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書誌データの基本方針と書誌調整:書誌調整連絡会議

平成17年度書誌調整連絡会議報告

 平成17年11月17日、国立国会図書館(東京本館)において「平成17年度書誌調整連絡会議」を開催しました。この会議は、書誌データの作成および提供に関する諸事項について関係機関と協議を行い、国内の書誌調整および書誌データの標準化を図ることを目的とするものです。今回は特定のテーマを設けず、書誌データおよび書誌調整について、当館および国内外の現状、課題等を提示し、意見交換を行いました。

<平成17年度書誌調整連絡会議 出席者>

(関連諸機関)
上田 修一 慶應義塾大学文学部教授
岡田智佳子 国立情報学研究所
鏡 文子 東京都立中央図書館
金中 利和 日本図書館協会分類委員会委員長
金子 昌嗣 早稲田大学図書館
柴田 正美 日本図書館協会件名標目委員会委員長、帝塚山大学心理福祉学部教授
永田 治樹 日本図書館協会目録委員会委員長、筑波大学大学院図書館情報メディア研究科教授
早坂 信子 宮城県図書館
宮澤 彰 国立情報学研究所人間・社会情報学研究系教授
百足山昌子 株式会社日販図書館サービス
吉田絵美子 株式会社図書館流通センター
渡邊 隆弘 神戸大学附属図書館
(以上敬称略、五十音順)
(国立国会図書館)
村上 正志 書誌部長
安嶋 和代 書誌部司書監
中井万知子 書誌部書誌調整課長
横山 幸雄 書誌部書誌調整課課長補佐
鈴木 智之 書誌部書誌調整課課長補佐
稲濱みのる 書誌部逐次刊行物課課長補佐

参加者の所属および肩書きは、すべて会議開催当時のものです。

以下に、主な内容をご紹介します。

【報告(1)国立国会図書館(NDL)の書誌データの作成及び提供】

1 全体報告

中井万知子(書誌部書誌調整課長)

 この10年、当館の書誌データの提供は、MARC(機械可読目録)、CD-ROMなどによるデータの頒布から、インターネットによるOPAC(オンライン閲覧目録)での提供へ大きく比重が移ったと言える。平成8年に約10万件でスタートしたインターネットでの書誌検索は、平成14年10月、関西館開館時に公開したNDL-OPACによって、雑誌記事索引データも含めて拡大し、平成16年度末現在で1,394万件が利用可能になっている。その背景にはインターネットとともに進展してきた電子図書館の動向があり、また、関西館、国際子ども図書館開館など当館自体の大きな変化があった。
 機能面では、平成10年から開発された「電子図書館基盤システム」が順次稼働し、各種資料の書誌データ作成・提供がこのシステムで一元的に行われることになった。また、平成14年4月の組織再編により、「書誌部」が発足し、組織面でも書誌に関する業務がかなり集約されることになった。平成16年度には、関西館開館後の館の方向性を明確にするために「国立国会図書館ビジョン2004」が策定され、書誌データの作成・提供についてもサービス基準等を具体的に設定しながら業務に取り組んでいる。
 こうした動きの中で、遡及入力も含めて書誌作成の拡大とその公開に進展をみたことは成果と言える。また、遠隔サービスなど館の新しいサービスにおいて、書誌データの整備がその基盤として目に見えるかたちになったことは大きい。
 一方で、書誌データの共有という観点では、外部機関におけるJAPAN/MARCデータ等の活用が十分行われているとは言えず、外部OPACとの横断検索などシステム間の連携についても優先的な対応ができなかった。電子情報への対応についても、たとえば電子形態に移行した雑誌等の書誌データについて検討が必要であり、デジタルアーカイブへの対応を進めていかなくてはならない。
 書誌データの標準化を進める書誌調整についても、本来的な役割を果たすため、ツール類の共有化など具体的な活動を強めることが課題である。

2 書誌調整をめぐる平成17年度の主な話題

鈴木智之(書誌調整課課長補佐)

[1]目録情報に関わる個人情報の保護への対応

 平成17年4月から、「個人情報の保護に関する法律」を始めとする個人情報保護関連五法が全面施行された。当館では目録情報における個人情報の扱いについての方針をとりまとめた。この方針は、「目録情報と個人情報について」として当館ホームページで公開している。(詳細は当館ホームページおよび『全国書誌通信』 No.122(2005.11.30)を参照)

