• 利用案内
  • サービス概要
  • 東京本館
  • 関西館
  • 国際子ども図書館
  • アクセス
  • 複写サービス
  • 登録利用者制度
  • オンラインサービス
  • オンラインサービス一覧
  • 国会関連情報
  • 蔵書検索
  • 電子図書館
  • 調べ方案内
  • 電子展示会

書誌データの基本方針と書誌調整:書誌調整連絡会議

平成18年度書誌調整連絡会議報告

 平成18年11月30日、国立国会図書館(東京本館)において「平成18年度書誌調整連絡会議」を開催しました。この会議は、国内の書誌調整および書誌データの標準化を図ることを目的に、書誌データの作成および提供に関する諸事項について関係諸機関と定期的に協議を行うものです。
 今回は、IFLAソウル大会への参加報告等を交えながら、書誌データおよび書誌調整に関する国立国会図書館(以下「NDL」)および国内外の現状・課題等について意見交換を行いました。

<平成18年度書誌調整連絡会議 出席者>

(関連諸機関)
相原 雪乃 国立情報学研究所
上田 修一 慶應義塾大学文学部教授
鏡 文子 東京都立中央図書館
粕谷 紳二 株式会社日販図書館サービス
金中 利和 日本図書館協会分類委員会委員長
金子 昌嗣 早稲田大学図書館
古賀理恵子 慶應義塾大学メディアセンター本部
柴田 正美 日本図書館協会件名標目委員会委員長、帝塚山大学心理福祉学部学部長・教授
永田 治樹 日本図書館協会目録委員会委員長、筑波大学大学院図書館情報メディア研究科教授
藤田 章子 大阪府立中央図書館
宮澤 彰 国立情報学研究所情報社会相関研究系教授
吉田絵美子 株式会社図書館流通センター
米澤 誠 東北大学附属図書館工学分館
(以上敬称略、五十音順)

(国立国会図書館)
那須 雅熙 書誌部長
安嶋 和代 書誌部司書監
中井万知子 書誌部書誌調整課長
原井 直子 書誌部国内図書課長
中山 正樹 総務部企画課課長補佐(電子情報企画室)

*参加者の所属および肩書きは、すべて会議開催当時のものです。

以下に、主な内容をご紹介します。

【報告(1)国立国会図書館の書誌データの作成・提供―平成18年度の主な動き】

中井万知子(書誌部書誌調整課長)

 NDLの書誌データ作成・提供は順調に推移し、NDL-OPACの収録件数は約1,535万件(平成18年10月末現在)、『日本全国書誌』の収録件数は、平成17年1年間で15万8千件(1号平均3,172件)である。また、JAPAN/MARCについては、平成18年4月から2006フォーマットでの提供を開始し、音楽録音・映像資料を収録範囲に加えた。
 遡及入力については、3か年の計画「遡及計画2002」を平成17年度末に終了した。これを継承するものとして、平成17年12月には「平成18年度以降のデータ遡及計画について」(通称「遡及計画2005」)をとりまとめ、今年度から実施している。その中には雑誌記事索引科学技術編の遡及入力の継続を含む。(詳細は当館ホームページ「書誌データ遡及入力の現況」および『全国書誌通信』No.124 (2006.8.31)を参照。)
  トピックとしては、まず「国立国会図書館件名標目表(以下「NDLSH」)」の改訂作業の終了がある。「をも見よ」参照(相互参照)による件名の関係付け、シソーラスの階層関係の導入、「を見よ」参照の数を増やす等の改訂作業を平成16年1月から開始し、平成18年9月に終了した。NDLSHの付与作業についても、新しい主題への件名標目の新設を積極的に行う等、改善に努めている。
 また、NDLSHはNDLホームページ上にPDFファイルで公開してきたが、平成18年9月からTSV(Tab Separated Value)形式のテキストファイルの提供を実験的に開始した。調査研究目的の利用に限定し、申請を受けてテキストデータファイルを送付しているが、研究内容としてXML化、語彙の構造等の調査、検索システムへの組み込みの検討等が挙げられており、その成果を今後のNDLSHの提供方式等の検討につなげていきたいと考えている。
 もう1つの動きとして、メタデータ基準の検討がある。NDLは電子図書館事業への対応として、ダブリンコアを採用した「国立国会図書館メタデータ記述要素」[PDF File 180 KB]を平成13年3月に公開した。その後、平成16年度に「電子図書館中期計画2004」が策定され、現在は次期電子図書館システムの構築に伴うメタデータの検討を行っている。今年度は、特に「NDLデジタルアーカイブポータル(プロトタイプシステム)」の本格開発と連携し、平成13年のメタデータ記述要素の改訂作業を行ってきた。現在、「国立国会図書館ダブリンコアメタデータ記述要素(以下「DC-NDL」)」の案を作成中であり、今年度中に確定する予定である。
 『日本全国書誌』については、冊子体を刊行するとともに平成14年4月からホームページ版をインターネットで公開しているが、冊子体の刊行は平成19年6月末で終了する予定である。今後周知をしていくことになるが、ご理解をお願いしたい。
 国内外の全般的な状況として、書誌データ、特に図書館目録について、Webの検索エンジンとの対比からその問題点が指摘される等、その提供のあり方、表現の方法が問われている。しかし、書誌データ自体は、構造化されコントロールされたデータとして意義は大きい。図書館において各種情報とサービスを結びつけるために書誌データは不可欠であり、図書館サービスやシステムに対する書誌データからの積極的なアプローチが必要である。

