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コラム:書誌データ探検 地図資料編 ―地図にしかない書誌事項が、そこにある―

NDL書誌情報ニュースレター

NDL書誌情報ニュースレター2012年4号(通号23号)

 人文課地図係では一枚ものの地図と住宅地図を所管しており、その書誌を作成しています。今回は、地図資料ならではの書誌事項についてご紹介します。文中に登場するMARCのフィールドについては、「JAPAN/MARC MARC21フォーマットマニュアル単行・逐次刊行資料編」[PDF File 2.39MB]をご参照ください。

 以下でご紹介する書誌事項は、すべてNDL-OPACの検索項目としても設定しています。より効率的な資料アクセスのために、ご活用いただければ幸いです。

図1 NDL-OPACでの書誌情報(標準形式、抜粋)

図1 NDL-OPACでの書誌情報(標準形式、抜粋)

図2  NDL-OPACでの書誌情報(MARCタグ形式、抜粋)

図2  NDL-OPACでの書誌情報(MARCタグ形式、抜粋)[1]

地図ならではの書誌事項(1) 縮尺

 あまりに巨大で凹凸だらけの地表を紙幅(あるいは冊子)で表現するために、舞台裏では様々な数値や数式が活躍しています。それら数値や数式の多くはとても難解ですが、「縮尺」ならば多くの方に馴染みがあると思います。縮尺は地図の性質を大きく規定します。たとえば、1:1,000,000の市街図は東京23区が2cm×3cmの枠内に収まってしまいますが、それは使い物になるでしょうか?1:2,500の世界地図はA3判の場合、1億9千万ページを超えてしまいますが、実現可能でしょうか?地図はその目的に応じて、適切な縮尺が設定されています。

 地図資料の書誌には縮尺を記録しています(図1-A)。縮尺を見れば、書誌からでもその地図の性質をある程度把握することができます。書誌には二種類の形式で縮尺を記録しており、255フィールドの$aサブフィールドには1:50000のような比例形式で(図2-B)、034フィールドの$bサブフィールドには1:50000の地図であれば「50000」のように分母の数値のみの形式で記録しています(図2-C)。このうち、検索に使用するのは034フィールドの$bサブフィールドに入力したデータです。NDL-OPACで検索する際には、詳細検索の「縮尺」を選択してください(図3)。

図3 (1:25000の縮尺の地図を検索する場合)

図3 (1:25000の縮尺の地図を検索する場合)

 明治時代の地図には尺貫法による縮尺表示しかない場合もあり、書誌には比例形式ではなく、「二十間一分」などと記録します。また、外国の地図の中には1:63360などの、一見、中途半端な縮尺で描かれたものがあります。これはヤード・ポンド法に基づく縮尺です(1マイルを1インチに縮小すると、縮尺は1:63360となります)。

地図ならではの書誌事項(2) 図法

 球体である地表の形状を、平面の地図で表現する技術が投影法です。投影法には様々な種類があり、個々の投影法は「~図法」と呼ばれます。有名な図法としては「メルカトル図法」があります。地図資料の書誌では図法も記録しています(図1-D)。

 図法も地図の性質に関わる重要な要素です。球体を完璧に平面に写すことは不可能なので、どの図法でも必ず何らかの歪みが生じます。各図法には長所と短所があり、上述の「メルカトル図法」は子午線との角度が正確に再現されるという長所があるので、海図や地形図などに多用されています。その反面、方位を正確に示しているとは限らず、また緯度によって距離、面積の歪みが大きくなるという短所があります。そのため、ある地点からある地点への最短コースを求める場合には、方位や距離の歪みが大きい「メルカトル図法」より、「正距方位図法」の地図が適しています。このように、目的によっては、特定の図法で描かれた地図を選択する必要があります。

 書誌事項としての図法は、その地図に表示される形を255フィールドの$bサブフィールドに(図2-E)、その図法のコード値を008フィールドに記録しています(図2-F)。コード値は検索時に活躍します。同じ図法でも資料によって表記が異なる場合があるため、そのまま検索キーにすると検索の精度が低下してしまいます。コード値を用いれば、様々な表記をされた図法も一度に検索することができます。図法で検索する際には、詳細検索で「投影図法コード」を選択し、「各種番号・コード」をクリックして、NDL-OPACヘルプのコード表の「投影図法コード」からご希望の図法のコード値を入力してください(図4)。

図4 例の「ae」は正距方位図法の投影図法コード

図4 例の「ae」は正距方位図法の投影図法コード

 ちなみに、国連旗の世界地図は北極を中心とした正距方位図法で描かれています。この図法の特性により、北極から遠い南半球の大陸は形状が歪んでしまっています。

地図ならではの書誌事項(3) 地図各種番号

 図書の世界では一般的な標準番号であるISBNやISSNですが、日本の地形図や海図には付与されていません。その代わり、地形図や海図には独自の番号体系があり、それらを書誌に記録しています(図1-Gは国内海図番号および国際海図番号の例)。また、住宅地図については地方公共団体コードを書誌に記録しています。

 これらの地図特有の標準番号は、098フィールドに記録します。これはJAPAN/MARC MARC21フォーマット独自のフィールドです。記録する標準番号はUTM区画番号(国土地理院発行地形図の番号)、地方公共団体コード、国内海図番号、国際海図番号の4種です(図2-H)。これらの番号で検索する際には、詳細検索で「各種番号類」あるいは「海図番号」を選択してください(図5)。

図5 上段はUTM区画番号で、下段は海図番号で検索する場合

図5 上段はUTM区画番号で、下段は海図番号で検索する場合

おわりに

 以上、縮尺や図法など、地図ならではの書誌事項と検索方法についてご紹介しましたが、これらは紙の地図の世界での話です。今やGoogleマップなどのデジタルデータの地図が普及しています。デジタルの地図では縮尺を自在に変更できますし、高度な製品では図法の切替えも可能です。縮尺の項で述べた「1:2,500の世界地図」も十分実現可能です。紙メディアの限界から開放され、もはや地図ではなく「地理情報」と呼ぶべき資料に対して、いかに資料アクセスを向上させるのか?書誌作成も発想の転換を迫られるかもしれません。

(利用者サービス部 人文課 地図係)

[1]図2の画面例ではサブフィールド開始文字「$」を「|」で表示しています。


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NDL書誌情報ニュースレター(年4回刊)

ISSN 1882-0468/ISSN-L 1882-0468
2012年4号(通号23号) 2012年12月25日発行
編集・発行 国立国会図書館収集書誌部
〒100-8924 東京都千代田区永田町1-10-1
E-mail: (ニュースレター編集担当)