[2]JAPAN/MARCの改訂

 JAPAN/MARCフォーマットを改訂し、平成18年4月から「JAPAN/MARC2006フォーマット」として提供を開始する。今回は、音楽録音資料および映像資料を新規に収録するための改訂が中心となっている。

[3]ISBN13桁化への対応

 2004年10月、ISBNの国際年次総会において、2007年以降のISBNの規格を10桁から13桁に改訂することが決議された。これを受けて、書誌データ作成における対応方針を策定中である。また、NDL-OPACの検索機能を改修し、平成19年1月から提供する予定である。

[4]メタデータおよび関連する検討

 現在、当館ではデジタルアーカイブポータルの構築に向けてプロトタイプを開発し、実験を行っている。このプロトタイプのコンテンツに書誌データを加えるにあたって、JAPAN/MARCからダブリンコアベースのメタデータへのマッピングを調整中である。また、典拠データを活用した統制語辞書をポータルに組み込むことを前提に、典拠データのXML化についても検討を開始した。これらと並行して、平成13年3月に策定した「国立国会図書館メタデータ記述要素」[PDF File 180 KB]についても、包括的かつ実用的な見地からの改訂作業を行っているところである。

【報告(2)国内の動向】

1 日本図書館協会(JLA)目録委員会からの報告

永田治樹(JLA目録委員会委員長)

 平成17年8月に『日本目録規則1987年版改訂2版 追加および修正』を刊行。第13章のタイトルを「逐次刊行物」から「継続資料」に改め、対象をウェブサイト等の更新資料に広げた。さらに目録規則改訂に向け、メタデータ基準の進展等に即して設計方針を組み立てているところである。

2 日本図書館協会(JLA)分類委員会からの報告

金中利和(JLA分類委員会委員長)

 日本十進分類法新訂10版刊行に向けた9版改訂の基本方針、作業体制および改訂の具体的なスケジュールを策定し、『図書館雑誌』2004年4月号で提示した。

3 日本図書館協会(JLA)件名標目委員会からの報告

柴田正美(JLA件名標目委員会委員長)

 基本件名標目表第4版の追加標目候補(案)を日本図書館協会のウェブサイトで逐次公表し、関係者に意見を求めている。その結果を集約し、改訂作業を継続していく。

4 NACSIS-CAT(1984~2005)最近の動向

岡田智佳子(国立情報学研究所)

 2000年、目録システムの多言語対応を開始。中国語、韓国・朝鮮語、アラビア語等の入力がNACSIS-CATのデータベース上で可能となった。また、Z39.50ゲートウェイにより海外の書誌ユーティリティと接続し、ユーザーを支援している。

【報告(3)国外の動向】

1 国際図書館連盟(IFLA)目録分科会等の動向

稲濱みのる(逐次刊行物課課長補佐)

 2005年8月13日から19日まで、ノルウェーの首都オスロで第71回IFLA大会が開催され、目録分科会連絡委員として参加した。目録分科会常任委員会は、日本に対して、2006年韓国ソウル大会での発表を期待している。(詳細は『国立国会図書館月報』No.537(2005.12)を参照)

2 韓国国立中央図書館開館60周年記念シンポジウム

横山幸雄(書誌調整課課長補佐)

 2005年10月18日、同図書館において、米国議会図書館目録政策・支援室長ティレット博士と、中国、韓国、日本から各2名(目録規則関係者、全国書誌関係者)の計7名が「21世紀の目録・全国書誌政策」をテーマに発表を行った。(詳細は同図書館ホームページ <http://www.nl.go.kr/symposium/eng/> (2006-3-6現在)を参照)

【コメント】

1 上田修一(慶應義塾大学教授)

[1]典拠管理の現状

 個人情報保護と目録情報については、日本図書館協会目録委員会、国立国会図書館のいずれも個人情報保護法施行に関連して目録作成、特に典拠管理の方針を表明しているが、個人情報保護と目録の結びつきが意外であった。個人情報保護法は、設置主体により適用は異なるので、各種図書館における個人情報への対応の差異が懸念される。
 また、個人情報が問題となる典拠管理自体がどの程度行われているのかが問題である。米国の大学図書館における典拠管理の現状についての調査では、半数の図書館が館内ですべて典拠管理を行っていた。日本で同様の調査を行えば、実施率はかなり低いと思われる。NACSIS-CAT/ILLに関する「書誌ユーティリティ課題検討プロジェクト最終報告」では、総合目録の品質の低下が指摘されており、目録における典拠管理や共同作成における大学図書館の現状が憂慮される。