【報告(2)NDLデジタルアーカイブポータルにおけるメタデータ】

中山正樹(総務部企画課課長補佐(電子情報企画室))

 NDLデジタルアーカイブポータル(以下「ポータル」)は、デジタル情報として有用なコンテンツやサービスを案内するポータルサイトで、平成17年度からプロトタイプを一般公開している。
 現在、NDLのコンテンツに加えて、他機関のサイト情報、学術情報、電子化コンテンツ等15種類のデジタルアーカイブを統合検索の対象とし、約580万件のコンテンツが検索可能となっている。検索機能としては、キーワード検索、連想検索、NDCによる検索等がある。また、新着・更新コンテンツのRSS配信やキーワードランキング等も提供している。
 ポータルのコンテンツを統合的に検索するためには、各機関で共通のメタデータ記述要素・通信プロトコルの実装が必要である。メタデータの共通仕様の1つであるダブリンコアについては、各機関のメタデータ交換の際にある程度統制ができるように、ダブリンコアに基づくDC-NDLを拡張して、ndldapという記述要素を定義している。このほか、データプロバイダの実装可能性に応じて、NDL側から最大限のメタデータ項目を含む仕様を提示する、逆に相手機関の仕様を可能な限りポータルで受け入れる等、柔軟な対応をとる方向である。
 今後の取組みとしては、冊子体の書誌データとデジタルコンテンツを関係付けること、デジタルコンテンツと冊子体の目録検索だけではなくレファレンス事例等のナレッジ情報も検索できるようにすること、メタデータの交換のほかWebサービス自体の連携を図ること等が検討課題である。

【報告(3)NACSIS-CAT最近の動向】

相原雪乃(国立情報学研究所開発・事業部コンテンツ課課長補佐)

 NACSIS-CATにおける重複書誌の増加、担当者の目録スキルの低下等、現在課題となっている事項に関して「書誌ユーティリティ課題検討プロジェクト」が設置され、2005年10月に最終報告がまとまった。また、人文社会科学分野の図書、多言語(中国語、韓国・朝鮮語、アラビア語)資料を中心に遡及入力事業を進めている。さらに、次世代NACSIS-CATの検討を開始した。

【報告(4)IFLA第72回年次大会(ソウル)目録・書誌情報関係会議について】

原井直子(書誌部国内図書課長)

 2006年8月20日から24日まで韓国のソウルで開催されたIFLA大会の6つの公開セッションに参加し、UNIMARCセッションにおいて日本語の文字種をJAPAN/MARCのUNIMARCフォーマット版でどのように扱ったかを報告した。欧米では図書館目録に対する危機感が高まっている様子を感じた。全体としては、アジアからの報告も多く、初めてアジア各国の目録専門家が結集した点に意義を感じた。(詳細は『国立国会図書館月報』No.549(2006.12)[PDF File 1.27 MB]を参照。)

【報告(5)第4回国際目録規則に関するIFLA専門家会議(IME ICC 4)】

永田治樹(JLA目録委員会委員長)

