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コラム:書誌データ探検 日本占領関係資料―生の記録―

NDL書誌情報ニュースレター

NDL書誌情報ニュースレター2013年1号(通号24号)

 政治史料課は、憲政資料室で「憲政資料」「日本占領関係資料」「日系移民関係資料」を提供しており、憲政資料係が憲政資料の、占領期資料係が日本占領関係資料と日系移民関係資料の整理やレファレンスを担当しています。今回は日本占領関係資料の整理について紹介します。

【日本占領関係資料とは】

 おもに第2次世界大戦終了後の連合国による日本占領統治に関する資料で、連合国最高司令官総司令部(GHQ/SCAP)文書琉球列島米国民政府(USCAR)文書、米国国務省文書などがあります。ほとんどが公文書ですが、米国政府高官や軍人個人の日記や書類などもあります。原資料そのものの所蔵は少なく、大半はマイクロフィルム(マイクロフィッシュを含む)で収集しています。米国国立公文書館(NARA)をはじめとした各機関が所蔵している資料を、当館が独自にマイクロフィルム化したものと、市販マイクロフィルムを購入したものがあります。

【書誌データの作り方】

 日本占領関係資料の書誌データの作り方は、これまで本コラムで取り上げてきた資料群とは大きく異なります。日本占領関係資料は、1つの資料のかたまりが大量になることも多く、たとえば、「米国戦略爆撃調査団(USSBS)文書」は781リールにもなります。しかも、「マイクロフィルム1本に含まれている1200コマのうち、たった1コマで文書が完結」という場合もあり、それぞれのフィルムについて1コマずつ確認して書誌を作ることは非常に困難です。

 そのため、原資料を所蔵する機関等で作成した目録をベースに、Excel等でリストを作成し、システムに一括投入して国立国会図書館蔵書検索・申込システム(NDL-OPAC)の「日本占領関係資料検索」画面で検索できるようにしています(一部の資料は、リサーチ・ナビに掲載したPDFファイルや、憲政資料室所蔵の冊子目録でのみ資料を探すことができます)。

【目録は正しい?】

 とはいえ、残念ながら、原資料を所蔵する機関等で作成した目録を完全には信頼することはできません。
 たとえば上記のUSSBS文書の中に「The Effects of Strategic Bombing on Japanese Morale (final report and original draft): Resident interviews, by city (consisting of 150 envelopes)」というシリーズに含まれる「Fukuoka」という資料があります(書誌ID 024058173)。USSBS文書は、米軍が行った戦略爆撃の効果や影響について調査した資料で、この資料は「Fukuoka」でのインタビュー記録です。しかし、九州の福岡市に関するものかと思いきや、福岡市のもの(図1)と千葉県の旧福岡村(現在の東金市、大網白里市)のもの(図2)が混在しているようである、ということがわかりました。

図1 資料「Fukuoka」中の福岡市の部分
図1 資料「Fukuoka」中の福岡市の部分
図2 資料「Fukuoka」中の千葉県旧福岡村の部分
図2 資料「Fukuoka」中の千葉県旧福岡村の部分

OPAC書誌情報画面の画像です。資料「Fukuoka」の参照タイトルを「福岡村(千葉); 福岡」と記録していることを赤丸で示しています。
図3 OPAC書誌情報画面

 USSBS文書は、地域ごとに調査したい方も多いため、参照タイトルとして地名を記録していますが、今回の資料では図3のように「福岡村(千葉); 福岡」と両方を記録しました。その他、日本の地名のローマ字表記がおかしいものや、漢字で「横須賀」と表記してある資料について、原資料所蔵機関が作成した目録では「Yokohama」になっているケースもありました。外国の調査団が日本を調査し、資料を作成し、さらにそれを整理し目録にする困難さが見て取れます。

 日本占領関係資料は、通常の資料に比べて、資料作成の際や原資料所蔵機関等の目録作成の際に間違いが生じていたり、原資料の状況が悪く判読不明なページがある場合もありますが、占領期資料係では、当館で提供している目録が利用者にとってより良いものになるよう、上記のような工夫をして整理・提供しています。

【占領関係資料の今後】

 占領期資料係では、職員がワシントンに駐在し、NARAを中心に米国やその他の国々で日本占領統治に関する資料や日本からの移民に関する資料の収集を行い、資料の充実を図っています。並行して、今後は憲政資料室でマイクロフィルムで提供している資料のデジタル化・インターネット公開も進めていきます。

 また、米国のメリーランド大学が所蔵する、1945-1949年の日本で刊行された出版物の網羅的なコレクションであるプランゲ文庫の収集も大きな事業です。メリーランド大学と当館で協力してマイクロフィルム化・デジタル化を進めており、マイクロフィルムで提供している雑誌・新聞・児童書に加え、2013年3月から一般図書の一部がデジタル化され当館内で利用できるようになりました。当館に所蔵のない資料も多く、貴重なコレクションであり、今後も利用できる資料を増やしていく予定です。

 日本占領関係資料に限らず、憲政資料室で扱う資料には、生々しい「記録」が残されています。「その時代の生々しさ」を伝える資料と利用者を結びつけるよう、占領期資料係では書誌データを作成し提供しています。歴史上注目すべき資料が眠っている可能性もあります。ぜひご活用ください。

 次回は憲政資料の整理についてご紹介します。

(利用者サービス部 政治史料課 占領期資料係)


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NDL書誌情報ニュースレター(年4回刊)

ISSN 1882-0468/ISSN-L 1882-0468
2013年1号(通号24号) 2013年3月28日発行
編集・発行 国立国会図書館収集書誌部
〒100-8924 東京都千代田区永田町1-10-1
E-mail: (ニュースレター編集担当)