[2]目録原則の再構築と探索の方策

 現在検討されている「国際目録原則覚書草案(フランクフルト原則)」の中心は目録の枠組みの再構築であるが、探索方法など利用者側の立場を取り入れようとするところに新しい方向性が見られる。
 情報の探索の方策として、ウェブには全体を探すものとしてサーチエンジンがあり、本にはOPAC、雑誌記事にはデータベースといった個別の探索手段があるが、資料全体に対する単一検索システムの可能性は考えられないだろうか。

2 宮澤彰(国立情報学研究所教授)

[1]書誌調整の成功と負の側面

 書誌調整という概念は書誌ユーティリティ、民間MARCが普及したことによって「成功」したものと考えられるが、一方では情報の組織化に携わる人材が減少し、OPACの有効な使い方がわからない図書館員が増えていることなど、負の側面もある。
 典拠コントロールの現状、バーチャル国際典拠ファイルの構築の遅れ、また英語圏を除く国際的な状況を見た場合、必ずしも成功したわけでなく問題を残している。しかし、これらを進めるためには、コストに見合う正当な価値を見出せるかが問題となる。

[2]メタデータと書誌調整

 さらに、メタデータ、ネットワーク情報資源の組織化等で表現される、本を超えた世界で書誌調整が成り立ち得るかが課題である。たとえば、サーチエンジンは大量のメタデータを作成しサービスしているが、データの互換性がなく、メタデータ自体も流通しない。ダブリンコア・イニシアティブのように標準化の動きもあるが、ネットワーク情報資源に関して有効な組織化の手立てについては現在のところ見えていない。

【意見交換】

 報告、コメントの後、出席者による意見交換が活発に行われました。ここでは、主に話題となったいくつかの項目について、出席者の発言の概略をまとめて掲載します。各発言については、NDL、公共図書館等の所属機関の種別を付記します。

1 NDL報告に対する質疑応答

[1]全国書誌

質問: 「日本全国書誌」として、ホームページ版「日本全国書誌」と同様の掲載内容の冊子体を刊行している理由は何か。
回答: 「国立国会図書館法」[PDF File 224 KB]第7条に刊行の規定がある。ホームページ版も刊行にあたると考えるが、当面は冊子体の刊行も継続している(NDL)。
質問: 「日本全国書誌」冊子体の刊行はどのように維持されているか。大学では選書ツールとして配布していたが、ホームページ版では選書しにくいのではないか。
回答: 国立印刷局から刊行している。また、資料の寄贈者にも当館から送付しているので、ある程度の部数は維持している(NDL)。
意見: 大学図書館のスタッフで回覧し、主に非流通本の選書ツールとして利用している(大学図書館)。

[2]総合目録

質問: 国立国会図書館総合目録ネットワークは、平成6年度からの電子図書館実証実験事業(IPAとの共同事業)を事業化したものとの説明があったが、全国の図書館を一まとめにする流れを作るものだったのではないか。その後の流れについて、もう少し説明してほしい。
回答: 実証実験事業では、貴重書画像のデータベース化と総合目録の構築に取り組んだ。現在、総合目録ネットワーク事業は、都道府県立・政令指定都市立図書館51館がデータ提供館となり、全データ数が2,880万件のデータベースに成長した。平成16年度に一部をインターネットでも公開した。大学図書館については、NACSIS-CATが先行して総合目録を構築しており、国立国会図書館の総合目録は公共図書館を対象としている(NDL)。
2 書誌データ作成の現状と課題

[1]新しい取り組み

  • 早稲田大学図書館では、新規プロジェクトを2件動かしている。一つは古典籍のプロジェクトで、江戸期以前の資料のデータ入力を平成17年4月に開始した。書誌レコードから画像データに直接リンクするようになっており、12月に公開する(平成17年12月14日公開)。もう一つはOAI-PMHの一環でMITが提供しているソフトウェア“D Space”によって、学内の教員の成果物(紀要など)のメタデータの提供を、11月から開始するものである(平成17年11月22日公開)(大学図書館)。