 IME ICC 4のねらいは、図書館目録における書誌レコードや典拠レコードに関する標準化を推進するために新たな国際目録原則覚書(以下「ICP」)を作成することである。今回はアラビア語圏を除くアジアの人々があつまり、それぞれの国・地域の状況を紹介するとともに上記の課題を検討した。
 日本のカントリーレポートとして、日本目録規則(以下「NCR」)1965年版以降の展開と、NCRとICPの類似点と相違点について報告した。また、5つのテーマに分かれたワーキンググループにおいては、ICPとそれに伴う用語集案の検討が行われた。アジアからの提案として、用語集の「controlled access point」の明確化や統一タイトルの原則を変更しないこと、GMD(一般資料表示)の継続検討等、最終的に8つまとめ、次の会議のための投票にかけられることとなった。
 これまで世界的にはAACR(英米目録規則)の原則とドイツの原則があり、いわば拮抗していたが、ドイツでもAACRが使われるようになってきたため、CJK(中国、日本、韓国)の目録規則の独自性が際立つようになっている。今後は、CJKとして国際的に意見表明していく必要がある。

宮澤彰(国立情報学研究所教授)

 ICPはFRBR(書誌レコードの機能要件)を元にパリ原則を完全に再構成するものになると期待していたが、そうはなっていない。今回のIME ICC 4の議論においても、目録をめぐって言及される「危機感」とは別に動いている面がある。

【コメント】

上田修一(慶應義塾大学教授)

 書誌コントロールに関係したこの一年のトピックを振り返る。
 まず目録データの公開として、OCLCのWorldCatの無料公開があった。報告書としては、公共図書館については「これからの図書館の在り方検討協力者会議」報告書が、大学図書館に関しては「学術情報基盤の今後の在り方について(報告)」が出されている。
 公共図書館の現状について、地域公共ネットワークの利用状況を見ると、図書館の蔵書検索・予約サービスの利用が最も多い。Webでの予約サービスによって目録へのアクセス数や資料の貸出数が増大し、公共図書館は地域の情報化において先進的な分野となっているが、このことはあまり理解されていないといえる。しかしその一方で、業務の省力化のために導入したはずの民間MARCの購入費用までもが緊縮財政の自治体で問題になっている。
 大学図書館に目を転じると、NACSIS-CATの目録データの品質低下に関して改善策が提案されたが、その中では資格認定制度が、動機付けという点から有望ではないだろうか。
 国外の情勢では、目録の現状と将来に関する米国議会図書館の委託調査の結果であるカルホーン報告[PDF File 176 KB]は、目録衰退、件名不要論を展開し論議を醸している。しかし、よく読むと典拠管理の必要性を指摘する等、目録作成の意義そのものに疑問が呈されているような内容ではない。
 また昨今、現在のOPACは時代遅れとして、Web2.0を意識したOPACの改善提案がなされたりしている。しかし、連想検索機能を持つWebcat Plusよりも従前のWebcatのほうが使われているとのアンケート結果(「Webcat および Webcat Plus のサービスに関するアンケート集計結果」)に見るように、OPACを改善したり、新しい機能を加える方向はさほど支持されていないと言える。
 GoogleはWebを平面的にとらえているが、目録においては各種資料(単行書・逐次刊行物・雑誌記事)や書誌と所蔵について、構造を無視して取り扱うことは難しい。今のところよい対応策が見つかっていない。

【意見交換】

 報告、コメントの後、出席者による意見交換が活発に行われました。ここでは、主に話題となったいくつかの項目について、出席者の発言の概略をまとめて掲載します。

1 NDL報告に対する質疑応答

質問: ポータルのアクセス元はどのようなところが多いか。
回答: GoogleやYahoo!からのアクセスとNDLトップページからのアクセスがほぼ同数。
質問: ポータルではNDCによる検索は何桁までできるのか。また15種類のコンテンツのうちどのコンテンツに付与されているのか。
回答: NDCは3桁を一覧で提示し、その中に属するデータをキーワード検索で絞り込めるようにしている。NDCで検索できるコンテンツは、Dnavi、近代デジタルライブラリー、一橋ディジタルアーカイヴス等、NDCがあるメタデータをハーベストしているデータベースのみ。主題ツールを改善しても、書誌データ自体に付与されていないと検索上で効果が薄い。自動付与等の次のステップが必要と考えている。

質問: NDLSHの改訂について、例示的件名は検索に役立つと思うが、なぜ削除したのか。
回答: 件名標目表の収録基準を見直した。時代区分や地理区分を付与する件名の制限を緩めたので、細目付の件名標目数自体は増えている。
意見: 実際に統計を採ってみると、OPACではキーワード検索の利用が最も多く、件名の利用は少ないので、件名の精度を高めても限界がある。

