが考えどころだが、ある程度割り切らざるを得ないところもあるだろう。

意見: BT(上位語)、NT(下位語)を付ければ、TT(トップターム)から一番下のNTまでが機械的にできる。その際の副産物として、「孫の孫が祖父」のような乱れが見つかる。LCSHはシソーラス化にあたってクリーニングを行っていないため、そのような乱れが多い。外部に提供するかどうかはともかく、内部的にはTTを持っていないと、クリーニングができず、データの質が良くならない。

意見: TTがあれば、ブラウジングにも便利である。

(3)文献的根拠について

質問: 件名標目の粒度はどうやって決まるのか?

回答: その主題の図書(文献的根拠)が出てきたとき、参考図書等で概念定義ができるかどうかによる。(NDL)

質問: NDLSHは文献的根拠に基づいて新設されてきたため、シソーラスとしてはアンバランスなものだった。今回の報告では、文献的根拠がなくてもBSHからの新設を行うとのことだが、文献的根拠に基づく付与という方針を転換するのか?

回答: 方針転換ではあるが、文献的根拠がなくても新設するという意味ではない。NDLの蔵書には文献的根拠がなくても、BSHで採用することとした判断の結果は根拠となる、ということである。(NDL)

意見: 件名の付与対象資料群を増やせば、文献的根拠も拡大するのではないか。たとえば、ウェブページをも対象にするようになれば、文献的根拠となる事例は見つかることになる。

(4)NDLSHとLCSHとの関係について

質問: NDLSHの参照形としてLCSHとそのIDを記録しているとのことだが、その先の話はあるか。

回答: LCSHはSKOS化しているので、NDLSHがSKOS化すれば一層の連携が可能となる。また、LCとRAMEAUがリンクしているので、NDLSHがLCとリンクすれば、多言語シソーラスの可能性もでてくる。(NDL)

(5)NDLSHの維持管理体制について

質問: NDLSHで標目を新設した場合、過去の書誌データのメンテナンスも行うのか。どのような決定プロセスにより標目は新設されるのか。

回答: メンテナンスは基本的には遡及して行っているが、時期を逸した新設のため対象データが膨大になってしまい遡及訂正を行っていない件名もある(例:インターネット)。最近はすぐに新設するようになったので、メンテナンスの必要性は減ってきた。標目新設は、まず個々の主題作業担当者が提案し、調整チームで検討、精査する。調整チームで了承されたものが担当者に通知され、担当者が標目を新設するという手順である。(NDL)

質問:NDLSHのマニュアル公開時期はいつ頃か? 標目/参照形の判断基準はあるのか。

回答: マニュアルは、2010年6月の公開を目指している。標目/参照形の判断は難しい。参考図書の表記等を参考に個別に判断しており、明確な基準はない。(NDL)

質問: 参考図書のリストを公開してほしい。オンライン辞書も参考情報として使用するのか。

回答: リストは公開する予定である。オンライン辞書もいくつか使っているものがある。(NDL)

(6)件名標目のウェブ上での流通について

質問: NDLSHを公開する時はURI(Uniform Resource Identifier:統一資源識別子)があると共有が進むと思うが、個々の件名標目にURIを付与する予定はあるか?

回答: NDLSHのSKOS化の中でURIについても検討している。できるだけ早く実現していきたい。(NDL)

意見: ウェブ上でのメタデータの流通として考えた場合、信頼できるURIが必要である。NDLを中心とした図書館コミュニティが、今持っているものの上に信頼できるURIを作り上げていくことを期待している。

(7)図書館員の件名への関心について

意見: 図書館の現場では民間MARCの購入、NACSIS-CATを通したMARC利用が一般的である。その中に件名があることは知っているが、どう使うかが分からない。どのような便利さがあるのか、どう使えばよいのかを示してくれるシステムがあれば、図書館でも関心が高まり、使われるようになる。NDL-OPACがその範を示してくれるとよい。

(8)これからの書誌情報に求められるものについて

意見: これから必要なのは、書誌情報に更なる情報や知識を付加していくことである。そういうものを大量に貯めていかないと、情報探索行動の役に立つものにはならない。従来の目録は一定の規則に従って作成された均質で信頼のおけるものではあったが、それでできることは限られている。FRBR化の話にしても、古典籍のようなものには有効だが、90%以上の資料はwork一つmanifestation一つであり、そのようなものにまでFRBR化を行うのはムダである。纏めるべきものは纏める、細かく記述していくべきものは細かくする。一朝一夕にできるものではないが、そういうことを必要に応じて行っていける情報組織化の体制が今後目指すべきものである。今までの目録法は法律、法学モデルによるものだったが、今後は必要な人に対して必要な情報をタイミングよく提供するジャーナリストのような態度が必要である。

意見: 付加情報とすべきものは、利用者のコミュニティによっても異なることも認識しておく必要がある。

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【まとめ】

 田屋裕之(収集書誌部長)

 NDLSHは、これまで図書の世界という文献的根拠の縛りがあり、なかなかシソーラスの世界に飛び込めなかった。一方、図書館資料における図書の位置は徐々に相対化されている。ウェブコンテンツの書誌コントロールを考えた場合に何らかの統制語彙が必要ということになれば、文献的根拠の点で広がりが考えられる。とはいえ、すべての対象コンテンツに手作業で語彙を付与することはできない。ここを何とか越えないと、先がないような気がする。たとえば、自然言語処理と統制語彙を合わせて、図書館のコントロールできる領域を広げていくことも考えられるかもしれない。
 ウェブの世界における大きな情報のうねりの中で、図書館として情報のコントロールをどのように行っていくか、一つのツールとしての統制語彙のあり方について今後も検討を行っていきたい。今回の会議では、件名の存在意義、BSHとNDLSHの連携、インターネット時代における件名の新たな可能性について多くの有意義な議論が交わされた。NDLは、これらの意見を踏まえ、件名の活用を促進する取り組みを行っていく。

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