[2]図書館システム更新の問題点

  • 公共図書館の書誌・所蔵データは、業務システムを更新するごとに「劣化」する傾向がある。システム更新の際に、データの抽出と再投入を行うが、データの受け渡しが非常に困難になっている。データ移行に必要な仕様を作成する技量が乏しくなっている(公共図書館)。
  • システム更新にあたり、コンピュータ化についてシステム会社と話ができる職員は育っているが、書誌データの構造等の知識がある職員をどの程度維持できるかどうかが不安材料としてある(公共図書館)。

[3]書誌データの作成方法と品質

  • JAPAN/MARCの質は保ちつつ、国立国会図書館と民間セクターとの協力・分担による目録作成の可能性を追求してほしい(大学図書館)。
  • 外部のMARCは、検索上の支障がない限り手を入れずにそのまま使用し、行政資料等MARCデータがないものについて独自に書誌を作成している。その結果、同じデータベースの中に民間MARC、JAPAN/MARC、独自MARCの仕様の書誌データが共存し、同じシリーズでも巻によって書誌データの見え方が異なるなど、データの整合性が保てない状況がある。その調整の必要性に対し、行政側の理解が得られない(公共図書館)。
  • 外部のMARCの活用による業務の効率化というメリットの反面、データを読み取る側である職員の力量の問題が出ている(公共図書館)。
  • ネットワーク時代においてこれまでの目録規則が有効かについて話があったが、現在のネット社会の中では、目録は限られた世界の中だけで使われるのではなく、一般ユーザーや著者が、直接検索し、図書館資料を目にする機会が増えている。公共図書館のご意見を聞き、検索機能等の付加も考慮しながらMARCの改訂を行うことを考えている(民間MARC作成機関)。

[4]典拠管理、標準化の課題

  • 現在のコンピュータ目録では、典拠がなくても7~8割程度検索できる。典拠によって100%にすることは、元々ハードルが高く難しいところである。現在のNACSIS-CATの典拠コントロールのように、オプションという形では、努力に見合った効果が得られていないということではないか。共同分担という形で典拠管理をしていこうとしたことに無理があったと思う。典拠については国立国会図書館との協力が必要ではないか(大学図書館)。
  • 日本図書館協会の各委員会で検討されている目録規則・分類表・件名標目表などの書誌調整のツールは、図書館界の共通財産だと思う。ツールの標準化は、図書館の実務担当者が各地域の資料を整理した経験から出される改善要求と、研究者の方々の示す世界の標準的な動向などの方向性との両者が相まって、有効に行われるのが望ましい。しかし、公共図書館の書誌作成に携わる人間は減少し、ツールを標準化する機能に対する責任を誰が担っていくのか、非常に心配である(公共図書館)。
  • 県内の図書館に対する責任を負っているとの意識をもち、独自の郷土件名標目表や郷土分類表を作成していた。また、独自のCD-ROMを作成し、県内の市町村図書館を対象に郷土資料のMARCをダウンロードしていただいている。典拠ファイルは購入しているが、館で維持しているデータを上書きされると困るため、郷土資料に関しては完全に分けている(公共図書館)。

[5]個人情報への対応

  • 著者の取扱いについては、国立国会図書館と同じような方針を定めており、現在申請中であるプライバシーマークの使用が認定された後、公共図書館等のユーザーに対して発表する予定である。(民間MARC作成機関)。
  • 個人情報保護法の施行により、出版社がナーバスになっているケースが目立つ(民間MARC作成機関)。
  • 国立国会図書館は個人情報保護法の適用対象外だが、国の図書館として個人情報保護に関して明示的な方針を提示する必要があるという考えから、行政機関等の個人情報保護法に準拠した形で方針を練った(NDL)。

 以上、今回の書誌調整連絡会議では、報告および意見交換を通じて、出席者から書誌データに関する状況を出し合うことにより、各種の問題が浮き彫りになりました。最後に、主催者の国立国会図書館から、現状は予想以上に厳しいものがあるが、これからも継続的に協議しながら書誌調整を進めていくとのまとめを行い、会議を終了しました。

(書誌調整課)

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