2 大学図書館から

  • 早稲田大学図書館では、早稲田大学学術情報検索システム(WINE)を拡充し、古典籍総合データベースの画像情報を直接探せるようになっている。またDSpaceでは学内の各種研究活動として、アイヌ語の録音資料等、多様なものを蓄積している。アジアの資料については、中国語、朝鮮語ともOCLCを使用し、OCLCにないものは、オリジナルで作成している。OPACでは、当該言語とローマ字化したものの両方を表示している。
  • 「書誌ユーティリティ課題検討プロジェクト」を受けたNIIの研修改善ワーキンググループでは、(1)eラーニング手法の導入(2)資格認定制度の導入(3)目録再教育のための教材の開発(4)地域ごとでの研修活動といった検討を進めている。個々の大学では目録教育が困難となっているため、eラーニングや複数の大学で連携する講習会が必要と考えている。また、目録のスキルアップを図るには、古典籍の目録作成が効果的であると考える。
  • 検索エンジンとWeb情報資源が主流となりつつあるが、大学の学習・研究では目録と図書館資料が不可欠である。その事実を伝える情報リテラシー教育は、今や大学図書館の重要な活動となっている。学習・研究では、検索エンジンではなく図書館目録が有用であることを、図書館界として再認識するべきである。
  • いかに大学図書館を利用してもらうかが重要な課題。ゼミ単位で同じ主題に興味を持っている学生を集めたり、商用データベース・検索エンジンと目録の違いを説明する等、リテラシー教育をしている。
  • 慶應義塾大学では、次世代にどのようなサービスをしたいかという観点でOPACの改修を検討しているが、例えば、現在は別のデータベースとなっている中国・朝鮮語資料や古い年代の資料等をOPACで検索できるようにしたい。また、NDC300番台と法科大学院所蔵の和資料については、LCSH(米国議会図書館件名標目表)を付与している。


3 公共図書館から

  • 目録のスキルを持った団塊世代の職員が退職する「2007年問題」を控え、スキル継続に苦慮している。
  • 情報学を専攻している学生の実習を受け入れているが、目録・分類について時間をかけて学習していないことが多い。また、職場体験として受け入れている中・高生に目録の成り立ちを説明しながら必要な資料の探し方を説明し、文献を手にするまでを実体験してもらい、コントロールされている目録の有用性を理解してもらっている。
  • 年々人員が削減されていく中、目録作成にかける時間を縮小せざるを得なくなり、和図書については、民間MARCのデータを全面的に利用し、手を加えない方法に変更した。購入したMARCにないものは、資料をMARC作成機関に送ってデータを作成してもらう。オリジナル入力は一部の外国語資料のみに対して行っている。
  • 独自の図書館システムを作る予算はないので、図書館パッケージにより目録の品質が左右される。パッケージメーカーには、意識を強く持って欲しい。例えばこの会議に出席してもらうのも1つの方法だ。


4 民間MARC作成機関から

  • 件名典拠ファイルの再構築作業を行った際、事前結合か事後結合かを検討した。これからは主題検索の時代と考え、キーワードやシソーラスも扱うべきではないかと議論している。図書館に対して、人名典拠ファイル等も提供しているが、図書館によってはシステム上の問題で使いこなせていないことがあるので、図書館システムのパッケージメーカーへ対応を要求していきたい。
  • 公共図書館でデータ作成をした経験では、地方の公共図書館では郷土資料として、チラシやパンフレット、抜き刷り等をかなり集めているが、どこまでデータを作るべきなのか悩ましい。
  • ISBNの13桁化が大きな話題となっている。今のところ実際の資料の中ではわずかしか存在していないが、こうした点への対応1つとってみてもパッケージメーカーとの連携は重要である。
  • 本日の会議の報告にあったさまざまな動向を踏まえ、より確実な書誌情報の提供を目指していきたい。


 最後に、主催者のNDLから、第5回(平成16年度に「件名標目の現状と将来」をテーマとして開催)の当会議でとりあげたNDLSHの改訂が終了したことを今回報告でき、会議での議論を成果に結びつけることができたと謝辞を述べました。さらに、情報環境の著しい変化や財政逼迫という厳しい状況の中で、目録情報のあり方、その機能が問われていることに対して、業務の改善等の方策を模索し活性化するような新たな可能性を見出していきたいと締めくくり、会議を終了しました。

(書誌調整課)

このページの先頭へ